第19話 骨壺の中の富豪 The Turn in the Urn
脚本/Pat Charles
監督/Tim Southam
【ストーリー】
朝、喪服に着替えてくるブレナンを見てブースはバーバラ・スタンウィ
ックみたいで格好良いと語る。ブレナンは白いのが着たかったというと
葬儀は黒だろうという。しかしアジアでは白も着るとしてヒンドゥーの
葬儀を引き合いに出す。俺まで行く必要があるかというブースは明らか
に行く気がなかった。それも今日は大事なフライヤーズの試合があること。
しかしブレナンは私はミルガ氏の寄付のお陰で発掘調査が出来たのだ
とし中東とアフリカの資金を提供してくれたという。遭ったことがない
のだろうとし、フライヤーズは遭ったことがある愛するチームだという。
その大事な試合だと。彼の支援に感謝しているというブレナンは遺族に
敬意を示したいという。これはあなたが言ったことだとして「思いやり
のこころを持て」と。どうすればリッチなヤツが薬物で死ねるんだ?
というブースにブレナンはマジメに受け取り「ヘロイン入りの注射器を
用意して、上腕を縛って針を血管に挿入する」と語る。車では民族
音楽など流さないぞとし中継を聞くというブース。
ミルガ邸は豪邸だった。
しかしブースは試合が気になりネットで中継を見て居た。
ここのwi-fiは凄い、流石30億ドルの男だという。これ程の財を築く
のは凄いというブレナンに対してブースはヘッジファンドのお陰で
きっと議員に賄賂を渡して税金逃れしていると語る。そんな話は
しないでというブレナン。
トッドの母、ドリナに挨拶に行く。
息子は良い子だったけど苦しんでいたという。ブレナンとブースが
挨拶すると、彼女はブレナンを見てまた息子の女かとしてアバズレ
専用の席がいるようだと不躾に悪人呼ばわりする。ブースは彼女は
ジェファソニアンの博士で私の妻だというと、あそこにいる女はトッド
の女で脳外科医だという。みんな息子をたぶらかしていると語ると
それに気がついた脳外科医のサラはそれを否定する。彼女が最後に
息子と会った女性で金欲しさに殺したのでしょというドリナ。
そんな中牧師が仲裁に入りドリナを落ち着かせる。
息子に私の悪口を吹き込んだ女だと語ると、ブースは試合よりもエキ
サイティングだと語る。ブレナンは彼らのルーツはロマ族で情熱的な人
たちなんだという。
しかしそんな中突然死んだと思われていたトッドが現れる。
彼がトッド・ミルガだとすると骨壺に入っているのは誰なのか。
トッドから話を聞くブース&スイーツ。
しかし死体のことなど私が知る訳がないという。身近で消えた人は居な
いのかと問うと、人付き合いは悪いとし、帰ったらオレの葬式が行われて
いたのだという。依存症のリハビリ中でコスタリカの施設にいたのだ
という。入所は秘密にしていたのかと問うとヘッジファンドがある
為薬物の件を投資家には知られるとマズイからだという。しかし何で
オレと勘違いしたのかとすると、ブースは遺体の写真を見せる。
3週間経つと遺体はふくらむのだとして見分けが付かないのだという。
あなたの家で見つかれ殺人の痕跡もなく薬物だけで検死官は事故死
と判断したのだという。
カムはフィンに対してミシェルがあなたからもらったブレスレットを
見せてもらったが高価すぎるのではないかという。人生でまとまった
金が始めて入ったのだというフィン。使い過ぎないでというと金はあっ
という間に無くなると忠告する。しかしフィンは自分たちの作った
ソースは全国販売になりこの前は1万9千ドルがもらえたという。オレの
家族の年収よりも上だという。
ホッジンズはフィンを見てオーピーに帰ったのかと語るとホッジンズ
にもサーストンと挨拶する。ブレナンはボストンの研究は楽しかった
でしょというと、メニューがちんぷんかんぷんのレストランで食べた
とのこと。それを聞いたブレナンは私もそれで始めてタランチュラを
食べたというと、横にいたホッジンズは怪訝な顔を見せる。
カムは遺体はトッドの家に有る鍵のかかった金庫室から見つかったとし、
腐敗の状態から死後3週間だと語る。死因不明の遺体が金庫室に
3週間も放置。殺人か事故かも不明で今では遺骨・遺灰だけだという。
しかしブレナンはこれで解明出来るとするが、遺灰を見てホッジンズ
はアンジェラは顔の復元が大変だろうと語る。みんなで遺灰から証拠
を見つけようというと、バーベキューのブタ復元みたいだという。
ブレナンはバーベキューなら食べられる軟部組織が付いているという。
カムは火葬された骨はもっと小さいハズだというと、火葬業者の仕事は
かなりお粗末だというブレナン。
ブレナンは骨片の形状と厚さから被害者の腸骨の一部だという。
端がザラザラしているので年齢は30代半ばだという。カムは下顎骨
みたいなものを発見したという。フィンは胸骨の欠片みたいなもの
を見つけたと語る。ブレナンは被害者の胸骨のこの部分は回収済みだ
という。遺骨は二人分だと語る。骨化の進み具合から70代半ばから後半
の胸骨だと。フィンは歯の欠片を見つけたとし、黄ばみ無し、摩耗や
セメント質の肥厚も認められないのでこれは20歳の歯だという。
3人分の遺骨が混ざっているのか。ブレナンは挑戦しがいのある課題
だと喜ぶ。
スイーツは骨壺に3人分の遺灰が入っていたこと。
金持ちなのに安い火葬場送りにされたのかという。ドリナが決めたこと
だという。使用人で消えた人は?ないという。全てを手にした男が
なんでヘロインを?というブースに対して、はまりやすい性格の
あなたのギャンブルと同じだという。彼は特別で、依存は権力と支配
の問題だという。彼には金や薬物も同じ事だという。被害者は
トッドと金の件で揉めたのではないかというブース
■今回の事件と流れ
・発掘作業に寄付してくれたヘッジファンドで財を築き上げた富豪
ミルガ氏の息子・トッドが死亡したということで、ブレナンとしては
敬意を示す為に葬儀に出る。しかしトッドはヘロイン中毒者だった
こともありコスタリカに居たという。
・そもそもこの遺体は誰なのか。遺灰の中から被害者の骨を調べる中
複数の遺体の骨が含まれている事を知る。
・当時の現場検証の写真からアンジェラは復顔することに成功し、
その人物はトッドの個人的コンシェルジェをしていたダニエルだという
事が分かる。
■感想
愛するものに対するそれぞれの対応の違いみたいなものが現れていま
したね。
親子愛であったり、遠距離での愛であったり、貧富の差のある愛で
有ったりと・・そんな状況の中で金が関わるとより人間関係は複雑に
なりがちだけど、こと愛に関してはドラマの中ではシンプルなものとして
描かれた。
しかしブレナンだって負けずに金持ちなので、そう驚くべきことでは
なさそうな気がした。
それと発掘に寄付しているとしていたけれど、このミルガ家の人たち
を見るととても寄付するような人が居ないような気がする。
アンティークに興味があるのでただ自分の為に発掘に寄付していた
というものなのだろうか。
金持ちは悪者だと思われがちなので、アメリカでは寄付金を出して
色んな活動を支援する人が多いけれど、日本ってあんまりそういう
活動を聞かない。
そういえばホッジンズってタランチュラを飼っているのだっけ?
ブレナンとフィンが会話の中で彼女がタランチュラを食べたと聞いた
時のホッジンズの「なにぃぃぃ?やっちまったな」みたいな顔で
にらみつけていたところが笑えた。タランチュラを可愛がっていた
のって「CSI:科学捜査班」のグリッソムだっけ?
虫好きのホッジンズにしてみれば、食べるという行為が許せなかった
のかも。
■金に関わるエトセトラ
ブースは金を持つものに対して棘のある対応を見せる。
ブレナンが何故そんなに嫌うのかと尋ねた際に、金を持っていることを
嫌っているのではなく、特権意識に関して、当たり前だと思っている
ことを憎んでいるとしていた。光の粒子説みたいに存在を認めなきゃ
とブレナンに突っ込まれていた。
また今回はフィンとホッジンズが開発した、フィンの祖母の秘伝のソース
が全国展開を見せてまとまった金が入ったという。
金持ちほどケチだと言われるけれど、フィンはまとまった金を手にした
のが初めてなのか、ミシェルに対して高価なブレスレットをプレゼント
したり、2万kmも走行していないトラックを購入したことを語っていた。
ホッジンズは浪費はもっと金が入ったらにしたらどうかとして語って
いたけど、彼は失った側の人間だし、フィンにアドバイスするカムも
一度は金を失っていたことも有るので、そんなことを語っていたね。
■フィンはボストンの研究に参加していたっす
S8の21話以来の登場っす。
このエピソードが取りあえず2016年4月現在最後にクレジットっす。
一年間恋人とミシェルと離れて過ごしていた為に、一年の間に色々と
事情は変わってしまったっす。
ミシェルは大学で自らが変わった事を口にしていたので何かの活動に
目覚めたのかと思ったけど、単に変わったというのは彼への気持ち
だった様子。当初あの高いブレスレットを無くしてしまっただけかと
思った・・。
フィンとミシェルの関係と今回事件の容疑者にされたトッドと
サラの関係。なんとなく比較されるべきものとして出てきた感じの
設定だった。
何でも手にしたものにとって最も必要なものとは何なのか。
フィンは彼女と別れたことでそれに気がついたけれど、トッドもまた
それに気がついていたのね。
サラ役のChristie Bursonって「ONE TREE HILL」でヘイリー役の
Bethany Joy Lenzに似てる。この手の顔のアメリカ人って多いよな。
■神がかりな捜査
今回は骨というよりも、遺灰からの捜査なのでちょっと難航が予想され
た。火葬された骨からどれだけ身元を割り出せるのか。
非常に不謹慎かも知れないけど、これを聞くと北朝鮮から返還された
日本人被害者の遺骨の話を思い出す。
あれだけの骨で何歳の骨なんてことを言い当ててしまうというのはちょ
っと胡散臭い(笑)そもそも1千度にも達した火に通されて何処まで
証拠能力が残るのだろうか。骨から色々と微細物も検出されたけれど、
あれだけ遺骨が入り交じっている状況の中で、事件当時の証拠として
見るには相当な無理が有った。
骨修復の後なんかも色々と見られて、肩甲骨下縁の傷は銃弾の跡とか
後頭骨の縫合線のヒビが鈍的外傷で致命的だったとするのは相当なもの
だった。
■考古学の分野
後頭骨に微粒子が検出された事が分かり、ホッジンズが調べるとイッカク
の牙の欠片。放射物炭素年代測定から少なくとも1千年以上前のもの
だという。また片方の端から金と銀の微粒子だと知り、ブレナンは
「デア・シュラハター・ケルヒ(殺戮者の聖杯のドイツ語の意)」だと
見つけ出すところが凄い。
300年以上行方不明になっていたもので、絵に描かれたものでしか確認
されていないというのにブレナンはそれを知っているんだよね。
絵を見たアンジェラはジョルジョーネというルネサンス期の画家の絵
で、その絵に殺戮者の聖杯が描かれていた。金と銀の翡翠、それに玉髄
が描かれていて白色は伝説に登場するイッカクの牙だという。
最初の記述は紀元前2018年のものでプントで描かれていたという。
最後に確認されたのは中国の清の時代。
結晶の微粒子を調べる装置・カリート解析計ほ作る為に
何処かのラボから真空管を盗んで制作していたホッジンズ。
ホッジンズのラボがビカビカ光っているのを見つけたのがカムで
また実験に巻き込まれるのかと思った(笑)
■ブレナン&ブース
「粉骨機って知っている?」(Bones)
「君だってホッケーを知らないだろう」(booth)
いくら何でも粉骨機は知っているだろう(笑)
しかしラストのあの博物館の展示物を巡ったやりとりは面白かったけど
流石にブースの行動には引くところがあったな。
自分が金持ちの特権を憎んでいることを指摘していたのに、彼はラスト
でFBIの特権を利用したのだ。結局彼の価値観ってその程度のものって
感じがしてしまう。
■その他
・遺骨の骨の跡からキンプロニッケル。半自動のコルト用のもので
1905年に軍が試した試作品。その後M1911になった。
・骨基質の内部にマイクロダイヤモンドが有った。更にラックカイガ
ラムシが分泌した樹脂も含まれる。この樹脂は過酸化ベンゾイルで
ラッカー加工されているマニキュアみたいなもの。購入者の一人は
ビヨンセ(笑)
■使用された曲
・One and the Same by Gareth Dunlop and Kim Richey
■出演者
テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) “ボーンズ”、法人類学者
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) スミソニアン責任者、”カム”
ランス・スイーツ (John Francis Daley) FBIの心理学博士
フィン・アバーナシー (Luke Kleintank) 研修医
ミシェル・ウェルトン (Tiffany Hines) カムの娘
トッド・ミルガ (John Sloan) 息子、富豪、ヘロイン中毒
ドリナ・ミルガ (Joanna Pacula) トッドの母、ロマ族
サラ・メツラー (Christie Burson) 脳外科医、トッドの彼女
サティマ・ナジャール (Anjali Bhimani) 美術品
— (Stephen Grove Malloy) Minister
— (Stacey Bender) Funeral Guest
— (Maria Jordan) FBI Agent
ダニエル・バー