第14話 強欲な白人 Wasichu
脚本/Rene Balcer、Diana Son
監督/Christopher Swartout
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【ストーリー】
妻・ポーラは夫に対して今日は遅くなると告げると、夫の
ジェイもまた僕も遅くなるという。メイドのノーマがやって
くると二人共車に乗って職場に行く。
ロビイストのジェイは下院議員のピーター・ベリンガムに対して
エビアン市の市民団体から説明が有ると語る。パリへ行くのか
というピーターに対してそこから電車で移動して欲しいとし、
議員の賛同で歴史的な過ちを正せる事を語る。パリでバレエ
鑑賞とは妻が喜ぶなというピーターはジェイが気が利くなと
語る。
ポーラは電話を受けてある人物を遭おうとしていた。
ジェイは僕の報酬を含む必要経費だとして、ペコニク先住民・酋長
のジョンソンに請求書を渡す。いずれ何倍もの利益になると
いうジョンソンに対して、正しい未来を開拓出来るなら微々たる
出費だと語る。
ポーラはおとり捜査の為にホテルで男性と接触。
会社には歯医者ということで抜けだしてきたと。時間が無い
ので早く済ませようというと金を受け取る。
ジェイはオフィスに到着したのでこれから”ガーデン”に向かう
と電話し、7時には帰ると妻のポーラに電話する。
ジェイは同僚の同じプロジェクトに関わるコリンに対して、
このポスターは最高の出来たと褒める。そこには”私たちの町”
と書かれたものだった。コリンはこれも最高だとして250万ドル
を受け取ったことに喜ぶ。”ハイタッチ計画”をしていた二人。
ケンドール家にはDHL運送が荷物を届ける。
その様子を迎えに住んでいるジャドは窓から観察していた。
荷物はケンドール家のメイドが受け取る。
“ガーデン”に集まる関係者たち。ジェイはピーターが来ていた
のでそこで一緒にバスケの鑑賞をする。
ポーラは帰宅すると、車のトランクから荷物を下ろし、ハズし
ていた指輪をハメると自宅に戻る。すると自宅に何者かが
いてポーラを無残に殺害する。
被害者はポーラ・ケンドール(31歳)、7時頃帰宅した夫・ジェイ
が遺体を発見したという。彼のシャツは血だらけで有り、夫は
傷はなかったのに現在救急隊が体をチェックしているという。
夫の犯行の可能性や強盗の可能性について尋ねるローガンだが、
痕跡はなく部屋も荒らされては居ないとのこと。
ポーラのものだと思われるバッグからバッジと銃器が見つかった
という。ローガンはそれを見てポーラはシークレットサービス
特別捜査官だという事を知る。
どうやら帰宅したところを襲われたようだというローガン。
バレクは訓練されているハズなのに防御創がないことを指摘。
ローガンはカウチを動かすのを手伝ってくれというと、その下
からは凶器だと思われるゴルフクラブが見つかる。
“一振りで頭に穴(ホール)を開けたのか”とジョークを語るローガン。
指輪には髪の毛が挟まっていることが分かり、彼女本人のもの
だと分かる。ハズしていた指輪を帰宅した際に付けていたのだろう
とし、急にハメた理由は何なのか。彼女の車のトランクを
調べると、とても捜査中に着ていた服とは思えないと語る。
妻の浮気を疑い殺害したのか?とバレクは語る。
そんな中、ジェイを署に連行。
すれ違いざまにポーラの上司だとするポトニー特別捜査官が
現れ、ジェイは何処に居るのかとローガンに問うと室内にいる
と語る。ローガンは彼にポーラの今日の行動を知りたいとする
が捜査上の秘密として話してはもらえなかった。
署でジェイから話を聞く。
証拠品であるジェイの服を回収すると、妻を抱きかかえた際に
血が付着した事を語る。ジェイのアリバイを尋ねると、ガーデン
でバスケ観戦をしていたのだという。自分の仕事はロビイストで
あると語る。接待用の特別室に招待されたので調べれば分かる
だろうと。今朝出かける際に妻から遅くなると聞いたこと。
妻がシークレットサービスだということは近親者しか知らない
事だという。若い美人が男性だけの職場に就いて嫉妬したのでは
ないかとして夫に尋ねるが、それを否定。すぐに911に電話した
のか?と問うと、救命措置をしてから電話したという。繋がらない
のでかけ直したのだという。しかしローガンは11分後に電話した
のは何故かと問うと、彼女の体を手放せなかったのだという。
ローガンもバレクもどうしてもその11分が気になる。
ディーキンスがやってくると、私の部下がシークレットサービス
をコケにしたとして苦情が来たぞとローガンに告げ、他人と
仲良くしろと言っただろうと語る。
パトニーが署にやってくると、仕事内容は言えないという。
しかしディーキンスは捜査に必要な内容ならば話すことを許可
されているハズだと語る。車にはデート用の服が有り、指輪を
ハズしていた理由は何かと問い、それも仕事なのかと問う。
それとも安っぽい昼の情事なのか。
パトニーはカード詐欺事件のおとり捜査をしていて、容疑者とホテル
で遭っていたのだという。彼女はカード会社の社員役をして
50万件のカード情報を売ったのだという。ケンドール家の夫婦仲に
関しては良かったハズだとパトニーは語る。ポーラは情報提供者
に遭うと言っていたとし、20歳代の女性だという。単独行動を
していたのでその辺は分からないとのこと。今後は互いのために
も情報交換をしようと呼びかける。
3月7日(火)・ジェイ&ポーラ・ケンドール家
改めて室内を調べに行く。夫のものばかりが散乱していて、ポーラ
のものの中にスケジュール帳が有った。そこには情報提供者・アマ
ンダの名前が書かれていることがわかる。
また荷物が届いていることが分かり、住所は合っているが
宛名はジョセフ・ドワイヤーと書かれているという。中身は印刷物
と書かれているが、開けてみると室内菜園用の植物育成灯だと分か
る。室内菜園と言えば、昔は”アレ”しかなかったと語る。
ジョセフについて調べるバレクは、近所に住んでいる72歳の男性で
二ヶ月前から入院しているという。ガーデニングの趣味はないとのこと。
彼のカードでこの通りの6軒にばかり植物育成灯が届いている
という。届いていない例外なのは三輪車の家とスケボーの置いて有る
二軒だけだという。
ロリック家を尋ねると、父・クレイグと息子のジャドの姿が
有った。ローガンはジャドに対してボランティア活動でもして
いるのかと問う。誤配達されたものを引き取りに行っている
ことを指摘するバレク。父はまたマリファナでも育てようとして
いたのかとし、息子のことをパンク野郎!と激怒。昨日ケンドール
家に荷物が届くのを窓から見ていたのだろうとし、ポーラの
姿も見たのかと問う。彼女はシークレットサービスをしていること
を語ると、ジャドは彼女には指一本触れていないと告げる。
彼女が殺される所を見たのだとし、ベルを鳴らそうとしたら
中から物音が聞こえたのだという。窓から覗くと男が彼女を
殴って血しぶきが飛び散っていたという。ガス会社の制服みたい
なものを着ていたが顔は見ていないという。ポーラは帰宅すると
ガレージに車を止めて、トランクを開けてバッグから取り出した
指輪をハメて家の中に入ったという。顔を見られたと思い、
恐くなって逃げたと語る。しかし7時に帰宅したとなると暗く
て指輪をハメるところなど見える筈は無いというローガン。
しかしジャドは彼女が帰宅したのは5時前で、外は明るかった
ことを語る。帰宅予定よりも2時間以上早く、情報提供者が
現れずに早めに帰ったのかと疑う。侵入者にとってはそんな
帰宅の速さが予想外だったのかも知れないとし、犯人の目的は彼女
の命ではないのだろうとロバートは語る。
ポーラの追悼会を行われる。
政治学クラスの教授・マーフィーが追悼のコメントを述べる。
ジェイには一人ずつお悔やみの声をかけていく。
パトニー、ジョンソン、コリン、ピーターだった。
ジェイのクライアント。
「ハートソン研究」「GE(Glen Eagle)湾を守る会」「公正な社会
の同盟」
3月9日(木)・サウスエンド食堂
ペコニク先住民保留地が近くに有るレストラン。
ウェイトレス・シーラ。酋長ジョンソン、ジェイと来ていた。
白身オムレツ。カジノ計画中。
ハンプトンにカジノ根回し中。
GEホールでビンゴ大会のチラシ。GE=ペコニク族だ。
カジノ建設のロビー活動。
カジノ建設は反感者は多い。
「カジノ業界のライバル」「コネチカットのモヒカン族」「アトラン
ティック・シティのトランプ」「市内にはマスッチ」
ハンプトン歴史遺産協会は反対派だが、ミロクニーから5万ドルの寄付。
マスッチのNO.2、カルテニャの弁護士。
3月10日(金)・ハンプトン歴史遺産協会
「私たちの町、尊い未来を賭けないで」のチラシ。
マフィアから協会は献金を受けて居ると指摘。チラシ代の請求先
は「公正な社会の同盟」。
“ハイタッチ作戦”は危険だと、ピーター。
我々は暫く距離を置いた方が良い。
ジェイのカードの明細にはベリンガム議員の旅費を払っている。
オフィスに血の付いたノートパソコン。
駐車係はジェイは深夜24時に来て重そうな荷物を抱えていたと。
夜中にシュレッダーをかけ裁断していた。
裁断したCD-R・・・ミレニアム研究センターと書かれていた。
ネットではミレニアム研究センターは国際的シンクタンク(頭脳集団)
と書かれていた。
3月13日(月)・ミレニアム研究センター
ファーガスとタルボットが勤務。しかし実際に会社は”海の家”。
店が強盗に襲われた。
パトニーからポーラの直通電話にアマンダの電話番号が有ったと。
3月15日(水)・ベリンガムのオフィス
3月17日(金)・カーバーのオフィス
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円満な夫婦関係を築いていたケンドール家の妻・ポーラが
自宅で撲殺されて発見される。発見者は夫だが、911に電話する
までに11分もの空白の時間が有ること。話を聞いていくウチに
ポーラはシークレットサービスの仕事をしていて、カード詐欺
事件を追っていたという。夫のジェイはロビーストの仕事をして
いて、原住民・ペコニク族に与えられた合法的カジノ建設計画
を通す為に、色々と根回ししていたことが分かる。
流れを見るとその為に多額の金が流れていて、その金の流れを
追うと共に、ポーラが殺害された3月3日金曜日の午後5時から7時
のアリバイを調べていく。
ローガン&バレクの物語の中ではなかなか面白かったエピソード。
妻のポーラにしても夫のジェイにしても、複雑で難儀な職業を
仕事に選んでいるということも有って、なかなか一筋縄では
いかないものが有る。
今回のドラマのテーマと言えば、金と信用、信頼関係だったの
だろうか。
利権の問題が絡むとやはり大なり小なり事件は発生する。
金に目をくらんだものたちが、倫理感を失い、当初の信念など
吹き飛んでしまうというのは分かるけど、カジノが建設され
その結果、金に振り回される者達の物語はともかく、建設が
計画の段階で振り回されてしまうという辺りが何とも言えない。
政治家もロビーストも当然信用出来る様な人物ではなく、
嘘と芝居を行う事が仕事であるハズなのに、それを知りつつ
下院議員がロビーストを利用する中で、最後はそのロビースト
によってイニシアチブを奪われてしまうというところが何とも
皮肉な感じだった。
ジェイは反対派からの推進派からも両方から金を受け取り、
そしてその金を議員なり、寄付と称して反対派に金を渡して
既成事実作りをしようとする。自分達がコントロール出来ると
思っている計画にも当然、思わぬ誤算は存在していく。
悲しい事にカードの不正を暴く妻がそのような夫の行動を
把握していなかったことかな。
クレジットカードを巡る様々な問題も明らかになり、キャッシュレス
社会は便利な反面、その金を渡す人、渡される人の間には
一切相手の意図も感情も見えない所で関係が形成されてしまう
ので、騙されてしまう人も多いのだろう。カジノ反対派の協会が
受け取った金が実際には推進派の団体から出ていること。
更にペーパーカンパニーの存在など、有って無いような幽霊会社を
利用して、信頼性を増す為の行動を行っている。
また顧客はカード会社に全ての信用を預けているにもかかわらず、
そこで働く人たちが目先の金に騙された結果、顧客情報を流出させ
て犯罪を犯して信用を落としてしまう。
カードが不正に利用出来るということで、ジャドという青年や
アマンダという若い女性が他人のカードを不正利用していた。
軽い気持ちなんだろうけどね。
ペコニク族はカジノ建設の為にジェイに全てを任せていた。
必要経費と称して湯水の如く彼を信頼して渡していた結果、
結局その金も強欲な下院議員に流れたまま、宙に浮いてしまう格好
となった。
色々とローガンらしさが今回のエピソードの中に盛り込まれていた
と思う。
ジャドが菜園用のライトを購入したということで、すぐにマリファナ
栽培だと気が付いていたし、ジェイのオフィスに有る血痕について
気が付いたのも彼だった。駐車係の男性は元刑事、そして下院議員
に雇われ探偵をしていたブルーノもまた刑事崩れの男性だった。
裁断されたCD-Rを繋げようとする際に、CSU Techの男性から
ローガンは「接着剤と酒で何でもくっつくと思っている」と
指摘していたけど、そんなローガンはジグソーパズル好きなんだ
ということを語っていた。
ミレニアム研究センターに強盗が入る流れに関しても、ガラスが
割れた破片から、強盗に見せかけたものであることを指摘していた。
今回はディーキンスもまた戦力として使えるところが有った。
ミレニアム研究センターが何処に有るのか分からないとした際には
「納税申告には事務所の賃貸を乗せる為に住所を書く」とアドバイス。
利用されている人物は自分が何に荷担しているのかも知らずに
行っているという辺りも、現代の犯罪を反映しているものが有ったね。
後半はどういう繋がりで、互いに協力関係が結ばれたのかの説明
のような流れだったけど、市警とシークレットサービスでさえ
信頼関係がないのに、なかなか異なる信念の持ち主達が協力して
いくことは難しいのね。
「我が国」の定義に関しても、ローガンたちは自分達の土地だと
していたけど、実際にはペコニク先住民を始めとするものたち
の犠牲の下で成り立ったアメリカという土地で、先住民に特権を
許しつつも、現実に金を儲けるのは白人達だという辺りのえぐさ
は有ったのかも知れない。
そしてどの国でも力を持った議員というのは、ロクな人物として
描かれていないことが多いね。
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ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ジェームズ・ディーキンス (Jamey Sheridan) 警部
ロン・カーバー (Courtney B. Vance) 検事
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視局
マイク・ローガン (Chris Noth) 刑事
キャロリン・バレク (Annabella Sciorra) ローガンの相棒刑事
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ジェイ・ケンドール (David Alan Basche) 夫、ロビイスト
ポーラ・ケンドール (Georgia Hatzis) 妻、シークレットサービス
パトニー (Armand Schultz) 特別捜査官
ジョンソン (Tom Jackson) ペコニク先住民・酋長
マーフィー (Bernie McInerney) 教授
テッド・ブルーノ (James Biberi) ベリンガムの探偵、元刑事、犯人
アマンダ・ブリーン (Lauren Bittner) ポーラの情報提供者
ピーター・ベリンガム (Bruce McGill) 下院議員
スティーブン・タルボット (Jonno Roberts) ミレニアム研究センター
ビクター・ファーガソン (Josh Liveright) ミレニアム研究センター
クラウディア・スワン (Amy Wilson) ハンプトン歴史遺産協会・反対派
ジャド・ロリック (Ian McWethy) ケンドール家の隣人、マリファナ
クレイグ・ロリック (Ed Hodson) ジャドの父
ライアン (Garry Pastore)
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