第2話 まやかし Uh… Oh… Ah…
監督/Lesli Linka Glatter 脚本/Chip Johannessen
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【前回までのあらすじ】
CIA本部が爆破され219人の命が奪われて58日が経過。
キャリーは聴聞会に呼びだされると、自らを守れないCIAが
この国を守れるのかとして問い詰められる。
CIA職員のダールは、キャリーの反抗的な態度も彼女の病状
も都合が良い事を語る。ソールは彼女をスケープゴートには
しないと語る。精神科医のリチャードソンはデイナは一月
で回復した事をジェシカに語る。しかしジェシカはバスタブ
で手首を切った子にしては・・という意味か?と問う。
施設でデイナはレオとの関係を深める。
ライアンはマシッド・ジャバディというイラン系のテロ組織
のリーダーの名前が浮上する中で、ここに調べられた6人は
ジャバディの組織の幹部でCIA本部の爆破事件の実行部隊
だと語る。それを聞いてソールは慎重に体勢を説いて一斉
攻撃への決行を告げる。
朝、キャリーの父・フランクは彼女に電話すると新聞を読んだ
のかと問われる。そこには「CIA諜報員、本部爆破テロ犯と
関係」と書かれていた。その後の聴聞会でもその事をロック
ハートに問い詰めにれる。
ソールも呼びだされて記事に対して説明は有るのかと問われる
と、キャリーは双極性障害であり10年以上上司にも隠していた
事を語り、ブロディとの性的関係も有った事を語る。
【ストーリー】
キャリーはソールの元に駆け込む。
家に居たのはミラだけで、ソールに話が有ると彼女ら伝える。
しかしここには居ないとし早朝会議があるとして出て行ったと
いう。ミラは彼と何が有ったのかと問うと、レストランでのこと
は聞いたという。貴方が凄く怒っていたと。レストランの件は
今回の件に比べたらマシだとし、あのクソ聴聞会での裏切りは最低
最悪だとし、人をさらし者にして頭に来るという。私が来た
ことをソールに伝えて欲しいと告げ、卑劣なことだと語る。
CIA本部には民族衣装を着た女性・ファラがやってくる。
クインはソールに対して収穫はないのかと問うと、資料からも
パソコンからも一切ないという。だから金融分析の専門家を頼んで
いるという。そんな中タイミングよくファラがやってくる。
ソールと話そうとするが、ソールに急用が出来たのでファラの
面倒を頼むとして出て行く。クインはファラにCIAには何時から
勤務しているのかと問うと、今月の頭からだという。たったの
8日しか経っていないのかとして呟く。
ソールはダールに逢う。金融分析のプロだとしているがまるで
子供がスカーフを被っているという。しかしあの人材も全て
テロで失ったこと。彼女は語学も堪能だという。
キャリーが記者に電話したとし、ネタを持ち込んだらしいと語る。
新聞に書かせる気だろうとし、CIAはブロディがテロリストだと
知っていたとか、彼は自爆テロ犯で副大統領たちを殺す気だった
で自分は警告したが無視されたなど話すのだろうと。キャリーの
目的は復讐だとし、マスコミをイチイチ圧力をかけてもキリが
ないという。ダールは想定して準備をしてあるとし、手は打つ
と語る。
キャリーはこの日、記者のニコール・ハンと話をする。
ニコールは会話は全て録音させてもらうとして話合う。
名前、そしてCIAでの勤務期間など聞かれる中、現在起きている
CIA内での確執について尋ねられると、確執どころは私は攻撃
されているのだという。諜報員が爆弾テロ犯と性的関係に有る
とされたが、テロ犯と関係している諜報員など居ないこと。
情報提供者はCIAの人なのでしょとニコールに尋ねると、提供者
のことは話せないという。しかし私もぶっちゃけて話している
事を告げる。CIAは嘘を流して私をハメたのだと告げると、それ
大嘘の隠蔽だという。ブロディはあの爆破の犯人ではないという。
ソールもそのこと知っていることを告げる。聴聞会で彼が言った
ことは全部デタラメであり、誰も私の分析を信じなかったが、
結果として私のことが全て正しかったのだという。そんな中
警察がやってくると、キャリーはまたCIAが手を回したのかと告げる。
警察官は措置入院命令が出ている事を告げると、これは明らかな
陰謀だと語る。
ジェシカはデイナと共にリチャードソン医師の元にカウンセリング
にいく。退院して一週間が経過したがチャレンジ中かと問う。
チャレンジとは外に出ることだとすると、デイナはあれから一歩も
外には出ていない事を語り部屋に籠もっていると告げる。
自分を悪名高いと思っているからなのか?と問うと、パパがCIAを
爆破して200人以上を殺し、第2の9.11とか言われているとし、
一日中人の話題はそればかりだと語る。君のしたこと(自殺未遂)
はどうか?と尋ねると、爆破に比べたら何でも無いことだという。
ジェシカにも同じ質問をするというリチャードソン。今はホッとした
という彼女。デイナはお風呂場をリフォームされたことを不満
だとして告げるが、ジェシカはリフォームした訳では無いという。
血を拭いても取れなかったので自分でタイルを張り替えただけ
だと語る。
ジェシカは木曜日にもまたカウンセリングの予約を入れて
帰ろうとすると、デイナはそこでレオの姿を見て微笑む。
キャリーは警察に連れられて医師のハーランの元に連れて行かれる。
明日の審理に付きそう事を告げると、貴方たちは真実を明かそう
とする人間をイカれマークをつけて監禁するのだとし、見事な
作戦だと皮肉る。私の負けだとして引き下がるのでもう帰らせて
くれというキャリー。ハーランは薬を飲んでいないのでしょと問う
とキャリーは薬を飲む変わりに習慣を変えたのだと語る。ホントに
かかっている主治医に指導してもらっている事を告げ、CIAの息の
かかった偽医者とは違うと語る。毎日10km走っているし、歌を
歌ったり、瞑想したりで代替医療をしていること。薬を飲むことは
出来ないと語り、飲むと頭が鈍るのだという。
ボンヤリとして大事な事を美馬がしてしまうのだという。
集中していなければ取り返しの付かないことになるとし、例えば
CIAの爆破事件のことだという。私はれっきとしたCIA職員であり
記録を見てもらえば分かるとするが、それも抹消されている可能性
が有るという。姉が医者なので話を聞いてくれと語る。
ファラはソールに対してパソコンの口座は残らず洗い、カバンの
書類も調べたがイランとの繋がりはないとし、怪しい口座はない
事を語る。これ以上何をすれば良いのかと問うと、ソールは金を
追うのだという。香港融資銀行を通じてこの男に流れたハズだと
してマジッド・ジャバディというイラン人のことを語る。12月に起きた
爆弾テロに資金提供した人物を捜しているのであり、200人以上
のアメリカ人が殺されたのだとし、やる気のない言い方は決してする
なと語るソール。君のスカーフが死者を冒涜しているように見える
という。何にもないなどと簡単に言うなと告げ計画を出してみろ
と語る。するとファラは計画がある事を告げ、銀行の幹部を呼んで
中東にある3支店からの送金について質問するのだという。知りうる
立場にあるものがニューヨークにいる事を告げると、明日呼びつける
ので君も同席しろというソール。
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CIA本部が爆破された余波は以前としてアメリカ国内では衝撃として
伝わっており、CIAの存続問題にも言及される。組織の形態を
守る為にキャリーはスケープゴートにされそうになるが、
ソールはダールにそんなマネはさせないとしながらも、実際には
キャリーを見捨てるような発言をして、ブロディに全ての罪を
着せようとしていた。キャリーは信用していたソール自身にも
裏切られる格好で、精神的に問題が有るということで事態の収拾
が図られようとしていた。キャリーは反論すればするほどに
彼女の行動は奇っ怪に写り、CIAの罠にハマっていく。
段々とキャリーの流れとブロディ家の流れがシンクロしている
ような状況になっているね。
ブロディの頭がおかしくなってしまったのは、アブ・ナジール自身
に問題が有ったにしても、その根幹を辿ると元々は副大統領や
エスティースを始めとする空爆での誤爆にあること。
ブロディは長い期間、戦地で捕虜としての辛い過去を経験している
けど、アメリカにいてもそんな捕虜に似たような状況に有るキャリー
の姿を描くことで、益々ブロディに共感していくところが有りそうだ。
デイナの気持ちを一番分かるのは実際にはキャリーではなかろう
かという感じも有るし、あんまり向き合いたくはないのだろう
けど、キャリーとブロディ家を一度ぶつけて欲しい感じもする。
共に欠陥品のようにして扱われたことのある者同士としては、
ブロディのことで失っているアイデンティティを取り戻すことに
繋がるような気がする。
デイナが父親の跡を継ぐようにして、赤いマットを使って
ガレージで祈り始めた。家屋はその家族の歴史を物語るものだと
いえ、この家には象徴とする色んな過去が染みついている
気がするね。
キャリーは色々と自分の無罪を証明しようとするが、騒ぐ程に
精神的不安定な人物に思えてくる。正直、キャリーに酷い事を
してソールもCIAも憎たらしい存在だけど、全てを暴露しようと
するキャリーの行動もまた正直あんまり良い行動に思えず、
それを今行う事が本当に自分の為にも国の為になるのかと思う所も
有る。ただそれをソールたちから言われることが憎たらしい
訳だけど(笑)
一度精神疾患があるとされることへの恐怖を感じるところが有り、
やはりこの世の中は、そういう人に対する差別意識が少なからず
存在している様だ。アメリカのようなクスリ社会に於いても
差別意識として存在しているところを見れば日本なんてもって
厳しいところが有りそうだ。
冒頭で議員は自分たちも守れないCIAがどうやって国を守ると
していたけど、アメリカには軍隊だっているし、他にも捜査機関
が有るのだから、CIAばかり責めるなって感じ。
さてシーズン3ではCIAを爆破したしたのが誰なのかということに
なる。アブ・ナジール編は終わり、今後はマジッド・ジャバディ編
になるのか。この流れが本筋なのかどうかはよく分からない
けど、取りあえず暫くはこの捜査が続いていくのかな。
唯一キャリーの味方をしているクイン。
キャリーは一体何のクスリを撃たれたのかって感じでろれつが
回らなくなっていたけど恐すぎるな。薬の瓶にはTHORAZINE(ソラジン)
って書いて有った。
クインが銀行家の男に「我々が求める情報を渡すか、見え透いた
嘘をし続けるのか」と問う流れの中に、キャリーの気持ちも
籠もっているようなセリフだなという感じで、今はクイン様々って
感じになっているね。
■使用された曲
・Sean Callery Feat. Chris TedescoのHomeland Main Title
・Sean Callery Feat. Chris TedescoのHomeland End Title
・Cutoff by Misun
キャリー・マシソン (Claire Danes) CIA
ニコラス・ブロディ (Damian Lewis) 2003年行方不明、軍曹
ピーター・クイン (Rupert Friend) デビッドの部下、CIA職員
ジェシカ・ブロディ (Morena Baccarin) 妻、マイクと不倫
クリス・ブロディ (Jackson Pace) 息子
デイナ・ブロディ (Morgan Saylor) 娘
ミラ・ベレンソン (Sarita Choudhury) ソールの元妻
ソール・ベレンソン (Mandy Patinkin) キャリーの上司
アンドリュー・ロックハート (Tracy Letts) 上院議員
ダール・アダル (F. Murray Abraham) CIA職員
フランク・マシソン (James Rebhorn) キャリーの父
スコット・ライアン (Tim Guinee) CIA職員
レオ・カーラス (Sam Underwood) デイナの彼氏、施設で良い感じに
ファラ・シラジー (Nazanin Boniadi) CIA金融分析
Dr.ハーラン (David Aaron Baker) キャリーを診断
Dr.トロイ・リチャードソン (Gary Wilmes) デイナのカウンセラー
— (Robert Newman) Banker One
— (Fiona Choi) レポーター
— (Adam Vernier) 捜査官
— (Stephen Caudill) Orderly
— (Thomas Elliott) Orderly
— (Fernando Martinez) Security Guard
— (Michael E. Sanders) Special Justice
— (Aaron Farb) 弁護士
— (Robert Haulbrook) Crazy Patient
— (Pete Burris) Bailiff
— (DeAnna Brandon) Psych Ward Patient
— (Brent Gribble) CIA捜査官・テック
— (M.C. Hagerman) 精神科病院・訪問者
— (Candice Kimbrough) 看護師
— (Kathy Walton Pulley) Mental Patient
— (David N. Russell) Banker
— (Brian Patrick Walsh) CIAアナリスト
アブ・ナジール (Navid Negahban)
マジッド・ジャバディ (Shaun Toub)