第21話 ミス・レッド Miss Red
脚本/Ken Woodruff
監督/Martha Mitchell
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サウサリート・ペリカン・コーヴ・マリーナ。
リズボンとジェーンとリグズビーは現地入りする。先に捜査に
来ていたヴァンペルトは現状を報告。ソフトウェア会社のガイア
・マトリックスのオーナー、ジム・ガルブランドの失踪届が
昨日同居している兄・キースから出されて、今朝地元警察が
クルーザーを調べた所、デッキに血痕が発見されたが遺体は
ないという。リズボンは何故ウチが担当するのかというと、
ヴァンペルトはここは個人で所有しているマリーナであること
だとして市警の判断だという。有名人の行方不明は面倒なので
嫌なのねというリズボン。クルーザーに入ろうとするが、
リグズビーは風邪をひいて苦しそうにしている姿を見て、リズ
ボンは私にうつしたら一ヶ月は張り込み勤務にさせるという。
血痕のあるデッキを見ると争った形跡は無く、ただ一滴床に
垂れているだけだった。他に情報はないのかというリズボンに
対してヴァンペルトは、被害者は33歳、サウサリート在住、
推定資産は1億ドルだという。最近キャスリン・スタッブス=
ガルブランドと離婚していること。犯歴はないが、ガルブラント
の会社は証券取引委員の調査を受けていたという。かなりの
罰金と懲役刑を喰らいそうだという。
船の周りを歩いて回るジェーンとデッキの上から一緒に行動
を取るリズボン。ガルブランド本人が殺人に見せかけたのでは
ないかというヴァンペルトに対してその可能性も有るという。
船に血痕を残して海に沈められたと思わせること。
そんな中ジェーンはリズボンに対して係留されているのに錨が
下りている事を告げ、錨を引き上げると、そこには巻き付けら
れたジムの遺体が見つかる。
ベルベディア・ガルブランド邸。
リズボンたちはジムの兄・キースから話を聞く。彼はビール片手
に相当酔っているように思われた。居ないのに気が付いたのは
何時なのかと問うと、ジムとは毎日顔を合わせているので
居なくなった金曜日だという。2、3ヶ月前からこの家で同居
していること。ジムが離婚の手続きで参っていたからだという。
ジムは会社人間で、会社はリック・グレブマンと作ったという。
プラットホームソフトウェアというものを開発していたとのこと。
ジムに恋人は居たのかと問うと、ブルック・ハーパーという精神
科医だという。サウサリートリハゾリセンターで働いている
女性で俺がリハビリ中にジムが見舞いに来た際に知り逢ったの
だという。自分のことを一番分かってくれる人だと言っていた
という。キャスリンについては何か分かるかと問うと、あの女
は悪魔みたいな女で欲の皮が厚いという。ジェーンはキースに
対してニューエイジロックをしているのかと問うと、音楽は
儲かるのかと問う。金はどうでも良いとし音楽の聖なるものだと
いう。ジェーンは金だってそうだというと、ジムは遺産の件に
ついて尋ねる。一部はジムが支援していた慈善団体に渡り、
残りは俺がもらうという。金曜日の夜について尋ねると、女友達
のグレッチェンといたという。リズボンはチョウに連絡し、
ヴァンペルトに電話番号からアリバイを調べる様告げる。
そしてチョウにはリック・ブレグマンと逢って話を聞いてくれ
と命じる。
バークレー、ガイア・マトリックス本社。
チョウとヴァンペルトが会社へ。対応に出たのは車椅子で
この会社の保安部長をしているというスチュアート・ハンソン
だった。外部からのネットワークへの侵入を塞いだり色んな
アイデアを出したりしているという。リックは今、事件を
受けて対応に追われており、ジムの死で社員一同参っていると
いう。オーナーはかけがえのない人だったと。
リックに逢うと話を聞く。
ジムはビジネスの構想を練っていて戦略を担当し、私か経営を
担当していたというリック。ジムは頭が切れるが押しが弱いのだ
という。私は挑戦的で人に謝ることはしないというと、だから
証券取引委員の揉めているんでしょというヴァンペルト。
会社が受けて居る捜査の関係上言えない事が多いという。
ジムとは兄弟同然で殺す訳がないという。事件の夜は家に居た
とし、ジムはトップで彼が居ないと会社は危機に瀕するという。
死んで得することなど何一つ無いとのこと。
サウサリート・リハビリセンター。
リグズビーとジェーンは精神科医をしているブルック・ハーパー
から話を聞く。ジムとはボストンから移ってきてすぐに付き合い
始めたとし7ヶ月前くらいだという。彼が知人のお見舞いに来て
いたので出会ったこと。すぐに意気投合したという。ジムは穏やか
で優しくて寛大で利口だという。何故あんな酷い事をされたのか
分からないとのこと。事件の夜のことを尋ねると、ここで仕事を
していたという。恋人の事件を知ったのは何時か?と問うとジェーン
は遺体が見つかった日にも何故仕事をしているのかと問う。
患者が居るからだというと、家に一人出居ればジムのことを考えて
どうかなりそうだからだという。ブルックはリグズビーがインフル
エンザだと知り抗ウィルス剤を処方しましょうかと語る。飲めば
すぐに良くなるとして本来はダメだが処方箋を書いてもらうのだった。
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ソフトウェア会社・ガイア・マトリックスのオーナーのジム・
ガルブランドが失踪し、ジェーンたちの捜査ですぐにクルーザー
で殺害されていたことを突き止める。ジム自身が抱えていた問題
について色々と調べて回る。ジム本人のことを悪く言う人はなく、
会社が証券取引委員会によって調査を受けている際にも協力して
いたという。失踪届を出した兄のキースから話を聞くと、妻の
キャスリンと離婚して落ち込んでいた為に付いていたという。
彼からジムの恋人は精神科医のブルック、会社の共同創設者は
リックだということを聞いてそれぞれ話を聞いていく。
ここの所ジェーン対詐欺師みたいな形の如何にもな状況設定が
多いところが気になるけれど、やっている内容としては面白い
し、ジェーンの鋭い着眼点が至るところで見られるので楽しい
内容だった。
人間の心理をつくシーンが至る所存在し、金を得る為に必死な
人物が実に多い事。
推理小説では一番犯人では無さそうな人物が犯人であることで
インパクトを与えて楽しさを与えるのだけど、まさにそれを
体現したのではないかな。
登場人物の多くは金に執着している人物たちで構成される中、
一番きな臭い兄のキースだけは、”音楽こそ聖なるもので金など
どうでも良い”と言ったことが、実際に本当だった。車椅子に
座っているスチュアートという男性は、車椅子のハンデを寧ろ人
との距離を縮める為に利用している姑息な人物で、昔の推理小説
では、歩けないと思っていた人物が実は最後に歩けることが判明して
犯人だという構成の小説は幾つか目にしたことがある。
日本のドラマで言うところの吉田栄作さん主演のドラマ「もう誰も
愛さない」では、車椅子で弱ったフリして逆転する時を狙っていた
よな。
http://itawind.web.fc2.com/1990/moudaremo.htm
何気に冒頭でのシーンが一番良かった。
ジェーンがクルーザーの外から調べる際に、甲板の上にいるリズボン
が一緒に付いていき先端部にたどり着くというシーンだけど、
リズボンとしてはジェーンを頼りにしていることが伺えるものが
あった。このCBIもジェーンが居なくなったらどうなってしまうのか
って感じだよね。
リハビリセンターで精神科医をしているブルックは詐欺師だった。
長期的スパンで被害者に接近しているところは驚き。
シールドに於けるヒドラか!みたいな感じだけど、プルックだけで
なく上述したスチュアートもまた長期的スパンで金を狙っている
ところが凄かったね。
妻の流れは正直よく分からなかった。
兄の話では弟は離婚の手続きで参っていたので2、3ヶ月前から一緒に
いることを語っていたけど、離婚したのは一年前みたいなことを
語っていたし、その後ジムのパートナーであるリックが彼女と
恋人関係に有るということで、きな臭さを振りまいていたけど、
証券取引委員会の流れは結局このリックという人物のことを捜査
していたということなのか?
リズボンとジェーンの細かい駆け引き。
ジェーンはブルックの筆跡から本物の医者ではないことを口に
していた。医者の文字は普通の人には読めないとしていたけど、
この人は精神科医だし、医者は医学部時代に山積みの本と死体を
与えられるので嫌でも人間が変わるとして、彼女からは医者特有の
不気味さを感じ無いとしていたけれど、実際にブルックという
医者は医師会・ボストン総合病院に登録されていたけど、64歳だ
と判明する。
「へぇー見た目若いね」(PJ)
「嫌みな人ね、ホントムカツク!」(Lis)
リグズビーは今回インフルエンザだとして体調悪そうにしていた
けれど、処方薬でホントに治ったのか。超人的な人物だなって
感じだけど、張り込みの際に、心配したというヴァンペルトに
思わず告白しそうになっていた。
バックギャモンクラブではチョウが活躍。
令状を取れば客やスタッフ全員から聞き込みすることになると
告げた際には、支配人もそれを嫌がって中を見せることに了承して
いたし、相変わらずジェーンはバックギャモンでも大金を勝ち取り
そうな勢いだった。チョウが止めなければサウジの王子から騙し
とっていたのだろうか?
ブルックがニセ医者と知り逃走。
購入したカードの履歴から、男装していることを知る。
またジムは口座から現金を引き出していることが判明したことで、
その隠し場所について調べていくことになる。
隠し場所についてのアイデアを相談されるならばスチュアート
だろうということで話を聞きに行った際に、上手い事鍵を使って
ジェーンはスチュアートの人間性なり詐欺師であることを掴んで
いた。車椅子の人を見ると靴底を見てしまうとしていたけど、
すれた跡が有っても変ではないのではないのかな。
ジェーンがブルックをプロファイルした際に、チョコレートが
好きだとしていたけれど、その辺はどうやって見抜いたんだろう
か。
更に彼女を調べていくと、本名はリンジー・スミス、父はライアン
でセールスマン、母のデビーは専業主婦。リンジー本人は二度の
ミスティーンに選ばれスポーツ万能で聖歌隊のソリストまでしている
が、その後2年間の記録はなく、その後詐欺罪で2度も有罪を受けて
いるということで、指紋を調べればすぐに彼女のことは判明しそう
だけどね。その辺のことは何処まで本当のことだったのかな。
ラストはヴァンペルトが語っていたガムプレーを実線。
ブルックを泳がしてロッカーの在処へと案内させるも、実際には
車椅子のスチュアートが銃を突きつけて案内させていた。
ブルックは3年程度で出てこられるみたいなので、またジェーンと
対決していきそうな気がするけど、残念ながらこのイチエピソード
だけの出演みたいだ。
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パトリック・ジェーン (Simon Baker) 犯罪コンサルタント、CBI
テレサ・リズボン (Robin Tunney) CBIの捜査チーム・上級捜査官
キンブル・チョウ (Tim Kang) CBI捜査官・元軍人
ウェイン・リグズビー (Owain Yeoman) 放火事件のエキスパート
グレース・ヴァンペルト (Amanda Righetti) CBIの新人捜査官
スチュワート・ハンソン (Paul Cassell) ガイアマトリッマス・保安部長・車椅子
リック・ブレグマン (Charles Esten) ガイアマトリッマス共同創設者
キャサリン・スタッブス・ガルブランド (Amy Laughlin) 元ジムの妻
— (Charles Shaughnessy) Floor Manager
Dr.ブルック・ハーパー (Lisa Sheridan) ジムの恋人
キース・ガルブランド (Blake Gibbons) ミュージシャン、ジムの兄
— (Amir Khastoo) サウジアラビアの王子
— (Madison Bauer) Backgammon Club Reception
— (J. Paul Boehmer) Patient
フレッド・ヘイズ (J. Marvin Campbell) FBI捜査官
— (Jessica Pariseau) Clinic Receptionist
スタイルズ (Aaron Skinner) Uniformed Cop
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