第9話 外れた鎖 Untethered
脚本/Warren Leight、Charlie Rubin、Diana Son
監督/Ken Girotti
【ストーリー】
テイツ刑務所の精神機能観察房(MOU)。
水漏れがしているということで二人の刑務官が現場に向かうと
囚人の一人、ジェイ・ロウリー(21歳)は風呂を浴びたかった
のだとして蛇口を捻りっぱなしの状態にしていた。三人の刑務
官はジェイを取り押さえると、有る一室に閉じ込める。すると
ジェイは助けを求めるが・・
ホームレスの男はロープウェイに乗る中、恵んで欲しいとばかり
に紙コップを差し出して回る。乗客はみんな背を向ける中で、
この煉瓦を使いたくないとして圧力をかけると男はシブシブ金
をすれる。
道ばたでもホームレスは腹が空いているとしてオレだって人間
だと主張する。ゴーレンはホームレスが凶器になり得る煉瓦
を持っているのをを知り、これを20ドルで売ってくれと語る。
ジェイは刑務官に対して2日間も拘束なんて酷すぎると主張する。
僕は鳥肉じゃないとして燻製にでもするつもりなのかと語る。
しかし再びジェイは拘束が解かれることなくそれに貼り付けに
される。2007年10月20日のことだった。この光景を監視カメラ
を見て居る刑務所所長のペリス。
ジェイは亡くなる中、近くの独房に入れられていたドニーは
看守達に対して何をしたのかとして怯えるのだった。
エイムズが出社する中でフランクず現れる。ゴーレンの兄。
食事の配給に並んでいるのを見られたという彼。お母さんの
葬儀では見かけなかった事を指摘すると、母が死んだ日から
再び薬漬けでどん底だったという。でも今は教会に戻って神の
お導きを受けているという。いつからここにいたのかと問うと
ゴーレンは私よりも早く出勤するので彼を見たハズなのに、
私を待っていたのでしょという。オレは彼に見放されている
からととし、それでも助けが必要なんだという。私は知らない
というエイムズに対して息子がいるのだという。19歳で窮地に
いるとし、ゴーレンの力を借りたいのだという。エイムズは私
を巻き込まないでと語るが、唯一の望みだったと語る。
エイムズは仕方なくフランクの伝言をゴーレンに伝える。
息子がいるなんてヤク中の作り話だというゴーレン。しかし
エイムズは金をせびられることはなかったとし、今はクスリも
やっていないみたいだというと、過去の責任を取ろうとしている
のだという。ゴーレンは更正プログラムの話はした?と問うと
いつもの手段だとしながらも下で待っている事を知り、何も約束
はしていないことを予め語る。
ゴーレンはフランクに仕方なく逢う。
指輪は薬代にしたんだろうという。指輪の件で怒っているのか
と問うと、母はくれた時点で売られると分かっていたのだという。
オレが困っていると知っていたとし逢う度に20ドル札をオレの
ポケットに入れてくれたと。恨まれて当然のことをしたが、
彼は違うとしてお前の甥のドニーだとして写真を見せる。
似ていないというと叔父似だろうと。母親とペンシルベニア
にいること。”アルトゥーナ”と書かれたTシャツを着ていた。
何故今になって息子の話をするのかと問うと、ずっと絶縁状態
だったという。今は更正したから会えると。母さんは知っていた
のかと問うと、フランクは生まれる前に捨てたなんて言えるか
と語る。ゴーレンは孫がいると知ったらどんなに喜んだと思う
のかとしてフランクの行動を責める。麻薬絡みのトラブルなのか
と問うとドニーはクリーンだとし、乗っていた居た車から見つ
かり中駅系になったのだという。ゴーレンは他州では何も出来
ないとすると、この州でタイホされたと語る。
テイム刑務所にいるとし、彼は悪夢を見るほどにパニック状態
になっているという。躁鬱病のクスリを辞めると幻聴・幻覚を
現れるという。母さんのとは違うだろうとし、酷く怯えていた
のだという。刑務所で何かを見たんだとし、お前と話したがって
いるのだという。オレが刑事だと知っているのかと問うと
フランクは鼻が高いと語る。下の名前は何かと問うとカールソン
だという。調べてみるがただそれだけのことだというゴーレン。
ゴーレンとエイムズはこの件を調べると覚醒剤を持っていたのは
運転手で道連れでタイホされたのだという。テイツに一年の
懲役刑になっているとし、ちょっと重くないかという。逆に
麻薬を所持していた運転手は酔っぱらいで前科者だが未決勾留を
計上して短期刑だという。何故彼だけが優遇されているのか。
トゥルビー警察に寄ればその男の父親は町長で判事のコネ
があるのだという。ホームページを見ると「判事クライド値引
きして応じます」と書かれていた。迷判事だという。トゥルビー
は兼任司法の街で判事は車の販売業者をしているという。
ドニーは不運だったわねというエイムズ。
先月MOUに移されていた。
ロスに話をすると小さな街の治安裁判所は無資格の素人の集まり
で修理屋とか交通指導員が公民館の娯楽室で判決を下すのだと
いう。素人の裁きのせいであと8ヶ月も監獄内で過ごすのだと
いう。ロスは480kmも離れた管轄街の刑務所だとすると、これは
不当な判決だというゴーレン。甥だからこそ手を出さない方が
良いとして、ロスはエイムズと二人だけで話すという。エイムズ
はテイツ側への対応が心配ならば私が表に立って仕切るわと
語るが、ロスは君も関わるなと告げ、覚醒剤特捜チームに頼め
と語る。彼らの事件の証人にする面目でドニーをしないに呼び
寄せろという。我々の足跡は残すなと語る。
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■今回の事件
今回の事件はゴーレンの兄・フランクが頼み事のようにして
やってきたもの。ゴーレンの元には直接行かずにエイムズに
接触する。フランクとしてもゴーレンと逢えば色々と言われる
ので顔を出したくはないのだろうけど、それでもやってきた
ということは、何か有るのか。
エイムズはフランクの頼み事に対して、「私を巻き込むな」
的態度を見せていたけど、”最後の望み”という言葉が引っかか
った様だ。
フランクには息子のドニーが居て母親とペンシルベニアに
住んでいるとしていたけど、生まれる前に捨てたとしている
ことからも今まで殆ど逢ったことはないのだろう。
一応母親が何処に住んでいるかは知っていたのだろうか?
どういう経緯でフランクにドニーの事が伝わったのかは気になる。
■ブロンド男性が天国へ
冒頭で殺されてしまったブロンドの若い男性・ジェイ・ロウリー。
この人がフランクの息子かと思ってちょっとヒヤヒヤしたけど、
フランクの息子の名はドニー・カールソン。
ジェイが亡くなるのを目にしたということで、自分も似たような
事をされるのではないかという思いでびくびくとしている。
■フランクのヤク中は治っているのか?
依存性が高いのでこういうのが容易に治るとは思えないけど、
取りあえずエイムズ経由で伝わった今回の一件の話を聞くこと
になる。フランクはヤク中なのでドラッグを手にするためには
平気で嘘をつくということは、警察署員ならば誰でも知っている
ハズ。当初ゴーレンも典型的ヤク中の行動のようにフランクの
言っていることは嘘だろうとしていたけど、写真を見せられて、
叔父(ボビー)に似ているなんて調子の良いことを言われたら
ゴーレンとしても助けないわけにはいかない。
ただゴーレンは母親に対して何故孫が出来たことを話さなかった
のかとして、兄のことを責めていた。せめて亡くなる前に親不孝
な兄でも喜ばせることをしても良かったのではないかということ
で、ゴーレンの主張もよく分かる。
■テイツ刑務所
トゥルービー警察からの情報によると、その街の判事は兼任
司法の街で判事は法曹界のことだけを仕事にせず、別の商売を
している。街で車の販売店のオーナーをしているということで
ホームページには判事らしからぬ広告のようなものが掲載
されていた。
480km離れている場所だとしていたけど、トゥルービーって
どの辺にある土地なんだろうね。
実際に裁判で判決を下すものたちは、専門性は皆無で、どの
人物も素人的感覚を持っているとしていたけど、陪審員制度
があるアメリカでは何処でも似たようなものではないのかな。
マイケル・J・フォックス主演のドラマ「ドク・ハリウッド」
はビバリーヒルズに行く過程で、南部の小さな田舎町グレイディ
の民家の立て垣を壊してしまい、そこで村独特の裁判にかけら
れるシーンがあったのを思い出す。
http://itawind.web.fc2.com/movie/dochollywood.htm
「ハリーズ・ロー」でもキャシー・ベイツ役の弁護士が休暇中
に田舎で捕まり、一筋縄でいかないところが有ったな。
■ロスのゴーレンに対する扱いが・・・
ロスってゴーレンが精神に支障を来していると思っている
ところが有るのだろうか?
確かにかつて言い争う姿が有ったし衝突する場面が有ったけど、
今回はゴーレンの甥が被害に遭っているかもしれないのに
対して、一応形だけの対応・協力は見せたけど、何処もその後
は政治判断になりそうなので、エイムズさん同様に
「私を巻き込むな」的オーラがありありと出ていた気がする(笑)
「管轄が違う。どうしようも出来ない」という主張も分かる
けど、本気で助けようとすれば助けられるようにも感じる。
ただロスがゴーレンに「病欠を取れ!」と言ったのは、警察官
として捜査するのではなく独自で捜査しろということの合図
かと思って見てしまったが、額面通り休暇を取れってことだ
ったのね。
■エリザベスが検視
ジェイの遺体を調べた結果、死因は感染症ではなく血液検査と
尿検査の結果、深刻な脱水症だという。4日間以上水抜き
をされて、手首・足首に拘束された跡があり、腰回りにはアザ
がある。慢性的な外傷だということ。拷問死だとされるが、
相手が精神病患者でそうせざるを得なかったと言われると
なかなか反論出来ないところも有るのだろうか?
■ロスの行動にゴーレンは激怒
看守に囚人は拷問されている。テイツ刑務所の事態は深刻だ
と報告しにいくが、それと同時にゴーレンとしてはドニーが
返されたと知って思わず「頭がおかしいのか?」と語ってしまう。
■ゴーレンの潜入捜査
せめてロスも潜入捜査の許可を出せなかったのだろうか?
二人の偽造屋に運転免許証を偽造させて、職歴も名前も医療記録
も変えてトゥルービーへと向かう。真っ先に行ったのは、
あの判事の元。20ドルでホームレスから買った煉瓦を今まで
何処に持っていたのかと小一時間な流れが有るけど(笑)
ゴーレンはウィリアム・ブレイディという名前で刑務所に潜入。
重大事件捜査班の刑事であることを口にしたかと思えば、
高校の歴史の教師だと語る姿。意図的にMOUの中に入って
実体験した上で犯罪告発に繋げたいところだったのだろうね。
エイムズさんとは一日一回、1時頃に電話を通して無事の確認
を取り合う。
2007年10月27日から始まり、
2007年10月29日には、ドニーは独房にいるというメッセージ。
電話した際に、エイムズのことをゴーレンは「姉さん」
と語っていたところもまた意味ありげで良かった。
しかしその日の昼食時にゴーレンが暴れたことでMOU行きに
なり、拘束されることになる。
■天国へ
ボイラー室の隣にある拷問部屋。
拘束されているところを所長が見て居るという辺り、趣味が
悪いというか、頭がおかしい人になってる。
所長を演じているのは、「ダメージ」で、主人公のエレン・
パーソンズの母親・デニースを演じていたDebra Monk。
「グレイズ・アナトミー」ではオマリーの母・ルイーズを演じ、
仲良し一家を演出する中、亡くなってしまう姿が有ったよな。
ゴーレンは徐々に身の危険を感じ始めるが、何をしようにも
助けを求めるような合図も送れないし、大変な事態に発展する。
ゴーレンは看守たちにお前達を全員逮捕するとしていたけど、
クスリの影響なのか、脱水症状の影響なのか、途中で
「オレはデリンジャーを殺した」と訳の分からないことを
言い出したので、看守からはおれは宇宙警察「J・ホッファを
見つけた」とバカにされた。
エイムズは流石にまずい事態だと感じてロスに話す。
■ロスとエリザベスは出来ていたのか!?
報告に来たエイムズに対してロスは7時からの講演に遅れると
いう。エレベーターにはなんと着飾っているエリザベスの姿
が有った(笑)そういえば最近エリザベスが着飾っているシーン
って一度見た気がするけど、その時から既にロスとはそう
いう感じの仲だったのかな。
■無事に不正を暴くが・・・
寧ろ刑事部長からは「君は何様のつもりかね。英雄気取りか?」
「相棒と上司を共犯者に仕立てて、二人の評価まで落とさせた。」
「演技ではなく本当に正気ではなかったのではないか?」
としてさんざんの言われようだった。
唯一すっきりしたのは、冒頭でホームレスが煉瓦を使って
脅しに使って金を引き出していたのとは対照に、所長に対して
論理的に脅しをかけて攻めたところか。
■フランクに見切りを付けるゴーレン
逮捕された時点で何故通報しなかったのかとして激怒。
借りを増やさないようにしたのだろうとして、激怒するゴーレン
に対して、フランクは完全に逆ギレ状態。
「今まで何をしてくれたのか?。自己満足のためにコートや小銭
をくれたのか?。そんなものは必要無いと」
フランクとゴーレンの仲違いの原因の中にはやはり、兄だけ
を特別視してきた母親の罪なき罪が存在しているのだろうし、
フランクは未だに過去の自分のプライドに拘っていて、
「天才はオレで、母親からの寵愛を受けていたのは自分」
とでも言いたげな主張をしていた。その象徴があの指輪に
現れているとしたらこれほど寂しいものがないけど。
「不運な境遇の兄弟同士絆が深まるハズだった。」
「これで終わり、もう二度とオレには連絡してくるな。」
「あんたが橋の欄干に立っていたもオレは水音を待つ。」
助けようとしたハズのドニーは逃亡者となり、そんな彼を
助ける為にボビーが一人、タイムズスクエアを探し回る姿が
なんとも切ない。
■使用された曲
・
■出演者
ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事、”ボビー”
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ダニー・ロス (Eric Bogosian) 警部
マイク・ローガン (Chris Noth) 捜査官
ノーラ・ファラッチ (Alicia Witt) 捜査官
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
ドニー・カールソン (Trevor Morgan) フランクの息子
ペリス (Debra Monk) テイツ刑務所・所長
ケニー・モーラン (Mike Pniewski) 刑事部長
シェパード (David Wilson Barnes)
Dr.スターン (Anne L. Nathan) 刑務所の医師
フランク・ゴーレン (Tony Goldwyn) ゴーレンの兄、ドラッグ中毒
ガーヴィン (Curtiss I’Cook) 刑務官
マノス (George Palermo)
イラ・ウィップル (Gary Patent)
ジョシュア・シモンズ (Ean Sheehy)
イーグル (Paul Klementowicz) 煉瓦を持つホームレス
エレン・ロウリー (Jennifer Regan) ジェイの母
ジェームズ・ロウリー (Bill Christ) ジェイの父
ジェイ・ロウリー (Kevin Townley) 21歳、テイツ刑務所で拷問死
エバートン・クライド (Don Sparks) 判事、車の販売業
ナンシー・ウェルエンド (Alecia Hurst) 看護師
ウェンディ (Wendy Baron) 医者、病院に運べと
ブルース・コナー (Stefan Ionesco)
— (Philip E Jones) Psycho Prisoner