第15話 証人 Witness Protection
脚本/Elle Triedman 監督/Alex Zakrzewski
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2008年2月21日・ロードアイランド州プロヴィデンス。
一人息子のジェフはディナーの席で父・ベン・フェルドマンと
母・リーの前で一年待ってから大学に入学したい事を告げる。
母は一年で何をするのかと問うと、ジェフは自分は生徒会長も
しているし陸上部の部長で400Mの州記録の保持者だと語り、
一年間の自己啓発期間に働きながら旅行をしたいという。
北京で英語を教えたり、スペインでアーティチョークを摘んだ
りしながら・・と。しかし母はコーネル大学に進学しても
海外研修はある事を告げるが、あれは3年生からで4年も待て
ないという。母は夫のベンに何か言ってあげてとするが、
久しぶりのファミリーディナーの際にも上の空だとして非難さ
れる。17歳の将来を決めるのはディナーの後でも良いだろうと
いう。そんな中家には誰かがやってくると、ベンはドアを
開けに行く。トム・パーカーはみんなの前に現れると、行きま
しょうと語る。彼は連邦保安官だと紹介すると、パーカーは
持って生きたいものは全てこの中に入れてくれという。
一体どういうことなのかとしてリーたちも事情が飲めていなかっ
た。トムが助けてくれる・・今すぐに行かないとという夫。
しかしベンは有る時撃たれて亡くなる。
AM9:10
ジェフリーズはヴェラを家に泊めることになり、その件で
朝から言い争っていた。ジェフリーズはあれはプロ仕様のシス
テムだとしてそこらのオモチャと一緒にするなと。ジェフリー
ズはリリーに対してヴェラに言ってやってくれとし、人の家に
泊まる時には作法を身につけろということ。
何をしたのかと問うと、ヴェラはうっかりビールを置いただけで
スピーカーの上に・・という。ちゃんと何度も謝っただろうと
すると、スピーカーではなく真空管アンプの上だとすると、
しかもビールを動かしたので音質は台無しだという。ベニー・
カーターのLPが曲がったと語る。リリーはカップル用のカウン
セリングを受けたらどうかと語る。
そんな中リリーの元にリーがやってくると、息子のジェフが居なく
なったと語る。学校に行ったきり携帯にも繋がらないのだという。
リリーはここは殺人課なので人捜しの別の部署に案内するという
が、過去の殺人事件も扱っているのでしょという。夫は過去に
殺害されていることを告げ、子供の部屋にこれが有ったのだという。
そこには40代前半、白人男、身長183cm、茶髪と書かれている
メモだった。2008年9月24日・スクールキル川が発見された遺体
の特徴ぶ服装はジーンズでグレーのTシャツだとすると、R.E.M
のTシャツを着ているハズだとしてベンに間違い無いという。
夫のベン・フェルドマンは失踪したがもう殺されたのだろうと。
主人は会計士である犯罪組織について証言するハズだったとし、
プロヴィデンスのフレディ・ジャコーニのことだった。
証人保護プログラムを受けて居たのかとして、失踪した際に
担当検事に連絡しなかったのかと問うと、信用出来ないので
知らせなかったという。夫を失った上で息子まで失いたくないのだ
という。
AM10:02
スコッティはスクールキル川で発見された痛いは捨てられてから
2、3日経過と推定だという。奥さんによると9/21に失踪したと
いう。辻褄が合うというリリーは水死体はR.EMのAutomatic
for the Peopleのビンテージもののシャツを着ていて、380口径
の銃で行動部を撃たれているとのこと。彼のクライアントが組織に
通じていてアイスマンことフレディだったこと。そんな彼の
会計士として知らない間になっていたのだという。簡単には抜けられ
なかったのだろうと。今も4ヶ月前から延々と裁判をやっていた。
姿を消す前のベンは?と問うと、9/21日はケープメイに着いて
その後ベンは金を取りにこっちに戻ったとし、駅のロッカーに
金を入れていたのだという。銀行だとカメラに写るからだった。
ニュージャージー州から市内に入るならばフランクリン・ブリッジ
かホイットマン・ブリッジを通っているハズだと言うスコッティ。
だとしたら交通カメラに写っているかも知れないとし、通った
時間も分かるという。車は既に押収されているかもと。
ミラーはモルグに行ったが、ずっと身元不明だったものが、
昨日身元が確認されたという。息子のジェフがフィラデルフィア
にいるのだとし、少なくとも昨日の4時には生きていることを
語る。ジェフの最初の質問は凶器の銃の種類だったこと。すると
彼は撃たれたことを知っていたのかと。
カーティス・ベル検事補が署にやってくると、リリーは何度も
あなたに電話したのに折り返さないことに憤怒する。行方不明の
少年の携帯の捜索許可とGPSやその他のデータの令状が必要だと
いうものだった。
AM11:36分。
スコッティとスティルマンはトム・パーカーと逢う。
ジャコーニ裁判の証人で会計士のベンは君の担当ではないのか
というスティルマン。何で証人が消えたのに探しに行かないのか
と問う。足取りが消えて諦めたという。他にも大勢証人を抱えて
いたし、証言はもうビデオに録画してあるのだという。ジャコーニ
にとってベンが居なくなればどう思うかと問うと、負担は減るだ
ろうとして、6月に拘置所に入って公判は11月になっていること。
それが未だに続いているのだという。スコッティたちは自分の
重要証人が殺されても平気なのか?と問うと、証人は勝手で、予測
不能の行動を取るものだということは分かっているだろうと
語る。
家庭に問題が有ったのかと問うと、ドタバタは毎度だという。
証人保護に入ればこれまでの生活と決別になるとし、新生活の手配
はするが後は本人次第だという。
2008年3月6日・ペンシルヴェニア州フィラデルフィア
2008年9月21日・午前9時6分
PM:1:40
2008年9月21日・午前9時38分
PM3:15
PM4:4
2008年9月21日・午前10:27・ニュージャージー州ターンパイク
PM6:7
PM10:57
AM:24:06
AM6:50、ロードアイランド州プロヴィデンス
2008年9月21日・午後5:13、ニュージャージー州ケープタウン
2008年9月21日・午後8:7 、ニュージャージー州ケープメイ
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リリーの元にリー・フェルドマンという女性がやってくる。
息子のジェフと昨日の学校へ送った後から連絡が取れなくなって
いるとのことで、夫のベンも失踪中だという。失踪人課は別に
有るというリリーだが、彼ら家族が証人保護プログラムの対象
になっていることや、息子の部屋にあった資料からして、恐らく
2008年9月24日に身元不明だとされていた遺体が、父親・ベン
の一致していたのが死んだことに気が付いたであろうことを
告げる。証人保護を受けているのに担当の連邦保安官には連絡を
取っているのかと問うが、信用出来ないので知らせてはいない
とのこと。自分の夫はロードアイランド州・プロヴィデンスで
起訴されたフレディ・ジャコーニの不正会計を巡り、証言しよう
としていたのだという。失踪したのが9月21日で発見されたのは
24日。検視の結果では死後2、3日経過しているとのことなので、
ベンの遺体で間違い無いのだろうという。姿を消す前のベンの行動
について色々と尋ねると、21日にはケイプメイについてその夜
ベンが金を取りに行くと言って夜に出かけたのが最後だという。
ジェフを探す為に令状を取りPCや携帯の分析結果を調べようと
していく。
このドラマの現在の時代が2009年の時を刻んでいることを考えると、
2008年の事件を取り上げたというのは、今まさに色んな意味で
コールドケース化していないホットな事件そのものだった。
それ故に自分が書いたストーリーを見ても謎の時間軸が書き連なっ
て居る訳だけど、2008年当時には逃げ回る姿が有り、2009年の現在
に於いては探し回る為の時間が流れている。有る意味過去の事件
に於いては、時間まで正確に示されることがないので、時間の経過
として表示されても時々、どちらの時間のことを語っているのか
分からなくなりそうだった。
今回の事件は、騒動に巻き込まれたフェルドマン家がとても
可愛そうな物語でしたね。
この家族は何の落ち度もなく、落ち度があるとすれば、夫は家族の
為に会計士として働き、家庭を顧みないところが有った割りに、
息子の進路に介在し過ぎているところが有るところ。
妻のリンが連邦保安官のトム・パーカーとはどの時点で性的関係に
なったのか分からないけど、証人となることが発覚する前から
知り逢いだったのか。トムが助けてくれるから・・との冒頭の台詞
も実に空しく響くモノがあった。
裁判に於いてもマスコミの前に現れるジャコーニは笑顔を見せて
調子に乗っていたけど、本当に憤りを助長するような流れが有るし、
連邦保安官のトムもまたちゃんと仕事をしていれば、こういった
ニアミスもなく、この事件は防げたようにも感じる。
偶然ではなく必然的に引き起こされた有る意味では人災的な
流れだった。
検事補のカーティス・ベルという人物も癖のある人物で、なかなか
仕事をしてくれないとしてリリーは怒ってた。令状が欲しいのに
電話に応答しないという。人が悪いというのではなく、
天然入った人なのかよく分からなかったけど・・
しかし正直母・リンが許可すれば令状って必要なんですかね。
息子が18歳なので、もう本人の許可がないとダメなのか。
息子のジェフを演じるTyler Blackburnは、「Pretty Little Liars」
でハンナの恋人・ケイレブ役を演じているけど、とてもイケメン
さんだ。
親元から離れる為に、一度は旅することを求めているけど、
皮肉にも証人保護プログラムを受けることで、色々と旅して回る
ことになる。
それでも本来の意味での自由とは違うところで旅して回るという
ことで、彼は自由になりたがっていたことと同時に家族との絆との
間で悩んでいたところが有ったのだろうね。
そんな幸せな家族を壊したジャコーニを殺害したいとする気持ち
はよく分かるし、ヴィニーの家庭の事情に於いても、唯一の家族で
唯一の希望となっていたタミーの件で、手放したくないとする
心情も分からないでもない。ただ皮肉にも時間差によって、タミー
が戻ることに至るようになるところなど、切ない流れが有った。
ジェフにはリーが居るのでタミーに取っては、出て行った妻の方を
頼りにするしかなさそうだけど、ピンチの時に逃げ出した母親に
対して互いに容易に受け入れられるものなのかだね。
タミー役を演じていたMelissa Farmanは、「LOST」でダニエル・ルソー
役を演じていた。あの時のルソーって小汚くてよく分からなかった
けど。
事件の流れは渡った橋とか携帯の通話記録で判明していく。
過去の件では、ニュージャージー州から街に入るには、フランクリン橋
かホイットマン橋かだとしていたけど、結果的にはスティルマンが
閃いたようにして130号線からタコニーパルマイラ橋を通ってきた
ことが分かる。橋は人生の選択に於ける象徴的な意味合い・暗喩
として含まれていることが有るけれど、ジャコーニに殺されたのでは
なく、娘と息子がニアミスして出会った結果、仲良くしていた
保護証人者同士が殺しに関わり有っていたという皮肉な結末が待って
いた。
ジャコーニは終身刑。
ヴィニーは供述する変わりに刑務所内での安全の確保と娘との
面会権を求めていたけど、娘が逢いにいくかどうかは謎。
スコッティと恋愛関係を続けていたフランキーがスコッティに
対して不倫していた事実が明らかにされた時に一度は失望させ、
そして再び夫とやり直すとする結論を以てした際に、二度目の失望
を味わわせた。「怒ってないか?」と語っていたけど、怒っている
に決まっているジャンかって感じがするんだけど・・
この二人が一緒にいる際に、秘密の関係はよくないみたいなことを
言われて罰が悪そうにしていたところは笑えた。
ヴェラとジェフリーズは、ヴェラが謝罪の意味を込めて、
ベニー・カーター in パリのレコード盤をプレゼントしたことで
一件落着なのか。
ミラーは検事補がペンを返す姿を目にしていたけど、何を意味する
のだろうか。
■使用された曲
・Until the Day Is Done by R.E.M.
・If You Were Here by Cary Brothers
・The Ocean by The Bravery
・Crosses by Jose Gonzalez
・Slow Moves by Jose Gonzalez
■検索用キーワード
・
リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から
フランキー・ラファーティ (Tania Raymonde) 物理鑑識課、スコッティと
2009年・2008年
ベン・フェルドマン (Steven Eckholdt) 会計士、父
リー・フェルドマン (Katherine LaNasa) 妻
ヴィニー・ボナフォルテ (Gary Basaraba) ジャコーニの運転手
タミー・ボナフォルテ (Melissa Farman) ヴィニーの娘
ジェフ・フェルドマン (Tyler Blackburn) ベンとリーの息子
カーティス・ベル (Jonathan LaPaglia) 地方検事補
トム・パーカー (Jason Gedrick) 連邦保安官
— (Mark Casimir Dyniewicz) Father at Cross Country Meet
フレディ・ジャコーニ () “アイスマン”