第12話 去り行く者 Blood in the Water
監督/Roger Kumble 脚本/Genevieve Sparling
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マイクは世の中には善悪があるとして、テスに対して不倫は辞
めるという。レイチェルは不倫なんて綺麗に終われないとの
ことだった。ルイスはハーヴィーに対してダニエルに票を
投じたのは私だけじゃないし、最後にはダニエルの解任に賛成
した事を告げるがハーヴィーは許さなかった。ゾーイとハーヴ
ィーは良い感じの関係だったが、彼女の弟が末期がんだという
ことで実家に戻ると言われる。ハーヴィーはマイクの粗相に
対して、今度君を助けるのに綱渡りが必要になったら迷わず解雇
を言い渡すとして心を入れ替えろと語る。
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マイクは朝目覚めると、ハッパを全て処分し新たにまたやり直す
ことを決意する。
ハーヴィーは出社するとドナがエレベーターの出口で出迎えて
いた。ドナはハーヴィーに対して、ピアソン・ハードマンという
事務所はいつ変えるのか?と問うと、ピアソン・ポールセンなん
てどうかと告げる。ドナが待っていた理由は、週末のゾーイと
のデートに関するハーヴィーがどうなったのかを知りたい為
だった。時間通り8時に出勤してきたハーヴィーの事を知り
もしかしてデートはしなかったのかと問うと、アイスでも食べ
ながら話を聞くという。バナナチョコ味のアイスがあるというが・・
ハーヴィーは8時は仕事を始める時間だという。
ドナはトレント・デヴォンが逢いたいとして来ている事を告げると
マイクを呼んでくれという。しかしまだ来ていなかった。出勤
したらすぐに来る様言うのだと語る。
ハーヴィーはトレントに逢う。
第一四半期末には株価は倍になるハズだとしてハーヴィーはトレント
に話すが、彼は今は株式の公開をするタイミングではないのでは
ないかと問う。新しい第16章も施行されるのだろうとするが
ハーヴィーはそれが何の意味か解らなかった。それでもサイトの
価値は下がらないとし、アクセス数は10ヶ月で3倍になっている今
がチャンスだという。ハーヴィーはトレントの反応が鈍いことに
気が付くと、本当に何を気にしているのかと問う。すると彼は
この法律事務所が変わったことを吉にする。今の君は気が散って
いて適切な助言が出来ていないようだとして、この件は考えさせて
欲しいという。
ジェシカはルイスに対してカリロが契約を切ると言ってきている
事を告げ、マズイことになっていると語る。しかしルイスは
ジェシカに対して不審さを感じて居た、私には人を雇うなと言って
採用を取り消させたのに、その直後にあなたはアシスタントを
雇ったということ。ルイスは私の顔に泥を塗る行為だとするが、
ジェシカはこれは決して罰ではないという。カリロの件を引き留める
様告げると、あなたにはリハビリをする必要があるとして、今日が
一日目だという。前に進む為に傷を癒すよう語る。
ハロルドの元に駆け寄るルイスは一体カリロに何をしたのか?
と問い詰める。契約書を作って8時までにレイチェルに渡すよう告げ
少しでもミスをしたら弁護士になるって決めた日のことを後悔させて
やるという。
マイクは遅れて出社する。
マイクはドナに対してノンファット・砂糖なしのモカラテを持って
やってくる。ドナの反応の悪さに何をしたのかと問うと今ならば
何でも許せるという。
ハーヴィーのオフィスにやってくると、マイクに対して一時間の
遅刻だと語る。取引委員会法16章とは何かと問うと、トレントが
それを気にしているのだと語る。マイクは提出書類が増えるだけ
で心配することはないというが、君が居ればそれを説明出来たのだ
という。一体何をしているのかとしてハーヴィーは激怒し心を
入れ替えるのではないのかと告げる。内部闘争が有った話はみんな
が知っていて今は弱い立場だと語る。トレントはオレを捨てようと
しているとし、君はオレの補佐なのだから迷惑をかけず、命令
には従えと怒鳴る。本来ならばクビにしているとし、手を抜くならば
明日にはクビだとして激怒する姿が有った。
そんなハーヴィーの元にドナがやってくる。
あんなに怒鳴るなんて・・とドナはハーヴィーのことを非難し、
ゾーイと何が有ったのかと問う。彼女はニューヨークから出るの
だとし、ガンの弟に変わって姪を育てるのだという。ドナは
気の毒だが「犬に八つ当たりは良くない」と告げる。
マイクはバーで飲んで居るとジミーがばったりやってくる。
マイクは彼に今はやり合う気分ではないとすると、ジミーは
借りがあるので奢るという。しかしオレはこれで奢りをチャラ
にするつもりはないというマイク。何か嫌なことが有ったのかと問う
と、僕もルイスの下に居たから分かるというジミー。しかしマイク
は怒ったのはハーヴィーだと告げるとアソシエイトは何処も大変だな
と語る。しかしジミーはブラットン事務所は待遇がいい事を告げ、
ウチは他のところとは違い個室ももらったという。ジミーはマイク
に本当に借りを返したいとし、今は事務所が事業を拡大しているので、
マイクに来ないかと告げ、ハーヴィーの部下ならば大歓迎される
という。他にも来るというと、ピアソン・パードマンからは
クラークとオーエンズが面接に来たという。
ハーヴィーの元にマイクがやってくる。
ブラットン事務所はアソシエイトだけでなくトレントを引き抜いた
のだろうと告げると、ハーヴィーはアリソンによる仕業なのかと
語る。一時期雇っていたが和解を進めた弁護士だという。ジェシカ
が解任したもので、彼女はダニエルが紹介してきた人物だった。
アリソンに逢うハーヴィーとジェシカ。
これは復讐なのかと問うと、こないだの件は私の助言通り若い出来た
でしょと問う。君の助言通りにしていたらオレは今頃資格を失って
いたとし、和解はダニエルの入れ知恵なのか?と問う。6日前にも
彼に会っていると指摘すると、以前の件も今回の件もダニエルとは
関係がないことだという。ジェシカはトレントの件では妨害行為
として訴えるとし、内部情報を利用したルール違反だという。
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ピアソン・ハードマン法律事務所での内部での争い(ダニエルの
反乱)が一段落したものの、その影響は図り知れないものが有った。
経済不況の最中、ひしめき合う弁護士事務所は生存競争が激し
い状況は続く。ライバルの事務所が弱みを見せた途端に攻勢を強め
て事業を拡大して中で、ブラットン事務所が動きを見せる。
ブラットン事務所は、かつてハーヴィーや弁護士事務所がCM社の件
で訴えられていた際に対立していたダニエルが連れてきた弁護士の
アリソンが所属している法律事務所ということ。その事務所が
次々とピアソン・ハードマンのアソシエイトや優秀な弁護士を
引き抜いていく為に、内部情報を流出させている人物がいるので
はないかとして疑っていく。更に大口のクライアントである
トレントやカリロが経営を切ろうとしていることを知り、なんとか
してその食い止めを図ろうとする。ハーヴィーは私生活でも上手く
行かず、何度となく自分とは意見を対立させているルイスに怒り
をぶつけていくことになるが・・・
ドラマではピアソン・ハードマン事務所の現状を示すと共に、
ハーヴィーとジェシカを中心として彼らから信用を失ったルイスと、
それとは逆に事務所に対して不信感を抱くルイスとの関係がどの
ような形で今後を歩んでいくのが気になる流れとして存在するもの
だった。
ダニエルが押し出された格好の事務所だけど、看板名である
ハードマンの名をいつまで残すのかどうかも気になるものが有るし、
その代替案としてハーヴィーがジェシカと対等な関係になっていく
のか否かということも取り上げられる。何れそのポジションに
付くであろう人物だけど、今がその時期として適当なのかどうか。
名は体を表すとはいうけど、そんな事務所の看板名をみる限り、
今の事務所の状況の曖昧さ加減というのは感じ取れる。
ドラマを見ているとそれそれの弁護士にも役割というか適性が有り
それが提示された格好だった。人にはみんな個性があり、誰一人
として同じ人は居ないとするヒューマンドラマじゃないけど、
ルイスは新人を教育するのに適している人物であり、ジェシカは
経営者としての才覚があること。そしてハーヴィーとかマイクは
どういったポジションの人物に適しているのかどうかということが
問いかけられている感じ。
上限関係に於ける縦の関係と共に助け合う友情に見る横の関係が
興味深い形で描かれており、それらを含めて面白いネットワークが
形成されているところがこういうドラマの面白いところだよね。
マイクはハーバード大ではないのに、すっかりハーバード大ロース
クールに居たとする流れとして組み込まれているのだけど、
それと同時にナチュラルにマイクの経歴に関しては、常に戒めの
形で”ハーバード大”ということに言及される流れが形成されている。
ハーヴィーとルイスの関係はかなり複雑だ。
今までケンカしながらも仕事と私生活のオン・オフが成り立つ関係
で有ったにもかかわらず、その双方の間で信頼関係として成り立つ
ことが無くなってしまったこと。命令された事とはいえルイスが
ハーヴィーに向けた銃口はかなり相手の心を傷つけるものだろうし、
不信感を抱かせてしまうところが有る。ルイスの出世欲とハーヴィー
に対する嫉妬心など複雑な思いが込められての行動だろうけど、
一度相手に芽生えた不信感を容易に払拭するには相当難しい状況として
描かれており、必ず来るであろう同様の状況を考えれば、その忠誠心
を疑いざるを得ないところでドラマが回っている。
ただドラマとして共通する意識があるというところはこのドラマの
中でも唯一希望の持てるところで、ハーヴィーにしてもルイスに
してもこの事務所を「我が家」と認識している流れが有ること。
ジェシカにして見れば、そんな我が家を容易に捨てようとした
ハーヴィーの方にこそ忠誠心を疑うに値するものが有り、弁護士の
窮地に最後まで竹槍を持って戦ってくれそうなのはルイスなのでは
ないかとする思いも有る。
ハーヴィーはまるで事務所の人の名前さえも認識していないし、現状
を把握していないところを見れば、事務所のトップに立つ物として
の資質に欠けている部分もあるし、今回ジェシカがハーヴィーに
対してプレイヤー(ブルズ)時代のマイケル・ジョーダンとチームを
経営することになって以降の成績を比較した辺りは絶妙な例えだっ
たのかも。
ハロルドはそろそろお役ゴメンかなとは思っていたけど、ルイスが
まさか去るのかと思うとちょっと焦るところが有った。
複雑な心情をそれぞれの人物が吐露しているところが有ったね。
「お前はオレを盗聴しCM社の話をダニエルに行った。シニア・パート
ナーになる為に魂を売り、やったのは薬物検査のルール変更。オレの
ことをクビにする為だ。ダニエルの望みでもオレに中を突きつけた
のはお前だ。引き金を引いたのも。マイクがモニカに逢ったのを
ダニエルに密告したのもお前だろう」(Harvey)
「オレとハーヴィーはいつも犬猿の仲じゃなかった。エルマーとバ
ックスとは違う。ラルフ(狼)とサム(牧羊犬)の関係だった。」
「牧草地で働く友達で、いざ始業時間になれば狼は羊を追い、犬は
それを阻止しようと争う。しかし時間外では友達。今のハーヴィー
は違う。同僚に軽蔑されると分かって働けない。」(Louis)
「私がどうしてあなたにリハビリさせようとしたか分かるか?
私も昔、ダニエルに乗せられてたの。自分が特別で優秀に思えた。
でも実際には彼に利用されていた。でも彼は一つだけ正しかった。
あなたへの評価だ。シニア・パートナーに相応しい人物だという事」
(Jessica)
そして「行動には結果が伴う」ということが今回それぞれのキャラク
ターに実感させたというところかな。
マイクが不倫で殴られたけど、マイクが別れた後に殴られたことを
語るけど、レイチェルがマイクに対してどうでも良いと語るように
まさにどうでも良いマイクの不倫ネタって感じだった。
・弁護士・アリソン・ホルト役のDiane Neal
Season 2, Episode 5
Season 2, Episode 12 <–今回ココ
Season 3, Episode 16
・弁護士・ジミー役のPooch Hall
Season 1, Episode 9
Season 2, Episode 12
■使用された曲
・Greenback Boogie by Ima Robot
・End Credits Theme by Christopher Tyng
・Tagalong by Hit Back
・Marathon by Heartless Bastards
■検索用キーワード
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下した大きな決断5つ
・664勝285敗 185勝291敗
・タトゥーはマナティ? サメだよ
・君はハーバード時代ダンカンと連んでいたんだろ。僕は図書館に
入り浸っていたんだ
・ここは戦場だ
・アイツはただのバカ。努力家でいい奴ならば平和部隊に行かせろ。
・協議避止義務
・我が社の事業を拡大させるには検索アルゴリズムにトレントの
プラットフォームを使うのが最適だ「フラッシュ社」のCEOのコメント
マイク・ロス (Patrick J. Adams) 記憶力が天才的
ハーヴィー・スペクター (Gabriel Macht) 弁護士、シニアパートナー
ジェシカ・ピアソン (Gina Torres) 弁護士事務所”ピアソンハードマン”経営
ルイス・リット (Rick Hoffman) 弁護士、ハーヴィーのライバル
レイチェル・ゼイン (Meghan Markle) パラリーガル
ドナ・ポールセン (Sarah Rafferty) 弁護士
ハロルド・ジャコウスキー (Max Topplin) アソシエイト
アリソン・ホルト (Diane Neal) ブラットン事務所・弁護士
ジミー (Pooch Hall) マイクの友人
トレント・デヴォン (Jon Foster) 検索を開発
— (Brett Donahue) Tess’ Husband
ゾーイ () ハーヴィーと良い関係に・・
テス () マイクと不倫
カリロ (クライアント)
クラーク () “ピアソンハードマン”アソシエイト
オーエンズ () “ピアソンハードマン”アソシエイト
マッキニー () “ピアソンハードマン”アソシエイト
クライン () “ピアソンハードマン”アソシエイト