第18話 ゲームオーバー Fail Safe
脚本/Matt Nix
監督/Renny Harlin
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【前回までのあらすじ】
それが組織の始まりだった。アンソンは素晴らしいアイディア
だったとし、クビになったスパイを使って正規の機関がタッチ
出来ない任務に就かせること。そしてマイケルの登場だという。
アンソンはマイケルとフィーに対して、彼女が死ぬまで刑務所
で過ごすなんて見たくはないだろうとし、嫌ならば命令に従えと
語る。しかしフィーはマイケルにアンソンはあなたを利用
し続けるとしてアンソンの脅しに乗ることに反対する。アンソン
の計画を探り出して阻止するしかない。そんな中、アンソンが
利用する法律事務所を発見。そこからヴォーンに繋がり彼と
取引すると、アンソンはまた君を首にした組織を復活させよう
としていることを聞かされる。
【ストーリー】
マイケルはヴォーンから聞いたその事実をサムやフィーに語る。
組織の残骸を拾って居たのかとし、CIAに見つからない施設
や財産が有ればてっとり早く立て直せると語る。邪魔をすれば
何をされるか分かっているがそれでも止めなきゃ行けないと
いうフィー。今日こそアンソンと決着をつけるというマイケル。
尻尾を掴んだ途端に逃げられる抜け目のないヤツなので準備
すべきできないというサムだが、だからこそ不意打ちの形で
今アンソンと決着すべきだというマイケル。しかし彼が務めて
いる国防情報局の警備はハンパないというサムに必要ならば
何でもするというマイケル。マイケルはフィーに対して向かいのビル
からライフルでバックアップして欲しいことを語るが、フィー
は私は貴方を守るのではなく、計画を諦めないようであるならば
私が諦めさせるという。脅迫には脅迫だという。
フィーは向かいのビルで狙撃の準備をする。
駐車場のビルの最上階で抵抗したら死んでもらうというフィー。
『スパイの周囲には身分を偽る人間がよく居る。正当な理由で
正体を隠した者も居れば、不当な理由で国家を裏切っているもの
も居る。』
アンソンに接触するマイケルはあんたの計画はここで終わりだ
として彼の首を絞める。オレをクビにした組織を復活させる気なの
だろうとし、今日で終わりだという。オレは本気だとすると、
アンソンは君は過ちを犯そうとしていると言われる。もうそこまで
来ていること。君が手に入れようとしていることだと。
しかし絶対に組織は復活させない事を語ると、アンソンはマイケル
に対して、その組織というのはどんな組織だと問われる。君の
信条に反することをしてる秘密の組織のことなのかと問うと、
それはCIAと一体何処が違うのかと問われる。他の情報組織も
同じだとすると、マイケルはまるで違うという。オレは人生を
壊されたんだと。しかしそれは違うというアンソンは寧ろ人生を
与えたのだという。君はこれまで孤独で家族とも音信不通になり
恋人はアイルランドに置き去り、君の生死さえ知らなかったのだ
という。今の君はどうなのかと問い、満ち足りているのではないか
とし、それを捨てられるのかと言われる。
するとフィーはアンソンのことを狙撃しようとするが、マイケルは
アンソンによって見事口車に乗せられて彼を庇う行動を取る。
自主的に助けたので今日のことは忘れるというアンソン。
しかしマイケルはまだ終わっていないとするが、もうすぐ終わる
というアンソン。
フィーはアンソンを庇ったマイケルにこれ以上ないくらい激高
する。覚悟を決めたと思っていたし、全部終わらせるものだと
思っていたのに何故止めたのと責めるフィー。しかし彼を殺せば
俺たちは負けだというマイケルは他の方法を見つけようという。
フィーは決着を先延ばしにしただけで、ハッピーエンドなんて
ないのだと語る。
そんなケンカの中、サムは怒鳴っていないで作戦を思いついた
ので聞くよう告げる。使えそうなデータが見つかったという。
アンソンは大金で購入したものがタンパにある倉庫にあること。
元民間の軍事会社のものだが、そこに武器と爆薬が備蓄されて
いること。そこにはフィーをハメた時の爆薬があるかもしれず
それを警察に持っていけば容疑が晴れる事を語る。
タンパに行こうとするが、マイケルはこれからピアースと打ち合わせ
だということでタンパにはサムとフィーで行く事になる。
ピアースに逢うマイケル。
そこでピアースから本部から大きな仕事が入ったことを聞かされる。
仕切るのはマイケルだとし、正式にCIAのチームを率いること
になった事を聞かされる。一種の採用試験みたいなもので、
マイケルを適任者だとする人物も多いが、まだ完全に受け入れられて
いないことも事実だという。身柄の拘束が任務であり、
対象者はリード・パーキンス。中東の敵対政府の為にアメリカの
情報提供者をスカウトしている男であり、マイアミで開かれる
安保政策会議に来ることが分かっているという。上は会場での拘束
を避けたがっているので、飛行場でリードが下りた後、会場に
向かう途中で捕まえるのだと語る。マイケルはオレのチームは
何処に居るのかと問うと、下の射撃訓練場にいるので紹介
するとのこと。
チームは、ニック・カーナハン。デルタフォースからの出向中。
レベッカ・ラングとライアン・ビュータボーの2人は精鋭だ
という。ライアンは90年代に何度かマイケルのサポートチーム
で行動を共にしたとして、一緒のチームで働けることに喜び
を伝える。ピアースは作戦決行までは24時間を切っているので
急いで計画を立てるのだと語る。
『閉鎖された建物は悪事に使われることが多い』
タンパのアンソンの持つ武器庫に来ていた。
サムは電力が使用されているかを調べる。フィーは建物の出入り
口のセキュリティを調べていた。アンソンは誰か番人を置いて
いるようだとし、電力の使用具合から分かるという。
フィーは入り口のキーパットが新しいことを語る。
しかしドアは鋼鉄製で守られている中、どのように内部の人物に
話を聞くために接触するのかと問う。話を聞くだけなので
爆薬は使うなと告げ、T4と言えども補完してあったら大変な
ことになるという。フィーは私だってふっとばすだけが脳じゃない
とし、巨大なトラックが必要だとして、サムに調達するのを
要求する。
『人も車も多い都会での極秘任務は痕跡を残さず出来るだけ
騒ぎを起こさないので鉄則だ』
ターゲットの確認と追跡、飛行機が何時到着するか、どの車に
乗るか、そしてどのような道順を辿るのか。それを調べていく
ことになる。
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マイケルは自分をCIAからクビにして人生を壊したアンソンに
よって弱みを握られ、従わざるを得ない状況が続いていた。
なんとかして彼の裏をかこうとして行動を起こす中、アンソン
はかつてマイケルを操っていて現在重警備刑務所にいるヴォーン
と繋がって居たことを知り話を聞くと、アンソンはマイケルたち
が潰した組織の立て直しを図っていて、もうじき組織としての
形態が復活するということだった。これ以上好き勝手はさせられ
ないとして、フィーは自分が狙撃してアンソンを殺すと語るが、
マイケルは別の方法が有るハズだとして、なんとかして上手い
解決法を模索していこうとする。
フィーを無傷のままアンソンとの対決が決着するのか。
アンソンが計画している組織復活を阻止する事が出来るのか。
そしてマイケルがCIAに復帰する事が出来るのか。
「ゲームオーバー」というタイトルからすると、どれかの流れは
確実に流れが止まることを意味している。多分アンソンを追い詰める
ことが出来たとするならば「チェックメイト」というポジティブ
な単語を使いそうだけど、「ゲームオーバー」という響きから
して身内がヤバイことになるのかなと思って視聴していた。
シーズン5はとにかく、冒頭ではこれ以上マイケルが組織に固執
することが無いようにフィーがマイケルに自制心を持ち、落ち着くよう
諭していた印象も有るけど、一時は彼もPTSDっぽい状況だったし、
不安定な流れが有った。フィーは愛情を求めるがマイケルが素っ気ない
態度を見せるという構図はシーズン当初から続いていることとは
いえ、CIA復帰を命題にしているマイケルとしては、仕事と恋人と
の間に挟まれて、辛い状況として描かれている。
シナリオの流れを見ていると、マイケルを出し抜くアンソンの
優秀さは分かるけど、アンソンがそこまでマイケルに対して
強い姿勢に出られたのも、既に組織が再編されようとしているから
だったのね。実はドラマの中でも一番インパクトのある人物が
何らかの裏切りを持ってマイケルたちの動きを制御しているのか
なと思って見ていた。その役目はピアースなのかと思ったのだけど、
実体事態はよく分からないな。
ただ組織の概念に対して、CIAとアンソンが作ろうとしている組織
の何が違うのかと問われる際に、愛国心と言いたいところだろうけど、
現状ではその愛国心の為に組織が汚いことをしている事実も存在
するのでCIAが大義の為に行っていることが、末端のスパイにとっては、
どちらも似たような部分が出てきてしまうところも有るのかなと
思うところも有る。寧ろ少し目をつぶれば、家族や恋人の傍にいる
ことの出来る現状の方が、スパイ個人の人生としては充実してしま
っている事実もあり、この辺は最早プライドとか信念の問題が
左右してくるのかなという感じ。
しかしシーズン5は全体的にワンパターンの連鎖から逃れることが
出来ない流れが有った。
マイアミ以外での活動が任務として加わったりして、マイアミの
枠を越えたところとか、大規模に飛行機を爆破したり、ビルを
破壊したり、建物を爆破するシーンも多かったけど、火薬の量が
多くなるほどにドラマとしては末期的な状況にも思えるところは
有る。
ドラマのワンパターンの構図としてカーチェイスから容疑者を
公道で確保したり止めたりする流れが多かったところも有るし、
多少物足りなさを感じた。
唯一面白さと不安さが上手い案配として加味されたマデリンを
任務の一員として加えた流れが有ったことだろうか。
そしてウェスティン家の過去にも迫る流れが有り、家庭内の事情
に触れることで、よりマイケルの神秘性が剥がれてきたところは
有るのかな。
最後にサムがなんとなく意味深な形で一連の流れを眺めていた感じ
がして、それが気になるな。まさかアンソンに荷担しているとは
思えないけど、ここに来て一気にアンソンに操られている人物が
多数出てきたところが有り、色んな可能性が出てきた気もする。
実はピアースが何らかのキーを握っているかと思ったけど、最後
まで彼女は良い人なのかな。
最後のフィーの手紙は寂しかったね。
今まであんまりマイケルがフィーに対して気持ちを伝えたことは
なかったけど、今回は態度が彼女を思う気持ちとして伝わってくる
ところが有った。
■使用された曲
・
マイケル・ウェスティン (Jeffrey Donovan) スパイ
フィオナ・グレナン (Gabrielle Anwar) 元・彼女”フィー”、武器商人
サム・アックス (Bruce Campbell) 元相棒
マデリン・ウェスティン (Sharon Gless) マイケル母
ジェシー・ポーター (Coby Bell) 民間の警備員
ピアース (Lauren Stamile) CIA捜査官
アンソン・フラートン (Jere Burns) 声・国防情報局勤務の精神科医
レベッカ・ラング (Kristanna Loken) CIA工作員
ライアン・ピュータボー (Dean Cain) CIA工作員
リード・パーキンズ (Eric Roberts) スパイをスカウトする男
ニック・カーナハン (Maxwell Terlecki) CIA工作員、デルタフォースから
トム・ケンドリック (Tony Senzamici) マイアミの捜査官、サムの知人
ジェイク (Luke Albright) アンソンの下僕
— (Rick Yudt) Security Consultant
— (Tolga Kavut) Security Guy
— (Steven Murley) 警察官
— (Christina Rodriguez) 警察官