第12話 暗証番号 Lotto Fever
脚本/John Brian King 監督/Agnieszka Holland
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2007年5月24日。
車の修理工・工場主のトミーは修理工のエドに対して車の修理が
終わったらトイレが詰まっているので見て欲しいと言われる。
それはオレの仕事なのかとして昼飯もまだ食べていないと語る。
ジョージはメシを食べてからした方が良いと語る。
ジョージが食事しながらテレビを見ていたのでエドはch7に変更
シテ欲しいと頼む。ペンシルベニア・パワー・ロト。キャリー
オーバーで現在800万ドルになっていた。
そんな中向かいのコンビニで働いているシェリーがエドの元に
やってくると車の修理代の見積もりをもらったがこんな大金
払えないと訴える。エドは2000ドルか・・として随分ふっかけ
られたなという。車は必要だが授業料も払わなければならない
のだというシェリー。幾らくらい払えるかと問うと400ドルくらい
だという。エドはどうしても必要なところだけ直しておくこと
を約束する。
そんな中、エド・ダビンスキーは800万ドルの宝クジが当たって
いる事を知る。
会場まで金を受け取りに行くエドはインタビュワーからいつから
宝クジを買っているのかと問われ、姉のパムが宝クジを買える
年になってからずっと購入しているという。800万ドルをどうする
つもりかと問われる。
そんなエドは2007年11月、駐車場で銃で殺害されて発見される。
ストリックランドはポイントブリーズのダブル殺人事件を片付け
たとしてスティルマンはリリーに語る。しかしストリックランド
によると未解決な事件は沢山あるとし、一つ手伝ってくれないか
と言われる。2年前フィッシュタウンの自動車整備士がコンビニ
帰りに殺された事件だという。残業の合間にコンビニに行き
サイフを奪われたのだという。死ぬ半年前には800万ドルの宝クジ
を宛てているとのこと。口座はずっと開けたままにしていたとし、
犯人が金を下ろすか監視していたのだという。口座に入って居る
金は7ドル39セントだけだった。高額当選者の1/5は5年以内に
破産すると言われている事を語る。先日ATMで被害者のカードを
使った人物がいたが、残高をチェックしただけだったという。
防犯カメラの設置がなく、犯人は暗証番号を知っていた人物だと
語る。しかし何故2年待ったのかというスティルマン。賞金が
まだあると信じて居たのかもというリリー。
スコッティはエド・ダビンスキー(当時34歳)の調書を読む。
殺される数日前にフィッシュタウンのアパートに戻って来た
こと。ヴェラは半年で800万ドル使い切るとは強者だという。
今週の宝クジの配当は1800万ドルだという。ジェフリーズは
買うのかと問うとそんなの意味が無いという。
金の使い道を考えるのは楽しいことだというヴェラ。
エドは午前24時にコンビニにタバコを買いに来て修理工場に
戻る駐車場で撃たれたというものだった。遺体には9mmの弾で
撃たれていたとし、最後に彼と逢ったのはコンビニの店員の
シェリーだという。彼女は今署に向かっているとのこと。
夫のマーティと金物店で経営している姉のパムがいて、18歳の
頃からエドの保護者になっているという。母親は事故死で、
父親は刑務所だというヴェラ。エドの公認会計士のウィーヴァー
がもうすぐ来るとのこと。カードの暗証番号は747539。
犯人はそれを知っていたこと。6桁ならば当てずっぽうは無理
だろうというヴェラに対してジェフリーズはお前のならば検討が
付くという。カードを貸せというジェフリーズは当てたら50ドル
だという。外れたら100ドルだぞというヴェラ。
シェリーから話を聞く。
彼女はコンビニでパートをしながら獣医の勉強をしていた。
オドは近くで働いていて店によく買い物に来てくれたという。
よく車を直してくれたとすると、その時にATMは使っていたかと
問う。あの夜はタバコとコーヒーを買っただけだったという。賞金
が無くなったのを恥ずかしがってたとし、エドはとても良い人だ
ったという。
ウィーバーから話を聞く。
金の使い方を提案する仕事だという。エドは例外だったとのこと。
一括払いだと520万ドル、前金が引かれて300万ドルになるのだと
いう。家と固定資産税に100万ドルを払って残りは持って行かれた
という。彼に群がってきた人々に持って行かれたとのこと。
エドは何故あなたに連絡したのかと問うと電話帳を見て連絡を
してきたという。遺言は普通は専門の人物が担当するが、専門家
を紹介する前に殺されてしまったという。受取人は姉だったとのこと。
未だに遺言書の成立を待っている状態だという。エドの財務記録を
見せてくれと語ると、ウィーバーはもっと力になれたかったと語る。
パムから話を聞くと、弟はこの店・金物店で育ったという。
マーティによるとエドはいつも何かを作っていたとし、マーティ
がそれを教えたとのことだった。そのスキルで整備士の道に進んだ
という。彼は人気者でエドは無邪気だったという。宝クジによって
殺されたようなものだという。子供の頃は金に困っていたのに
突然大金が転がり込んできて、エドにたかろうとするヤツが次々
と現れたのだという。あまりにも多すぎるとし、部屋に残っていた
のは請求書だけだったという。その請求書を見せて欲しいと
リリーとスコッティは語る。彼は暗証番号を他人に教えるタイプ
だったかと問うと、あり得るとし疑うことを知らない人で、
ノーと言えない事が欠点だったとのことだった。
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2007年自動車整備士として働くマジメで陽気なエド・ダビンスキ
ーは姉に育てられて暮らしてきたが、持ち前の性格から慕われて
いた。しかし有る時長年購入してきたロトクジ・800万ドルを
手にしたことから、彼の暮らしは一変し、金目的に彼に近づく
ものたちで溢れる。そして宝クジが当たって半年後に全ての金を
使い切ったエドは、何者かによって殺害されてしまうのだった。
高額当選者の1/5が半年以内に破産してしまうというのは本当の
ことなのかな。
先日までNHKで放送していた「書店員ミチルの身の上話」も高額
宝クジが当たるという話だったけど、その額は僅か2億円。
このドラマでは800万ドル!
ミチル・・では、高額当選者に対して銀行員の女性から、まず
当選者がすべきことの書かれているマニュアルみたいなものを手渡
されていたけど、貯蓄の考え方はアメリカと日本では違うものが
有るんだろうね。
なんと言っても事件は1年前だったこと。ドラマでは2年前だと
していたので、ドラマの中の”現代の時計の針”は2009年になったと
いうことなのかな。コールドケースとはいえ、まだコールドケース
として扱うには早くないかって感じもする。時計の針が進んでいない
分、情報が豊富で扱い易いものだと思うけど、金が関係している
事件なだけに容疑者が多すぎて、絞り込む作業もまた難しそうだ。
今回出てきた人物の中には誰にでも可能性は有りそうな気がする
ものだった。
金を前にするとそれぞれの人となりの性格というものが見て取れて
人間観察的には楽しい流れが有ったのだろうね。
これは事件関係者だけでなく、チーム・スティルマンの面々に
対する金への視線というものも同時に興味深い流れとして描かれて
いる。外れることを前提にして、宝くじをサカナにして飲んで
笑い合うくらいの関係が一番良いのだろうけど、人は可能性がある
限り、”もしも”のことを考えて、思わずヴェラの誘導に引っかかっ
て、全員が金を出していたという辺りが笑えるところ。
ヴェラは金をどう使うのかを考えるだけで楽しいことを口にして
いたけど、まさにそんな感じなのかな。
スティルマンは絶対に金は出さないと思っていた。
「アメリカンアイドル」に出る方が良いというボスの意味不明な発言が有った
けど、当たれば船を買えますぜというヴェラの悪の声に思わせず引き寄せ
られた。
ミラーは意外にもウォークインクローゼットをハイヒールで一杯に
出来ると言われただけで簡単に落ちた(笑)
スコッティは仲間外れになることを恐れたのか、受付が終了した
と言われ、焦燥感から金を出していた。
金の大切さを唱える人があまりに居なさすぎるけど、そんなスティ
ルマンでさえも宝クジに一抹の期待を寄せているところを見れば
止められないものもアルのだろう。
人間関係に於いて一人でもエドのことを金目当てで近づいてこない
人がいたというだけでちょっぴり救われるところが有ったし、
それでもやはり金が尽きると同時に蜘蛛の子を散らすようにして
居なくなっていく辺りの人間の非情さを見た気がするエピソード
だった。
人が何かを失っても最後の砦として、家族の絆だけは残っていて
欲しいと思うけど、その家族が結果的に犯人だった。しかも両親は
実質居ない状況の中で、姉と弟だけで育ってきた関係だったのに、
その姉から殺されてしまうのだから辛いところだ。
即死ならまだしも、死ぬまでの間に、微妙に時間的なスパンも有っ
て、エドの瞳に映る姉の姿を見てどう感じたのだろうね。
刑務所暮らしをしていた父親かパムの夫・マーティが怪しいかと
思った事件だった。
結局問題は、金を得たことが問題なのだろうか。
金がなければ事件は発生しない訳で、欲に駆られて犯行を犯す
こともなかったのではないのではないか。
エドがあんな金の使い方をしなければ、周りの人たちもそれに
便乗しようとする人は居なかったかも知れない。
婚約者のニッキーとか公認会計士の男など、そんな人物までも詐欺
師だった。
またヴェラはとても単純な人で、ジェフリーズからはあっさりと
暗証番号を当てられてしまう。ジェフリーズはヴェラの性格を
知り抜いているという訳ね。
スコッティとフランキーの雲行きも怪しくなっていた。
先日のエピソードでスコッティに対して怪しい電話をかけて来た
のはフランキーの夫のビリーだったのか。別居しているような
感じだけど、関係を精算してからでないと流石に無理だろうね。
■使用された曲
・Chelsea Dagger by The Fratellis
・Two by Ryan Adams
・On the Way Back Home by Lucero
・Lived In Bars by Cat Power
・The Underdog by Spoon
・Flashback by The Twilight Singers
■検索用キーワード
・
リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から
フランキー・ラファーティ (Tania Raymonde) 物理鑑識課、スコッティと
ビリー・ラファーティ (Keith Pratt) フランキーの夫
2008年
マーティ・フライヤー (John Bishop) パムの夫
パム・フライヤー (Sylva Kelegian) マーティの妻、エドの姉
ニッキー・アトキンス (Taylor Cole) エドの妻、結婚詐欺
シェリー・レイド (Mary Elizabeth Ellis) コンビニの店員、獣医の勉強
ジョージ・スウィーニー (Charlie Hofheimer) エドの親友、自動車整備工
ジャック・ダビンスキー (Jeff Kober) エドの父、脊椎の手術
エド・ダビンスキー (Zack Ward) 被害者、自動車整備工
ロジャー・ウィーバー (Jack Laufer) 公認会計士、横領
ウォルト・ストリックランド (Louis Mustillo) 刑事
— (Peter Marr) TVアナウンサー
2007年
トミー (Michael Rothhaar) エドの上司
— (Doby Daenger) Biker Girl