第12話 空から降る死体 Watch
脚本/Rene Balcer、Charlie Rubin
監督/Alex Chapple
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カーラジオを聞いていると突然黒人の娼婦・マーシーが声を掛け
てくる。男性のデュエインに対して、ザ・モンキーズは私の
好きな曲であり、「ジャージーまで乗せてって30ドルで楽しい
時間を」という曲が特に好きだとして誘ってくる。
デュエインのことをデルとシャーラは夕食に誘う。そこには
二人の息子のアートが居てデュエインとは親友だった。
デルの姉が亡くなり、その息子のデュエインとはたまに食事を
取っていた。女っ気のないデュエインに対して。シャーラは
自分の店のボーリング大会が有るので参加しないかと告げ、
そこに女性も来るという。大人しいデュエインだが突然口を
開くと、3人の幸せの顔を見るとあと何年こうしていられるのか
と告げる。デュエインは決して変な意味で言った訳では無い
というが・・乾杯しようというが父・デルは無関心。アートは
別に良いさと告げると、デュエインが乾杯の音頭でワインを飲む。
デュエインはアニメ会社に自分が描いたデザイン画を見せにいく
が、悪くは無いがほのぼの系はウチには向かないという。1955年
ならば受けただろうと。
デュエインは昨日声を掛けられた娼婦が居る場所に行くと、
そこでマーシーとトリーナがケンカしているのを目にする。
その光景を見ると何処かデュエインは満足する。
雑貨店で「冷却パック」「滅菌ガーゼ」などを購入する。
二人のサーファーは波乗りの為に海にやってくる。
すると突然どこからともかく空から遺体が振ってくるのを目に
する。
バレクとローガンは遺体が振ってくる前に飛行機の音が聞こえな
かったかを問う。ローガンは彼らはサーファー耳をしているので
聞こえづらいハズだと語る。遺体を見るとパラシュートもついて
居なかったので飛び降りなのかとするが、機内ではこんなに
コートを着込む物なのかとしてローガンは疑問を投げかける。
ローガンは密航者がやる手で車輪の格納部に隠れて凍らないよ
うに厚着をしていたのかも知れないという。
バレクは遺体が来ているのは「フルベ族の衣装」だという。
西アフリカの留学生が大学にいたという。フルベ族が織る独特
な模様の衣装だという。顔の模様は拳で殴られた痕なのか?と
いうローガン。
エリザベスは遺体を調べる。
拳の痕が3カ所有り、死ぬ前に殴られていること。歯が2本折ら
れていて口の中で出血していること。彼女は拳が傷ついている
ことから殴り返しているという。マニキュア後に爪を切っている
こと。死後硬直は溶け始めているので死後12時間以上経過していた。
西アフリカからは9から10時間で到着するという。離陸前に
死んでいたならば証拠隠しに爪を切り死体を格納した人物が犯人
だろうと語る。バレクは陰唇に何か付いているとしピアスでは
ないかという。フルベ族はイスラム教徒なので性器ピアスは
しないハズだという。文明的な人たちも知るのねとエリザベス。
犯人が警察を騙そうとして民族衣装を着させたのかも知れない
とし、彼女が落下した時間に上空を飛行していた便を調べよう
と語る。
12月6日(火)・ニューヨーク航空管理センター
その時間帯の国際線の到着便は3機、チリとロシアとフランス機
だった。密航者で有れば国際線しか考えられないこと。
貨物便ならばどうか?と問うと、アイスランド行きのスカイホー
クス機がフラップの故障で戻って来ているという。
Hエプロンに機体を駐機させたのかということを知る。
バレクはローガンは関係者とそんなやりとりをしているのを
聞いて飛行機に詳しいのねと尋ねる。すると父と浜辺に行って
飛行機を眺めていたのだという。父は朝鮮戦争でコルセア機を
飛ばしていたのだという。自分も戦闘機乗りになろうとしていた
ことがあると語る。
そんな中、スカイホークス機を調べていた鑑識は、飛行機から
黒人の毛髪と歯が発見されたと語る。
死体は地元の人であり何者かによって撲殺されていたのだという
ローガン。用意周到で特異な手口による犯行からして初犯では
ないだろうとバレクは語る。
過去の事件を調べるとディーキンスに報告を兼ねて語る。
4年前に似たような黒人女性の遺体が発見されていること。遊園地
の乗り物の下に捨てられ、爪が切られて体が現れた撲殺遺体だ
ったという。ディーキンスは犯人は4年間も何処に居たという
のか?と問うと、まさか刑務所なんて言うなよと語る。
ローガンは言おうとしていたことだとしてガッカリ。ディーキンス
はそんな不確定な情報では”上層部”には話せないとし、この事件は
別件で捜査するよう語る。連続殺人犯の手口は徐々に確立されて
いくものだとバレクは愚痴る。
犯人は遺体をアイスランドに運ぼうとしていたこと。他の被害者
たちもきっと海外に送られているのではないかという。
その頃ブラッドリーは、デュエインの家に行くと、朝5時から
憤砂機を使うなとクレームを入れる。デュエインは自分で描いた
絵を機械を使って粉々にしていた。
2002年11月・アテネ空港、2003年7月・サンパウロ、2004年3月
ダブリン、2005年5月・リスボン。各空港で黒人女性の遺体が
発見されているとバレクは語る。それに加えて先週はアイスランド
行きの飛行機で発見されたこと。海に落とすつもりが車輪が出る
のが遅れて陸上に落ちてしまったのだろうと。意図しないアクシ
デントだとし、他にも発見されていない遺体も有るのではないか
という。犯人は世界を遺体のゴミ捨て場にしているとバレク。
そこには「怒りと絶望」を感じる・・。ローガンはインターポール
から被害者の資料が届いたとして、指紋を照会に行ったという。
今回と同様にレイプの痕は無かったが、謎の多い犯人だという。
サンパウロで落下した遺体はその瞬間を目撃していた人物が
いて、JFK発の便だったという。出発前に駐機場にいた人物を
洗うのだとディーキンスは語る。またローガンは照合から帰宅する
と被害者は全員売春婦である事を語る。ダブリン、アテネで落ちた
二人はプロの売春婦でそれぞれ、マンハッタンのシェリルとプロン
クスのルシンダだという。
近所で聞き込みした結果、売春婦仲間のトリーナは被害者の女性
の写真を見てルーシーだと語る。彼女は逮捕されないように凄く
慎重に行動していたので、前科がないとし、子持ちだったこと。
最後に逢ったのは月曜日で、やっと客の車に乗って後ろを見たら
マーシーの所にも車が来ていたという。誰かに見張られている
ようなことはなかったかと問うと、月曜日の昼間に車が駐まって
いて、同じ車が日曜日の夕方にも駐まっていたと語る。
12月8日(木)・JFK航空、港湾局警察事務所
12月12日(日)・デュエイン・ウィンスローのアパート
12月15日(木)・デルとシャーラの家
12月9日(月)・船員組合の事務所
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女性の遺体が突然空から降ってくるのを二人のサーファーが
発見される。黒人女性の遺体は激しく撲殺されていて、何か
民族衣装に包まれていた。アフリカ系アメリカ人だという事も
有って、密航目的で飛行機の車輪格納部に入って来たのか
どうかを探るが、女性には撲殺されたのではないかとする傷跡
と共に反撃したであろう傷跡も存在していた。
死後12時間以上経過した遺体。しかしエリザベスによると
被害者の陰部に性器ピアスがつけられていたこと。被害者が
フルベ族ならば、イスラム教なのでそんなマネはしないだろうと
して死を偽装されたものではないかと疑っていく。
彼女が落ちてきた時間帯に上空を飛んでいた飛行機を調べると
3機の国際便が飛んでいたが、それ以外にも貨物便として
アイスランド行きの便が故障で戻って来ている事を知る。
その機体からは遺体が積み込まれていた証拠が検出される。
今回はローガン&バレクサイドのエピソード。
ディーキンスが何げに髪の毛をセットして、ビシっとなっていた
のが印象的だったことと、冒頭で被害者の黒人娼婦とケンカして
いた恰幅の良い金髪の娼婦役の女性が「ゴシップガール」に
出てくるドロータを演じたZuzanna Szadkowskiだったというところに
驚くものがあるエピソードだった。
ドロータ役の時には髪の毛が黒かったので正直よく分からなかった
のだけど、なんとなくそうなのかと思ってクレジットを見たら
やはりそうなっていたので、ちょっぴり驚いた。
今回のエピソードは、伝染して行った悪意や憎しみの連鎖が事件
へと発展していったものということだろうか。
悲しみは時と共に癒えるとか、悲しみとはいつまで立っても癒えな
いものだと言われる中で、人の感情の中でも最も強烈に脳に
刻まれる怒り・憎しみの要素というのは、果たして消えるもの
なのか。
幼少期には悪げもなく相手のことをイジメてしまう行動を取って
しまう人物が居るのだろうけど、虐められた方としては、そのこと
を何時までも覚えて居る。そういう所が見過ごされがちだけど、
大抵は虐められた方が抑制することで問題はなかったかのように
時は進んでしまうものだ。
不幸なことに父親・デルによって虐待を受けて居たアートが、
デルの姉の息子であるデュエインに対して、その虐待のはけ口を
求めていたことで、デュエインとしてはその後の性格に異常を
来してしまうというものが有ったのだろう。
デュエインはある意味、自分の感情を抑えていて、普段接する姿
はまるで殺人を感じさせないような人物像であり、殺しに関しても
偽装している姿が有ったりして、その辺は生きていく上で身につけ
たものだったのだろうか。
何かと社会的弱者に対してその不満のはけ口を求めるものとは
いえ、この男性が何故黒人の女性・娼婦ばかりを狙ったのかは
よく分からない。スケッチブックにはまるで感情の無いような
キャラクターが描かれ、バレクは「陰気で孤独好きな反権威主義者」
で「女性が苦手」だと分析していた。
「世間に無関心で感情表現が乏しい陰気さ」が有り、とても人を
殺す程の怒りは感じないとしていたけど、何かのスイッチが
入った途端に本性が現れるということを掴んで行く。その為には
共犯者の存在は欠かせないこと。
皮肉だけどデュエインとアートは共に社会不適合者として共生関係
に有る。無二の関係だけど、デュエインの中に殺意を抱かせる
要因として、アートと共に行っていたキャットファイト的女性同士
の戦いをする姿を見ることで、抑制の取れない状況にまで感情が
高ぶってしまうところがあるようだ。
冒頭に出てきたデュエインと後半に出てきたデュエインはまるで
違うような表情を持っていたし、途中から共生関係に於いて
デュエインとアートの関係の中でデュエイン側が主導権を握って
いるであろうことも臭わせていくけれど、出発点の中に暴力的な
支配の関係の構図があると、なかなか同じレベルの関係を築く
というのは難しそうだね。
父親があっさりと地位の為に息子を売る辺りとか凄かったな。
バレクはデュエインのパーソナルスペースに入り込んで、色々と
彼の反応を見ていたけれど、その行動によって何か分かること
が有ったんですかね。
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アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ジェームズ・ディーキンス (Jamey Sheridan) 警部
ロン・カーバー (Courtney B. Vance) 検事
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視局
マイク・ローガン (Chris Noth) 刑事
キャロリン・バレク (Annabella Sciorra) ローガンの相棒刑事
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
デュエイン・ウィンスロー (Brad Renfro) 連邦航空局(FAA)・局員
シャーラ・ゲデンス (Alma Cuervo) アートの母・食料品店経営
デル・ゲデンス (Mike Pniewski) アートの父・高校の校長
アート・ゲデンス (Ethan Embry) 息子、商船の船員
— (Don Sparks) Air Traffic Control Agent
ベン・クロウ (Bill Dawes)
フリスト (Louis Vanaria) JFK空港、スタッフ
ジョン・ゴマード (Ray Fitzgerald)
スコット・ストロール (Zachary Knower) 船員組合事務所
シープ・ブリトリー (Rob Leo Roy) ニューヨーク航空管理センター職員
ジョシュ・ケリー (Sam Breslin Wright)
マーシー (Tia Dionne Hodge) 冒頭で殺される売春婦
トリーナ (Zuzanna Szadkowski) マーシーを目撃した売春婦
ビル (Lucas Papaelias)
ポール (Eron Otcasek)
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