第13話 絶体絶命の危機 Faith 7
監督/Russell Lee Fine 脚本/Daniel Shattuck
【前回までのあらすじ】
ペイジはリナの妹のイリーナがアメリカにやってきた事を知る。
リナから手紙が来たのだとし、アリゾナ州スコッツデールから
送られたものだと分かる。潜入中のビリーに強盗を手伝う男と
会わせてもらうことになるチャーリー。しかしそこに来たアンバー
は天才機材係だという。アンバーは銀行の貸金庫を襲ったものの
逃げる際にブリッグスの銃弾を受ける。しかしアンバーの根城を
捜索に行くともぬけの殻となっていた。タフな女だと思っていたが
自分で背中の銃弾を抜いたんだとして呆れるチャーリー。
チャーリーはアンバーの逮捕に向かう中で応援チームを呼ぶ電話を
していた所、横から衝突してきた車にぶつけられ連れて行かれる。
シドは明日みんなで遠出するのでブリッグスにも来る様告げる。
ソラノとは契約を切ったのだろうというが、また契約したいらしい
という。マイクはシドを押し詰めたつもりが、違法捜査だとして
逆に訴えられる。連邦検事は却下するハズだが先にシドを逮捕
すれば良い事をクラークに告げる。あの男を逮捕しない限り君の株
は下がると言われる。「これは恐怖の臭いだ」というシドに思わず
頭に来て殴り飛ばす。しかしそれをクラークに見られてしまい益々
マイクは立場を弱めていく。シドはその格闘の際にマイクのポケット
にGPSを仕込んで置き、グレイスランドの居場所をついに見つけられて
しまう。ブリッグスがFBIであること。そしてシドは銃を盗んでいく。
ジョニーとDJは金に印をつける。ソラノにこれを渡し、ソラノはシド
に金を渡すと、マイクがこの金を持ったシドを捕まえるという計画
だった。しかしカルロスは支払いの金は別に用意してあるとして
旧札をジョニーとDJに報酬として渡す。もう一つはシドの分だと分かり
急いで印をつけた金とすり替えるDJ。それをカリートに見られてしまう。
ジョニーはルシアに明日の朝逃げようと語る中、娘だけでなく金も
奪えば良いとしてルシアは仕込んだ金を持ってきてしまう。何て
ことをしたのか・・とジョニー。
【ストーリー】
ジョニーはルシアが金を持ってきてしまったことにウソだろうと語る。
もう一つカバンが有った為に、別のカバンを持って来たことを期待する
が札束を見てインクを仕込んだ金の方だと分かる。ルシアはこの金
で何処かに逃げましょうというが、シドに金が渡らなくなると呟く。
それを聞いたルシアはジョニーに一体何者なのかとして正体は何かと
尋ねる。メキシコ連邦警察かFPMなのか。オレはFBIだというジョニー。
逮捕した後に話すつもりだったというと、大嘘つきの最低男だとして
ジョニーに下九度する。どっちを逮捕するのかとしてカリートか
父・カルロスなのか。二人ともだと語ると、君だって離れたいことを
言っていただろうと語る。しかし刑務所に入れたいとは言っていない
という。自分の家族のどちらかを選ぶ瞬間だという。まさかニュージー
ランドで暮らせると本気で思ったのかとし、南十字星を見ながら暮らす
というのかと問う。目を覚ませというと、運が良ければ一生怯えながらも
隠れて暮らせるが運が悪ければどうなるか分かるよなとして現実を
見ろという。仕方がないことだとして、気がつかれる前に金を戻さない
と、ルシアまで共犯者にされるとのこと。これは遊びではないとし
大金を持って家に入れると思うのかとして、私じゃないと無理だと
語る。
シドはブリッグス、アーチー、マルティネス、ホッジスと共に車で
カルロス邸に向かっていた。車内ではブリッグスに質問が集中する。
ロスに来て一ヶ月ぐらい経つが住まいは?プラヤ・デルレイの小さな
家だという。海辺の家かと問われる、ロヨラ・メリー、マウント大の
近くだという。オレならペパーダイン大を探すというアーチー。マリブ
の女子大は尻軽だというとマルティネスは下品だとして怒る。オレみ
たいな刑事じゃマリブの家は予算オーバーだという。異動には納得
しているのかと問われ、「自分のいるべき場所にいる」と語ると、
お前は答えを選んで話す慎重さがあるという。自分の方はどうなのか
として満足しているかと問うと、シドは今まで最高の気分だという。
ホッジスはそろそろメキシコだとして、メキシコ・テカテに入る。
24kmのところだった。
そんなブリッグスたちの動きをFBIの移動式本部は監視していた。
テカテ24km北に設営されていた。これで彼らは一時間内にソラノ邸
だろうという。シドが日帰りならば今日中に逮捕出来るという。
クラークはマイクに対して君は明日から2週間の停職だと言われ規則だ
と言われる。最後まで見届けても良いかというが、本部で殴り合い
なんてどうかしているという。連邦検事は起訴して早くケリをつけた
がっているのだという。
アンバーはチャーリーを男・ジャーメインの元に連れて行く。
チャーリーにここに座れというと、お前は警察官だろうという。
金庫室はどうやって出たのかと問われるとチャーリーはデールが
扉を開けてくれたのだという。今回のことは裏がある気がするという。
チャーリーはあんた何者なのかというと、彼女は資金洗浄係かと
納得する。いつもならばアンバーの仲間は気にもしないが私まで
足が付いては困るという。チャーリーは持ち分を持ち逃げされたから
来ただけだという。しかしこれまでのチャーリーのことを見れば
単なる幸運なのかと問う。少し追求した方が良いとすると、アンバーは
私は散歩してくるという。チャーリーはアンバーに助けてくれと
お願いし、私は妊娠しているのだという。するとアンバーはお腹は
避けてと語る。
DJはグレースランドに帰宅する。
ゆっくり寛ごうとする中ペイジがやってきて見せたいものがあると
言われる。左の手紙は始めて遭った時にリナから預かったもので、
例のバスターミナルのもの。右のは一週間前にウクライナに届いたもの
だという。筆跡を比べて欲しいとDJに頼む。鑑定してみると同一人物
によるものだという。一週間前ならばリナは生きて居るってことだろう
というDJ。死んでいると思っているのかと問うと、二通目は別人だという
ペイジ。こっちは文字を外側に折っていること。普通手紙は文字が
内側になるように折るものだという。筆跡はリナだけど便せんの折り方
が本人とは違うのだという。彼は「私の」やり方をマネたのだという
と、DJはまだマイクを疑っているのかという。筆跡を真似るのは相当
な技術がいるのだとし、時間もかかることだという。マイクにはその時間
が有ったというと消印はアリゾナだろうという。疑問は残るが確信が
あるとしてマイクの仕業だという。そこまでするだろうかというDJは
こんな手紙を地球の反対側まで送っていたなら恐ろしい計画性で病的
だという。ペイジは社会病質者よとしてイカレているという。それはど
っちかだなというと、ペイジはDJに借りを返してと語る。指紋を
調べればマイクのが出るかも知れないとのことだった。
■感想
シーズン2の最終話。
やはりドラマは外は真っ黒、中は生焼けのクリフハンガー仕上げ。
何処まで解決して何処まで解決しないのかなと思っていたけど、
何一つ解決しないという凄い流れではあった。続きを見たければ
シーズン3を見ろとばかりのゲーリー・オブライトばりの投げっぱなし
ジャーマンを喰らった気分です。
まぁそれは良いとしても、捜査上許せるウソと許されないウソという
のが有り、個々の捜査の役割があるとはいえ、せめてグレイスランド
同士の繋がりだけは最後まで維持して、信用しても良かったのでは
ないかという感じ。
シーズン1では、マイクがブリッグスを不審感を抱いていたし、
シーズン2では、ペイジがマイクに取り憑かれてしまい、無用なところ
で争いが続いている。
しかしあまり国境のことを知らないのだけど、捜査官とはいえアメリカ
からメキシコを容易に渡る人が多いことが驚くな。
シーズン3はやっぱりカリートとシドとの対決なのか。
シドはグレイスランドの全員を殺していくみたいなことを呟いていた
けど、家庭も居る身なんだからこれ以上悪を重ねるなと小一時間。
それよりもマイクの銃を使っての殺しだったので、その容疑をどう
晴らしていくのか。ペイジとの関係なんかも一線を越えてしまった
けど、チャーリーとブリッグスが仲直り出来たくらいなので、ピンチ
の時に助けることが出来ればなんとかなるのかな。
手紙の流れなんかは、捻くれてしまったペイジとしてはチャーリーの
優しさとは受け取れず保身のためとしか考えられなかったのか。
グレイスランドの本来の意味を取り戻す為に前回はチャーリーのソース
作戦が有ったりもしたし、今回はブリッグスがみんなに対して良い事
を語ったけど、果たしてどれだけ取り戻す事が出来るのかな。
シドに全てが分かってしまった以上、グレイスランドの維持の問題に
ついても大変そうだ。かつてエステート(だっけ?)が燃やされてしまった
ようにグレイスランドも火をつけられてしまうのか。
■各捜査官たちの動き
■ブリッグス
今回のブリッグスはチーム・シドの面々と共にメキシコのソラノ邸に
向かうことになる。シドにはブリッグスの正体がばれている状況
での行動なので、常に緊迫感をはらんでおり、何時シドがその牙を
向けてくるのかという感じだった。
しかし意外と肩すかしな部分も多く、シドの計画の先にブリッグスは
それ程重要な意味を為さないと思われていた為だろうか。
予め対策を施すようなこともなかったので、ソラノ邸で殺害されると
いうことを想定して同行させたのだろうか。
ブリッグスはソラノ邸に入る直前になってマイクからチャーリーが
居なくなったということを聞いて、あの場面から一気にアメリカに
逆戻り。そしてブリッグスの計画を見守っているクラークたちは
自分の手荷物の中に爆弾が送られて来たということで、現場から撤収
するという始末。
正直ブリッグスはカザカルテルに精通しているので、彼らに助けても
らうみたいな流れがあるのかと思った。このシーズンの当初に
カザのドンに遭いに行くシーンが有ったからね。
ブリッグスの射撃の腕がまた凄い。
チャーリーを助けに行った際にはアンバーを撃って何とか助けた。
ただアンバーは死んだかどうかは謎。
■チャーリー
アンバーと男性たちによって連れ去られてしまった前回からの流れ。
アンバーと一緒に居るのは、アンバーよりも更に位の高そうな組織
の構成員みたいだった。イギリス系のジャーメインという資金洗浄の
男のようで、チャーリーがあの貸金庫から無傷で出てこられたことに
対して案の定疑われていた。
アンバーとしても最初からチャーリーに罪を着せるつもりであの
金庫室に閉じ込めたところがあるのかな。
アンバーは、チャーリーのことは気に入っていたみたいで、最後まで
見捨てきれないみたいな態度は取っていた。
前にも書いたけど、カリート&ジョニーの女性版みたいな格好になって
いた二人だけど、どちらもイカれているけど、アンバーの方が女性な
分、多少伝わってくるイカレ具合も柔らかい。
■ジョニー
DJと共にソラノ家に仕込んで置いた金はシドに報酬として渡る予定
だったが、ルシアという思わぬ伏兵がいた。
ルシアはジョニーと逃げるという際に、その金を持ってきてしまった
ことで、「HOME LAND」のキャリーの如く、ジョニーは”クソっ”と
投げかけていた。
ルシアにはその時自分がFBI捜査官であることを語り、ソラノ親子を
刑務所送りにして、一緒に逃げる選択を取るよう求める。
ルシアも決断の時だと感じてジョニーに突いていくことにしたのか。
金を返しに行った際に、カリートに見つかってしまったジョニー。
すぐに殺されるかと思ったけど、その辺はいつもの感情的に人を殺して
しまうカリートの姿はなかった。
「お前はカメレオンの目で世界を見て居るんだ」
と言われ、メキシコ人移住者なのにアメリカ政府に奉仕していること。
多面的立場で都合良く生きていることを指摘された。
ルシアという弱点を人質として取られたことで、今のところはカリート
に従うしかなく、結局はアメリカに舞い戻ることになった。
ルシアは生きて居るのだろうか。それとも殺されてしまっているのか。
■DJ
今回もまたDJはグレイスランドに到着して休む間もなく、ペイジに
使われるという展開。相変わらずペイジはマイクとリナの件に取り憑か
れていてそれ以外の仕事をまるでしていない。
ペイジから手紙の件で、リナはアリゾナ州のスコッツデールから実家の
ウクライナに届いた手紙の件で、手紙を詳細に調べるようペイジから
要求された。完全に使いっぱになっているけれど、手紙は鑑識によれば
マイクの指紋は一切無く、筆跡もリナのものだと告げる。
またジョニーが戻ってきた際には、ジョニーがまたルシアと楽しんでいた
のではないかとして指摘された際には、流石のジョニーも激怒していた。
DJがカリートに金を入れ替える所を見られてしまったことがきっかけで
計画通りにいかなかったこと。いつもの仲良くケンカしていた関係は
今後ギスギスしたものとなってしまうのか。
■ペイジ
完全にリナとマイクに取り憑かれてしまった人。
もっと別の仕事しろよと小一時間だけど、シーズン1でのマイクとフアン
とブリッグスの関係の様なことをしているな。
スコッツデールでリナが生きて居るのは本当のことなのか。
ランチチャンネルで同じ日に放送していた「CSI:科学捜査班」のS14-19
でも銃の出所がアリゾナ州のスコッツデールの土地で、同じマイアミ
での捜査なので地名が被ることもあるのだろうけど、なんだか不思議な
感じがした。
マイクは捜査官として優秀だけど、やはり感情的になる一面も否定出来
ないところがある。
ただマイクの仕事は完璧で、手紙の流れではペイジもDJも技術班も
そのウソを見破ることは出来なかった。
いざソラノ邸に襲撃にいった際に、腹部を撃たれたことで、指名手配
を受けることになるが、ブリッグスに頼んで新しいIDを用いて病院での
処置を受けていたところ、ペイジはシドに精通していて、マイク殺し
を依頼していた。
マイクが異常なのかペイジが異常なのかって感じだけど、仲間を売った
ペイジはかなりヤバイ人になっていた。
マイクは雨の中でペイジに嘘はつけず結局リナは死んだことを示唆して
いた。マイクが殺したものではないけど、施設への突入のタイミング
が誤っただけでペイジから殺しのターゲットにされてしまうという
のも切ない。
■マイク
ブリッグスがシドと共にソラノカルテルに潜入する中で、クラークと
共に監視していたけれど、FBIのものたちは非情にも撤退。
ホントに馬鹿なものたちって感じしかしない。
マイクは一人でもバックアップにつくということで、一人で滞在して
いたけれど、ブリッグスがチャーリーのことを気にして任務放棄で帰国
してしまった為にマイクがソラノ邸に入っていく。
そこでは激しい銃撃戦が行われる中で、カリートがシドに持ちかけて
カルロスを含めた世代交代の流れを作っていくようだ。
シド電話で連絡を取り合っていたのはカルロスではなくカリートだった
のか。カルロスに対してカリートは外してくれと語ったことは、
彼を殺さないようにする為の措置だったのか。
シドの凄いところはこれまでの自分のチームであるマルティネス、
ホッジス、アーチーも全員殺してしまったこと。しかもグレイスランド
で盗んできたマイクの銃でだ。
シドは自分で銃弾を撃ち、マイクに襲われたように偽装した。
マイクのこれまでの異常なまでのシドに固執した流れを見れば、マイク
がシドを殺したと思っても誰も疑う人は居ない。しかしシドにトドメを
刺すことはしなかった。
変わりにペイジからマイク暗殺を示唆され、シドはこの件からはもう
撤退するとしていたけれど、マイクが殺せると知ってからはまた
憎しみの感情によって殺意が芽生えたのかな。
マイク・リチャーズという偽名で入院中だったマイク。
マイクの体は体内に銃弾が残っていたことによる鉛中毒。シドの銃弾
は貫通していたので思った程に重傷ではないようで早くも機敏に動いて
いたし・・手術の最中に気胸を起こしたとし、機械で空気を送らなけ
れば窒息死するということで、シドはマイクのチューブを押さえつけて
いた。
心肺が停止した状態でブリッグスが駆けつけることになるが、果たして
マイクは生き返るのかということで、シーズン2もフェイドアウト。
■使用された曲
・Pyre by Son Lux
・I Got Made by King Khan & the Shrines
■出演者
マイク・ウォーレン (Aaron Tveit) “リーバイ”、FBI特別捜査官
ジョー・タトゥーロ (Manny Montana) “ジョニー” FBI特別捜査官
ポール・ブリッグス (Daniel Sunjata) FBI特別捜査官
デイル・ジェイクス (Brandon Jay McLaren) “DJ”、税関
ペイジ・アルキン (Serinda Swan) DEA捜査官
キャサリン・デマルコ (Vanessa Ferlito) “チャーリー”DEA捜査官
シド・マーカム (Carmine Giovinazzo) マイアミ警察
アンバー (Brit Morgan) 技術班、ビリーの仲間、爆薬のプロ
アーチー (Coby Ryan McLaughlin) シドの仲間、マイアミ警察
カルロス・ソラーノDr. (Nestor Serrano) ソラノカルテルのドン
カリート・ソラーノ (Erik Valdez) 息子
ルシア・ソラーノ (Jamie Gray Hyder) 姉
ジャーメイン・マーズデン (Russ Bain) イギリスの資金洗浄
クラーク (Dameon Clarke) ADIC、マイクの上司?
ビリー (Chris Browning) 潜入中の捜査官
— (Tyler Carstensen) FBI Agent
— (Cyndi Crotts) Bullpen Assistant
— (Dave Duda) Hospital guest
— (Jasonn Gonzalez) Amber’s Bad Guy
ホッジス (Charles Harrelson) シドの仲間
マルティネス (Lynn Moore) シドの仲間
— (Steve Heinz) 医者
— (Gary McCormack) FBI agent
— (Charlie Studders) Storage Guard
— (William Wiegand) Solano Guard
— (Tom Dodson) 医者
— (Loren Ferguson) LAPD
— (Robert J. Fox) Undercover FBI