第10話 孤軍奮闘 / 密かな戦い Army of One
脚本/Alfredo Barrios Jr.
監督/Tawnia McKiernan
——————————————————–
*****
マックスは何者かによって銃殺され、マックスを殺したヤツは
マイケルに凶器を押しつけるようにして逃げる。真犯人を追っ
てマイケルと似た人物を追い、ジェイコブにたどり着くが
彼は真犯人ではなく、彼を殺害しようとした爆弾魔を追う。
しかしそんなルシアンもまた爆弾を作っただけで、マイケルは
彼が亡くなる直前にアジトを教える様要求する。クインウッド
の倉庫に行けと言われようやく犯人のアジトを突き止める。
*****
『アジアに踏み込み敵を確保するにはスピードと計画性の
バランスが重要だ。』
サムに見張っていてもらう中、マイケルは倉庫の配電盤やセキュ
リティを調べに中に入る。電気メーカーが動いていることからも
室内にいる事は確実。サムは応援を呼ぼうと言うが、マイケル
は今すぐ室内に突入すべきだと語る。サムは仲間もマシンガンで
撃ち殺す様なヤツだとして危険だというが、死んだと思われて
いるので今ならば不意を突けるのだという。しかしCIAのベテラン
スパイを殺してまんまと逃げ通せている人物に二人で行くのは
得策ではないというサム。しかし応援を呼んでいる間に気が付かれ
て警戒されるという。防犯装置はどうだったのかというサムは
まさか磁石とダクトテープだけで人殺しを締め上げるのか?と
問うと、マイケルは銃は2丁有る事を語る。
『市販の防犯装置は磁気センサーを使った物が殆どだ』
ドアの防犯装置は磁石で接触している間はセンサーは反応しない
のだという。しかしサムは床に敷き詰められていた圧力板による
仕掛けに引っかかってしまう。
室内が燃やされてしまい逃走していく犯人。マイケルは急いで
犯人を追いかけピックアップ車に乗って逃げる相手に銃弾を
発砲するが、残念ながら逃げられてしまう。
フィーは真犯人が顔を見せたのであれば私にも連絡するべきだ
として不満を漏らす。そんなヒマがなかった事を告げると、
フィーは今度のけ者にしたら手当もしないと語る。手がかりは
焼けたPCだけ。データを取り出す事は出来るのか。しかしマイケル
は燃やすからにはそのPCの中には何か重要なものが有るハズだと
感じて居た。サムはPCのプロにアテは有るが険悪な状況だという。
しかもジェシーの仕事を手伝う約束をしているとのこと。急がない
とマズイとし、ピアースと話したらあの倉庫の火事を調べていた
という。なんでそう素早く現場に来ているのか?と疑問に思うが、
マイケルは後でピアースと逢うことになっているという。もしも
の時の為にサムとフィーは自分とは距離を置いた方が良いと語る。
サムはオレの代わりにマイケルがジェシーの仕事を手伝うよう告げ、
オレとフィーがアイツを何とかするという。
倉庫のことを警察とCIAが調べていた。
マイケルは倉庫に行きピアースに逢う。使用されているのはHK91。
今朝ハイアリアで起きた殺人事件の凶器と同じモデルだというピア
ース。マイケルは俺たちの捜査とその事件がどう関係しているのか
と問うと、被害者はルーマニアの戦争犯罪者であり、マックスは
2002年にその地域の任務に就いて敵を作っているのだという。復讐
というには少し時間が経ちすぎている感じもするが有力な手がかりが
ないのだという。マイケルの捜査ファイルを渡して欲しいとし、
ルーマニア人との繋がりを調べたいという。マイケルはオレが
代わりに見ておくと言うが、ピアースは自分が見ると語る。
明日までにファイルを揃えてと言われる。
ジェシーとマイケルは逢う。
ジェシーはサムの穴埋めは嬉しいがこんな時に手伝っていても
大丈夫か?という。CIAら嘘がバレそうになっているのだろうと。
しかしマイケルは何か仕事をしている方が楽だとして手伝う事を
語る。どんな仕事なのかと問うと、企業秘密の件で、依頼人は
億万長者のリチャード・グロンバック。ファストフードチェーン
や大型スーパーのオーナーであり、産業スパイに狙われている
のだという。まずは目的を探らなければならない事を告げ、
盗んだ財務データの仲買人のフリをしてヤツラに接触するのだと
いう。暗号解読できるヤツを知らないかと言われたので、マイケル
にはハッカーの”マット・グラハム”として接触し、グロンバックが
使っている民間の航空会社で落ち合ってヤツラの仕事を手伝って
欲しいという。更に証拠の写真を駐車場から撮る役が必要だという。
ウチの連中だとFBIに見えてしまうので60歳くらいの女性が適性
だと感じてママさんに頼んだことを告げられる。マイケルは
安全なんだなと問うと、それを容認する。
——————————————————–
マイケルとサムはルシアンから亡くなる直前に聞いた倉庫に
爆弾製造を依頼した人物がいるということで、二人だけで
倉庫を訪れる。サムは仲間さえも撃ち殺す非情さと、マックス
ほどのベテランのスパイを殺害した人物だと言う事で危険だと
するが、マイケルはそれでも辞めようとはしなかった。
しかし侵入に気づかれ逃げられてしまう。証拠の品であるパソコン
も焼かれていたが、なんとかその中からでも証拠が出てこないか
としてサムの知り合いであるパソコン解析のプロに依頼しようと
するが、サムとは折り合いが悪い人物だという。
一方マイケルはピアースとの連絡を取りつつ、ジェシーの仕事に
手を貸すことに。元々はサムが引き受けた仕事だったが、
代わりにマイケルが行う。依頼主は億万長者のリチャード・グロ
ンバックで、産業スパイらしき人物に狙われているとのこと。
その人物たちの目的を知る為にも仲買人のフリをして彼らに
接近していくことになる。
いよいよマックスを殺害し、マイケルをハメた人物との対面か
と思わせつつ、マイケルの流れは冒頭の数分と最後の数分間
だけの描かれ方をしていて、少々気を持たせすぎている感じも
する。ただこのシーズンが18話構成であることを考えると、10話
の段階で解決するとも思えないのでこの辺は仕方がない。
相変わらずピアース捜査官は、ルーマニアでの戦争犯罪者がどう
とか語っているけど、これも時間稼ぎ故に、とんでもない方向
を捜査しているということなのか。マイケルが持っている捜査
ファイルと付き合わせて云々とのことだけど、その捜査ファイル
からルーマニアに繋がる証拠が出るとも思えない。ただ殺された
ルシアンが戦友のようなことを口にしていたので、あながち
遠くはないのだろうか。
メインはジェシーが持って来た産業スパイのネタ。
犯人が雇い主であるグロンバックに対して、何の目的で近づいている
のかを突き止めていく。暗号化された財務データが盗まれている状況の
中、マイケルはハッカーの”マット・グラハム”という偽名で接触し、
それを解読することを名目に、グロンバックが利用している
民間の飛行場に行くというものだった。
財務データが盗まれていることなどから連想するに、文系的で
暴力的には害の無い人物が盗んだのかと思わせるし、マイケルは
ハッカーということで、どちらかというと銃撃戦とか、武闘とはほど
遠いところで回るエピソードかに思わせたけど、まさかの人質事件に
発展。
マイケルは如何にして、人質を傷つけずに解放していくのか。
なんと言っても罪作りなのはジェシーがマデリンを巻き込んでしま
ったこと。ドラマを見ていると意外とジェシーってマイケルを
過去の件で恨んでいてハメようとしているのかとか邪推を持って
見ているところも有るけど、マデリンを巻き込むような事はしない
と思うのでそれも杞憂なのかな。
ジャック・マーズリンという架空の人物が空港内にいて、その人物
は元特殊部隊の工作員上がりの整備格納庫社員だということで、
視線を上手く誘導しつつ、マイケルは仲間からの信頼を得ていく
間に人質を逃がそうとする作戦だった。
自分の言っていることが正しいと見せかける為の演出を即興で
用意して、言葉巧みにその辺の駆け引きでイニシアチブを握って
いくところが持ち味っぽいところだけど、その主張も少しずつ苦しい
状況へと追い込まれていくし、流石に少々無理が有るような感じ
がするところも有った。
上手く出来ていたのはやはり時間差を置いて爆発させた車の流れ
と、即席の銃を作ってフラーの足を撃った辺りの最初の仕掛け
だったかな。
飛行機を爆破させて視線を逸らす辺りは相当大がかりだったし、
今回はやたらと架空の人物が爆弾製造に長けているということも
有ってか、爆発ネタが多かった。
残念なところというか、理解出来ないのは、ラストでマイケルが
刺されて重傷なフリをした際に、まさかホルコムが介抱しようとする
ような行動を見せた事と、ラストで犯人グループの検挙に対して、
捜査員と同行する意図は正直無用だったように感じるところか。
スパイは敵を無用に増やさない為にも種明かしをする必要がないと
思う。
マデリンが大活躍していたけど、私がマーズデンよ!と言って
フライパンもとい鉄パイプでウォードを殴る辺りが笑えたな。
とても心強いし、マイケルが味方である事を人質に信じさせる為に
「私の息子だからよ!」と語るシーンなど、よく出来たシーン
だったね。
一方のフィーとサム。
最近どうもマイケルの件で二人共不満たらたらって感じで不本意
な形で手伝わされている感が強いな。
フィーが運転している青のヒュンダイ社製のジェネシスクーペとか
フォーマルは格好良い。ただこのドラマ、ジェシーの車もそう
だったけど壊されることが多いんだよね。
あれだけ目立つ行動を警察にとっても大丈夫なのかって感じがする
し、意外と最近警察に気づかれずに隠密行動を取るということに
関しては杜撰なところがあるので、もうちょっと気を使って欲しい
ね。
サムが助けを求めた人物・ディクソンとは戦友だったのか。
コロンビアのボコタでのミッションが云々と語っていたので、
また「サム・アックス最後のミッション」絡みの人だったけ?と
思ったけど、クレジットを見るとその時の人では無さそう。
しかし今後も登場いるみたいだね。
犯人は取りあえずタヴィアン・コルザだということが判明した
様だ。さてどんな人物なのか。
※ホルコムの仲間・ウォード役のBrian Letscher
最近「スキャンダル」を見ているので何処かで見た顔だと思った
けど、大統領の警護官の一人、トム・ラーソンを演じている人だ。
■使用された曲
・Gramatica by Amy Correa Bell
マイケル・ウェスティン (Jeffrey Donovan) スパイ
フィオナ・グレナン (Gabrielle Anwar) 元・彼女”フィー”、武器商人
サム・アックス (Bruce Campbell) 元相棒
マデリン・ウェスティン (Sharon Gless) マイケル母
ジェシー・ポーター (Coby Bell) 民間の警備員
ピアース (Lauren Stamile) CIA捜査官
ジャック・ディクソン (David Fickas) 元海軍エンジニア
ホルコム (Michael T. Weiss) 計画の首謀者
ウォード (Brian Letscher) ホルコムの仲間、マデリンに殴られる
タヴィアン・コルザ (Andrew Howard) Tavian Korzha
ランデス (Connor Kelly) ホルコムの仲間、マイケルに首を絞められる
フラー (David Mackey) ホルコムの仲間、マイケルに足を撃たれる
ジュディ・エップルビー (Avis-Marie Barnes) 客、精神不安
スタン・ワーナー (Howard Elfman) 空港警備員
— (Thomas Falborn) NTSB Administrator
ケイレブ (Oscar A. Diaz) NTSBの職員
— (Dennis Spain) SWAT Team Leader
アン (Rachel Katz) 人質
— (Liannette Altuve) 人質
— (Julia Shure) 人質
— (Luis Antonio Howard) Pilot
— (Eduardo Perez) Police Detective
— (Christina Rodriguez) Police Detective
— (William Waddell Jr.) 捜査官