[E] 西海岸捜査ファイル ~グレイスランド~ Graceland シーズン3 第13話 決着 No Old Tigers

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第13話 決着 No Old Tigers

監督/ 脚本/

【これまでのあらすじ】

アリとマルトゥンを殺せ!としてソトが葬儀中に発砲。
グスティはマルトゥンに生物兵器を売ると、その爆弾を持って
マルトゥンはソトストリートにいく。そして爆発させてやると
する中で、駆けつけたマイクは死んだハズの鳥が動いているのを
見てすかさずマルトゥンに向けて発砲する。
ポールが隠していたのか。ペイジは私たちを本気にさせる為
なのか?と。ポールはマイクにマルトゥンの逮捕は出来たのか
と問うとマイクは彼を殴る。
アリとトロスを騙さないといけないとして、ローガンに拷問され
ることを求めるポール。楽しく無さそうな役目だと。しかし最後
はお前が責任を負うんだという。
ポールはディークスに対して、資金洗浄の男を逮捕すれば大金
が押収されるのだろうという。ディークスはだからなんだ?と
問うと俺に少し回してくれという。刑務所行きはゴメンなんだ
という。お前も同じだっただろうとし、こんな事は二度と頼まな
いという。幾ら必要か?と問うと、永遠に逃亡出来るくらいだ
という。

【ストーリー】

ディークスは大切なものは「金」か「真実」か、それとも「正義」
なのか・・と。ローガンはマルトゥンは国内のテロリストだとい
う。ポールにこの捜査報告書は説得力があるとするが、完全な
でっち上げだというローガン。そんなことはしていないという。
例えば

「ウォーレン捜査官はインターネットで本件に遭遇した」
「その通りだ」
「そこからグスティ・カデ・ペンディットに辿りついた」
「これも紛れもない事実だ」
「ウォーレンはグスティに対して潜入捜査を行いマルトゥン逮捕
に繋げた」
「間違い無い事実だ」

君が一連の出来事を仕組んだのでは?俺の名前は何処にもない
というポール。私はアリに拷問されて神経を損傷した。この傷
は一生消えないこと。まさか本気で思っていないよなとし、
こんなの戯言に署名することなどないという。あんたの命令で
捜査していたのだとし世界一とも言われる武器商人が今アメリカ
国内の施設で拘置されている。その報告書を通せばマルトゥンは
二度と自由にはなれない。だが認められなければマルトゥンの件
は立証出来ず、疑問の声が上がってあちこち質問攻めにあうぞと
いうポール。あんたは以前に俺に説明してくれた。

「汚い悪党連中を通してバラ色の生活を送るか、テープのせい
でクソまみれになるか」だと。あんたも同じ船に乗っている。
どっちが良いか?バラかクソか決めてくれとポールはローガンに
告げる。するとローガンはウォーレンに署名させるんだと語る。

ポールはマイクに署名させる為に報告署を渡す。
内容を見たマイクは冗談だろうとし、これに署名したら偽証
することになるという。断るというと君を勝たせることは出来ない
という。ポールはこれは勝ち負けの問題ではないという。投獄
させる為だというポール。僕に空気を捜査させただろうという
マイクはご立腹だった。そもそもあんなガスの容器を何処で手に
入れたのかと問うと小道具の店だという。バカにしているのか?
というと逆だというポール。優秀な捜査官だと思っているとし
普通より頭が良い程度だと考えて居たが俺の計画以上だった
というポール。それにグスティのことはどうなるのかと。署名
すれば君は自由だが彼はテロリストの容疑車だというマイク。
トロスを自殺に見せかけマルトゥンの娘を誘拐したし、コルビー
まで死なせたんだと。サリンの件はあと少しで終わらせられる所
まで来ている。しかし署名しなければお前の薬物依存もすぐにバレ
るぞとポール。そんな彼に卑劣だなというマイク。ポールは
脅すつもりはないし俺を許せないだろうが、ここの仲間も売るの
か?とポール。

アリババを捜索する捜査官たち。ポールは捜査状況を尋ねる。
アリの居場所は未だに行方不明だが、現在FBIが総力をあげて探
していること。街にいればいつまでも身は隠せない。死体で見つ
かるかも知れないと。何日も堂々とあそこでソトの連中も見張っ
ていてアリに見せつけたいのだろうと。

チャーリーはジェイクスの元へ。
ジョニーとペイジも合流してくる。ジョニーたちはジェイクスが
知り合ったとする恋人のコートニーと会えることに興奮する。
ジェイクスは今から来るけど先に言って置きたいことがあると。
俺の名前はジェンキンスでマイアミ拠点の資金洗浄をしている
ことになっているという。ペイジは資金洗浄の件を一般人に
話してしまったのか?と告げると、ジェイクスはつい口が滑った
という。チャーリーは嘘をつくのが仕事なのに口が滑るなんて・・
と。言ったのは仕方が無いだろうというジェイクス。私たちの
関係は?と問うと仕事仲間ということにという。犯罪者か・・と
ジョニー。お前に出来るのか?経験は有ったか?というと、ジェイ
クスはみんなに頼むとし彼女が好きなんだという。だからみんな
にも彼女と仲良くなって欲しいという。大事なこと。壊さないで
欲しいと。そんな中コートニーがやってくる。

■感想

いよいよシーズン3の最終エピソード。
アメリカのドラマらしく次のシーズンへの橋渡し的流れを残し
つつ、ある一定の形で終わらせる所は締めくくった感じ。
悪党との戦いは尽きることはないので、次のシーズンの可能性が
有れば幾らでもその変わりの悪キャラは登場させられる。
問題なのはここまで信頼関係が歪んでしまったグレイスランドの
“仲間”をそのままの形態で存在させることが如何に難しい状態で
あるかということだ。
まぁ今となっては中途半端な流れは解明されず想像するしかない
ということで、ドラマも終わってしまった。

善か悪か・・・大義の為に少数の犠牲を出すことへの抵抗感やら
全く罪のない人物を巻き込んで、他人の人生を狂わせることへの
抵抗感がこのシーズンでは徐々に捜査官の心を蝕んでいく。
その中でも目を覚ませる役目を果たしたのは、捜査官同士が利用
し、利用されるという状況をもって、その行動が”協力”なのか
“利用”なのかのボーダーが曖昧になり、対等な関係では無くなっ
てしまっている。そんな所からも個々人に対して正気に戻らせる
ところにも繋がったのではないかな。

法治国家といえども最前線でもその法律の範疇ではやり遂げられ
ないことが多いからこそのグレイスランドなのではないかなと
思う。潜入捜査の難解なところはその人物になりきる為、更には
悪人の信頼を勝ち取る為に、悪人の気持ちを理解するのは勿論の
こと、悪人としての行動も少なからず行わねばならず、法律の
一線を越えて相手の信頼を得ていかねばならない。

ドラマでは冒頭からジェイクスが語っていたけれど、人生に於いて
大切なものは「金」「真実」「正義」のいずれかなのかを問いかけ
徐々にそのボーダーが曖昧になった際には、改めてそれぞれに
対して原点に立ち返らせる。それこそ仲間の本来の形ではないの
かな。

結局今回逃げたのはディークスだけなのかな。
取引したのであれば、捕まらないようにマイクが手を打ったという
ことはないのかな?
最後にみんながグレイスランドに集まったけど、出来れば最後に
パーティーでも開いて、何か象徴的なことをしてもらいたかった
気もするな。

■各捜査官たちの動き

・ポール

今回のポールは完全に追い込まれた格好だった。
過去の発言がドラマの中で引用されたことで気がついたけど、
ポールはバックアッププランの為に金を用意させていた
のね。コルビーの死というのは不可避にも思えたけれど、
やはりポールにとってはマルトゥンを潰す為にソトと対立を
煽り、レイラを誘拐したり、ハビエルの恋人と関係を持ったり
彼を殺して戦いをけしかけたところなどは、かなりエグイ流れ
となってしまった。彼本人はマイクを利用し、その上でプレッ
シャーをかけて置いて、脅しではないと語っている所は憤りを
感じるけれど、やはりポールはなんだかんだ言って独断で物事
を進めて仲間を信用していないところが有る。そして都合が悪く
なるとその汚い役目に手を貸して欲しいと頼んでみたり、罪悪感
を利用して付け入っていくところなど、正直仲間としては頼もしい
が友達にはなれそうもない。
最後もまたポールは命を張ってギリギリのところで戦った。
ソトに追いつめられて殺されてもおかしくはなかった。
アリとの関係に於いて友情さえ芽生えるのではないかと思う所
も有ったが、きっぱりとポールは否定する。

ただアリが語る様に彼には人生に於いて選択肢はなかった。
悪として生きるしかなかった為に今の地位に至る。
ポールは色々と選択するところが有ったにもかかわらず悪人とは
背合わせのようなことをしていて、どうにも複雑だ。

最後にアリを始末したのもポールだった。

・マイクとペイジ

マイクはポールの立てた計画の通りに動いてマルトゥンを逮捕
した流れの捜査の報告書にサインすることを拒んだ。
そこには例え整合性が図れたとしても嘘が含まれている。
それにサインすれば罪なき人物(実際には罪はある)も重犯罪と
されることに繋がり、その罪を背負ってしまったのは誰でもない
ポールが計画に参加させた為のものだからだ。

ペイジとマイクは罪悪感や変な死生観を植え付けられて、無駄な
使命感を背負うことになった。

そんな自分の意思とは違ったところで働いている計画的流れを
止めて真実を明かすときが来たとする流れに賛同したのはこの
二人だけだった。

マイクは結局サインしたみたいだけど、その計画を無理矢理
指揮させたローガンに対する責任がここにはないとして、署名
に辺り条件をつけて取引したようだ。何処までが許される行動と
して受け止められるのかな。

・チャーリーとジョニー

ジョニーは人一倍家族を大切にする人だ。
チャーリーもまた家族を象徴するクリスマスのことを大切に
している。ジョニーはチャーリーの為にクリスマスの飾り付け。
チャーリーは捜査の過程で赤ちゃんを失ったからね。
亡くなった子供のためにもチャーリーがクリスマスをしたいと
思っていたのかも知れない。

そんな中ジェイクスからは彼女を紹介されて、まだまだこの
関係も安泰かと思った。先日のジェイクスの大金発覚の件は、
コートニーには資金洗浄をしていることを告白したようだ。
チャーリーからは嘘をつくのが仕事なのに口が滑ったなんて
変だとされていたけどね。
コートニーもまた悪徳を相手に弁護しているものだから、ジェイ
クスのそんな話を聞いても関係が揺らぐことはなかったみたい。

忙しい状態だったのでみんながチャーリーの誕生日を忘れていた。
ジェイクスだけがそれを覚えていた。

■その他

今回の主役はディークスだったのか?
今まで寧ろ大人しすぎるくらいだったけど、それでもみんな
から要求されると色々と手伝ってくれる流れが有ったよね。

ディークスがドレッドの髪の毛を切りバリカンでキレイに切って
しまう光景。ついでにヒゲも剃ってくれと小一時間だ(笑)

・経験者は語る

ジョニーはルシアの件では嘘の身分を語っていたので結局最終的
には上手く行かなかった。そんなジョニーは経験者は語ると称し
て、ディークスに対してアドバイスする光景が有る。

ジョニーはルシアの時にはジュイクスによってバカ呼ばわり
されている。その彼が今度はずっと嘘をついていた。
ディークスは犯罪者から連邦捜査官になるというのだから
嘘としては悪くは無いと語る。

しかしチャーリーは女として言わせてもらえばそれも嬉しくはない
という。

・ディークスが持ち帰った900万ドル

ディークスはポールに対して金を持ち帰った。ポールは
恩に着るとする反面、ディークスの方はポールに対して

「お前は今まで何度も周りの人間の好意を利用して何かと頼って
来たがそれもこの金で最後だ。」
「お前を好きだったし尊敬もしていた。だが今はもう違う」

・ディークスの過去

ディークスはロスに来た理由は妻子を守る為だという。
「6年前に元妻と子供を追ってロスに来たが、拒絶された。
それでも傍にいて二人を守りたかった。新居の周りを調べたら
隣人には性犯罪の前科者がいた。デレク・サイモンという人物。
刑期を終えてたしその男を更生したと信じたかったが、家の
前を通る度に息子と仲良くなった。眠れず食事も通らなくなり、
脅そうと思って近づいたこと。見られていると思えば手を引くと
思ったが、彼は言い訳をして全てを否定した。努力しても
変わらない人が居る。俺が終わらせた」

その際にディークスが頼ったのがポールだった。
手慣れた様子で遺体を何処かに埋めたこと、。今の俺があるのは
ポールのお陰だという。だから借りを返したのだと。

・ポールとアリの最後のやりとり

子供の頃に動物園へ行って年老いた虎を見た。オーソンだ。
凄い奴で、22歳。虎にして見れば高齢だという。目には涙ぐみ
脚は弱っていた。飼育員に手でエサをもらうという哀しい光景。
美しい生き物をジャングルから連れ出して来て、弱っていく姿
を見せる。これで良かったんだ。老いた虎は哀しい。

でも結局誰のことを言っていたのかイマイチよく分からないの
よね。

老いたという割にはこの二人は年齢的にはそう年老いた訳でも
無い。そして自体のことを老いた存在として説いたものなのかな。

「老兵は死なず、ただ消えゆくのみ」

とでも語れば良かったのにね。

■使用された曲

■出演者

マイク・ウォーレン …… “リーバイ”、FBI特別捜査官
ジョー・タトゥーロ …… “ジョニー” FBI特別捜査官
ポール・ブリッグス …… FBI特別捜査官
デイル・ジェイクス …… “DJ”、税関
ペイジ・アルキン …… DEA捜査官
キャサリン・デマルコ …… “チャーリー”FBI捜査官

アリ・アダミアン …… サルシキアンファミリー幹部
グスティ・カデ・ペンディット …… “ヴィン”、バリ人
コートニー・ガロ …… 弁護士、DJの彼女
ショーン・ローガン …… FBI
…… Lead Investigator
…… バーテンダー
デレク・サイモン …… 性犯罪者
ガト …… ソト

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