第18話 血染めのジャガイモ Russet Potatoes
脚本/Ashley Gable
監督/Norberto Barba
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サクラメント中心部。
カール・レズニックは人通りの多い中を袋を持って引きずった
り、抱えたりして歩いていた。彼は独り言を呟く。
「自分は見つけるものじゃない。作り上げるもの。行動を起こ
せば進歩する」と。
チョウとパトリックとリズボンは本部に入る為のセキュリティ
を受ける為に長蛇の列の中並んでいた。暇つぶしに人を見て
観察眼を披露し逢う。あの女性のことを呼んでみてという
パトリックに対してチョウは香水アレルギーを持っているんじ
ゃないかというが、不倫しているという。リズボンはそんなの
ウソだと言う中、突然CBI本部にカールが袋を持って入ってくる。
中から血がタレ落ちていることも分かり、リズボンは急いで
銃を手にして投降を呼びかける。プレゼントを持ってきたという
男。パトリックはカールは瞳孔が開いているので薬でもしている
のかと問うが、そんなのしていないという。プレゼントって
袋の中に入って居る女性のことかと問うと、袋一杯に詰めてきた
ジャガイモだという。それを聴いたパトリックはこの人は暗示に
かかっていると語る。リグズビーはウソを付いているんだとして
動揺していないという。ウソが上手いヤツだろうとするが、
本人はウソだと思っていないのだという。
チョウがカールのことを取り調べる。
なんでジャガイモを持ってきたのか?ドーナツならばまだしも・・
というチョウ。誰の指示なのかと問うが、思い出せないという。
持ってきた物がジャガイモではなく女性だとしたら?と問うと、
これは何かとして遺体の写真を見せる。
パトリックはリズボンやリグズビーに対して暗示について説明する。
人の想像力にダイレクトに働きかけること。暗示に掛かると脳は
どんなおかしな想像も受け入れるのだという。リズボンはそれ
ってあなたが私の言いつけに背いて人に真実を言わせる為に
使うのが暗示ではないかという。女性の遺体をジャガイモだと
思わせること。以前ミネッリに暗示をかけたことがあるとし、
禁煙させる為だが、カールの場合、暗示の度合いが強いとして
腕前は凄い人だという。実際に殺したか、それとも無意識下で
殺したかと思い込んでいるカモ知れないこと。ただ本来備わっている
人格に反すことはしないのだという。良い人は良い人だということだ
と。暗示をかけた人が殺してカールをハメた可能性も否定出来
ないという。
ヴァンペルトがカールについて調べてくる。
パトリックは彼は車か船のセールスだろうという。礼儀正しいし
身なりも正しくセールスマンだという。ヴァンペルトはカーディー
ラーの営業マンだという。犯罪歴はなく、優等生タイプ。
権力に従う暗示に掛けるには完璧な人物だという。従順で圧力に
弱く流されやすいと。暗示は解けないのかというリズボンに対して
解く方法が分からないとし、それならば暗示をかけた人物を
探す方が早いのだという。リグズビーは被害者は指紋から
メリー・ヘンドリックス(27歳)だと判明。姉が来ていることを語る。
姉のリンジーは妹との写真を見せる。
頭を打たれて即死したことをリズボンは伝える。ウチを出た時は
元気だったとし同居しているという。田舎から一緒に出てきたと
して私は嫌だったけど、妹は心配ないと言っていた事を語る。
今までサンフランシスコに仕事で一泊していたという。
メリーは小学の教師をしていたが、昨年から私が勤めるドリーム
ライフセンターの仕事に就いているという。妹は博士の助手で
私は企画担当だという。NLPの全国セミナーを企画していること。
NLPとは神経言語プログラミングのことだというと、パトリック
はつまり人をこっそり操る手法だと語る。ロイストン・ダニエル
博士は良い人だとすると、パトリックは彼の事を知っていた。
国内有数の催眠療法士だという。
カールにメリーが死んだことを話すと、私はドリームライフセ
ンターのセミナーを受けて居るという。セミナーで分からない
ことがあるとランチの時に彼女は教えてくれたという。
パトリックはカールも一緒にドリームライフセンターに連れて行こ
うとリズボンに提案する。そこには催眠術師がいるとし、逃げたり
怪我したりしなければ問題が無いだろうと。
ダニエル博士はセミナーを行っていた。
パトリックは壇上に立つ彼に対して、助手のメリーが殺された
ので来て欲しいと語る。するとダニエルはボディガードをして
いるリック・ティーグラーに変わって講演をしていてくれと語る。
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突然CBI本部にプレゼントと称して女性・メリー・ヘンドリックス
の遺体を運んできた男・カール・レズニック。しかし彼は全く
悪びれた様子もなく、袋に入っているのはあくまでジャガイモ
だと主張する為にパトリックは暗示に掛けられていることを示唆
する。被害者が判明したことで姉のリンジーがやってくると、
二人の姉妹は田舎から出てきて、二人共ドリーム・ライフ・セン
ターという自己啓発セミナーの様な催眠療法士のロイストン・ダニ
エル博士が経営する会社で働いていた事を知る。あれだけ凄い
暗示をかけられるのは相当な腕を持つ人だということで、主催者
であるダニエル博士と助手のリック・ティーグラーを疑っていく。
こんなに簡単に暗示にかけられたら世の中、相当ヤバイことになり
そうだというくらいにひょいひょい暗示にかけられている人が
多かった。確かにリグズビーって一番暗示に掛かりやすい性格を
していて、かつてのエピソードでもモテ男のナンパ術に対して
リグズビーはその男に感化されていた(S1-14「第14話 深紅の情熱」)
けど、純粋なのか何なのか。リグズビーがカールに教わり実践
しようとしてリズボンの身振り手振りをマネしている辺りで
後半ヤバイことになりそうだなと思っていたけど、案の上ヤバイ
ところに追い込まれた。
この暗示のかけ方を見ていると異性にしかかからないような
方法論をとっていた感じがするし、暗示が掛けられるまでの流れがある
程度分かる状況までは、刑事の中でも誰が暗示に掛けられているのか
わからないものも有ったのでかなり危険な感じがして収拾が
つけられないのではないかと思わせる。
現在日本のドラマ「デスノート」が放送中だけど、キラはどのような
方法を使って殺人を犯しているのか、その辺の状況と似ている
感じはする。
姉妹の難しい関係性というのはわかるのだけど、「殺してまで・・」
って心理が働く方がちょっとメンタリズム的に難しいものがありそう。
これだけ暗示をかけるのが得意な人物ならば男性くらい幾らでも
従わせて行きそうで、別の所で彼女の持つ劣等感なり不満感を
解消していきそうな感じもする。
ドラマ的にはダニエルにしてもリックにしても相当怪しかった。
パトリックはダニエルに逢いに行った際に、リンジーに対して
今日は「自分を労れ」と語ったところに引っかかっていたけど、
リンジーと共に視聴者的には「君が居なくても大丈夫」という言葉
の方が心に突き刺さりそうなものに思えた。案の上この言葉が
俄催眠術を学んでいるリンジーとしては、心の中での怒りの引き金
を引き事になってしまった訳だけど、言葉が持つ傷みってありそう
だよな。
メリーが殺された際に現場に居たのはリックだったが、まるでその
日の事を覚えて居ないということから、自白や物的証拠が揃って
いるにも関わらず保釈が認められた。リンジーにしても何故リック
を庇う行動を取ったのかわからず、結局リンジーという女性は
自分の中の心の不満というのを語りたかっただけなのではないだろう
かという気がして成らない。
パトリックはリグズビーが暗示に掛かっていることを証明する為に、
今したいことをしてみろと語ると、ヴァンペルトにキスをしていた。
その後、パトリックとしては公園に連れて行き、暗示のかけられた
方法や元々リグズビーが持っているとされる心の傷に触れていく
ことになるけど、彼が心の中で暴力的な一面があるというのは
人間的に見てもかなりマイナス点に映ったのではないだろうか。
結局暗示をかけたのは肩に触れるというスキンシップだったけど、
暗示が解ける瞬間は、リグズビーの恐れの感情だったのかな。
海の中に鮫がいるとパトリックが語ることで、一瞬暗示が解けて、
再びリンジーがかけ直そうとしていたけど、鮫に襲われたという
ことが解けるキーワードとなっていたのか。
逆にヴァンペルトはダニエルに誘導されそうだったけど、いつも
パトリックといるから怒らせたいならば腕を磨いてと言われて
いた。「俺を怒らせたら大したもんだ」という長州力ばりの
ヴァンペルトが猛獣使いとなってリグズビーを宥める構図というのが
またなんとも言えなかったね。
でも指摘されたことはヴァンペルトの心理を反映しているのかな。
「美人なのが災いしている。子供の時からチヤホヤされていて
言われても嬉しくない。君は野心家だ。小さな街の生まれで成功し
たくてたまらない。一方でいつまでも埋もれていたらどうしようかと
不安に思っている。それを悟られたくないから心を閉ざしている」と。
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パトリック・ジェーン (Simon Baker) 犯罪コンサルタント、CBI
テレサ・リズボン (Robin Tunney) CBIの捜査チーム・上級捜査官
キンブル・チョウ (Tim Kang) CBI捜査官・元軍人
ウェイン・リグズビー (Owain Yeoman) 放火事件のエキスパート
グレース・ヴァンペルト (Amanda Righetti) CBIの新人捜査官
リック・ティーグラー (Bodhi Elfman) ドリームライフセンター
リンジー・ヘンドリックス (Wynn Everett) ドリームライフセンター
Dr.ロイストン・ダニエル (Alastair Mackenzie) 催眠術師
カール・レズニック (Chris Tallman) カーディーラーの営業
マイク (Cheyenne Wilbur) 催眠術に掛けられている
メリー・ヘンドリックス () 27歳、リンジーの妹