第10話 苦い帰郷 NO PLACE LIKE HOME
脚本/Steven Kane
監督/Brad Turner
【前回までのあらすじ】
ワクチンの成果を試す為に志願者を募集する。6人が選抜され
被験者は「カーラ、ジーター、テックス、ガーネット、マヤ、
ミラー」となる。皆に副作用が出るが想定に反して症状は一向に
軽減せずついに悪化でマヤが死亡する。万策が尽きてうなだれる
レベッカだが、始原株を使った方法に着手して被害者5人は生還
する。ワクチンと共に治療法も手に入れた格好だった。
その頃、アメリカの本土ではネイサン・ジェームズ号に向けて
父が必死に無線で呼びかける。聞こえたら応答してくれと。
病気になったのだとして、ジェットはトムに助けを求める。
【ストーリー】
リオスとクインシーたちは兵士たちにワクチンを打つ。
クインシーはベーコンに注射を打つことになるが互いに目を合
わしてちょっぴり微妙な雰囲気になる。レイチェルは全員に
行き渡る分があるし、5、60人分は余分にあるという。本国に
戻ればワクチン治療薬を量産出来るというトム。感染してない
人は免疫を得て病人は回復するという。ウィルスを根絶出来る
というレイチェル。しかしまだやることは沢山だとし、大量生産
に配布の問題で大変だという。トムはそんなレイチェルによく
やったなと告げると今だけでも楽しめと語る。そんな彼女にトム
は注射してもらう。
テックスは部屋で犬に向かって話しかける。
自分の気持ちは伝えたこと。直接本音をはいたこと。確かに
40度の高熱の中のことだが、「愛を蘇らせてくれた」と言った
のに彼女の反応は無視だと語る。女心は分からないと呟く。
ガーネットは妊娠が発覚したカーラに対して体調はどうかと
問う。軍艦でつわりに何て見た事がないというと、託児所は有る
のかとカーラ。
マイクはフォートデトリックの陸軍感染症研究センターと連絡を
取ろうとしている事を告げる。治療薬の大量生産には不可欠だと
レイチェルも話しているという。ただし感染力の強さから考えて
施設に生存者がいるかどうか。彼にもフォート(Fort:砦)と付いた
施設だとし、友が生きて居ることを願おうと語る。ジーターは全員気
になっていることだとして沿岸を北上すればノーフォークを
過ぎること。通信室によれば所々に生きて居る中継塔やサーバー
からの電波を拾うことが出来るので電力が復旧すればみんなの携帯
にも電話が鳴るかもしれないので注意して置くことだと語る。上陸
したら何が有るのか分からないという。人々を救う道はレイチェル
とワクチンを量産可能なラボに運ぶことで、第一候補はフォート
デトリックの基地だと語る。
甲板では陸地が見えるとみんなが携帯をかざして電波が拾えないか
を探る。
一方50秒後には空軍のキーホール衛星が上空を通過するとし、
アップリンク、ダウンリンク様の暗号解読をして情報の入手が可能
だという。ただし衛星はコントロールを失っていて周回軌道が
早い為に得られる画像情報は一分程度だという。沿岸からラボ
へのクリアなルートさえ分かれば十分だというトム。空軍のスパイ
衛星を使ってフォードデトリックまでの安全なルートの確認を
しろと命じる。レイチェルはドローンやヘリコプターは飛ばせない
のかと塔と、私の捜索に全て使いもうないのだというトム。
衛星が通過する中、画像を覗くと基地と共に70号線だというマイク。
しかし画像を拡大すると道路には避難民の車で溢れていること
が分かる。一マイル北の映像はどうかと問うトムに対して赤いバツ印
が書かれているという。これは汚染区域ということなのか。フォード
デトリックに交信を試みるというメイソン。しかし映像を見ると
ラボの建物が破壊されていることが分かる。ラボ、隔離施設、
器具倉庫の全てがなくなっていて、ラボを狙った攻撃が有ったこと
が判明する。誰がそんなことをしたのか・・・
一方ジェットは、娘のエバ、孫のサムとアシュリーを連れて
車でオリンピアに向かっていた。全員が感染した状況であり、
山小屋で待っていても死ぬのが分かっていたからだった。
しかし自警団によってオリンピアへの道は封鎖されていた。
ジェットは引き戻るフリをして強行突破する。どうせすぐ死ぬ
ので放っておけというソーワルド。
そんな中、メイソンはトムに対して放送を受信したと告げ繰り
返し流れているという。そこにはボルチモアの放送局のもので
弱いFM電波故に受信圏内に入って聞こえるようになったのだろう
というメイソン。赤い悪魔と名乗っていたことについて、恐らく
本土ではそのように感染者を呼んでいるのではないかという。
その放送局はネイサンジェームズ号に向けて施設を確保して
いるので応答するよう求め、これを聞いたらチャンネル16
で受信して欲しいと語る。メイソンはそちらの放送を聞いた
としてこちらはネイサンジェームズ号だとして、交信するのを
試みる。
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■いよいよシーズン1の最終話
軍艦内で起きたことなので地味に写ったかも知れないけど、なか
なか面白く出来ていた。あり得ない描写もあるだろうとか思って
いたし、結局は今回の指令を受けての航海を通して、アメリカの
海兵隊の強さを改めて実感させたけれど、本土に戻れば、陸地に
於いてはそんな海兵隊たちをも形無しにする力を持つたちで
主導権争いが必死に繰り広げられていた。
■治療薬を量産出来るのか?
ウィルスの治療薬とワクチンの開発を終えて、次なる目標は
アメリカ本土に戻り治療薬を量産出来る施設を探して、一刻も早く
苦しむ人を助けること。ネイサンジェームズ号として期待していた
のは、フォートデトリック陸軍感染症研究所が機能していること
で有ったが、そもそも本土の状況は前回のエピソードの中で、
トムの家族を通して描かれていただけでどうなっているのか
分からない。
現実的なアメリカを姿を見ても、ちょっとした暴動が発生しても
略奪や殺害が発生する他民族が溢れる土地ならではのお国柄なので
仕方がないのかな。
■ネイサンジェームズ号乗務員にはワクチンを
あれだけ凄いことが有ったのにワクチンを打っても大丈夫なのか。
みんな相当勇気があるな。
クインシーとベーコンの間には軋轢も有ったので顔を見合わせた
時にはちょっと気まずそうな感じだけど、結果良ければ全てよくなった
のか。ただしクインシーは妻とは不仲な状態であり、そもそも妻子が
ロシア軍によって捕まってしまった原因はクインシーが世界中に
ウィルス情報の共有を求めた為なのかな。
■希望の電波を受信
メイソンがボルチモアの放送局がFM電波ながらも情報を流している
事を知り、ネイサンジェームズ号に呼びかけていることが分かる。
返信するとボルチモアからはエミリー・グランダーソン議員が
通信に反応して呼びかけて来た。ネイサンジェームズ号を受け入れる
体制が整っていること。
しかしここで驚いたのは何と言ってもアリーシャがエミリーの娘
だったということ。疫病が大流行すると知った上で娘をトムの船に
転属させたとして親心を見せていた。
まぁこのドラマは、家族の為には誰もがエゴになる光景が有り、
その辺の事情は多少なりとも心情は分かるという感じはするけどね。
衛星の電波の受信すると、道路が避難民の車で溢れていることから、
「ウォーキングデッド」化することは最早否定出来ないところが
あるのかなと思わせた。
■ボルチモア港に先遣隊の上陸
埠頭が安全かどうか、ボートでの上陸を図ると、そこには地元の警察官
であるメリーランド州警察のピート・ノリス警部補やランドー警部補
が居た。ランドー警部補がまた可愛かったりするのね。
更には埠頭にエイミー本人がお出迎えに来ると言うことで相当な
好待遇が有り、逆に不気味に思えるほど。
そんな埠頭には案の定エイミーを殺そうとする人物がいて、
それは前回登場した自警団のソーワルドと狙撃手のマクグレゴール
だと判明。その場を襲撃するのではなくエイミーだけを狙っている
意図は何なのか。
取りあえずトムやレイチェルは彼らの先導も有って、安全な施設
へと連れて行かれることになる。
■AVOCET
このAVOCETビルが手に入ってツキがあったと語っていた。ここは
唯一火力発電所が稼働しているところで電気が使えるところだという。
戦略的にも街から離れていて危険をさけられるとして、安全な場所で
あること。ただし自警団を名乗るものたちと戦いは続いているという
ことで、その自警団が先週からチャンドラーの家族たちの前に
現れていた手段であることは言うまでもない。
エイミーたちによると自警団によって国立公文書館が襲われて合衆国
憲法の原本が盗まれそうになったとし、原点を失うところだった
という。
■誇らしいレベッカたちの報告
エイミーは大統領からネイサンジェームズ号の任務を聞かされていて、
ワクチン製造に必要な素材を手に入れることを知っていた。
しかしレベッカは既に治療薬は出来ているとして、医療標本と書かれた
CDCのケースを持っていた。
一方マイクとノリスは、フォートデトリック施設は真っ先に考えたが、
元ボルチモア市警で自警団をしているトールワルド(Thorwald)によって
先に越されたことを語る。
この両者の間では何らかの主導権争いをしているようで、こんな状況
でも争わずに協力し会えれば良いんだけどね。
■それぞれ家族を捜す
トムはヴァージニアのクリアウォーター(Clearwater)にいるジェトを
探していることを施設内のFM波を使って呼びかけていた。
何度も呼びかけていると、ジェトからの返信でダウンタウンにある
オニクストラックストップ(Onyx truck stop)というタイヤ店にいる
ことが判明。早速バークやジーター、ダニーたちと共にトムの家族を
探しに行くが、そこでメリーランド州警察からはオリンポスに行った
とするジェトを探すことは禁止だとして、海兵隊と市警との間で
銃を向け合うという緊迫した状況が訪れた。バークが発砲したのを
きっかけに近接で銃撃戦になり、ダニーが腕を打たれて軽傷。
トムはバーク以外の人物をネイサンジェームズに戻るよう告げ、
二人はオリンピアに向かう。
■オリンピアは治療施設?
オリンピアの実態が判明する前にレイチェルがマイケルやハマダ博士
に対して、これまで行う治療法に関して言及していた。
ウィルスによるDNAの複製のエラー率を高める為リパピリンをケミカル
カクテルとして使っていて延命が図れるようにしているというが、
レイチェルは滅茶苦茶な治療で寧ろ毒性の高いもので逆効果であること
を指摘。ハマダたちは感染者は殺していたことが判明する。
■オリンピアスポーツアリーナ
感染者たちが集められている場所。
そこでアシュリー、サム、そしてジェトを見つけるが残念ながら
母親は死んでしまった様子。一番元気にしていたのに、冒頭では
娘が母親に目を覚まして!と呼びかける声も有ったので先に感染が
全身を巡ってしまったのね。やはり先日の電気店で感染していた
んだね。
なんとか三人にはトムが治療薬を注入したけれど、遺体を運んで
焼却炉に向かっている事を知り、人間を燃料に火力発電を行っている
ことを知る。
■エミリーの苦悩
海にいたものたちには海にいたものたちの苦労があるけれど、陸にいた
ものにも同様にサバイバルに於ける凄惨な状況を見てきていて、
同じ国の人たちなのに生きる為に踏み台にしている事実が有った。
娘のアリーシャは当然母親のことを狂信的に見て居るし、エイミーは
かつて欧州で流行した14世紀のペストを引き合いに出しては、6割の
欧州中の国民が死亡した事を受けて、同じ轍は踏まないとして、
エリートだけを選抜して生きる為の自衛的行動を取っていることが
分かる。
当然そんなことは許さないのだろうけど、ライバルだとしている
自警団の人たちも信用出来るか分からないのよね。
■身内を捜す
テックスはレイチェルとの関係がイマイチ発展しないことをイライラ。
結局今の彼女が仕事に追われることは必至であり、一番忙しいとき
でもある。テックスはロケットに入っている女性(娘?)を探しに行く
ことを決意。レイチェルに対して最後は熱いキスをしていたけれど、
ヒゲが痛そうでそれしか考えられなかった(笑)
アリーシャは友人のサラを助けに生きたいとしていたけれど、
ウィスコンシン州にいく手立てはないとして語っていた。
マイクは最後に話した時に家族を連れてディアパークにいくと言って
いたことを告げるとあの辺は今も安全であることを語っていた。船を
下りたら案内するとしていたけれどね。
■シーズン2はどうなる?
ノリス警部補はネイサンジェームズ号を制圧し、ちょっぴり妻と離婚
しそうな気配のクインシーは自暴自棄になって突っ込んだが腹部を
打たれてしまった。今度はマイクのピンチだけど戻って来たジーター
とかダニーが救出することになるのかな。
■使用された曲
・
■出演者
合衆国海軍駆逐艦ネイサン・ジェームズ・艦籍番号151
トム・チャンドラー (Eric Dane) 中佐(艦長) (CO CDR)
レイチェル・スコット (Rhona Mitra) 博士、CDC/鳥類ウイルス学者
マイク・スラッタリー (Adam Baldwin) 中佐(副長)
ジーター (Charles Parnell) 先任曹長 (CMC)
クインシー・トフェット (Sam Spruell) 博士
テックス・ノーラン (John Pyper-Ferguson) グアンタナモ・刑務官
ダニー・グリーン (Travis Van Winkle) 大尉、海軍山岳戦闘ユニット
カーラ・フォスター (Marissa Neitling) 大尉、戦闘指揮所(CIC)
アリーシャ・グランダーソン (Christina Elmore) 大尉、通信士官(CIC)
Lt.カールトン・バーク (Jocko Sims) 黒人
Lt.アンディ・チャン (Andy T. Tran) エンジニア、エンジンを直す
ジョン・”ゲーター”・メヒア (Michael Curran-Dorsano) 通信士(CIC)
ウィル・メイソン (Chris Sheffield) 通信士(CIC)、少尉
ドック・リオス (Maximiliano Hernandez) 医療
エイミー・グランダーソン (Alfre Woodard) 内閣防衛政策協議会副議長
クルス (Ness Bautista) 機関士
ベアトリス (Hope Olaide Wilson) ジャマイカ人
アンドレア・ガーネット (Fay Masterson) 少佐、機関室長
ケリー・トフェット (Alice Coulthard) ロシア軍に捕まるが・・
エバ・トフェット (Jade Pettyjohn) 娘
サム・チャンドラー (Aidan Sussman) 息子
アシュリー・チャンドラー (Grace Kaufman) 娘
ジェド・チャンドラー (Bill Smitrovich) トムの父、元軍人
ダリアン・チャンドラー (Tracy Middendorf) 妻
Lt.ピート・ノリス (Derk Cheetwood) メリーランド州警察・警部補
— (Saraya Chanadet) ガスマスクをした少女
— (Ernie Charles) 病気の男
Dr.ハマダ (Marcus Choi) AVOCET施設の研究員
— (Mark Engelhardt) State Trooper
Lt.ランドー (Maggie Henry) メリーランド州警察・警部補
ソーワルド (Titus Welliver) 怪しげな人物
ブリーデン (Drew Breeden) Chief Petty Officer
ベイカー (Jamison Haase) TAO
オコナー (Paul James) 機関士、ガスタービン
ミラー (Kevin Michael Martin) 兵士、気弱
— (Bobby C. King) Power Plant Operator
— (Everton Lawrence) Dying Man
— (Zack Scott) Dying Man
— (Liz Loza) Female Technician
フリン (Chris Marrs) エンジニア
スミス (Will Rian) Petty Officer
— (Mark Schroeder) 医者
— (Ronald Sherman) U.S. Navy Sailor
マクレガー (Nathan Sutton) 怪しげな人物
— (Kai Valerius) Navy Personnel
コメント
シーズン2の展開が、見えてきましたね。
やはり、このままウォーキングデッドみたいに、サバイバル系がメインになっていくのかもしれないですね。
ネイサンジェームズ号の活躍も、多く描かれるといいなって思います。
てててさん、書き込みありがとうございます。
敵は外国だけでなく国内にも居るのが怖いですね。ロシアやカルテルの攻撃を
交わしてきた彼らならば陸地でも解決してくれそうだけど、まずはシーズンまたぎ
のようにして現れた不利な状況をどう覆して体制を整えていくのか気になりますね。
シーズン2も早く放送して欲しいです。