第3話 脱出 DEAD RECKONING
脚本/Steven Kane
監督/Jack Bender
【前回までのあらすじ】
人類の半数は謎の伝染病によって亡くなる。
補給物資の確保の為にネイサン・ジェームズ艦隊は、キューバ
のグアンタナモ基地へと向かう。3班に分かれて、倉庫、病院、
燃料の補給をそれぞれ担当する。
一方基地にはアメリカの刑務官だったテックス・ノーランが
生き残っていた。この基地にはアルカイダの残党が全部で14人
居て待ち構えているという情報を伝える。戦闘が始まり、アル
カイダを壊滅させ補給も達成したところ、出向に備えている
中、何者かから通信が入る。イギリスの艦隊だとして救助を
求めてくるが、そういった軍艦は存在しないことからトムは
臨戦態勢を取るよう告げる。目視できるようになるとあれは
ロシアの船だという。戦闘配置につく中、マイクは既にロック
オンされているとして告げる。
【ストーリー】
トムはロシア戦艦に交信すると先ほどの女性(ケリー)の声とは
違い男性が無線に出る。欲しい物をいただくためにやってきた
という男。CICに対して相手が分かるかと問うトム。
古いタイプのキーロフ級ミサイル巡洋艦で原子力推進なので
核を搭載しているという。老いぼれだが危険だということだ
というマイク。敵は自らをコンスタンチン・ニコライビッチ・
ルスコフ海軍中将/提督で、元はロシア海軍北洋艦隊司令官だ
と語る。
トムは合衆国海軍の領域に踏み込んでいるので危険だとして
退去するよう求めるが、ルスコフは君たちを追って地球を半周
してきた事を告げ、争うつもりはないという・・ただし要求に
応じればだという。そちらにウィルスの始原株があるだろうと
し、株とレイチェル博士を渡せという。トムは何のことだか
さっぱり分からないとするが、命令に従わなければキノコ雲
に包み込まれることになるという。フランスが原爆でどうなっ
たか見ただろうとして、私の船にはその力があると脅してくる。
トムは直に逢う必要があるとして、平和的解決を話し合いたい
と提案する。
トムはレイチェルの元にいくと、他にワクチンに取り組んでい
る学者は居るのかと問うと、みんなそうだろうと語る。ロシア
での事情はどうかとすると開発にはほど遠いところに有るとし
今では学者の全員が死んでいるハズだという。君が北極の
氷の中から見つけた始原株を誰かが手に入れたらワクチンを
作れると思うかと尋ねると、適切な設備と優秀な学者が居れば
出来るという。
トムはクインシーを借りたいとして、テックスたちも加わり
ボートで提督と話し合うために互いに逢うことになる。
トムとマイク。マイクも同行したがるが、副官まで居なくなる
のは好ましくなかった。ムスコフは天才文略化で交渉が長引く
程に身動きが取れなくなるとマイクは忠告する。既に外洋
への路はふさがれているので話し合わないといけないという。
スミスやベルカムたちに警戒するよう告げ、ムスコフたちは
毒を用意しているかも知れないので全員がマスク着用だと告げる
トム。
ルスコフと対面することになる中、一応毒がないか確認させて
もらうとして相手の血液も採取する。
北極では互いに大変だったとして、そっちは5機のヘリコプター
を失っただろうと語る。しかし大した損害ではないとして世界
は今や我々のものだという提督。血液検査は陰性だと分かる。
先任曹長のジーターはマイクに対して沖を見てくれと語る。
ロシア兵たちは海に機雷を敷設していた。艦長不在時に戦闘の
危機は犯せないとして、ハンターを使い湾内への安全な水路を
探らせろと指示する。
そしてマイクは1から6までのトマフォークを用意しておく様
告げる。一時間内に連絡が内場合は、キーロフ級巡洋艦を沈める
と語る。
提督はトムに対してウィルスから生き延びる為には海上に留まる
しかないと言ったがモスクワでは話を聞かず全艦隊の帰還を
命じたのだという。私は自分の判断で留まったとし、軍とか国
の違いとか今更何の意味もないと語る。私には意味があるとして
反論するトムは合衆国海軍軍人だと語る。それに変わった祝福
のやり方だとしてフランスに核を落として何人を殺したと思って
いるのかと問い、500万人か1千万人かと迫る。しかし提督は
フランスは既に終わっていたのだとし、君たちの帰還の足止めを
する為に威嚇して撃ったのだという。ワクチンをポケットに
入れたままこっそり帰ろうとしたのだろうと。トムは独占する
つもりはないとし世界を救うのに使うという。しかし提督は
恐怖がウィルスよりも速い速度で広まり、国同士、兄弟同士で
戦い政府は自国民を抹殺したという。3日で6千万人の中国人が
自国の政府によって殺されたのだという。
世界は救うに値しない状態だとすると、それならば自分の為に
欲しいと言っているのかと問う。それにワクチンはないと語る。
提督はパズルのピースを私は持っているとし、貴艦に出来る
のは始原株と研究データ、そしてスコット博士を渡すことだと
いう。出ないとここで死ぬだけだという。船を沈めるという
脅しは通用しないとし、時間を省こうというトムは、最大限の
譲歩としてここに始原株のウィルスのサンプルを持って来たの
で差し上げるという。博士は渡せないと語る。よく考えろと
いう提督は勝ち目はないとすると、クインシーは自分がロシア
戦艦に乗ることを語るが、断るとして欲しいのは助手ではない
と語る。私の船は原子力で向こう25年は無補給で湾を閉鎖出来る
という。トムは船は動かせるがクルーはどうかとして、人は
食べないと生きていけないと語る。我々は倉庫に備蓄が有ると
いう。提督はビクトルに銃を用意させる。一瞬その場は緊張す
るが提督は自分の部下を躊躇なく殺害すると、これで一人分
減っただろうと語る。
交渉は決裂して互いに船に戻る。
外海への唯一の水路に12個以上の機雷が敷設されたとし、時間が
経つほど身動きが出来ないと言ったマイクの言葉は正しいと
トムは語る。しかし世界最高の戦闘艦と自由に使える海軍基地が
あるとして脱出プランを考える様告げる。グリーンとテックスで
戦術プランを練るよう語る。
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■キューバのグアンタナモ湾・補給基地
取りあえずアルカイダ殲滅を行い制圧したまでは良かったけれ
ど、一難去ってまた一難とばかりに新たな敵と遭遇することに
なる。沖合にやってきた謎のコールサインの艦隊は何処の
国のものなのか。
1話に出てこなかったのでテックスとは誰のことなのかと
思ったけど、キューバで看守をしていた人物だった。
しかしこの人物、思っている以上に艦長との絡みも多いし
いきなり作戦に加わることが多いね。
演じているJohn Pyper-Fergusonは、
「ブラザーズ&シスターズ」のジョー・ウェドン役、
「バーン・ノーティス」S7ではジェイムズ・ケンドリック役
「ALPHAS/アルファズ」ではスタントン・パリッシュ役に出演。
■いよいよロシア艦隊と対面
これまでいくつかの不可解な事件が発生していた。
1) 北極で襲ってきたロシアのヘリコプター
2) クインシー・トフェットが何者かと衛星電話で交信していた。
3) フランスの沖合にある無人の補給所での核爆弾の発射
4) イギリス人によるイギリス艦隊からの連絡
それらの流れが一つの元凶の元で存在することが今回初めて
判明した。
ロシアのラスコフ提督が率いるキーロフ級ミサイル巡洋艦が
ずっと駆逐艦ネイサン・ジェームズ号のことを追いかけていた
ことが判明する。
■戦力的にはどちらが上なのか
アメリカの軍事力と言っても現在は1対1の構図。
しかも駆逐艦(アメリカ) vs 巡洋艦(ロシア)の構図となった。
巡洋艦の方が明らかに旧式だけど、原子力推進で、原子爆弾
を搭載しているという怖い状況だということが判明する。
まるで第2次世界大戦後、ケネディ時代のアメリカに於ける
キューバ危機を想定したような状況で、ここでもまた米ソ対決
の構図・核戦争の危機が発生してしまった。
映画「レッドオクトーバーを追え!」では潜水艦同士のやり
とりで、タイフーン級原子力潜水艦を率いていたラミ
ウスがアメリカに向かって航行してきた時には緊張感が
走ったけど、結果的に亡命の為にやってきたことを知るという
流れだった。
陸地側にいるアメリカの方が長期戦になれば、食糧事情からも
有利になりそうだけど、相手もなかなかの策士ということも
有って、上手くは運ばない。
■今までロシア艦が追いかけて来られた理由
やっぱりというかこれまで不審な行動を取っていたMr.Spock
のようなクインシーがキーマンとして存在していた。
彼は元々悪い意図はなく、このウィルスが世界中を蔓延して
いる状況の中、各国政府が禁止していたウィルスに関する情報
管理に関して懸念を示して、ウィルス学者・セルゲイ・ユマノフ
と情報共有し連絡を取っていたが、ある時から彼が殺され、
そしてラスコフが彼の妻子を人質に取り、情報を常に求めていた
様子。クインシーの妻・ケリーが美人(笑)
提督も途中からこの作戦も失敗半分だろうとして、君を手放し
たくないみたいな感じになっていた。
ケリー役のAlice Coulthardはイギリス出身の女優さんの様で、
交信してきたイギリスなまりの人物は彼女だった様子。
原語が理解出来ればこの辺の通信でのやりとりは興味深く
写ったのかも。流石にロシア人が英語をごまかせるハズもない
しね。
切ないのはレイチェルはクインシーとは10年以上共に研究して
来たのに裏切られたことか。
まぁクインシーにもそれなりに理由は有った訳だけど・・・
■提督が要求するのはレイチェル博士と原始株
ロシア側の方がかなりウィルス・ワクチンの開発には遅れを
取っているみたいだけど、アメリカ側にはないものを持って
いることを口にしていた。それってあの最後に出てきた怪しげ
な博士のことを言っているのだろうか?
メルヘムとスミスが水路の岩礁を調べて、外洋に逃げる為の
道を模索する中で、相手も想定済みとばかりに二人を殺害
してしまった。スミスは先日活躍をした海軍兵だったので、
命を落としてしまったのは残念。
それに対してトム側も報復として本艦はアーリーバーク級
(Arleigh Burke destroyer)で戦う為に作られた駆逐艦だとして、
威嚇発射した後、武器レーダーの火を落として水平線の向こう
に消えるよう要求する。
撤退はしたが相手もレーダーでこちらの様子を監視していた。
■アルファチームとブリッジチームと連携
なんとか提督の網から抜けだす為に、アルファチームは
ボートで提督が計画していた、クインシーとレイチェルが
本艦にやってくるということを逆手に取って、フォスター大尉
とグリーン大尉がボートに乗りロシアの巡洋艦に最接近する
ことになる。
満潮時に水位が高くなることを利用して、水路側から駆逐艦
を通そうというもので、その際にタイミングよく岩礁を壊して
行かねばならなかった。
また相手に行動を悟られない為に、ジーター先任曹長率いる
チームがアルミホイルを使い全長150mの駆逐艦のレーダーの
代わりにさせようとする。
■「ふしぎの海のナディア」みたい
相手のレーダーに写らない為にその代償として駆逐艦はソナー
とレーダーを一切使わずに航行しなければならない場面が
音ずれた。レーダーを別のものを捉えるよう誘導し、水路を
経由して外洋へと逃げようとする。
一連の流れを見て、「ふしぎの海のナディア」でガーゴイルが
ノーチラス号に仕掛けた機雷への誘導作戦を思い出させること
は言うまでもない。なんとかガーゴイルの巡回船の追尾を
交わすために全ての電源を落としてレーダーに写らないように
して、近道の細い洞窟を通ろうとするが、結局相手の罠で
機雷が仕掛けられてしまったところを、グラタンを使って除去
していたシーンが有ったね。
■恋愛感情によって船員全ての命を危機にさらす
フォスターが射撃の腕を買われてレイチェルの代わりに
ラスコフの元に向かう際に、恋心を抱くグリーンが同行する
ことを求める。グリーンはフォスターにこれ以上接近する
ことは禁止だとして、ボートの速度を止めて下りるよう告げる。
作戦は成功したけど、「危なかったのは君のせいで集中力を
欠いた」としてフォスターを責めた時には、”なんだこの男わ”
と思ったけど、その後、”愛している、近づかないでくれ”と
いう台詞を以て立ち去ってしまった。
■トム艦長もクインシーの質問に答えられず・・
トムはクインシーに対して
「何故相談しなかったのか。お前が一人で運命を抱えたことで
世界は破滅しかけた。」
「あんたに何が分かる。人質が家族ならあんたならどうしたのか?」
と。
■使用された曲
・
■出演者
合衆国海軍駆逐艦ネイサン・ジェームズ・艦籍番号151
トム・チャンドラー (Eric Dane) 中佐(艦長) (CO CDR)
レイチェル・スコット (Rhona Mitra) 博士、CDC/鳥類ウイルス学者
マイク・スラッタリー (Adam Baldwin) 中佐(副長)
ジーター (Charles Parnell) 先任曹長 (CMC)
クインシー・トフェット (Sam Spruell) 博士
テックス・ノーラン (John Pyper-Ferguson) グアンタナモ・刑務官
ダニー・グリーン (Travis Van Winkle) 大尉、海軍山岳戦闘ユニット
カーラ・フォスター (Marissa Neitling) 大尉、戦闘指揮所(CIC)
アリーシャ・グランダーソン (Christina Elmore) 大尉、通信士官
Lt.カールトン・バーク (Jocko Sims) 黒人
Lt.アンディ・チャン (Andy T. Tran) エンジニア、エンジンを直す
メヒア (Michael Curran-Dorsano) Gator
ニールズ (Ebon Moss-Bachrach) ロシア側の研究者?
— (Eugene Alper) Russian Officer
コンスタンチン・ニコラジェウィチ・ラスコフ (Ravil Isyanov) 敵
ケリー・トフェット (Alice Coulthard) クインシーの妻
ディミトリ (Ilia Volok) ロシア側、アスミック
ミラー (Kevin Michael Martin) 兵士、気弱
コセッティ (Tommy Savas) VBSS teams
ベルカム (Andrew Arrabito) 兵士
スミス (David Paul Olsen) 兵士・気弱
カール・ニシオカ (Ben Cho) 通信士
— (Ariston Green) 操舵手
— (Rachel Appelbaum) ポート操舵手
ベイカー (Jamison Haase) TAO 、司令室
ヘルムスマン・キンケイド (Michael Scott Allen)
オケーン (Scott Wiley) 見張り
フラー (David Alfano) 見張り
— (Christine Breihan) Phone Talker
ホランド (Alastair James) 船員
アシュリー・チャンドラー (Grace Kaufman) トムの娘
サム・チャンドラー (Aidan Sussman) トムの息子
— (Mia Carpenter) Little Kid
— (Daniel Cummings) Operation Specialist
— (Daniel J. Rockholt) Sailor