第15話 頭の中の声 Quiet Minds
監督/Eagle Egilsson 脚本/Kalinda Vazquez
【前回までのあらすじ】
メアリーはゼリーナという助産師だった人物と出会う。
魔女の正体を探りに農家を尋ねるとハリケーンシェルターの中から
麦わらを金に紡いた跡が見つかる。これが出来るのはルンペルだと
いうエマ。
【ストーリー】
グラニーの店で会議を行う。グラニーは開店まで20分しかないとし
開店すればリロイがベーコンに突進してくるから急ぎなと語る。
フックは農家で何か手がかりが有ったのかと尋ねるが、周りをくまなく
探したが見つからなかったというエマ。ゴールドが行きそうな場所を
探そうという。しかしその前に説明してというと、みんなの目の前で
煙になって消えたのを見たでしょというエマ。フックは魔法の森に
戻ってすぐにニールが父を生き返らせる方法があるかも知れないと
言っていたという。家族に会いたがっていたとのこと。この世界に
戻るには父親を生き返らせるのが鍵だとしていたというフック。
それが計画なら何処かで失敗しているとしニールが戻っていないと
いうエマ。ゴールドは生きて居るのにニールはどんな状態なのか、
誰も見て居ないという。レジーナは気になるのは分かるが今は誰が
魔女かということを調べるべきだと語る。あの彼が閉じ込められる
なんてどれだけ強い魔法を使っているのか。一番良いのはゴールド
に魔女が誰かを聞くことだという。レジーナは農家に戻って手がかり
を探すというとエマは気をつけてと語る。オフィスに入って仕返しを
するというレジーナ。
ゼリーナは街を見下ろせる丘の上から短剣を取り出すと闇の王を
呼び出そうとするが、ここでは効かないことを汁。逃げられたら
困るとし彼は知りすぎているという。空飛ぶ猿にあの男を見つけて
くれと語る。
その頃ゴールドは森の中を走って逃げていた。
ベルの元に行くとゴールドが生きて居る事を語る。
しかしどうしてなのか。ベルは彼や店について詳しいでしょと告げる
と彼が街に居るとして何かヒントはないかと問う。どうやって戻った
のかどうやったら見つかるのか調べて欲しい事を語る。周りをよく
見れば彼が居るならば会いに来るハズだという。
フックはベルを守るために残ると語る。魔女が来たら困るからだと
するが、ベルはこの男は私を2度も殺そうとした男だという。
フックは”ゴメン”というと、エマは”謝るのが下手すぎだ”という。
フックは言葉の変わりに行動で示そうとしているという。あとのみんな
は森にいくというが、メアリーだけは今にいるべきだというデビッド。
ゼリーナが体を休めるように言っただろうとデビッド。
— 1年前 —
ベルとニールはあの魔女を倒せて家族に会わせることが出来るのは
闇の王だけだとすると、ニールは復活させる方法があるハズだという。
父を信じているとするとベルは丸ごと彼を愛しているという。例え
過去に闇を抱えていても・・というベルに対してオレはそう思える
まで時間がかかったという・・中身は良い人間だと。良い人になった
のだというベル。必要なのは闇の力だとし、全ては帰る為だと。
ネックレスを手にするニールはエマに一緒に住もうと時に渡したもの
だがこっちの世界にまで来たという。愛の産物だからだとすると、
ベルは何処を探せば良いか分かった気がすると語る。魔法ではなく本
のある部屋に行くと、これだけあれば闇の王に関する本も有るはず
だという。
すると突然目の前に男の声が聞こえる。
私はこの城の使用人です。名前はルミエールだという。
— 現在 —
ベルとフックは本を漁っていた。そんな中店のドアを叩く音が聞こえ
ると一瞬ゴールドかと思われたが実際にはニールだった。
ヘンリーの元に一端戻るエマ。
ヘンリーは夕べは帰宅しなかったことを指摘すると、良い母親だから
朝食にココアとセサミベーグルを買ってきたという。リロイのことは
覚えているかと問うと彼は釣りに行くとしているのでヘンリーは行かな
いかという。ヘンリーは行くけれど、これはママが仕事に行くという
ことを信じてのことではないとし、仕事とはウソだというヘンリー。
この街のこと、街のみんなは知り合いみたいだし、みんなボクを見て
ひそひそ話しているという。何かを隠しているでしょとすると、エマ
は犯罪者相手の仕事だから詳しくは言えないという。しかしヘンリー
はそんなんじゃ信じられないとし本当のことを教えてもらえないなら
ニューヨークに帰りたいという。
そんな中エマに電話が鳴る。仕事じゃないというのは当たっているとし
でも事情が複雑なので今は信じて欲しいと告げ後で説明すると語る。
エマは病院に行くとニールがこの世界に戻って来ていた事を知り喜ぶ。
■今回のシナリオの構成
・過去に於いても家族の元に戻る為にはルンペルの持つ闇の王として
の力が必要なこと。
・ストーリーブルックの森に於いても魔女の存在を知る為には
ゴールドの存在が不可欠であり、ゴールドの存在を知った町民たち
は彼の足跡を追って探そうとする。
■感想
今回は過去と現在の世界をパラレルワード化して、それぞれの世界で
生きている者達が起こす行動は、どちらの世界に於いても似たような
行動に従事し、同じような気持ちが存在している事が描かれた。
「記憶」がテーマとされているシーズン3の後半部に有って、それを
繋ぐ為に奔走している流れがあるけれど、記憶を消された呪いの魔法の
力を打ち破るような象徴的なアイテムを提示して、薬が無くても記憶が
戻りそうな人たちの姿・気配が有ることに気がつく。
何よりもその先方にいるのは一番強力な魔力を持つレジーナだったり
するのだけど、魔法の森でのロビンフットに対して仄かに気持ちを
寄せていたレジーナとロビンの関係がここでも運命とばかりに気を
寄せていく辺りは興味深いところ。魔法ではないがウィスキーという
液体が魔法の力の如く、
「これを飲めば飲むものの勇気を引き出し、力を与えたり、場合によ
ってはほれ薬になる」として良い感じのムードを漂わせていた。
しかしここでも興味深いのは、かつてティンカーベルがレジーナに
運命の相手を見つけ出そうと手を貸した際に酒場に居る
「獅子のタトゥー」をした人物の存在のフラッシュバック映像が有った
こと。酒というアイテムを通してまたしても二人は近づく機会が
有ったにもかかわらずに結局結ばれることは無かったけれど、
レジーナの記憶が戻れば一番手っ取り早い解決になるのではないかと。
彼女は西の魔女が義理の姉妹であることを知っている訳だからね。
そんなパラレルワールドを通して矛盾化の象徴している存在している
ニールとルンペルの存在。今回は「二つに一つを選べ!」とばかりに
色んな場面で重要な選択を突きつける場面が有り、ルンペルは過去の
世界に於いては散々息子のニールを裏切ってきた訳だけど、今回の
ルンペルは自らの持つ闇の王としての短剣を手放してでもニールを
選んだことでこれまでの汚名を上手くそそいで息子からの信頼を完全
に取り戻した。しかしルンペルを活かした代償は彼自身の命を失うという
もので、死にゆく彼を看取るエマさんの涙する悲しい姿が見られたけれ
ど、愛の象徴であるネックレスを手渡すことも出来たので、それが今後
何らかの効果を発揮していくのか。
「必ずタラハシーを見つけてくれ」。
さてドラマとして興味深いのは何よりも海外ドラマでは定番化している
「子供の存在」である。
「アンダー・ザ・ドーム」化していると毎回書いているけれど、
西の魔女が求めているのは、レジーナがかつて求めたことと同様に
赤ちゃんの姿だ。
レジーナがメアリーからエマを奪おうとして逃がしたがヘンリーの
ことを手にしたことと同様に、西の魔女でありレジーナとは義理の
姉妹である彼女は赤ちゃんを求めている様子。
レジーナのイメージアイテムがリンゴだったことに対して、ゼリーナ
の象徴はオレンジにあるのだろうか?まだ正体がばれていない時に
メアリーにオレンジを飲ませていたけれど、その中には何らかの魔法
が含まれていないか心配だ。
このドラマ、子供としてはヘンリーも少し大きくなってきたので、
信じる気持ちの純粋な子供の象徴としてのヘンリーとは世代交代させ
てメアリーの赤ちゃんを巡る騒動になっていくのかな。
皮肉にも同じ日に放送した「超能力ファミリー サンダーマン」では
シーズン2の最終話を目の前にして、母バーブが5人目の赤ちゃんを
身ごもるシーンがあり、愛されキャラだったノーラが嫉妬すること
になる。「グッドラックチャーリー」に於いてもチャーリーが
愛されキャラだったが、大きくなるにつれて、更にもう一人の赤ちゃん
を産ませてチャーリーが弟に殺意を抱くというシーンを描いていった。
そういえばこのドラマのシーズン3に置いてはタイトルバックが毎回
変わっていて、サブタイトルが示すように今回タイトルの背景にあるの
は三本のロウソクだった。
前回は当然「塔」がそびえ立つものだったけど、その前の時のタイトル
バックに写る”象徴的アイテム”が西の魔女が走り去る姿だったので
何処か滑稽に写るのだけどシーズン2の頃からこういうタイトルバック
の使い方をしていたのだっけか。
■出演者
メアリー・マーガレット・ブランチャード (Ginnifer Goodwin) 白雪姫
エマ・スワン (Jennifer Morrison) ヘンリー母、メアリーの娘
レジーナ・ミルズ (Lana Parrilla) 悪い女王、コーラの娘
デビッド・ノーラン (Josh Dallas) チャーミング王子、メアリーの彼
ヘンリー・ミルズ (Jared Gilmore) エマの息子。レジーナの養子
Mr.ゴールド (Robert Carlyle) ルンペルシュティルツキン、質屋
キリアン・ジョーンズ (Colin O’Donoghue) フック船長
ベル・フレンチ (Emilie de Ravin) レイシー
ニール・キャシディ (Michael Raymond-James) ベルファイア
ゼリーナ (Rebecca Mader) オズの世界の悪い魔女、レジーナの義姉
グラニー (Beverley Elliott) 狼族、ルビーの祖母、店、宿屋
ルミエール (Henri Lubatti) 炎の霊
— (Sean Maguire) ロビンフッド
— (Raphael Alejandro) ローランド、ロビンの息子
— (Rose McIver) ティンカーベル