第7話 ウォリック・ブラウンの墓 Fallen Angels
脚本/Tom Mularz
監督/Louis Shaw Milito
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墓地でリック・レンケン牧師はダニエル書を語る。
「地に眠る者たちはやがて目覚めある者は永遠の命を授かり、
あるものは恥辱にまみれると。あなた方はそのどちらか。
闇に横たわる前に光の中で今成される善き行いこそが、人を
静かな眠りへと導くのだ。そこには悪意も復讐心もない。
さぁ命あるウチに自らに問いかけなさい。もし有る夜死者達が
目覚めたら、その日にあなたはどう写るだろう」。
墓地で遺体が横たわる。
この辺は治安の悪い土地で、天使でもこの辺に住んでいると
グレるというブラス。ギャングにドラッグ、犯罪多数地域で
墓地も例外ではないという。未亡人が亭主の墓参りに来て
新しめの遺体を見つけたという。デビッドは頭部に銃創一つ
有り、死亡推定時刻は午前24時前後だという。聖書が有り
ガイシャはリック・レンケン牧師だという。この先の教会の人
だった。跪いて祈っていたところを撃たれたものなのか。墓に
供える鉢植えがあることを指摘するラッセルに対して、それは俺
が先週置いたものだというニック。墓は殉職したウォリック・
ブラウンのものだった。元CSI捜査官だと語る。彼はガイ者と
知り逢いなのかというラッセルに対して、ウォリックはこの辺
で育ち顔が広かったのでそうかも知れないという。ラッセルは
捜査を手伝って欲しかったなと語る。
銃弾の薬莢9mmが落ちていたが古くて錆びていた。またラッセル
も38を見つけたが古いので殺人とは無関係のものだろうと。
この辺では発砲は珍しくないという。射入口の周囲に火薬輪
も媒暈もなかったとし近射ではないようだというニック。
リックについてブラスは独身で一人暮らし、夕べ10時に説教
を読んだ帰りに撃たれたのではないかという。
近道だったのだろうというラッセルにブラスは天国への道のな
と語る。
ブラスはニックを呼ぶと大丈夫かと声を掛ける。色々と思い出す
というとブラスは葬式以来だという。4年半はあっという間だと
すると折に触れて思い出していたという。特にUFCのファイトウィ
ークでアイツは大興奮したハズだというブラス。
この界隈を仕切っているアーロン・ヴォスならば何かを知っている
のではないかという。ギャングの親玉、ヤツはドラッグと強請
専門で殺しはしないという。しかしこの界隈の影のドンだった。
アーロンを署に呼ぶと、彼は人の知恵を借りたいのであれば
それなりの謝礼を払うモンだと語る。けちなこというなというブラス
は牧師を殺したことについて知っていることを話せという。何も知
らないことを語ると、一週間前には君も撃たれかけたのだろうという。
同じヤツが撃ったのかも知れないぞと。俺とカタギを間違えるヤツ
はいないだろうと。これはウォリックが絡んでいるのでヤツの墓に
血が流れてピリピリなのか?という。ウォリックとは色々と合った
とし、アーロンのことを悪の元凶だと読んでいたという。荒んだ
一帯をウォリックは変えようとしていたがウォリックも牧師も
きれい事だけだとし、一帯を仕切っているのは俺だという。
ニックはウォリックの家にいくと、イーライが外でチョーク
を使って絵を描いていた。ニックはイーライに声をかけ、自分
は父さんの親友だったニックだと語ると大きくなったなと語る。
ティーナに対して話を聞こうとするが、彼女は頑なに会話する
のを拒む。ウォリックの墓の前で遺体が見つかったこと。
しかし今後二度と家には来ないで欲しいとすると、来たら警察に
知らせるという。そんなニックの行動を男性(ジェームズ)が
見ていた。
モルグではグレッグが遺体を調べる。服には白い粉、靴には青い
ものが付着。ホッジスに分析してもらうと、着衣の白い粉はオキシ
コドンで、砕いている状態なので麻薬に使っているのだろうと
のこと。しかし遺体からは薬物は掲出されていないという。しかも
それが付着していたのはズボンの尻の部分なので、座った時に
付着したのだろうと。靴底の付着物はインディゴと炭酸カルシウム
・・・つまり青いチョークだった。ニックがやってくると、その事実
を聞いてチョークについては心当たりが有るという。ティーナの家
の戸口の前に青空の落書きが書いて有ったのだという。生前立ち寄
った最後の場所かも知れないという。
サラとフィンは改めてティーナの自宅へいくと、室内を見せて
もらうという。あまりには荒んでいる状況だった。ウォリック
はこの家で祖母に育てられたというサラ。ウォリックとティーナ
は別れた後に彼女にここに住ませたのだという。親権を争っていた
ことについては死後に分かったとのこと。室内に置かれている
ステレオを見てよく自慢していたと懐かしむ。なんであんな女性
と付き合っていたのかと問うフィンに対して、元々は看護師だった
のだという。死亡保険が下りて辞めたのか?。最初の頃は様子見
に来ていたがドアを開けてくれなかったと。イーライは泣いていた
という。ジーンズが置いてあることから男性がいるであろうこと
とオキシコドンがここにあることを突き止める。指紋が付いている
としてすぐに携帯端末で指紋を調べると、クリフ・ポールのもの
だと判明。暴行、過重暴行、仮釈放中という人物だった。ティーナが
安易にドアを開けないハズだと言う。ティーナに対して夕べレンケン
牧師が来ていたか尋ねる。そしてクリフについて尋ね、オキシコドン
と大麻が見つかったことを語る。クリスのことを牧師が忠告に
来ていたのではないかと尋ねる。しかしティーナは寧ろラスベガス署
に対する不審さを語り出す。マッキーンというウォリックを殺した
ことのことを告げ、CSIは振り回されて死人が出たのだろうと。
サラたちは児童保護局の職員にイーライをつれて行ってもらうこと
を告げ、子供の為だと語る。ティーナは涙するが・・
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ラスベガスの中でも治安の悪い地域の墓地で遺体が発見される。
しかもその遺体はこの地域の教会で牧師をしているリック・レン
ケンだった。墓地で銃弾を頭から受けて死亡していた格好だが、
その遺体はなんとウォリック・ブラウンの墓石の前で死亡して
いたのである。シーズン9の1話で当時副保安官をしていたマッキ
ーンによって殺されたウォリックの墓標を前にして、CSIで彼を
知る仲間たちは当時の思いに伏せる。
ティーナの恋人だとされる男性・クリフの自宅を調べに行く
モーガンとラッセルは、銃があるのに使用せずに窓から転落して
なくなっていること。そして現場には鑑識が使用するライトが
落ちていて指紋はウォリックのものであったことから、ウォリック
が生きているのかそれとも幽霊の仕業なのかとして、怯える。
ウォリックと対立関係に有ったヴォスの中にはまるでウォリックの
信条が吹き込まれたような行動を起こしていたというところが
なんとも言えないですね。
ウォリックが亡くなってから時が過ぎたなと思うけど、同時に
シーズン9の10話でCSIから立ち去ってるギル・グリッソム
もまた生きているのに登場がなくなったということで、同様に
彼らが居なくなってから長くなったなと感じる。
ウォリックと言えばやはりシーズン1の頃からのライバル関係に
有ったニックだと思うし、そしてニックほどではないけどサラとの
関係もかなり深いものがあるので、この一件に関わるのは色々と
思い出すことも多そう。まぁそんな事実を忘れさせる以上にラス
ベガス署では色んなことが起きすぎているけどね。
このシーズンに入ってから身内話が多く、子供を守る為に行動を
起こすものたちの行動が目に余るところも有るのだけど、
今回の顛末もまかりなりにも子供の事を守るギャングのボスが、
子供の為に犯していたことだということで、犯罪は許せないのだけど、
何処か憎めないところがあるのも確かだった。
ウォリックの影を感じさせる為に、ウォリックから色々と教わって
いたというジェームズとギャングのボス・ヴォスの関係が親子関係
だということが知らされていなかったし、まるでウォリックの家族
を密かに守っているジェームズとジェームズのことを密かに
守っているヴォスの関係をみるとなんだか不思議な構図が有るな
という感じ。
町の人々の救いとなるべき人物・牧師があくどい不動産業に手を
貸していたところなど忌忌しいものがあるし、通報しても警察が
こないというくらいのスラム地域故に自衛的な流れと、何度も
手を差し伸べていたサラたちのことを拒んでいたティーナの本音
が対象的な状況であり脚本の妙を感じる。
今回もまたDNAが重大な役目を果たした。
現場に落ちているDNAは果たして誰のものなのか。
クリフの部屋の滴下血痕もそうだし、ジェームズが持っていた
新品の靴に付着する飛沫血痕の痕。
ジェームズの靴を奪ったとされるいじめっ子ベンが失踪した当時
のVTR映像、2011年10月27日の映像には相手の手だけが映って
いた。
ホッジスとモーガンの共同作業ってことで、靴底から自動車の塗膜片
なり油を見つけた為に廃車置き場に遺体が捨てられているであろう
ことを突き止めようとするが、4年も前の遺体。
沢山積み上げられた廃車の下に埋まっているのかどうかって
感じだけど、フィンがキーファインダーを使って鍵の音を探り
出して、奇跡な方法論で遺体を見つけ出した。
銃弾によってベンが殺されていること。
その銃弾が殺された牧師のものと同じであること。
ヴォスが何者かによって襲撃されたことで、上手い事カモフラージュ
した格好だったけど、結果的にヴォスの車からは牧師のハンカチ
が見つかったり、チョークの粉が牧師の靴底についていたことで
道しるべのような形になっていた。
皮肉にもかつては敵対していた相手なのに、ウォリックの家族を守る
ヴォスの姿はなんとも言えないね。
ティーナは結局子供を取られないで済んだけど、あんなジャンキーの
ような状況の女性に児童保護もよく返すことを決断したな。
■その他
・Who Are You by The Who
D.B.ラッセル (Ted Danson) CSI主任・S12より
ジュリー・フィンレイ (Elisabeth Shue) CSI・S12 #14より
ニック・ストークス (George Eads) CSI ・ S12・昆虫学
サラ・サイドル (Jorja Fox) s10で復帰
グレッグ・サンダース (Eric Szmanda) CSI研究員
アル・ロビンス (Robert David Hall) CSI検死官
デビッド・ホッジス (Wallace Langham) CSI
デビッド・フィリップス (David Berman) CSI (眼鏡の方) 検死
モーガン・ブロディ (Elisabeth Harnois) L.A市警、SID、エクリー 娘
ヘンリー・アンドリュース (Jon Wellner) DNA
ジム・ブラス (Paul Guilfoyle) 刑事、警部
ミッチェル (Larry Mitchell) 捜査官
ティーナ・ブルースター (Meta Golding) ウォリックの妻
アーロン・ヴォス (Malcolm Goodwin) ギャングのボス
ジェームズ・ニューマン (Kofi Siriboe) ウォリックを尊敬する子
ジョレーン・ニューマン (Michael Hyatt) 叔母
リック・レンケン (Harrison Page) 牧師
イーライ・ブルースター (Terrell Ransom Jr.) ウォリックの息子
クリフ・ポール (Greg Anthony) ティーナの彼
ベン・トレイトン () 近所の不良、一年前に失踪