第4話 仮面の敵 Face My Enemy
脚本/Drew Z. Greenberg
監督/Kevin Tancharoen
【前回までのあらすじ】
スカイはヒドラの勧誘って洗脳のことでしょという。
ホワイトホールはエージェント33に対して服従するかと迫ると、
彼女は喜んでと語る。シールドが目障りだとして誰が率いているの
かというホワイトホール。バクシは分からないと告げる。
コールソンはタルボットに対して取引をしないかとし、今後出世の
材料になるようなプレゼントを届けるので多少の自由を求める。
タルボットは悪いが応じられないという。フィッツはシモンズが
去ってから容体が悪化したとし、殻に閉じこもっているという。
マックはフィッツに対して誰と会話しているのかとする。レイナは
何か望みかと問うと、望んでは居ないとし、分かっていない連中の
手にオベリスクが渡ることだという。スカイはコールソンたちに
私に何か隠しているみたいだと語る。シールドの長官だからじゃない。
メイは前の衝動から18日我慢しているとすると、コールソンに対して
大丈夫かと語る。
【ストーリー】
フロリダ州マイアミ。サンタ・マリア・デ・ラスフロレス教会。
教会が火災で焼け落ちる中、神父に対して信者が戸惑っているとして
みて欲しいものがあるという。16世紀初頭スペインの画家が描いた
ものも全て焼け落ちたが、唯一この絵だけはまるで焦げることなく
見つかったという。奇跡だとして、教会再建の助けになるという。
鑑定に出しなさいという神父に対して、焼け残った奇跡というだけで
十分ではないかというが、世間は分かりやすい印が欲しいものだ
と説く。実は気になっていることがあるとして絵の裏には謎の図面
が描かれていた。
フロリダ州サウスビーチ。
ブリジットはハンターと共にデートしていた。彼女はパーティーの
準備があるとして途中で帰ろうとする。あなたは海にいたいのでしょ
というが、もう魚も波も見たし、目の前にはもっと良い物があると
して彼女を見つめる。その間にバッグの中に入っている招待券を
奪ってスクーターに乗って通り過ぎるスカイにそれを渡す。
ウサギが小屋に入った・・戻りますと交信する。
ハンターのお手柄だとしてガブリエル・ソトの秘書のハートを掴んで
近づいたこと。トリプレットは流石だなという。パーティーのチケット
が2万5千ドルもするなんて・・と語ると、だからこそ盗ませてもらった
という。
マックはコールソンとメイを会場まで送る。
この62年式ロールスロイスはオレが修理したというが、コールソンは
まだローラには触らせないと語る。
コールソンもメイもパーティー用のドレスとスーツに身を包んでいた。
メイにカフスボタンを見せると彼女はぺたんこ靴を履けるなら500ドル
払うと語る。
「教会の再建」と称して例の絵は今夜のパーティーで披露される予定
だった。披露されるまでは地下の倉庫に保管されていた。
シールドの敵も大勢だから警備も厳重だった。ソトは明日鑑定に出すと
ブリジットが言っていたと語ると、ハンターには目的に集中しろとと語る。
小さな場所なので動くのには2名が限界だというコールソン。
ギャレットが残した記号がオベリスクと500年前の絵画にも記されていた
こと。これは手に入れないと行けないという。
バスに居るスカイらと交信しているコールソンだが、後ろでスカイが
大笑いしているのを耳にして一同驚く。メイは顔が引きつりそうだと
語る。コールソンは無線を切るとして一方的に遮断する。
コールソンはメイを誘い二人で踊ろうという。しかしその踊りはカモフ
ラージュで、警備の配置やセキュリティの確認をする為のものだった。
メイはアカデミー時代にダンスの授業を取ったがすぐに辞めたことを
語る。10時の方向に警備主任、3時の方向にカメラ、制服が7人、
無線に銃、警棒を携帯しているという。コールソンはサウサリートでの
仕事は不本意だろうと語る。コーヒーショップで働いたこと。脱出計画
無しで放り込まれたというメイは5時間も海に浮かばされていたのだと
いう。若い頃楽しんで取り組んでいただろうとし、子供だったという。
ノスタルジーも良いけど現実を見ましょうというメイ。コールソンは
手のことを話しただろうとし、フライト中震えっぱなしだったこと。
症状が悪化しているとしスカイは質問が多いが個人的な目的には気づい
ていないという。コールソンに対して任務に支障が出そうな時は中止する
と語る。今、通信を切ったのは嫌がる相談をすることだとし、私が
ギャレットのようになった時の段取りを決めておこうという。最悪の
場合を考えないといけないというが・・・そこにタルボットが来たと
して話は中断される。
このままでは潜入がバレるとして計画を前倒しで行おうとする。
コールソンはタルボット准将に奇遇だとして声を掛ける。対立する
よりも認め合った方が良いでしょというコールソンは私のことも黙って
居てくれと頼む。正体をばらさないで欲しいとし、このミッションが上手く
行けばあなたの利益にもなるのだという。
■感想
今回のミッションは能力者捜しではなく、謎の図形の回収が目的でした。
図形を書いているのはギャレットだけでなく、コールソンにもその症状
が現れ始め、コールソンは自分がギャレット化するのを恐れている
感じですね。
このドラマ、気がつくとそれぞれにアイデンティティの喪失に悩まさ
れるというエピソードがあり、今回はコールソンがそれに悩んでいる。
逆にスキルを失っていたフィッツが周りに溶け込めずに会話に
入れないでいるという現状に対して、今回は彼にも活躍の場を与えて
疎外感を感じ、そして自分の存在の価値というものを改めて知らしめる
ことで、上手く彼の自信感を獲得していった。
一連のフィッツのシーンを見て居ると、現在放送中の月9ドラマ
「ラヴソング」の設定と似ている。前にも言及したかな。
主人公は吃音で会話が思うとおり出来ず、特に気の許せる相手以外
の人物との会話がとても難しい状況に有って会話に入れない。
そんな彼女に自立心を促しているところなど、似たようなところが有る。
■メイをいじったエピ
能面のようにピクリとも笑わないメイというお堅いイメージしかない
キャラクターを面白くいじった感じのエピソードだった。
メイの色んな一面・・・とまではいかないものの、改めてコールソンと
メイって絆が深さなんかも感じさせた。
武闘派の彼女がヒールを履くなんてまずあり得ないことだろうし、ドレス
アップする姿もまたこのドラマに於いては珍しいところ。
「今日のメイ、一年分以上喋ってる」
この一言がまさに今回のエピソードを象徴していたかのようだ。
メイにしてもコールソンにしても絶体絶命のピンチということに
楽しむところが有り、今回はコールソンが昔話をすることも多かった
けど、そんな二人の絆が今回のエピソードでは上手く現れた話だった。
メイがスタンガンで不覚にも気絶されるというシーンも有り、
更にドレスを脱がされて下着だけにされイスに縛られているシーン
など、「胸が・・・」って感じでかなりのエロスを感じる(笑)
■ハイテク装置
このドラマの楽しいものの一つはハイテク装置が登場することか。
勿論この世には存在しないアイテムなんかも集めているので、現代
テクノロジーの進化によって生み出されたものばかりではないけど、
今回は網膜スキャンの認証シーンとか、顔に一枚貼るだけで顔形を
変えられる便利なアイテムも有った。
レーザーグリッドのレーザーをあっさりと携帯で見通すことが出来る
ところも凄いけど、メイはどうせバレているとしてレーザーグリッド
を避けることなく、ズカズカっと歩いていくところが笑えた。
そして何よりもバスに侵入されたことで、バスに仕掛けられた謎の
物体によって危うく爆破されかけた。イコライゼーション・スタビラ
イザーがショートしかけたけど、フィッツの力で上手いこと
切り抜けた。
■エージェント33
このキャラクター、基本的に能力者というよりも単なるメイと同様に
武闘派キャラなのかな。コールソンはかなり危なかったし、メイとも
かなり激しく渡り合っていたのでそれなりに強そうだけど、それでも
やっぱりメイが強い。
エージェント33がメイに入れ替わり、バクシがタルボットに変身して
いた。
メイはコーヒー嫌いだということをコールソンは知っていたので、
天然のポリグラフ検査の如く上手いこと見破ることが出来た。
「顔を殴った?」というメイ。
メイ自身が、自分の分身に殴られたからなのか、それとも顔を殴った
コールソンのことを皮肉ったのかは謎。
■図形を書いているもの
ギャレットってシーズン1のラストで死にそうで死ななかったよね。
絵のことをヒドラが狙っていること。絵の分析結果では、500年前の絵画
とは別に裏に書かれた図は最近書かれたものだということで、誰か
書いている人間がいることに言及された。
■失恋話で盛り上がる
成功体験よりも失敗体験/自虐ネタを語り合った方が、相手に対する
警戒心も解けて絆は深まるところがあるように思う。冒頭ではハンター
がナンパに成功したことにはあまり良い顔をしていなかったけど、
彼には元妻との別れ話をみんなに語る。
フィッツもシモンズに告白したが、その気がないと言われて消えてしま
ったことを語る。スカイもまた好きになった相手に裏切られたことを
語る。
■レイナが掴まった
レイナは毎回誰かしら権力者についているところがあるけど、現在
彼女の背景にいるのは、やはりスカイの父親なんだろうね。
レイナがホワイトホールに掴まってしまった。彼女も洗脳されてしまう
のだろうか。
また今回はマスクをした偽物と会話することで、シールドの長官が
現在コールソンであり、ダメになったらメイにその座を任せたいなんて
話も筒抜けにされてしまったよね。
果たしてどうなるのか。
■使用された曲
・Agents of S.H.I.E.L.D. Theme Song
Written by Bear McCreary
・La Tortura (feat. Alejandro Sanz) by Shakira
■キーワード
■出演者
フィル・コールソン (Clark Gregg) S.H.I.E.L.D.の捜査官
メリンダ・メイ (Ming-Na Wen) 捜査官、エースパイロットで兵器の専門家
グラント・ウォード (Brett Dalton) S.H.I.E.L.D.のブラックオプスの専門家
スカイ (Chloe Bennet) ハッカーグループ「ライジング・タイド」
レオ・フィッツ (Iain De Caestecker) 捜査官、兵器技術を専門
ジェマ・シモンズ (Elizabeth Henstridge) 捜査官、生命科学に精通
ランス・ハンター (Nick Blood) シールドの傭兵
アントイネ・トリップレット (B.J. Britt) エージェント
アルフォンソ・マッケンジー (Henry Simmons) “マック”、メカニック
スニル・バクシ (Simon Kassianides) ヒドラ
ダニエル・ホワイトホール (Reed Diamond) ヒドラ、博士
レイナ (Ruth Negga) 謎の女
カラ・リン・パラマス (Maya Stojan) エージェント33
グレン・タルボット (Adrian Pasdar) 准将
ガブリエル・ソト (Diego Serrano) 神父
— (Roberto Medina) ビショップ
— (Christian Barillas) 司祭
— (Lance Irwin) Guard
— (Isaac Stephen Montgomery) Guard
ブリジット (Alyce Tawil) ソトの秘書
— (Lori Morkunas Jones) Party Guest
デッカー (Lex Lang) エージェント(声のみ)
— (Amy Sutherland) On Camera Dancer