第8話 哀しみのブルースマン I Shall Not Be Moved
脚本/Scott Kaufer
監督/Michelle MacLaren
【ストーリー】
ターニャは銀行に行くがあまりに客が並んでいる為に、彼女は
警察バッジを見せて受付の行員・マリッサに処理させる。ターニャは
口座を見て驚いたとし、ハッキングされたという。間違いならば良いが
残額を見て気絶しそうになったと。ミランダは2日前に2万ドルが引き
下ろしされていると言うと、いつ補填してもらえるのかという。
盗難ならば補償してくれるのでしょとするが、これは盗難ではなく
送金だという。共同名義になっているカール・ライスが彼の口座に
送金されただけだという。彼の事は知っているが離婚したのだとし、
共同口座ではないという。しかし記録上そうなっているのだとすると、
まずは本人に電話してくれという。それを拒むターニャに険悪な関係
なのかと問うとあいつは返金するような男ではないとし、送金を取り
消さない限り使い果たしてしまうのだという。口座に金を戻して
というと、金は息子の大学資金だという。ロドニーの未来はどうなる
のかとしてターニャは告げるが、私にはどうしようも出来ないという。
そんな彼女にキーボードを貸しなさいとして取り上げようとする。
セキュリティを呼んでとして行員は叫ぶ中、守衛がやってくると、
彼女は警察バッジを見せ逮捕出来ると思うのかと問う。
ドワイト、ホワイト、サットンは3時間遅れのランチだった。
これだと夕食は食えなくなって夜中に腹が減るというホワイト。サッ
トンは占い師が言っていたが肉食を続けると怒りっぽくなるとし、人体
に最低限必要なのは7リットルの水だという。ボクは水ダイエットを
して絶好調だとし、尿の色も綺麗だと語る。ホワイトは何を食おうが
勝手だろうとする中、突然無線に事件通報の連絡が入る。
モスビーとマナサスの交差点で417発生だという。発砲事件だとすると
ホワイトは5分でテイクアウトするので待てというが、発砲している
ヤツが町に居るのにランチなのかとしてドワイトは現場へと連れて行く。
通報した親子に話を聞くと、白人の男があの家をノックしたら銃を
持ったジイさんが出てきて男はそのまま家の中に引き込まれてしまった
という。15分前のことだというと、ジイさんの名前は何かと尋ねる
が誰も知らなかった。随分と昔から住んでいるのに・・
そんな中、家の中から威嚇の発砲があるのを知ると、みんな物陰に隠れ
る。ドワイトは説得するのでホワイトに援護を頼む。ホワイトはSWATを
待つべきだろうとするが時間が無いというドワイトは人質がアブナイ
のだという。援護を頼むというドワイトにオレの命も心配しろと語り
年上を敬え、何でも首を突っ込むなと語る。
ドワイトはドアをノックすると銃を持った男が目の前に現れ、死にたい
のかと問われる。自分はメンフィス市警のドワイトだとし、中に
誰が居るのかと問う。頼むから銃を下ろしてくれと頼むと、それに応じ
て銃をおろしかける。しかしSWATがやってくると再び緊張感が最高潮に
なる。早まるなというドワイトだが、オレはあんたの顔を知っていると
いう。オレはあんたを知っているとして入っても良いかとしてズカズカ
っと室内に入っていくドワイト。
ターニャも現場にやってくると、同時にハドソン捜査官もやってくる。
ターニャに対していい加減にしてとし、あの不良刑事は何をする気な
のかという。舐めるなよというホワイト。ターニャも私の部下は事件の
解決のために行ったのだとし、彼の感を信じるという。専門の訓練を
受けた人なのかと問うと、私のチームが突撃するという。ここは専門家
に任せてというと、ホワイトに対して何故止めないのかという。
卿は最悪の厄日だとホワイトは呟く。
ドワイトは彼から銃を置けと言われる。
あんたはセバスチャン・ラグランジェでメンフィスでも指折りの
演奏者だという。あんたのファンだったとし、ホ・ディドリーに
プレスリーの曲。ガキの頃からジャケットを眺めて演奏者の顔を
覚えたという。何か困っているならばオレが手助けするという。
この暑さでは人質も倒れるとして水を与えても良いかと問う。
“もう豆の収穫はごめんだ”というセバスチャン。オレはもう年寄り
だという。そいつとは行かないとのこと。この男があんたに何を
したのかと問う。人質の男は自分はジェフリー・マク・・というと、
セバスチャンは話すのを止めさせテープを口に貼れと語る。
この悪魔め、レッドベリーの所に戻す気かという。
■感想
冒頭のターニャと銀行員のやりとりが面白かったな。
警察バッジをちらつかせて特権を得るような人ではないと思っていた
けど、銀行では特権を使いまくり。
自分で銀行のシステムを捜査しようとして行員のパソコンを奪い取ろう
とするところなど笑える。
全体的に見るとやはりドワイトのメンフィス愛に溢れる話で、
ターニャは「彼の勘」を宛にしていたけど、実はその勘には裏打ち
されるだけの知識があったりするし、音楽関係に於いては彼の捜査が
役に立つところはドラマの面白いところ。
■人質立てこもりの男は有罪?無罪?
人質立てこもり事件を起こしたセバスチャン・ラグランジュという老人。
その顔を見てドワイトはすぐにメンフィス指折りの演奏者だと語る。
彼のことを見た事があるとして彼との信頼関係を結んでいく辺りの
やりとりは上手く出来ていた。
■犯人の正体
ドワイトが老人との会話を通して得た情報をもって、外に居るもの
たちに色々と調べてもらう。
人質にされているのは貯蓄貸し付け組合の職員のジェフリー。
老人の名前に関しては、刑務所を連想させることを話した事と、
家族写真の裏に何かの5桁の番号が有り、犯罪者データベースで
調べた所リロイ・ヒッチだと判明する。19歳の時に殺人罪で有罪。
被害者はエミリー・クレイ(18歳)。リロイはそれで終身刑になって
いるが、6年後に刑務所から脱獄していた。
■ハドソン捜査官とは?
突然ターニャに対立するような形で出てきた女性。
マスコミ関係者も集まってきたことで、早い所SWATを突入させた
がっている感じだった。
「部下が中に居るの危険よ」
「武装犯の方が危険。猶予は45分よ」
■娘のシャーリーは父の無罪を主張する
シャーリーは12年間父親とは疎遠の関係に有るという。
結婚式をニューオリンズで行ったということで、刑務所からは近い
ことを知り、彼が脱獄したのは結婚式を見る為のものではないか
とされた。
■黒人と白人の恋愛
事件は1958年に発生したものだった。
リロイから殺害されたエミリーとの関係について尋ねると、二人は
愛し合っていて、クリスマスイヴの日に金が無いので、彼は彼女の
為に作った曲をプレゼントしようとしていたという。
当時アーデンという小さな町に住んでいたとのこと。
黒人と白人の恋人関係など当時のことを考えれば相当厳しい風当たり
が有ったハズ。
二人で結ばれようとしていたが、それを知っていたのは妹のミランダ
だけ。二人でシカゴに行き自由になろうとしていた。
イブの日にエミリーの家の裏口からこっそりと入ったら彼女の
遺体が倒れているのを見つけてそれで終身刑になったとのこと。
■記憶は曖昧でも歌は覚えている
エミリーへの思いを綴った歌をその場で歌う光景が有り、それは
外で緊迫感を持っていた捜査官やマスコミ、無責任な野次馬たちの
前でその歌声を披露する。少なからずその声はみんなの心に届いた
であろうこと。美しい曲を聴いて殺すはずはないと感じたドワイト
は改めて捜査することを告げる。
■コールドケースみたいなドラマに・・
管轄を越えた捜査なのでやりづらいかと思ったけど、ルイジアナの
アーデン郡の警察署のチーフ・カーソンは協力的だった。大抵こういう
事件だと黒人差別が絡んでいるので隠す流れも有るんだけどね。
ただ当時の捜査は杜撰だった感じ。
凶器を改めて調べるとリロイのものだった。
二度目に尋ねる時にはドワイトは休暇という名目で捜査の為に
ルイジアナに行きターニャも同行した。
ターニャによるとルイジアナは湿気が酷いので嫌いだという。
検視では争った形跡が有り、頭部と骨に損傷、胸部に6回指された跡。
凶器は1954年モデルのスイスアーミーナイフ。何処にでもあるナイフ
だという。
しかし証拠品の中にヒビの入ったスノードームが有り、事件の夜に
犯人が持っていたものだとされていた。エミリーへのプレゼントでは
ないかとされたが、リロイは金がなく歌をプレゼントしていたことから
益々彼の容疑はえん罪の可能性が出てくる。
■スノードーム
ブライアンというエミリーの元彼がプレゼントしたのではないかという。
ブライアンとエミリーは彼が大学に進んだ時に別れたもので、彼は
その後悔やんでいたという。ブライアンはこの地域では何代にも続く
名家であり現在は市長をしているという。
彼の政策は差別反対の運動に参加していて、黒人の参政権登録にも
尽力したとのこと。事件の夜は大学にいたとするが、結果的に
アリバイは崩れてフェイエットヴィルの大学に行っていたとしていた
が、前日には帰っていた。
彼は天気の話をしていて大雨に降られたことを話していたというミラ
ンダだが、結果として当時のあの年の12月には雨は一滴も降っていない
ことから容疑は市長へと向けられる。
最終的にはスノードームのDNAで市長の容疑ほ確定できたのかな。
・エミリーの妹・ミランダ役
演じていたのはベテラン俳優のVeronica Cartwright。
ヒッチコックの映画「鳥」の中では彼女はアリス役を演じていたけど
その彼女の誕生日に悲劇が起きるって感じだったし、映画「エイリアン」
での乗組員の一人として搭乗していた。
■使用された曲
・
■出演者
ドワイト・ヘンドリックス (Jason Lee) メンフィス市警
チャーリー・ホワイト (Sam Hennings) “ホワイトヘッド”、ドワイト相棒
ディヴェイ・サットン (DJ Qualls) メンフィス市警・制服警官
ポーラ・アン・ヘンドリックス (Celia Weston) ドワイトの母
Sgt.JC ライトフット (Abraham Benrubi) メンフィス市警 (ジョディ)
レジナルド・グリーンバック (Leonard Earl Howze) メンフィス市警
Lt.ターニャ・ライス (Alfre Woodard) メンフィス市警・警部補
ミランダ (Veronica Cartwright) エミリーの妹
シャーリー (Sandra Thigpen) リロイの娘
リロイ・ヒッチ (Clarence Williams III) 演奏者、えん罪
ジェニファー・マクマナス (Lyle Brocato) 差し押さえ通知、人質になる
Lt.ドーン・ハドソン (Kerry Cahill) SWATチーム
ピーター・カールソン (Douglas M. Griffin) チーフ
— (Michael Dennis Hill) Male TV Reporter
マリッサ・グロトンヴィル (Stephanie Honore) 銀行の受付??
ブライアン・タルマッジ (Marco St. John) 市長
— (Odessa Sykes Feaster) Neighborhood Women
— (Shawn Thomas) Kid On Bike
— (Edward J. Clare) Concert Goer
クルーズ (Alexander Eldimiati) 捜査官
— (John C. Klein) 弁護士
— (Timothy A. Vasquez) 捜査官