第11話 裏工作 The Wires
監督/ 脚本/
【これまでのあらすじ】
グスティが大量破壊兵器を?とポール。マイクは自分の勘では
あれはサリンだと語る。ララはそのサリンの容器を盗んで
金を奪おうとする。それが誰のだか知っているのか?オーディ
ン・ロッシのだと。グスティはポールに何時になったら終わる
のかと問うともうすぐだとしてネズミを渡すポール。一緒に荷物
を売りさばかないかとしてグスティはマイクに声を掛ける。
そこでマイクは赤い鳥はポールが作ったものだと気がつく。鳥の
絵を見れば電話すると知ってばらまいたのか。オレを操って
楽しんでいたのかと。ジャーメインを捕まえるがATFのエイヴリー
の情報屋として取引していた。彼の顧客の一人に大物の銃の
密輸業者がいる事を知る。ディークスに頼むチャーリーはジャー
メインを説得して常連客に遭わせてもらってという。ポールと
エヴァが寝ている中、ギャングのソトストリートのハビエルが
入り込んでくる。ジョニーは女と寝たせいでギャングの抗争にな
るのか?アリを巻き込んで死なせたくないというポール。ジョニー
はソトに潜入を頼まれる中、ハビエルをボクシングで打ち負かした
為にロッカールームでリンチされる。
【ストーリー】
ハビエル(Reynaldo Gallegos)の母・テレサ・アルブエナ
(Terri Hoyos)がやってくると、ジョニーに対して今日の所は
仕返しではないのだとジョニーに告げる。ボコボコにされた
ジョニーに対してこれを飲んでというとあんたの強さは分かったと
いう。刑務所に入る前はオスカーとチコと組んで居たがどっちも
死んでいるという。テレサはあんたの気持ちは分かるとしさぞか
し寂しいでしょうと。仲間も変える場所も失ったこと。男は
誰でも同じで家を求めているという。私たちがあんたの家だと
いうテレサは「お帰り私の息子」とジョニーに告げる。仲間と
して迎入れた宣言だった。
ペイジはチャーリーとDJのオーナメントを見て幼虫みたいだ
という。これは何なのか?というとイエスだとし、我らが救世主
を幼虫呼ばわりしたわねとチャーリー。このオーナメントが
安いのは夏だからということではなさそうだとマイク。からかう
なら見ないでとチャーリー。
「DLJ信託銀行預金保険付き」だとチャーリーはDJと話す。
ポールは銀行でも開くのかとしてやってくる。DJは移民税関執行
局が許可してくたという。ディークスが頭取になってジャーメイ
ン(Hal Ozsan)の客を取り込むのだというチャーリー。そうすれば
全ての客が流れてくる。ATFにとっては用済みとなったジャーメ
インを逮捕する事が出来るという。金は全てディークスを通すの
かというポール。ディークスが客に売り込む間ジャーメインを
遠ざけておくというチャーリー。マイクはポールにコッチも
手伝っているのかと問う。
そこにジョニーが帰宅する。ボロボロの身体・・ソトに潜入出来
たことを語る。袋叩きにされたが加入儀式だったようだと。
ペイジはまるでケダモノだという。ジョニーはブートキャンプ
見たいに忍耐、強さを見せなきゃならないこと。ポールはジョニー
に中止しようという。ジョニーは明日はアルブエナ家に
招かれていること。これは凄いことだとし、カルニタスも食いたい
という。ポールは危ない目には合わせられないというと、ジョニー
はアリを守る為に潜入させたのだろうと。お前が死ぬくらいなら
アリが死んだ方がマシだという。でも潜入出来たとペイジ。
ジョニーは任せてくれというと最後までやり通すと語る。
マイクはそんなやりとりを見て感心するほどに人を操るのが上手い
なと。ジョニーに自分から潜入すると言わせたこと。狙い通りだ
と。しかしタネが分かれば魔法の世界は消えるというマイク。
赤い鳥は神の啓示ではなくポールの仕業だったとしボクのために
こんなものを作ったという。グスティのアパートにばらまけば
鳥の絵を見たボクが電話すると分かって居たのだと。依存症の
更生施設の番号。ポールも認めているというマイク。ペイジは薬
断ちを助けたいのだろうと。Vinxxxや赤い鳥や数字が全部繋がっ
た時は驚いたが、でもそのハズ。ポールが知っていて仕組んだの
だからと。ボクのノートを彼は診ていた。ポールがサリンを入手
していると思うのか?というペイジ。ああ必ずタネを明かすと
いうマイク。
アリはテヴァン叔父さんが死んだことでスピーチ練習。
「オヤジ同然だった。死んだなんて信じられない。」そう言いなが
ら涙するが涙が出なかった。ポールは犬を飼っていたなら死んだ時
のことを思い出せという。コッカスパニエルを祖母が飼っていて
ケネーとヤナという名前を付けていたこと。しかし五月蠅いので
縛って川に捨てたというアリ。
そこにマルトゥン(Peter Stormare)がアリの貯まり場の店にやっ
てくる。アリはマルトゥンにそろそろいかないといけないという。
オレに取っては親友だったという。今はテヴァンが我々の為に
残してくれた功績を称えよう・・悲しむなとマルトゥン。
アリはマルークとハルディクが葬儀場で最高級の棺を手配して
くれたとし外側は堅くて中はフカフカなものだという。
するとポールは葬儀を延期してはどうかという。サルキシアン
一家が全員集まればソトの連中の標的になるという。葬儀は神聖な
場だとするが礼儀知らずのソトには通用しないという。警備を
厳重にすべきだという。ハビエルが心配なら先に襲おうというアリ。
戦うべきじゃないときもあるというマルトゥン。
テレサ・アルブエナと話をつけておくとし角質を終わらすべき
だというと、献杯とグラスをあげる。
・マイアミ
ディークスとチャーリーは営業までは24時間を切っていると語る。
朝8時までに銀行口座を開けるようにし不自然なところは無いように
ねとチャーリー。
ディークスたちは「DLJ信託銀行」を作っていた。頭取はディー
クス。
・ソト・ストリート
ハビエルは今ここで見えない一線を越えたとし、一度この線を
越えたら後戻りは出来ないぞとジョニーに告げる。ホントなら
八つ裂きにしているが母がお前を気に入っている以上は仕方が無い
という。良い人だなというジョニーに対してハビエルは聖人だ
とし母のお陰で奴らこの地区で暮らせるんだと。市の再開発計画
を撤回させたのだという。頑固な女性議員がいたが事務所に行き
そいつの娘の首を入れると言ってハコを見せたのだというハビエル。
■感想
マイクにポールをマークしろと言っていたシーズン1でのFBIの
キャンベル捜査官って実は間違いではなかったのではないかと
思わせる所があるな。やっぱりポールの行動は怪しいように
見える。
みんなそうなんだけど隠密作戦故になかなかその作戦を話さない
為に、先日のジャーメインの流れでATFの捜査官とチャーリーの
捜査がバッティングする事が有る。ただグレイスライドの面々は
仲間なんだからもう少し互いに全容を話して協力し合えば良いのに
な。こんなことをしていればまとまることもまとまらない。
先日のポールの行動を見ると、マイクが変に疑い持ち、持ち場
を離れた為にペイジが危なかったのだということをすり込ませた。
そして今回はなんと言ってもポールがサルキシアンとソトを
衝突させて、その名の通り全滅させようとしているのではないか
という計画性を感じさせた。
ATFと言えば資金洗浄の捜査ではなく「アルコール・タバコ・
火器及び爆発物取締局」の略称で有り、一番彼らが狙っている
のはジャーメインというよりも、サルキシアンのような国際的
な武器商人を捉えることにあるんじゃないのか?
どうも言っている事とやっていることが違和感があるんだな。
ジャーメインの流れが最後はサルキシアンなんかに繋がっていく
のだろうか?
■各捜査官たちの動き
・マイク & ペイジ
久しぶりにマイク&ペイジが一緒に行動を取った。
シーズン2の最後にペイジはマイクを本気で殺そうとした訳だけど
許せるんだね。
ペイジは自分が殺す立場になったことでようやくマイクの苦労を
知ったということなのか。
マイクはこの件が間違いなら二度とポールの件は調べないと
いう宣言の下で捜査を始めた。
何よりも問題なのは
・ポールのアリバイ
・ポールはサリンを持ち込んでいないかどうか
・サリンを持ち込んでいたならどのようなルートを使っているのか
貨物船のルートを色々と調べていた。
パナマ、コロンビア、ロングビーチ・・国際輸送はあちこちの港
で積み荷を下ろすから大変だという。
エジプトからロサンゼルスまでの航路を調べる。何処かで必ず
サリンを積んだハズなのだ。彼が北京まで行ってコンテナに関した
こと。おそらくはロシアを利用している。
ポールが黒幕でグスティに赤い携帯を渡した張本人だろうことを
告げる。
ポールがサリンを持ち込んで仕込んだとするには、ロスからシア
トルまで3時間でいったとする証拠が必要だった。・
意外にもポールのアリバイを証言するのはジョニー。
苑子はメキシコに行きカザカルテルと会ってカリートの件で手伝
ってもらいマイクと会う前に破ティフアナにいること。アルフレ
ッド・アルマスとはヤギも食べている。
船はサンタバーバラで給油することに。その後マイクたちと合流
しているという。サンタバーバラに居たなら港の防犯カメラに
写っているばず。
するとついにポールが写っている光景が有った。
・ポール & ジョニー
ジョニーは今回ソトのドンのテレサに気に入られて自宅のパーテ
ィーに招待されるまでに至る。
ソトのテレサは地元の住人にとってはまさにゴッドマザー。
テレサは夫を失った際にギャングを引き継いだ訳だけど、ハビエル
の兄を失い、そして今度はハビエルを失うことになり、嘆く姿。
一方のアリはテヴァンの死をまるで感じていないが取りあえず
マルトゥンの前では神妙な面持ちとして練習していく。
意図的にポールがソトとサルキシアンを衝突させようとした為に
この両者は対立することになった。ポールとしてはアリを昇格
させる為の道筋を立てたかったのか。
潜入したジョニーはテレサに感情移入しているところも有りそうだ。
もう少し時間が経過すればこの人を母親のように思って殺すこと
も躊躇われる状況が出来るのかも。
ジョニーはかつてトロスがいた頃に取引しようと近づいた相手だ
し、ソトの構成員としてサルキシアンに接触したらどうなるんで
すかね。
マルトゥンは必ずしもソトと戦いは望んでいなかった。
親愛なテヴァンの葬儀の時に争い毎などしたくはなかったこと。
テレサがソトを引き継いでいながらも一人の死者も出して
いないことを考えれば、共にケンカしながらも仲良くコミュニ
ティは回っていたのではないか。
かつてテレサが議員を脅した時の方法論を使い、ハビエルの首を
切断して送り届けたサルキシアン。
テレサは手打ちにする為にハビエルに恋人のエヴァを殺させよう
としていた所が有る。ポールはエヴァが殺されることを助けた
ものの、寧ろポールが来た事が問題が複雑になったことを語る。
・
葬儀時には警備を増やした方が良いとアドバイスするポール。
ここに集めてみんなをサリンで殺害するというのが手なのかな。
・チャーリーとジェイクス
チャーリーの我が儘っぽい流れでは有るけど、彼女はATFは情報屋
としてのジャーメインに価値がないと思わせれば、彼をこちらに
渡すハズだと考えて随分と金のかかる手の込んだことをし始めた。
こういうホワイトカラー的詐欺行為を見ているとドラマの
「ホワイトカラー」とか「レバレッジ」なんかを思い出させるな。
DLJ信託銀行を開業。
そこの顧客にさせて入金・出金先を任せてもらえるようになれば
色々と組織の繋がり突き止められるようになる。
ただこんなことが容易にできるならマフィアたちもそういう人材
を育成して信託銀行を開設してとっくに悪さに使っているような
感じもするけどね。
パウロ(Jordi Vilasuso)を紹介してもらったことで、この銀行が
評判となって次々とゴキブリホイホイのような状況になるとの
こと。そうなれば確かに資金洗浄しているジャーメインは要らな
い存在にはなるけどね。
ATFとはこの銀行で得た情報を全て渡すのを条件にジャーメインの
引き渡しを求めるようだ。ATFとジャーメインの間でどんな契約
が有ったのかがまた複雑なことになるのかな。
ジャーメインの逮捕容疑は連邦捜査機関の誘拐、暴行、殺人未遂
強盗の共謀、資金洗浄、脱税という凄い数。
ジャーメインはそれでも助かると思っているらしい。
■その他
・ディークスが出会った弁護士
コートニー・ガロ (Annie Ilonzeh)という弁護士と出会った。
青いドレスを来てパーティーに出ていた。
プローンというエビの一種をディークスは海のゴキブリみたいな
ものと称していた。その会話をきっかけとして上手いこと相手の
気を引き事に成功していく。
また弁護士は100%悪人だとしてディークスは語る。
悪人度からするとナチスがいて、次がゴールドフィンガー、
そして君がその次だという。
レーザー業者を紹介する為に携帯の番号を聞き出した。
・チャーリーとジャーメイン
彼はチャーリーを怒らせて裁判にならないようにしていた。特に
チャーリーがジャーメインと会った時には妊娠していてその時
はアンバーが助けてくれたんだよな。ただジャーメインは
「腹が平良だ。赤ちゃんは居なくなったらしい。私のせいか?」
として拳を握るチャーリーに殴らせようとする。
この流れ、「メンタリスト」のs3-20で、リズボンが思わず意図
的に殴って容疑者を釈放させパトリックを助けるシーンと似て
いるが、ここでのチャーリーは我慢の子だった。
・マルトゥンとテヴァン
人に歴史ありですな。
ソトの面々にも一人ずつこうなるべき理由が有った。
そしてマルトゥンとテヴァンの間にも同様に歴史が有る。
子供の頃に年上の子にからかわれていたこと。テヴァンは特に
痩せていたのが原因。身体が倍ある空いてとマルトゥンは庇って
戦い殴ってた相手に噛みついて守ったこと。しかしもう守る事は
出来ないと。
・ここに来てメキシコ人のキーワードが多くなる
やたらと耳にしたのがメキシコ人だった。
サルキシアンらがアルメニア人だったことも有って民族的には
その人種をよく耳にしたんだけどね。
ソトの面々はメキシコ系なのかな。すると色々と繋がりが深く
ないのかな。アルメニア人ってこの地の犯罪ギャングの中でも
相当マイノリティだと思うぞ。
■使用された曲
・
■出演者
マイク・ウォーレン …… “リーバイ”、FBI特別捜査官
ジョー・タトゥーロ …… “ジョニー” FBI特別捜査官
ポール・ブリッグス …… FBI特別捜査官
デイル・ジェイクス …… “DJ”、税関
ペイジ・アルキン …… DEA捜査官
キャサリン・デマルコ …… “チャーリー”FBI捜査官
アリ・アダミアン …… サルシキアンファミリー幹部
マルトゥン・サルキシアン …… ファミリーのボス
ジャーメイン・マーズデン …… 資金洗浄
グスティ・カデ・ペンディット …… “ヴィン”、バリ人
ハビエル・アルブエナ …… ソト・ストリート・ヴェトマ幹部
エヴァ・トレス …… ハビエルの彼女
エイヴリー・スタンウッド …… ATF捜査官
テレサ・アルブエナ …… ハビエルの母、夫の跡を継ぐ。
パウロ・カヴァルカンティ …… ジャーメインの顧客
コートニー・ガロ …… 弁護士
ジミー ……
ルーチョ …… ソト
ティノ ……
グエロ ……
アルフレッド・アルアス …… メキシコのカザ、ティフアナ