第9話 再生への道 One Last Thing
監督/Jeffrey Reiner 脚本/Barbara Hall
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【前回までのあらすじ】
ジャバディに対してソールはイランに帰って協力者になって
もらうことを語る。ヒギンズはソールを呼びだすとロックハート
議員から報告が有るという。ロックハートは君がアメリカに居た
ジャバディを手のウチに納めながら逃がした件のことだという。
ソールは話をつけて転向させてイランに送り返した事を語る。
ミラはアランに対してソールとやり直すのであなたとは別れる
事を告げる。しかしアランはソールの自宅に入るとPCのマウス
の中に盗聴器を仕掛ける。キャリーはジャバディが出発前に
CIA爆破事件の情報を置いて行った事を告げる。作戦を決行する
中、彼が死んだらブロディの容疑が晴らせないとして助けよう
とするが、ダールは戻れと指示すると、クインにキャリーを
狙撃する様命じる。左上腕に被弾し、動脈を傷つけたかも知れない
ことを語る。ソールはカラカスに行くとブロディに接触する
が彼はドラッグ中毒で完全に衰弱していた。
【ストーリー】
キャリーは病院で手術しベッドで目覚める。アベリー医師から
ここは海軍病院であることを告げ、撃たれて運ばれたことを
語る。弾は貫通していないが筋肉と組織の損傷を負ったが神経
は無事だと語る。どの位の入院が必要なのかと尋ねると、CIA
の都合次第だろうことを聞かされる。あなたは妊娠13週目だと
いうことを知っているのかと問われ、赤ちゃんは無事だという。
トゥラニ、モダレス、アジジ、バラズは、ブロディのことを
監禁し治療をしていた。輸送中に禁断症状が出たのでウォッカ
を飲ませたというアジジ。ブロディは俺の物を盗んだだろうと
して暴れる中みんなで取り押さえる。
そんな光景を見ながらダールとソールは話合っていた。
ロックハートが長官に就任するまで7日なのに間に合うのかと問うと
これは予想外だという。しかし彼しか居ないのだという。
しかしダールはそれも彼が同意したらだろうことを告げる。トゥラニ
によると酷い状態で貧血に重度の脱水症状が有り、C型感染やHIVの
可能性も有るという。専門の施設に連れて行く必要が有るが、
連れて行く訳にはいかないのだというソール。薬物の禁断症状が
出ていてどんどん酷くなるだろう事を告げる。メタドンが効果的
だとするが、あくまで回復させるのだという。絶対に死なせるな
と語る。バラズはブロディに注射針を取られそうになるが・・
キャリーの病室にはロックハートがやってくる。
気分はどうかと問われ、順調に回復しているらしいが、ドアから
すぐに出られる訳では無いぞという。君たちの結束力の堅さはいつ
もながら驚かされるというロックハートは作戦遂行中にトラブル
が有ったのだろうとし、それでも君たちはまだ私を敵視している
という。CIAがアメリカ国内で非合法の活動が出来ないのは知って
いるだろうとするが、キャリーは鎮痛剤が効いていて何の話か
分からないととぼける。君のファイルには目を通しているという
議員は、君には信用出来る人間が必要だと語る。君の上司はもうすぐ
CIAから去るのだとし、ソールたちは何をしているのかと問う。
彼はカラカスで何をしていたのか?と問うとキャリーは聞かされて
いないことだったのが驚く。議員にも見透かされて初耳かと指摘
される。
キャリーはソールにメールする。ソールはダールにキャリーから
メールが有り気が付かれただろうことを告げる。ロックハートから
私がカラカスに行ったことを聞いたそうだと。議員は何をしに
いったのか分からないがキャリーは気づいているハズだという。
このままで良いというと、病院の見張りを続けてブロディからは
遠ざけるのだと語る。しかしロックハートは何故嗅ぎつけたのか。
自宅とオフィスを調べないといけないと語る。
アジジやトゥラニたちはブロディをシャワー室に連れて行く。
ブロディは水に当たると怖がる。
あと6日しかないとし、回復しても衰弱してしまうという。
ダールは別の手を使おうとしイボガインのことを口にする。
アフリカの植物が原料の薬で薬物依存の治療に劇的効果がある
という。しかしトゥラニはその分副作用が強く違法薬物だと
いう。吐き気、嘔吐、幻覚、精神は変調を来すほどだという。
一方ヴァージルとマックスでソールの自宅を調べてもらうと
すぐにマウスに仕掛けがしてあることに気が付く。
中にはSIMカードが入って居て通話が聞こえるようになっていた。
幻覚を見るブロディは歌い出す。
「モンテーズーマーの間からトリポーリの海岸まで、祖国の為
戦う、空で陸で海で・・」と。するとウォーカーが目の前に
現れ「正義と自由をこの手に、名誉を守る為。誇り高きその名は
合衆国海兵隊」だと語る。それを見たブロディは頭から出ていけ
ともがき苦しむ。ブロディはイスを壊すと木の切れ端で自分の
腕を指して自殺しようとするがソールがそれに気が付いて止める。
そんなソールの姿はブロディにはアブ・ナジールに見えた。
アラビア語でブロディに囁く姿。ソールはトゥラニに達に治療
を求める。暫くは寝ているだろうとのこと。
マックスとヴァージルは通信先に来ていた。
追跡プログラムを再確認した方が良いかと言い始めていた頃、
この家を借りているのはイスラエルの事業体はモサドと関係
があるという。しかしただの隠し拠点で連絡場所なだけかも
知れないという。しかし一人の男性・アランが出てきた為に、
マックスは写真を撮影する。
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ソールを中心としたイランを始めとするジャバディを使った中東
全土を掌握しようとする作戦が決行される。ソールはその作戦に
必要な駒を想定してこれまで動いていたが、その作戦を妨害する
ものたちを容赦なく排除していく。その行動が仲間であるハズの
キャリーとの間で軋轢を生んでしまい、ロックハート議員たち
からもCIAの存在意義に対して疑問を持たれ追求される。
ロックハートが長官就任まで7日間である間に、なんとか道筋を
つけたいと考えていた。ジャバディをイランの最高司令官に
押し上げる作戦をする為に必要なのは、現在革命防衛隊のトップ
を勤めるダーニッシュ・アクバリの死は欠かせないものが有り、
それを実行させる為には、アメリカを陥れた功績の有るブロディ
の協力は欠かせないものが有った。ソールはカラカスでブロディ
を連れ戻すが、彼は極度の依存症でいつ死んでもおかしくない
状況であり、とても7日間で計画を遂行できる人物に回復させる
のは無理に思われたが・・・
いつまでも続く生き地獄ってことで、それはCIA諜報員だけでなく
冒頭の事件に関わってしまったブロディの存在がここに来て
急激に浮上し始めた。
司法取引もなんのその、基本的には法的罪からは解かれているハズ
なのに、CIA爆破事件の流れを曖昧にしたままで、飼い慣らしの
状態になっているところは実に切ないね。
あれだけの事件を犯した人物なので当然だという気持ちも有るし、
元々の彼はアメリカの為、海兵隊として任務に就き、捕虜にされて
いたり、アメリカ軍が下した過ちの事実を目の辺りにもしている。
一度罪を犯したので何にも言えないところだけど、ソールから
罪を償うチャンスだと言われた時には、大義の為とは言えソール
自身に罪はないのかとか思わせるところも有るし、やはり
都合良くソールから飼い慣らされている状況なので、今回のエピソ
ードだけを見ると、ソールって一体何者だって感じもする。
上のものとして作戦を決行する限りは、そういう憎まれ役も素直に
こなしていかねばならないのかも知れないけどね。
キャリーとブロディの関係もまた切ない。
結局キャリーしかブロディの心を動かせないと知っているのだろう
し、そんなキャリーもブロディにとって最も生きる糧となるのが、
娘とか家族の存在であることもまた同時に感じているところ。
自分のお腹の中にもブロディの子が芽生えているのに、それを言え
ない事実もまた切ない。
ブロディが生きる希望を失って海の中に沈み行く様を見ると
よりソールのしている非情なことに憤り感を覚えるところも有る
し、そんな絶望的状況から立て治らせるだけの力をデイナが
持っているという辺りは、如何に彼が欲しているものが何なのか
が見て取れる。これはソールに限らず、全ての人に言えること
なんだろうけどね。
ソールの家に仕掛けられた盗聴器の存在がロックハートやミラに
繋がって居た流れは意外とあっさりとした流れとして処理された
ところは良かった。元々アメリカとイスラエル諜報員・モサドとの
関係はそう悪いものではないハズだし、しかしそれでもCIAの自宅
を盗聴していることが分かれば問題にはなる。
ソールとキャリーの間の不信感がどうなるか気になるものとして
最後まで描かれていたけど、キャリーの言葉で今回は上手い事
気づかされたところも大きかったのではないかな。
「作戦を成功させる為にはお互いに信頼を取り戻す必要がある。
少なくとも信頼しているフリくらいはしないと・・」。
ここの所、ソールは大きな件に関わる余り、自分の中ばかりで
ロジックを組み立て過ぎているところが有るんだよね。
デイナは逢ったブロディとしては例え拒まれたとしても嬉しかった
のではないかな。いつかそんなブロディのしたことの全てが証され
ることを願ってやまないけど、そうならないのが世の中なんだよね。
「見ている視聴者は何度も、真実を話してしまえ!」と思っている
ハズで、そんなモヤモヤした中でも働いているものたちが居て
汚れ役をしている人がいるという辺り、上手く描かれていると思う。
それにしても必ずこのドラマ、何処かで”クソッ”って単語を語らせる
ね。ここ最近ずっとキャリーがこの言葉を使っていたのだけど、
今回はブロディがキャリーに対して”クソ女がっ”と語る姿が
有った。
■使用された曲
・Sean Callery Feat. Chris TedescoのHomeland Main Title
・Marine’s Hymn
■検索用キーワード
・バージニアのダムネック基地
・「ワイルト・アット・ハート」何よりも熱いものは?アスファルトの道
・ビージャールの空軍基地
・フランス製ミラージュF1 中国製SU26
・南下して4人はノーデシャーに。山越えしてラバサンへ。
・ナスラディン ムーラナスラディン マジヌーンがコード
キャリー・マシソン (Claire Danes) CIA
ニコラス・ブロディ (Damian Lewis) 2003年行方不明、軍曹
ピーター・クイン (Rupert Friend) デビッドの部下、CIA職員
ジェシカ・ブロディ (Morena Baccarin) 妻、マイクと不倫
クリス・ブロディ (Jackson Pace) 息子
デイナ・ブロディ (Morgan Saylor) 娘
ミラ・ベレンソン (Sarita Choudhury) ソールの元妻
ソール・ベレンソン (Mandy Patinkin) キャリーの上司
アンドリュー・ロックハート (Tracy Letts) 上院議員
ダール・アダル (F. Murray Abraham) CIA職員
スコット・ライアン (Tim Guinee) CIA職員
ヴァージル (David Marciano) 元CIA
マックス (Maury Sterling) ヴァージルの弟
ハフェズ・アジジ (Donnie Keshawarz) “A-Z”、海兵隊
ユーセフ・トゥラニ (Jared Ward) 海兵隊
ジョシュ・モダレス (Walid Amini) 海兵隊
エリック・バラズ (Jaylen Moore) 海兵隊
アラン・ベルナード (William Abadie) ミラと浮気
トム・ウォーカー (Chris Chalk) 元海兵隊、元ブロディの相棒
アブ・ナジール (Navid Negahban) 元テロリスト
デーブ・ウェイスマン (Jack Solomon)
Dr.アベリー (Randall Taylor) キャリーを治療
ダーニッシュ・アクバリ () 革命軍防衛隊トップ
エリザベス・ゲインズ
デヴォン