第11話 殺しの生中継 Dead Air
脚本/Joe Pokaski
監督/Phil Conserva
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テレビ局のKVKCでは午後23時のニュース番組の為に準備して
いた。プロデューサーのポールセンはテレサ・シェーは何処
にいると声を掛ける。レイニー・デイズにはCM後に出ることを
伝えろと語り、デニーにはグリーンバックの準備をさせろと
指示する。そんな中テレサはアシスタントのチャドとやってく
ると、テレサはチャドの責任にするが酷いと語る。
「CH4 KVKC ニュースのテレサ・シェーです」としてオープニン
グが始まる。現在ラスベガスは豪雨で酷い状況の為に、
外でレポートしているエラ・セントジェームズに集中豪雨の件
で色々とクロストークしようとするが、嵐の影響でエラの音声
が変な状況だった。更に一度スタジオ内の電源が落ちるという
ハプニングが起きる。ポールセンは一体どうなっているのかと
する中で、20秒後に電源が入るとテレサが死亡して発見される。
サラとラッセルはテレビ局にいくと、バルタン刑事が既に捜査
を開始していた。
被害者はテレサ・シェー、アンカーウーマン。
放送開始後停電が有り、20秒で照明が回復したがその間に
殺されたというものだった。スタジオ内は音声も照明も全自動
なので実質密室殺人だという。デニー・ジョーンズが照明係
だということで、事件当時の照明の再現をしてもらう。
ラッセルは他のスタッフはどうしているのかと問うと、フィン
は火災調査現場に行き、啓蒙活動家の家に行っているという。
グレッグとモーガンは事務処理、ニックは強盗事件を扱っている
とのこと。ラッセルはサラに総動員だと伝える様指示する。
鑑識のデビッドがやってくると、刺創が首の後ろに一箇所ある
という。ナイフによるもので急所を一発で仕留めているとサラ
に説明する。デビッドは昔これと同様に蛙の解剖の時にピッシング
と呼ばれる蛙の急所に針で刺して殺したことが有り、女子の分
も頼まれてやっていたら、ピンチヒッターというあだ名が
ついたとのこと。地味だけど頼りになるというサラ。
刺された時の状況が見たいので遺体を上げて欲しいとサラは語る。
すると飛沫が有り、犯人は左から来てナイフを刺したこと。滴下
血痕によると犯人は急いで右方向に逃げて居るという。
左から右へ通りすがりのピッシングだというサラ。
映像編集ルームにいたラッセルはここでシーホークスの試合を見
たいと呟く。プロデューサーのフレッド・ポールセンがやって
くると、報道22年携わってこんなことを初めてだという。中継
中断後にすぐ照明が20秒停止して真っ暗になったという。殺人には
動機と実行のチャンスが不可欠だという。死因は鋭器損傷で
凶器は五万とあるので先ずは動機のせいで絞ろうという。
テレサを恨んでいた人物はと尋ねると、フレッドはスタッフ
リストを渡す。テレサは気難しい人だったとし、犯行可能だった
人を尋ねると近くに居たのは3人だという。マンツーマンで聞き
取りをしていくとのこと。
レイニーのことを調べるサラ。
私はフレッドから出番はCM明けだと言われていたのでドップラー
を見ていたという。モンスーンのことかと問うと5月から8月に起きる
もので今回はトレーニングと呼ばれる二つの嵐がぶつかり雨量が
増して鉄砲水が発生したのだという。気象と大気科学の修士号を
持っているとするとして学費はローンのレシートを見せると語る。
この衣装はどうしてなのかと問う。大人しい衣装を着たいのでは
ないかと問うとお天気お姉さんの変わりは幾らでもいるのだし
レイニー自体本名ではないという。逆らったら首になるとのこと。
テレサの首の後ろが刺されたが心当たりはあるかと問うと、怪しい
のはエラだという。フィールドレポーターをしていて、ポールセン
はエラをアンカーウーマンにしたかったが、ニュースの女王は簡単に
地位を渡さなかったのだという。テレサが消えて得するのはエラ
だということ。しかし事件時は街でレポートしていた。
テリサは残酷な人で全員が怪しいことを語る。
グレッグはチャドに話すと、空飛ぶ飛行機は回収したのか?と
おちゃらけられる。停電時は何処にいたのかと問うとコーヒーを
買っていたとして女王が注文したライトクリーム、ダイエットシュガーだ
という。自販機の支払いはカードか?と問うと君の仕事道具を見せて
欲しいという。
モーガンは照明係のデニーの元にいく。
不気味な暗い場所で多数の道具を所持していた。仕事で色んなもの
を切るから、全て別の用途に使うものだという。手を調べさせて
欲しいとし、綿棒で調べる。僕を疑っているんだねと語る。
何人かを調べていることを認める中、誰かを刺すとしたら何か
使うかと問う。デニーはここにある道具ではダメだとして、取っ手が
大きく重い道具を使うという。デニーの仕事はと尋ねると、
照明だけど、簡単なIT作業もいるという。テレサは苦しんだのか
と問われると分からないという。綿棒からは血痕は検出されなかった。
ニックは裏口でコーヒーカップを見つけ回収する。
ロビーというロケ班の人物が中継車で戻ってくると電源を充電
する。停電で充電はできないことを説明すると、停電は主回路
だけだろうとし、ここは建物とは別の電源を使っているのだという。
ニックは君は建物に詳しいねと語ると、テレサが殺された
のは本当なのかとエラが声を掛けてくる。テレサと親しい人は
なく距離を置く人だったという。自分以外は敵だと。
ニックに事件の件でインタビューさせて欲しいというロビーだが
それを断る。
サラに電話が鳴る。電話して来たのはギルだったが、サラは無視
する。
被害者のテレサのことをアルはモルグで検視する。
チークインプラントが入って居て、年齢にあらがい彼女は
若返りの施術を相当しているという。フェイスリフトのキズ痕と糸、
額の筋肉が動かないのはボトックス注射のせいで、唇の皺取り
などしているという。ルックスがものをいう仕事は大変ねという
サラ。死因は脳幹切断だというアル。凶器は何かと尋ねると
傷口周辺に打撲が見られるとのこと。ナイフのツバみたいな跡
で、折りたたみ万能ナイフが切れ味の良い片刃のナイフではないか
と。創洞に見えるミドリ色の糊状ものは何か?と問うと、アルは
生物由来のものではないのは確かだとしてホッジスに分析して
もらうと語る。
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テレビ局での生放送中に看板ニュースアンカーのテレサ・シェー
が殺害される。放送が始まり僅か20秒間の停電の中で、殺せる
人物が居たのかどうか。停電との関連性も気になる中、テレサ
を殺せたのではないかとするスタジオの彼女の近くに居た人物
は、プロデューサーのポールセンによると3名(レイニー、デラー、
チャド)で有り、それぞれから事情を聞いていくことになる。
するとダレもが共通するように語るのはテレサはダレからも嫌わ
れていた人物だということで、彼女を憎んでいる人は全員だろう
ことを耳にしていく。
テレビ局密室殺人事件ということで、これまでのこのシーズンの
流れとはちょっぴり変わった流れが有った。
このエピソードを見ると、偶然にも先週放送された「コールドケー
ス」S6-13の「ニュースキャスター」とかなりソックリなシナリオ
である。
勿論科学捜査がメインなので、構成や演出はまるで違うが、
時代の変遷によってベテランのニューカアンカーが若手に押しのけ
られることを恐れて殺害し、そのアンカーの死を報道したことで
アンカーマンとしてのキャリアを延命した訳だけど、今回のドラマ
では、アンカーウーマンを殺した人物がのし上がったという流れ
ではなかったけど、結果的に彼女が居なくなったことで、
マジメにお天気お姉さんとして働いていたレイニーこと、ジェニフ
ァーがニュースキャスターとしての活動を任されることになり、
同僚の死亡ニュースを報道することで地位を確立していくオチだ
った。
なんと言っても恐かったのはモーガンが一人で照明係のデニーの
元に聞き込みにいくシーンだった。まだ容疑者の段階なので
下手に不審がるということも出来ないけど、モーガン一人で
よくあんな場所に行かせたなという感じ。少しでもあの場面で
主犯の男に手を貸していたという証拠が出てしまったら、たちまち
襲われたと思う。
不条理なことをされたチャドがコーヒーに小便を入れていた
みたいだけど、毎回そんなことをしていたのだろうか(笑)
正直笑えない出来事だけど(笑)って書いてしまった。
なんで突然テレビ局にバルタン刑事がいるのかなと思った。
S13はミッチェル捜査官が大活躍だけど、バルタンが今でも刑事を
しているのかどうかも忘れていた。気が付くと人事異動していた
りするし、バルタンの前回の登場エピはS12-21の出演だったけど、
その後ラスベガス署のごたごたも有ったことも有り、どうなったのか
気になっていた。最近Dlifeで放送していた「ニキータ」の最終
シーズンでFBI捜査官としての役割で彼が登場していたけどね。
今回専門的なセリフも多く、デビッドとサラの会話が笑えた。
蛙の解剖時にデビッドが蛙に針を刺してピッシングをしていたと
して、女性の分まで頼まれて行っていたことでピンチヒッターと
いうあだ名がついてしまったとしていたけど、サラから「地味で
頼りになる」と口にされていた。このドラマ、野球ネタが会話の
中で盛り込まれることも多ければ、今回は色々と言葉遊び的要素も
多く含まれていた。
停電の原因となったネバダ電力の送電線の変圧器は爆破されていた。
装置はニトルグリセリンとワックスペーパーで作ったもので、
ダイナマイトを作っていたプロだということで、建設関係者
か解体業者、元軍人が疑われることになる。
ホッジスはコーヒーを調べていたけど、コーヒー以外の物質の中に
尿素が出てきたということで、斬新な甘味料の試飲ではないか
と語る姿。そして遺体の切り口に付着するミドリ色の物質は
酸化クロムで、刃を研ぐときに使うもので革を使うのだという。
デビッドがサラとの会話の中でピッシングのことを口にしていた
けど、ホッジスは革を使って研ぐ方法をストロッビングと語る姿
が有り、この辺は偶然じゃなくラップの如く韻を踏んだみたい
な感じになった。
中継車からの放送が実は録画だったとする流れを見つける際には
TOC(トランスミッション・オペレーション・コントロール)の説明
をして中継車からの電波の流れを説明するところは如何にもCSI
的専門性のある流れだったし、ミドリ色の物質がグリーンバック
として合成に使用されているという中で、中継のトリックを解き
明かしてエラとロビーの不倫の流れを見つけ出した。
また前回のエピソード同様に事件の繋がり感みたいなものを描いて
いて、アンカーウーマンのテレサとデニーの関係性だったり、
デニーからの流れで過去の火災事件に於けるポールセンの関与
が取りざたされたり、テレサが女王として君臨していられる背景
が描かれたけど、この辺はちょっと出来過ぎな流れが有ったかな。
テレサとしてはまた報道マンとしての食指が動いたのだろうか?
そしてなんと言っても笑えるのは、半年前にはテレサとエラが
ダブルでスタジオ内でダブルアンカーウーマンとして活躍して
いたのだけど、エラが下ろされた際にフィールドレポーターに
降格された時の映像をレイニーが証拠の一つとしてCSIに持って
くるシーンが有る。モーガンとフィンとレイニーの三人のプロンド
が並んでいる姿にちょっとグッとくるものが有ったけど、
その際エラがレポーターとして報道していたのは、先日のエピソード
の中で、逮捕された麻薬の売人で市の法律顧問の息子・ボビー・
リード事件のことだったね。
更になにやら速記に関して、グレッグ式という古風な手法が使われ
ていて、それを解き明かす流れは大変そうだった。自分もエピソード
ガイドをリアルタイムで書いているのでパソコン上で特殊な速記的
な手法を使って後々変換しているのだけど、なんだかサラの説明
は気難しいことになっていたね。
「愛は人を愚行に走らせる」というラッセルのセリフもさながら
最後は、みんなで旗取りゲームのような形で結局犯人を見つけ出し
たけど、20秒ということを考えれば、相当限定される人物だと
思うんだよね。そして停電したとしてもスタジオが真っ暗になるなんて
あり得るんですかね。
そしてなんと言ってもサラとギル。
相当恋も冷めてしまっているのか、サラは寂しさに押しつぶされそうなのか。
電話を何度も無視するシーンはなんとも切ない。
■その他
・Who Are You by The Who
・Madness by Muse
D.B.ラッセル (Ted Danson) CSI主任・S12より
ジュリー・フィンレイ (Elisabeth Shue) CSI・S12 #14より
ニック・ストークス (George Eads) CSI
サラ・サイドル (Jorja Fox) s10で復帰
グレッグ・サンダース (Eric Szmanda) CSI研究員
アル・ロビンス (Robert David Hall) CSI検死官
デビッド・ホッジス (Wallace Langham) CSI
デビッド・フィリップス (David Berman) CSI (眼鏡の方) 検死
モーガン・ブロディ (Elisabeth Harnois) L.A市警、SID、エクリー 娘
ヘンリー・アンドリュース (Jon Wellner) DNA
ジム・ブラス (Paul Guilfoyle) 刑事、警部
バルタン (Alex Carter) 刑事
フレッド・ポールソン (Daniel Roebuck) テレビ番組プロデューサー
デニー・ジョーンズ (Lenny Jacobson) 照明係、小道具
エラ・St.ジェームズ (Spencer Grammer) リポーター
テレサ・シェー (Danielle Bisutti) アンカーウーマン、ベテラン
チャド・レーン (Jacob Zachar) テレサのアシスタント
レイニー・デイズ / ジェニファー・トーマス(Abigail Klein) リポータ
ー
ロビー (Richard Blake) テレビ局ロケ班、エラと不倫
— (Felisha Terrell) Competitive Reporter
— (Tom Choi) Director
— (Daniel Mitchell) カメラマン
ギル・グリッソム (William Petersen) 声
— (Shane Saunders) リポーター