第4話 作戦開始 Aha
監督/ 脚本/
【これまでのあらすじ】
マイクは彼に逆らえばバディリョのテープをどう使われるか
分からないぞとポールにいう。ローガンはポールに対して起訴
は避けたいだろうと告げると、アリ・アダミアンというサルキシ
アン一家の幹部と接触しろという。前任者のコルビーが一週間
掛けてアリに売り込んだという。
コルビーはアリから逃げる為に辞職したのだとポールに告げる。
彼を仕留める為にも手伝って欲しいと頼むポール。
レイラはアリに対して私を避けないでと語る。一緒に居たいが
君の父にバレたら殺されるという。マルトゥンの娘が車の事故
に会い、車で突っ込まれた挙げ句バッグを盗まれたという。
マスクを被っていたので犯人は見ていないという。作戦は24時間。
アリが消えて脅威は去るという。
【ストーリー】
アリは目覚めると車の中で事故に会って服が血まみれになって
いた。ポールの元に電話してすぐに来てくれという。
◆バー”アリババ”
そこに行くとポールはアリに何が有ったのか事情を
聞く。目が覚めたらこの状態だったこと。ポールは車の中で
寝たら腰を痛めるぞとジョークを告げる。マジメに答えろとして
アリは銃口を突きつけ夕べ何が有ったのかと尋ねる。オレのこの
指はどうしたのか?火傷したようにヒリヒリするという。自分で
は分からないからお前に聞いているという。ポールはあんたと
飲んだ後にオレは洗濯に行ったという。24時間営業のコンイラン
ドリーだとし、それでアリに起こされて来たのだという。もし
何か有っても捕まるのはオレじゃないという。オレが帰った後に
どれだけ酒を飲んだのか?というポールに対して安酒のせいで記憶
が途切れているという。タバコはメンソールなど大学生か
アメリカ人しか吸わないものがポケットの中から出て来たこと。
その血の付いたシャツを捨てろとポールに命じる。あんたのもの
ではないタバコが有ったのであれば夕べ誰かに会ったのではない
か?というと、トランクの中に居るのかもと。前にも経験があると
いうアリ。飲酒運転は得意だという。鍵が折れている為夕べの
友達はトランクの中に居るのか?死んでいるかも知れないと。
そんな中ポールの元に「Mが動いた」とメールが届く。
アリは強引にトランクを開けると中にはガソリンスタンドのレシ
ートが入っていた。住所はサンバレーでAM2:51にお買い上げだ
という。ガソリンスタンドに行くぞというアリ。
車の中でアリは、アルメニアには昔からこういう言葉がある
という。「雲に隠れた太陽もいずれ必ず顔を出す」と。つまり
真実は明らかになるということ。
◆サンバレーコンビニエンスストア
夕べここに居た記憶はあるのか?というと分かるのは指が痛いこと
だけだという。買ったものを見ようとし思い出すかも知れないと
いう。すると店内で突然戻って来たら殺すと言っただろうとして
アリとポールに発砲してくる。
アリは応戦するが弾が切れると、ポールが仲裁役として入る。
オレは丸腰だから撃たないでくれと。変なことをしたら二人共
殺すとして店員に扮していたのはマイクだった。
・5時間前
チャーリーはマイクに対して2週間前に死にかけた人が現場に立つ
なんて正気じゃないと語る。ポールを助けたいというマイクはボク
が持っていたテープのせいで彼はローガンに操られていること。
それなら私にも責任が有るというチャーリー。マイクは撃たれた
所がまだ痛い事を告げると、出荷用のオキシコドンがロッカーに
入っているというチャーリー。しかし鎮痛剤はもう飲まないという
マイク。アリに向けて銃を撃つ計画はポールの作戦だと。
・現在
ポールとマイクは会話する。
おれはアイツに殴られたというマイク。そしてタマを切り落とすと
言ったという。ポールは怪我人を出したくないので指示に従って
欲しいという。アリは必要な情報を手に入れたいとし防犯カメラ
映像を見せろという。しかしここの録画装置は偽物だという。
録画はしていないとのこと。夕べは何が有ったのかと問うと、彼が
血まみれでガソリンタンク2つとタバコを注文したが、そのタバコ
が無かったのだという。ダンストンのレッズか?というとマイクは
そうだという。連れが居なかったかと問うと、一人だったが
女のカードを使っていたとし名前はレイラだという。レイラと来た
のか?と問う中で、突然店の外には黒のSUVがやってくる。
マルトゥンだとしてアリはマズイのでここはオレの言う事を聞いて
くれという。
・過去
DJはマルトゥンに電話していた。お嬢さんのカード履歴の件で
今日の午前2時30分にガソリンスタンドで使われて居ること。
場所はサンバレーだという。そしてジョニーは「Mは動いた」と
メールする。
・現在
なんで彼がここにいるのか。マイクに対してモップを持って店の
掃除をしてくれとし、殴ったのは悪かったとして夕べは休んでいた
ことにして欲しいこと。そしてカメラ映像もないと言って何も
知らない事にしろという。
トロス・ベルバリアン(Val Lauren)はマルトゥン(Peter Stormare)
と共にやってくるとアリに対して何をしているのかと問う。
マルトゥンは夕べからレイラが帰っていないのだとし姿を消した
のだという。行方不明だとして語る。
アルメニア語で二人は会話する。
「太ったヤツの契約書は?」(アリ)「テヴァンの仕事だ」(マルト
ゥン)。
調べさせたら彼女はここの店でガソリンタンクとダンストンの
メンストールを買っていたのだという。誰かに車をぶつけられ今度
は行方不明・・・これは偶然ではないのではないかというポール。
しかしマルトゥンは部外者のポールに発言されることを毛嫌い
する。
娘が幼い頃よくメープルキャニオンに連れて行ったこと。山小屋を
借りて鱒釣りをしたこと。串焼きで食べたとし一人で行ったのだ
ろうという。アリも一緒に付いてこいというと万が一の為だという。
■感想
今回は面白かったですね。
チーム・グレイスランドたちが全員協力して目標達成のために
行動を起こす。
赤色が象徴して使われたものだけど、赤色と言えば「メンタリ
スト」を思い出しますよね。
アリの弱点は何と言っても自分のボスのマルトゥンの娘・レイラ
と関係を持ったこと。それをポールに知られたという所は
大きな欠点とも言える。更にサルシキアンファミリーの関係図
の中にも描かれている通り、アリはトロス・ベルバリアンとは
同じ組織のものとはいえあまり互いを好きではなく牽制し合って
いる所が有る。
意図的にアリやアリのことを好きなレイラに対して酒の中に
睡眠薬を入れて眠らせて、その間にアリがレイラを殺したの
ではないかと思わせる。アリが悪い奴でなければ立派な冤罪
ドラマとして成立しそうな内容だった。またこの流れが解明
出来なくてもポールはある意味アリの信頼を勝ち得る為の
作戦としても上手い流れが有った。しかしその流れは不透明感
はあるにせよ、あまりに順調な流れが有り不安さは存在する。
即席とはいえ捜査のプロたちが犯罪現場を工作。
しかし皮肉にも結果としては完全犯罪など成立しないということを
臭わす流れが有る。
ただこのドラマで作戦が完全に成功した試しが有ったか?と言わ
れるとそれもまた難しい(笑)失敗したからこそ不要な死人が
出て、捜査官たちは自分を守る為、作戦を守る為に法を犯している
訳だし、そのせいで精神的にも傷ついている光景が有る。
今までに唯一成功したのはジェレマイア・ベロをハメたシーズン1
くらいじゃないのかな。その流れと派生して存在していた
ジャングルズを仕留める流れではポールがやばいことをして
しまったし、シーズン2では成功したマイクが人身売買の流れで
失敗をやらかしたところも有る。またソラーノファミリーを追い
つめる流れに於いてはジョニーが失敗をやらかして今尚やばい
状況は脱していない。その流れでは悪徳とはいえ現役の警察官の
シドを殺害した。
どのように工作したのか過去の映像が所々で挿入されるのだけど
モノクロの映像に象徴的な色(この場合”赤”と指輪の”緑”)を
エフェクトとして残す。映像的キーワードとなるものだけど、
それぞれの流れを回答編のようにして見せていく流れは面白い
効果的な流れでは有った。
人々は潜在意識の中に残っているものは具体性を帯びなくとも、
要素としては深く刻み込まれている場合が有る。
目撃証言が如何にいい加減なものなのかということは数々の
犯罪心理ものの中で描かれているが、色とか匂い、痛みなど
抽象的で直感的なものは人は覚えている。
アリはアルバニア系組織の悪い奴だけどバカでは無かった。
マルトゥンに仕えているだけ有って要領もよく頭が切れるのだ
ろうね。
アリは自分の事をよく理解していて、酒からタバコから行動から
自分のことを熟知している。
俄仕込みの仲間として送り込まれたポールたちがそれを完全に
見抜けたというのはやはり奢りに近いものが有ったという所だ
ろうか。
■各捜査官たちの動き
・ポール・ブリッグス
今回はポールがアリの傍に終始くっついて周り、アリがレイラを
殺したのではないかという考えに結びつくように誘導していく
案内人的役割だった。
前日安酒の店に連れて行きそれ以降の記憶を失わせる。
アリが目覚めた時には彼はガレージに自分の車が突っ込んでポール
が突き刺さっている役割。
ポールの凄いところは、やっぱり計算高いところでしょうか。
そもそもポールがレイラの車にぶつけてバッグの中から携帯電話
とかクレジットカードとか盗んだ流れはこの時のことを計算に
入れてのことだったのでしょう。
アリの記憶がない為に夕べの足取りを辿っていき何が起きたのか
を調べていく。
アリの車のトランクの中に有ったレシートと灯油タンク、
アリが来ていた血の服、普段は絶対に吸わないメンソールの
タバコの謎。
サンバレーのコンビニに行きそこでマイクと軽く撃ち合い。
マルトゥンがやってきた所で一緒にメープルキャニオンへ行く。
メープルキャニオンの小屋にはメンソール。
更に室内には人がいた形跡って有ったっけ?
少しずつアリが記憶を取り戻していく様子も楽しさと不安さで
見守ることが出来る。確かに赤いドレスの女性と関係を持つ
為に酒場から呼び出したことは思い出していく。
しかし小屋の裏庭に引きずった跡などが有り、誰かを焼いたと
思われる骨とマッチとタバコが落ちていた。
マッチの燃えかすがギリギリまで残っているところを見て、
犯人はギリギリまで燃やすのを躊躇ったのではないかと口出し
したのはちょっとポールとしてはやり過ぎだったような気がする
ね。
・マイク・ウォーレン
今回のマイクはサンバレーのコンビニ店員の役。
過去の流れに於いてはマイクはチャーリーと組んでいたけど、
オキシコドンの件では完全に絶つことが出来たんですかね。
チャーリーに痛みがあることを訴えていた際に彼女はオキシコ
ドンがロッカー内にあるようなことを口にしていたけど、それを
使うことはなかった。
マイクはポールとアリがコンビニにやってきた際に発砲して
夕べアリに殴られたことを告げる。彼が吸っているお気に入りの
タバコの銘柄ダンストンの”レッズ”が無いので切れられたという。
連れは居なかったけど女性のクレジットカードを利用して
支払いを済ませていったことを語る。
・チャーリー・デマルコ
今回はマイクと行動を共にしていた。
キスマークとか血糊をベッドやTシャツをつけていたのは
彼女だったっけか。
ポールが最後にヤバイ状況に陥った際には、清掃スタッフと
して監視している光景が有ったけど、ポールの名前を叫んで車
に駆け寄っていくというのはよりヤバイ状況に追い込みそうだけ
どね。
・ジョニー・タトゥーロ
今回はジョニーとデイルが一緒に行動を起こしていた。
詳しくはデイルのところで一緒に言及しよう。
・デイル・ジェイクス(DJ)
今回はデイルが大活躍だったね。
最初に安酒の中に睡眠薬を仕込んだバーテンダー役を務めていた
のがデイルだった。
またクレジットカードがサンバレーで使用されているとマルトゥン
にも電話していて、その後”Mが動いた”とメールしている光景が
有る。
そしてメープルキャニオンの山小屋で引きずられた跡をつける
為にズタ袋の中に入れられてジョニーに引きずってもらって気持ち
良さそうにしていたところもデイル(笑)
JNKでこの役を勝ち取ったことを告げていた。
日本語ではジャンケンの略とされているけど、アメリカだと
Rock-paper-scissorsと呼ばれRPSとの略称が使われるという。
ジャンケンって高校の時になって初めて地域ごとに違うんだな
と思わせる呼び方があることを知るんだよな(笑)
そして何と言ってもレイラが燃やされたように猿の骨を燃やして
いたのも彼。燃えた中にサハラモーテルの鍵と11歳の時に父親
が贈った指輪を隠し入れて置いた。
・ペイジ・アルキン
ペイジが今回酔いつぶれる寸前のアリの前にやってきてレイラ
のドレスを着て登場する役割。
コルビーがレイラに睡眠薬入りの酒を飲ましてそのドレスを
盗んでペイジに渡した。
■その他
・赤・・・RED
今回赤い色を象徴するものが沢山出て来た。
上にも書いたけど赤と言えば「メンタリスト」な訳です。
赤色には何が有ったかな・・・
彼の乗っていた車・・・ドレス・・・血・・・ポリタンク・・・
チャーリーがしていた口紅・・・スコッチ。
最後に出て来た赤いものはドアが赤だった。その先に有った
のはコルビーだけど、どれだけネタばらししちゃったんですかね。
ポールはこういう修羅場を何度も切り抜けている筈だけど、
流石に銃を突きつけられて逃げられるのか。
もちろん指輪の緑色もモノクロの中輝いていましたね。
・99%作戦は成功、しかし最後の詰めが甘かった
刑事ドラマでは発砲した相手が右手か左手かが重要な導入部に
なることが多いけど、このドラマでは常にアリは左手を使って
いる。しかし指が火傷しているのは右手だった。
最後に灯油を使ってサハラモーテルそのものを燃やそうとして
紙マッチを擦って躊躇っているところで、そのことに気がついて
しまうという皮肉。
・サバクで抱いて
モーテルの名前だったみたい。
■使用された曲
・
■出演者
著作権の関係で俳優リストを掲載出来なくなりました。
なるべく文章中に書いたので参照して下さい。
マイク・ウォーレン …… “リーバイ”、FBI特別捜査官
ジョー・タトゥーロ …… “ジョニー” FBI特別捜査官
ポール・ブリッグス …… FBI特別捜査官
デイル・ジェイクス …… “DJ”、税関
ペイジ・アルキン …… DEA捜査官
キャサリン・デマルコ …… “チャーリー”DEA捜査官
マルトゥン・サルキシアン …… ファミリーのボス
アリ・アダミアン …… サルシキアンファミリー幹部
コルビー・ムーア …… 捜査官
レイラ・サルキシアン …… アリが好き、マルトゥンの娘
トロス・ベルバリアン …… マルトゥンの姪の義理の兄