第10話 シチューにされた男 The Mystery in the Meat
脚本/Michael Peterson
監督/Tim Southam
【ストーリー】
WHS高校の学食。ブランドンは給食のおばさんに今日のスペシャル
は何かと尋ねるとビーフシチューだという。トレイを取って
机に運ぼうとすると、意地悪なトレバーがブランドンからトレイ
を取り上げる。いじめは校則違反だとし、オレの罵るならば
アホではなくオタクの方が的確だという。いじめっ子トレバーは
ランチ代が浮くとしてシチューを食べる中、中から堅いものが出て
くる。口からはき出すと小臼歯が折れたのだろうという。しかし
トレバーの歯ではないとし、このシチューの中に人間が入っている
事を語る。
ブースとブレナンはランチを食べに二人でロイヤル・ダイナーへ。
ブースは最高に上手いシチューだとすると、私たちが新婚旅行に
行った間に新しいシェフでも雇ったのかと問う。しかしブースは
そうではなく俺たちは結婚したのだとし、太陽は明るく、空気は
爽快、食事も美味く感じるものだとすると、ブレナンは生真面目に
「空気の質は太陽の熱核融合とは無関係よ」と語る。ブースは
そうではなく”愛だ”と語る。それが全てを変えるんだとし、結婚して
変化を感じないかと問うが左指に指輪をしているので違和感はある
が順応するわという。
そんな中ブースに事件を知らせる電話が鳴るがその内容を聞いて
一気に食欲を失せる。
現場の高校にはキャロリン検事も来ていた。
国の予算で人が食われたのでは連邦機関も形無しだという。
ブレナンは下顎骨から見て被害者は男性だという。テスト嫌いの人の
仕業で教師が殺されたのではないかとするが、教師は全員無事だとい
う。生徒が生徒を食べる事態だけは避けたいと考えていたが、
カムは一体どうやって遺体がシチューに入ったのかという。
ブレナンは右中切歯の摩耗状態からして40歳代半ばだと語ると
キャロリンたちは取りあえず安堵する。カムは肉片の脂肪の付き方
は人の筋肉組織だとし、舌も入っていると語る。この骨の切り方
と潰れ方から見ると被害者は加工されているというブレナン。肉片も
漬かっていたこと。缶の中に入っていたことを聞き驚く。
だから放し飼いの肉しか食べないというキャロリン。
シチュー缶を製造している”Tryon Foods”にいく。
研究開発専門のスーザンが対応に出る。最近製造されたシチュー
の缶はここにあるとし、学校に収めたものと同じロットのものだ
という。全て遺体は6cm以下に切断されていることを語るブレナン。
スーザンはウチの工場のミートプロセッサを漬かったのかという。
防犯カメラはないのかとするが設置はしていないとし、警備の件は
CEOのギフォードが説明するという。今コロラドら向かっているとの
こと。ブレナンは棘突起の破片も入っていることを語る。スーザン
は既にこのロッドの缶は全て回収された事を付ける。どうして検査
はパス出来たのかと問うカムは人は動物と脂肪の比率は違うという。
このロットは基準に満たないもので、一般のスーパーには出回らず
準大手に回したのだという。公立校が準大手なのかと呆れる。
誰かが事故で落ちたのではないかとするが、ブレナンはそれを否定
し、服が入っていないし調理された組織の切り口には外傷の跡が
見られないという。被害者は機械に投入前に殺されていたのだという。
缶詰殺人なんて前代未聞だというブース。
ラボではウェルズとデイジーが骨をシチュー缶から探していた。
カムはどんな感じかと問うとウェルズは不快だという。デイジーは
これも仕事だとすると、君は精神鑑定を受けたことがあるのか
というウェルズ。他の部位は見つかったかと問うとどの缶にも人の
部位があるという。アンジェラが複顔する為にも急いで頭蓋骨を
復元させてと語る。デイジーは前頭骨の前面に骨修復の跡があるという。
肉は加熱殺菌されているので毒物検査は無理だろう事を告げるウェルズ。
それでも証拠が残っていることを祈りましょうというカムに対して
祈りなんて科学的には最善策ではないと語る。そんなウェルズはこの
骨修復、この切り口は前頭骨を開頭して出来たもので脳外科手術を
しているという。見事な手技を見る限り、これを出来るのは国内でも
2、3人だろうと語る。
ブースはスイーツとキャロリンと事件について語る。
これまで分かっていることを整理する中で、キャロリンはこんな事件を
目にするのであれば母の言う通りダンサーになれば良かったと呟く。
殺人と切断は同じ場所であろうこと。
そんな中ブースの携帯に連絡が入り、ラボから身元が判明したとの
ことだった。
被害者はハワード・コンプトン(41歳)。
嗅覚障害の手術をしている食品科学者で、かつて”溶岩チップス”を
開発したものだとすると、ブースは最高のチップスだとして舌がヒリ
ヒリするところが良いのだという。ビジネスパートナーのアガサ・ブル
ームは5日前に捜索願を出していること。
アンジェラはブレナンに対して新婚生活はどうかと尋ねる。
するとブレナンは正直困惑している事を語る。結婚してブースは
全てが劇的に変わったと思っていること。食事にセックスに太陽すら
温度が上がったと言っているのだという。アンジェラはあなたは変化
を感じないのかと問うと、状況は実質的に変わっていないというブレナ
ン。アンジェラはそう感じるのはバチュラーパーティーをやっていない
からで気持ちの整理が付いていないからだという。独身に別れを
告げていないのだとし、何とかしないと行けないという。これはケジメ
だとすると、ブレナンはそれならば持ち寄りパーティーでもするか
という。アンジェラはそんなのはダメだと告げ、女子だけで出かける
のだと語る。酒を飲んでナンパして踊って・・。でもダメだという
ブレナン。ブースを優先させるのかというと、私にとってクリスティン
が一番でブースは2番目だという。私は10番以内に入っているのか
というアンジェラ。
■今回の事件と流れ
・ブレナンの結婚後に行う女子会的バチュラーパーティー
・ラボに於ける嫌われ者ウェルズとスタッフ(主にデイジー)の融解
・ブースとアンジェラの和解
・おまけで、缶詰に入った人肉・人骨の事件捜査(笑)
■感想
ブースがブレナンとの結婚を延期したことで、アンジェラが怒っていた
事情はシーズン9冒頭では見られたけど、まだ両者の間にはケンカして
わだかまりがあるとは思わなかった。
そして久しぶりに語られたけど、やっぱりホッジンズってペラントに
奪われた何十億ドルもの金って戻って来ていなかったのね。そんな事情
を会話を通して知ることになった。
どうもエピソードが前後しているようにも思うのだけど、前回ブレナン
はラボの様子が気になりデイジーには任せられない様な態度だった
けど、今回はパーティーに参加する為にラボのことを任せていくという
ちょっぴり一貫性のなさは感じるところ。
シチューは色んな食材を混ぜて構成される食べ物で、その一体感から
うま味が出ると思うけど、それをラボの人間関係に当てはめて、
描いたような内容だった。
一つ(一人)でも欠けるものがあれば仕事は円滑には行かないもの。
そういう意味では今回のエピソードを通してブースとアンジェラを
和解させたのだろうし、ブレナンと同様に人を寄せ付けない雰囲気
を持つ嫌われ者ウェルズの態度を軟化させて、ラボの一員として
受け入れやすい体制を整えた感じにも思える。
今回はアンジェラにグロい遺体を見せて嫌なリアクションをさせること
がなかったのが寂しいけど、変わりにキャロリンが登場させて、そんな
役割を彼女に担わせていた。
「母が言うようにダンサーになっていれば良かった。」
という発言はその後のバチュラーパーティーへの前振り感が有って
期待したのだけど、キャロリンは出オチだったな。
ブレナンがパーティーに行くとした時のアンジェラの嬉しさ。
「みんなで楽しもう。今夜やるの。式だって一日でやったのだから
バチュラーパーティーも出来る。ラボには実習生の2人が居るし、
カムも良いと言ってる」(Angela)
「そうなの?」(Cam)
このリアクションが一番笑えた(笑)
「町外れにウェスタンバーが有り、私たちにも乗れるロデオがある。
ラインダンスも出来て革ズボンでセクシーなのにゲイじゃない人も
いる。」
そんな場所に行くのは意外にもデイジーとキャロリンも含めた
5人の女性陣だったところも面白かった。
70年代・80年代の映画ではよく見られる、最後はケンカして暴れて
逃亡するというパーティーでのはっちゃけ具合。
男性同士ならば傷つくことで連帯感が生まれるけど、女性がケンカ
するっていうのはちょっと違和感が有ったかな。
酔ったブレナンがバーでバイカーの男性と踊っている際に、
「ダンスは性行為の為の儀式だったのよ。髪を振り回して骨盤を突き
出すと男はみんな反応する。セックスよ」「ローレンツ多様体を使い
時間的閉曲線を発生させてるのよ。」
なんのこっちゃって感じだけどブレナンを酔わせると面白いことを
言ってくれそう。
■男同士
ウェルズとデイジーはラボで主導権争いしていたけど、ある意味では
この二人、当たらずも遠からずな人で、どちらもウザい。
骨修復に関して二人がブレナンに報告する際に、ウェルズは彼女に
「その自己アピールがウザい」
としていたし、
ホッジンズとウェルズがラボでの宿直役になった際には、
「ウザイ女が居なくなった途端に死因が突き止められた」
と語る。
仲裁役を任せられたホッジンズとしては辛い立場。
どちらも嫌いだと言い合っている人物同士だからね。
しかしウェルズはホッジンズに対して顔が似ているので好感度を持って
いること。
またホッジンズが開発していたホットソースをウェルズは愛用して
食べているという。このホットソースはS8-21の頃に開発したもので、
元々はフィンの祖母の最後のホットソースを食べてしまったので
開発したものだったよね。
今回のエピソードの嗅覚障害を持つ食品科学者が居ればそのソース
の開発も出来たのだろうか?
■オマケ・事件捜査
事件ではブレナンと似たような学者肌の人物を登場させて、
人の振り見て我が振り直せとばかりの展開だったけど、ブレナンに
とってみれば気が合いそうな感じの人だった。
ジェファソニアンで起きている対立の構図・価値観の違う人物同士
を登場させて、その何処かで殺意が発生しているのだろうと思って
いたけど、結果としてはCEOは馬肉を使ってシチューを作っている事
を知りそれを告白しようとしたことで殺されてしまった様だ。
殺害に使われたのがタイヤの切り口の微粒子に付着するツキヌキニンドウ
、レンジョウ、フヨウから、ガーデニング用品に目を付け、日本製
のスコップでタイヤを刺したことが疑われる。しかし死因鎖骨の鋭気
損傷で、傷は半月型の注射だった。
食品加工会社を調べるとメキシコから馬肉を輸入してシチューにして
いたようで、それが美味いならば別に問題は無いのだろうけど(笑)
■学食でいじめられていたオタク
ブランドン役を演じていたのはKenny Ridwan。
「超能力ファミリー サンダーマン」で良い味を出しているギデオン役
の子だった。
■使用された曲
・Find My Way by Max Boogie Overdrive
■出演者
テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) “ボーンズ”、法人類学者
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) スミソニアン責任者、”カム”
ランス・スイーツ (John Francis Daley) FBIの心理学博士
デイジー・ウィック (Carla Gallo) インターン
Dr.オリバー・ウェルズ (Brian Klugman) インターン・嫌われ者
アガサ・ブルーム (Jen Drohan) ハワードとビジネスパートナー、嗅覚過敏
スーザン・ランダーバッハ (Alyson Reed) Tryon Foods研究開発
サム・ギフォード (John Posey) Tryon FoodsのCEO
レイモンド・マッカンツ (Rizwan Manji) 苦情メール、アダルト業者
エヴリン・チーバーズ (Jodi Harris) 無農薬農法の会
ブランドン・ヘラー (Kenny Ridwan) 高校生、オタク系
トレバー・ファウラー (Conor Brown) 高校生、いじめっ子
— (Donna Pieroni) Lunch Lady
— (Paul Zies) バイカーA
— (Allen Singh) バイカーB
— (Lesley Aletter) バイカーのガールフレンド
— (Maria Jordan) FBI捜査官
— (Maria Zambrana) 歩行者