コールドケース 迷宮事件簿 Cold Case シーズン6 第10話 選挙 Street Money

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第10話 選挙 Street Money

脚本/Christopher Silber 監督/Carlos Avila
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2005年8月14日。
現在のフィラデルフィアの市議は「唯一無二のブーン」という
看板が掲げられる程に対立候補をはね除けて来たグローバー・
ブーンだった。しかしこの日、デックスの選挙参謀のキャシー
は記者のハロルドに取材して活動や政治理念を取り上げてもら
おうとしていた。しかし20分遅刻してくるデックス。埋め合わ
せはするというが、キャシーはデックスがスーツを着つつも
スニーカーでやってきたことを指摘する。地区センターに行って
いたのだという。ハロルドは何故地方政治に参加しようとした
のかデックスに質問すると、この町の子と仲良くしているブーン
を倒すのは無理では無いかという。無名であり金もコネもない
と。そんな取材中にもデックスはエリックが来たことを知り声
をかける。兄さんはICUから出たのかと問うと、彼を励ます。
デックスは彼の兄は売人の抗争中に巻き込まれて流れ弾に当た
った事を告げ、だから市議会に出るんだという。市の北部最大
の麻薬地帯で、警察にもブーンにも止められないのにどうする
つもりなのかと問われると、撲滅してみせるとして信念を唱える。
しかしデクスター・コリンズは選挙戦の5日前に銃で発砲されて
殺される。麻薬撲滅を訴えていた彼が大量のコカイン所持で
本人が依存症だったとして報道されるのも、彼の遺体の回りに
コカインが落ちていたからだった。

2008年。
ルーサーは刑務所で残りの刑期15年もあるが、出血性胃潰瘍
で何も食べられないとして、なんとかして欲しいと頼む。
ルーサーから情報があるとして3時間かけて刑務所まで話を
聞きに行くリリーとスコッティ。スコッティはリカーショップ
を5軒襲う前に考えるべきだったなと語る。ルーサーはクリスマス
のプレゼントをくれと語ると、サスキー通りのレッド・ルースター
ってバーのウェイトレスは身体を売っているのだと語る。
リリーたちは話にならないとしてウチは殺人課であり売春に興味
はないと語る。すると今のは試しに言っただけだとしてデックスの
ことだという。彼は麻薬絡みで殺されたのではなく暗殺された
のだという。6丁目ギャングの人物だと。前にいた刑務所のヤク中
に聞いたこと。昨年その男は死んだことを聞くと、スコッティは
死んだ囚人の話なんてダメだと語る。凶器は40口径シグだとして
まだ見つかっていないのだろうと問う。俺は何処に有るか知って
いると語る。

現場近くの建物の排水溝を調べると中からシグザウアーが発見され
ガセネタじゃないことを告げる。

ジェフリーズはデックスの遺体は当時午前2時に6丁目で発見された
と語る。当時は麻薬売買のもつれとして扱われたこと。当時30歳
のデックスはバッドランズ出身で、そこからイェール大を出て
ウォール街へと大出世しているというスティルマン。企業弁護から
活動家に転身して市議選に出馬していた。麻薬の撲滅を訴えて居た
というリリー。撃ち殺された遺体の周りにコカインが散乱していた
のだというジェフリーズ。彼は改革派としてクリーンな選挙を目指
していたこと。票も買うものではないとしていたという。遺体
からは麻薬は一切検出されていないのに報道されていなかった。
犯人が麻薬を於いたのではないかと疑う。市議会議員候補として
デックスは議員歴30年のグローバー・ブーンと競っていたという
リリー。ブーンが強攻策に出たのかも。市警本部長は特捜班を編成
したが殺人捜査の経験者は一人もいなかったという。
銃は凶器だが、それが6丁目ギャングと結びつける証拠がないと
のこと。父親のロニーが健在であり、デックスの選挙参謀をして
いたキャシー・マイケルズもいるので改めて話を聞こうという
スティルマン。

スコッティはキャシーに逢いに行こうとしてリリーを誘うが、彼女は
私用があるという。クーパーと書かれた手紙が多数有り、スコッティ
は誰なのかと問うが、間違って届くのだというリリー。
スコッティはヴェラを連れてキャシーの元に行こうとすると、
ヴェラはスコッティに対して9時の方向を見ろという。フランキーの
姿が有り、俺でも行けそうか?というとスコッティは勿論だという。
しかしフランキーはスコッティを見ると声をかけてくる。それを
知ったヴェラは”死ねクソ野郎!”とスコッティに声を掛けるのだった。

キャシーの元にいく。彼は特別な人でロースクールの頃から特別
だったという。彼は昔から酒さえ殆ど飲まない人だったのにドラ
ッグなんてあり得ないという。良い人過ぎないかとするヴェラ。
フィラデルフィアでは票集めには古株ばかりなので新参者はまず
覚えてもらわないといけないのだという。だんら票集めは人に現金
を渡して宣伝を頼むのだという。
何故夜中に彼はあんな治安の悪い場所にいたのかと問うと、話に
行ったのだという。

— 2005年 —
有権者たちに対してデックスは語りかける。現実を見よう。
ドラッグ戦争は終わったこと。我々のせいでこの町で16歳の少年が
売人に撃たれ夕べICUで亡くなったのだという。12歳の弟は泣きながら
何故こうなったのかと聞いて来たこと。6丁目はそういうものとは
言えないという。ブーンは不動産業者を接待するパーティーの支度
で忙しくしている事を告げ市民の命を守るヒマが無いのだという。
少年の質問に答えたいのだとし、私にチャンスが欲しいという。
ウォーレンは立ち去ろうとすると、デックスはあなたはダイヤモ
ンドダイナーの人でしょと語る。彼はよそ者にはこの町を語られた
くないとするが自分はこの町の生まれだという。しかしそのスーツ
は余所で買ったのだろうと。僕の父はロニー・コリンズで、父が毎朝
目を覚ますと床を研くのだという。一日が待っている中、父は
日々を信じて居たのだとし、苦労は報われると教えてくれたのだ
という。僕は鏡を見て信じる・・みんなと信念を分かち合いたいの
だと語る。
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フィラデルフィアの6丁目付近では北部最大の麻薬地帯となって
いて危険な場所だった。イェール大を出てロースクールを卒業し
ウォール街で企業法務の仕事をしていたデックスは、理想と信念を
持って生まれ故郷である6丁目付近に戻ってくる。現職のブーンは
確かに長期政権で有権者の支持を得ているが、まるで底辺の生活に
目を向けようとしていなかった。市議選に名乗り出た30歳の新人候補
のデックスは不正を嫌い、金などを掛けずに選挙選を戦おうと
する。なかなか新人の彼に目を向ける人は居なかったが、夜な夜な
彼は若者や売人達を説得して麻薬撲滅の為に奔走する。しかしその
結果彼は40口径の銃弾によって倒れてしまう。現場にコカインが
散乱していたことから、デックス本人がドラッグの中毒だったので
はないかとされる中、刑務所のルーサーからの情報によって、当時
デックスを殺害した凶器が発見され、事件解決の為に動き出す。
3年前の事件故に関係者は多く残っており、話を聞いて回ることに
なる。

理想と現実を見たような話で、希望と絶望を同時に感じる
流れだった。

希望の種は確実に植え付けられたのだけど、それが実るまでには
それ相応の歳月が必要で有り、すぐに結論を求める人も居れば、
長期的視点に立ってみれば第一歩と見られる人も居たのだろう。
しかし3年が経過した今、僅かだけど、そんなデックスの意思を
引き継いでいる人がいることの嬉しさみたいなものは有ったし、
何よりも”信念”という言葉が町中に張り出されている。

生活レベルや環境が人それぞれ違うのでなかなか同じ信念を持って
いたとしても、その実現のタイムラグによっては、生死を分ける
ところが有ったのだろうけど、結局デックスの中でもウォーレン
から見れば、自己保身の為に実利を取って今回の選挙に於いては
有権者を焚きつけた割りに、あっさりと裏切ったと捉えられてしま
ったのだろう。

その気にさせられたものにとってはそんな事実を聞かされた時の
失望感たるや相当の物があるだろう。なんと言っても現職の市議
は滅茶苦茶をしていて、大義の為には一人の命のことなど何とも
思っていないのだから、酷いものが有ったけど、結局その辺の罪
に関しては何ら問われることはなく、悪は栄えることになるんだ
なと思うと切ない。

ウォーレンだけでなくキーマンとしてはデックスの旧友である
ヴィクターとの再会がある。ヴィクターは環境故に腐ってしまっ
た人物だけど、デックスは環境以上に父親の教えが上手く本人に
とって生きる為の糧となった。

ドラマを見ただけでは分からなかったけど、時期的にはクリスマス
という設定だったのか、冒頭での囚人のルーサーもXmasのプレゼント
を・・と語っていたけど、家族を象徴とするXmasの時期に、リリー
が拘っているクーパー家に郵便物を届けに行っている姿が有る。
そこにはマギーという女性の声が聞こえたのだけど、やはり
クーパーは父方だったりするのかな。

フランキーを使って相変わらずヴェラをからかうスコッティの姿が
有ったり、ミラーがベラ検事補のことを意識しているかのような
視線を落としていた。スティルマンは今回の市議のブーンや同期の
ドーティと対峙している姿が有ったけど、出来ればスティルマンに
花を持たせる展開が見たかったな。

■使用された曲

・Hands of Time by Groove Armada
・Guns Are Drawn by The Roots
・Gone (Featuring Consequence & Cam’ron) by Kanye West
・5 O’Clock (Featuring Phonte of Little Brother) by Perceptionists
・The Corner by Common
・The Boogie Man Song by Mos Def

■検索用キーワード

リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から

フランキー・ラファーティ (Tania Raymonde) 物理鑑識課、スコッティと

2008年&2005年
ヴィクター・ナッシュ (Gbenga Akinnagbe) デックスの友人
ウォーレン・ウィルソン (Tyrees Allen) ダイヤモンドダイナー
ルーサー・カープ (Wilmer Calderon) 刑務所の囚人。情報提供
カーティス・ベル (Jonathan LaPaglia) 地方検事補
ロニー・コリンズ (Henry G. Sanders) デックスの父
パトリック・ドーティ (Keith Szarabajka) 市警副本部長
キャシー・マイケルズ (Christine Woods) デックスの選挙参謀
グローバー・ブーン (Bill Duke) 現職の市議
フランク・マルレイ (Cosimo Canale) ブーンとツーカーの刑事
ホルヘ・ゴンザレス (Euriamis Losada) 銃を購入
ジェイ・クインシー (James Luca McBride) 銃を盗まれたとニセの報告
ケルプ (Daniel Mandehr) 捜査官
ジョセフィン (Wanda-Lee Evans)

2005年
デクスター・コリンズ (Chadwick Boseman) “デックス”、市議選挙候補
ハロルド (Peter Holden) 新聞記者

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