第5話 2人の距離感 Too Close for Comfort
監督/Zetna Fuentes Mayer 脚本/Jessica Queller
【ストーリー】
新鋭作家のアダム・ウィーバーと知り合ったキャリー。ラリッサから
彼から話を聞き出すことが出来れば記事を採用すると言われるも
完全にオフレコ扱いで語られ、キャリーも話す事は出来なかった。
・ニューヨークは大都会だけど居住スペースが少ない。マンハッタンの
ホームパーティーでは自然に人との距離が近くなり親密になる。
キャリーはアダムの家でパーティーに来ていた。
彼女は彼に自分はジャーナリストが夢であり私情を挟まない報道記者
ではなく気持ちを伝えたいという。君はゴンゾーだというアダムは
ハンター・トンプソンのゴンゾー・ジャーナリズムだという。
「マペッツ」のゴンゾーじゃないよと。ニワトリのカミラが好きな
キャラよねと。サムはコップがなく私のつけ爪より安いワインだと
すると、キャリーに対してさっさと二人で部屋に行ったらどうかと。
みんなを追い出すことは出来ないという。
アダムはキャリーにサムは個性的な人だねと語ると、物書きは身近に
いる人をモデルにするという。例えばそこにいる帽子で釣り用の長靴
を履いた男はいつもあの格好をしているとし、オレの寸劇のモデルだ
という。「釣り人刑事」というタイトル。作家と付き合うのは
素敵だというキャリーはタイプライターのツカツカという音を聞きながら
眠れるところだという。二人きりの世界・・小さな日記帳の書いている
君は凄く可愛いという。立派な記録なのよというと、有名な作家は大勢
日記を書いているという。ヴァージニアウルフ、ジョーン・ディディ
オン、フランツカフカ・・分かっているというアダム。タイプも試した
が書きたいときにかけないのでやはり日記が良いという。
オレはタイプのせいで陽にもあたっていないというが、そのお陰で
第一幕は書き終えたという。みせて欲しいというキャリーだが、
仕上がるまでは誰にも見せないというアダム。原稿は神聖で個人的な
ものだとすると、キャリーも私も日記を見せることはないので気持ち
は分かるという。せめてどんな話を書いているのか教えてと語ると、
前の彼女のカーチャの話だという。
サムとマウスとキャリーで喫茶店でカーチャについて語る。
まるで三人で寝ているみたいだとし、タイプは過去の女を呼び覚ます
音になったという。モデル体型の美女カーチャ。サムはまだセックス
していないのかと問うと、富豪のアラブ人でも待っているのかと問う。
アラブ人は処女の振りをすると必ずバレるのよとサムの豆知識が
披露される。キャリーはアダムには逆の振りをするつもりだとし、処女
だということは隠すという。セバスチャンの時にはそれを気にして
ダメになったとし気を使わせたくないという。痛がるのもあえぎも
似ているしねと。前の彼女と親密に関わっている人とセックスしたい
か疑問だという。心も体も離れないといけないというマウス。
前の恋人も友達になれるってこともあるのではないかというキャリー。
セバスチャンとはそうなれるというのか?。ボロボロに傷ついた思い出
しかないとし、無視しないが距離を置くというキャリー。
高校は良い男が多いからねというサム。教師と寝て追い出されたこと
を語る。マウスは先生と寝ても点数は稼げないので、ホームカミング
の実行委員長になったという。
そんな中サムは仕事の時間なので行くという。裸になって稼げるなんて
最高よねと。マウスは彼女の仕事って何なのかと問うとストリッパー
だという。
サムは美術大学へいくと美術のヌードモデルとして働いていた。
ローズマリー教師はクラスのモデルがあなたになってから生徒の数が
3倍になったという。
セバスチャンは母・ジニーと食事をする。
彼は母親の親密さが心地悪かった。セバスチャンは呼び出した理由は
何かを尋ねるとハンサムな息子とランチしたかっただけだという。
一度もそんなことしたことが無いだろうとし、家に来るのも嫌いなんだ
ろうと語る。用件はなんなのか・・。知らせたいニュースがあるとし、
ルーカスと結婚すると語る。あのテニスのコーチと結婚するのかと
問うと、母さんが心配だという。ルーカスといると幸せなんだとし、
旅行とトレーニングなど趣味も合うという。しかし彼は24歳だとすると
幸せを願ってと語る母親。
ゲイブはドリットとバーン先生について語っていた。
怪物のグレンデルに似ていないかと問うと、トロールだよねという。
そこに突然ミラーがやってくると恋人に会いに来たという。彼は
ゲイブ・レヴィットで数学で一緒でガリ勉君だという。ヤツと仲良く
するなというミラー。恋の公式を教えてくれと言われたら断るわよ
というドリット。ミラーは現在オレの家は改装中で埃だらけであり、
両親は音を上げて出て行ったという。一週間は泊まれることを語る。
平日なので無理だというドリット。オードリーの家に泊まると言えば
良いのではないかとすると、工事現場で寝ろというのかと尋ねる。
そんな会話を聞いていたドナはドリットに対してベッタリ男が彼氏
なのかと問うと、傍に居たがる男は最初はロマンチックだけどそのウチ
息が詰まるようになるわよと忠告される。
キャリーとセバスチャンは廊下で会う。
セバスチャンとは挨拶程度で済ませようとするがちょっと話せるかと
言われる。話しかけてゴメンとし、頼み事をしたいのだという。君の
お父さんと話がしたいという。ウチの母があのテニスコーチと結婚する
とし恥ずかしくて最悪だという。悲惨な結果も見えているとし、母
にはいつも驚かされるという。母の財産を守る為に君の父のアドバイス
が欲しいのだという。キャリーは了承する。
しかしマウスは彼女に過去への扉を開けたらダメだとし1cm開けたら
彼が入ってくるという。彼の相談に乗っただけで友達だという。
■感想
それぞれのキャラクターが関わる相手に対して、自分にとってはどう
いった距離感で接するのが適切なのかが描かれた。
セバスチャンとの関係に於いて今回のキャリーとの関係は決定打に
なる程に遠のいた感じがするけど、社内恋愛同様に学校での恋愛も
顔を合わせる機会が多いだけになかなか難しいものがあるな。
一番微笑ましいところは、ドナがドリットの相談に乗るところかな。
キャリーとは上手く行っていなかったハズのドナはドリットとは
上手く行っている。でもシーズン2に入ってからキャリーとドナの関係
ってライバルでも何でも無くなっているんだよな。
サムとかアダムとか人生の先輩と関わるのは悪くないのだけど、
キャリーが高校生だということを考えると、なんとなくサムとマウス
とキャリーの三人で逢っているシーンとか相当サムが浮いてしまい
なかなか難しい。キャリーとサムのツーショットとはまた感じが違い
キャリーとマウスが会話していると途端に高校生モードを意識せざる
を得ないところがあるからなのかな。
■キャリー
今回はセバスチャンとアダムの関係に悩みつつ、アダムと元彼女だと
されるカーチャに対して、彼が今でも思いを寄せているのかどうかで
苦しむ流れが有った。
セバスチャンがキャリーに近づいたのは、母親の件でトムに相談したい
為のもの。
決して他意はないけど、先日セバスチャンが車の修理の件で父親から
裏切られたばかりなのに、今度は母親が若い男にダマされると分かり
つつ結婚しようとしていることに悩み、そして何とか守ろうとする。
今のセバスチャンにとっては誰かと一緒に居たいと感じているのに、
キャリーが半ば安易に声をかけたことで、期待させてしまった部分も
有るのか。結局守れない約束をして、セバスチャンを傷つけ、翌日の
廊下ではまさに冷戦の状態で、キャリーが求める形にはなったのだろう
けど、なんか違う感じもする。
それに対して、今回は意外とあっさりとアダムと体の関係に至った。
ドリットが彼氏と関係していることが前回のコンドームの件でも
明らかにされたし、今後のキャリーの「Sex and the City」に於ける
恋愛コラムニストとしての才能を見せる為には、ここらで関係を
もっている必要が有りそうだけど、そんなアダムはキャリーの日記を
思わず黙って見てしまう。
元々相手の心情・内面を知りたいと考えていたのはキャリーの方だった
のに、今でもアダムの方がキャリーの内面を知りたがる。
作家としての性分なのかも知れないけれど、やはり日記を見られたと
いう事実に対して嫌悪感がすぐに薄れたのは、本当に愛しているから
なんだろうな。まだ付き合ったばかりなのに普通ならば、鬼チクショウ
とばかりに責め立てるハズだよね。
カーチャはどんな人物なのか。
マウスとの会話ではカーチャはキャリーとそっくりで、ヒッチコックの
世界みたいな感じではないかとされる。「シャワーを浴びている
所に殴られて、鳥に襲われる?」と語っていたが、似てるなら逃げな
と言われた。
セバスチャンの母の結婚式とアダムとのデート/初体験の日が重なって
しまった。昼間はブルックリン橋を見に行っていた。
※ブルックリン橋のミニ知識として、最初の設計者は事故死して、その
息子が引き継いだけど彼は水中の基礎工事中に減圧症にかかり、彼の妻が
工学を学んで完成させたことを語っていたね。
■マウスとウエスト
マウスはホームカミングの実行委員長。
ただ本当にやりたい訳ではなく点数稼ぎの為。
その結果、ホームカミングのクインとキングの発表に於いて、付き合って
いるウエストがキングに選ばれ、クインはドナが選ばれ、二人を盛り上
げる為ばかりにフロートを作ることになった。
フロートにはホームカミングだということで、カボチャ、そしてオレンジ
色で仕上げようとするが、ドナが自分には合わないとして文句を言われ
たりして不快に思いをする。
マウスのフロート作りにはキャリーが手伝うことになり、髪の毛についた
絵の具をセバスチャンに取ってもらうことで距離が縮まってしまう場面
も有った。
マウスは自分は誰にも愛されていないと感じ、ウエストは学校の人気もの
だとしてそのギャップに苦しむことに
■ドリットとミラー
ミラーの方が可愛さがあるので、まさかこういう展開になるとは思わ
なかった。ミラーはどちらかと言うとベタベタしい人物で、ドリット
は孤独が好きなタイプなのか。ドリットは寧ろ自分の気持ちを知る様な
人とはベタベタしていたいみたいなところが有るかと思ったけど、あく
までこの子は誰に対しても距離感を保っていたいキャラクターらしい。
奇しくも今回トムに接近したのはセバスチャンとミラー。
セバスチャンの方はキャリーとよりを戻そうという意図ではなかった
けど、ミラーは明らかに彼女の父親に取り入ってより接近しようとする
役割。ジョン・デンバーのレコードを持ってトムと話を合わせる姿は
決して悪くはないと思うけど、ミラーは女性を縛るようなタイプだな。
結果的に別れることになった。
ミラーのクレジットも最後なのでこれで本当に終わりなのだろう。
男女関係なんてあっさりしたものだな。
ストーンズのTシャツは捨てられることになった。
■その他
・サマンサ
今回のマンハッタンのエピはアダムとキャリー、そしてサマンサ自身
のことだった。サマンサは美術大のモデルとなり、生徒のゴードンに
傷ついた心の絵を描かれて思わず否定するが、実際に彼女の中に
心の傷があるのは確か。ゴードンは自分自身が彼女に振られたので
自分の心を描いたとしていたけどね。
サマンサは「私の心なんて元々無い」としていた。
■使用された曲
・Things Can Only Get Better by Howard Jones
・Rocky Mountain High by John Denver
・Bright Lights by The Outlets
・The Whole of the Moon by Mike Scott And The Waterboys
■出演者
キャリー・ブラッドショウ (AnnaSophia Robb) 17歳、女子高生
セバスチャン・キッド (Austin Butler) キャリーの彼
サマンサ・ジョーンズ (Lindsey Gort) ドナの従姉妹
ジル・チェン (Ellen Wong) “マウス”、キャリーの親友
マギー・ランダース (Katie Findlay) キャリーの友達、ウォルトと恋愛
ドリット・ブラッドショウ (Stefania Owen) キャリーの妹
ドナ・ラドンナ (Chloe Bridges) ライバル
ラリッサ・ラフリン (Freema Agyeman) ファッション誌
トム・ブラッドショウ (Matt Letscher) キャリーの父
トーマス・ウエスト (RJ Brown) 運動部、成績優秀
ウォルト・レイノルズ (Brendan Dooling) キャリーの友達
ジニー・キッド (Noelle Beck) セバスチャンの母
ミラー (Evan Crooks) ドリットと恋人
アダム・ウィーバー (Chris Wood) 新鋭劇作家
— (Alexandra Miller) Jen
ジェニー (Betsey Brown) Jen
ローズマリー (Maryann Urbano) 芸術クラスの教師
ゴードン (Lucas Salvagno) 芸術大の生徒
ゲイブ・レヴット (Isaac Jin Solstein) ドリットとオタク友
— (Fukumi Kashiwagi) Co-ed
— (Kelli Wilcoxen) Pedestrain
— (Cris Williams) HS Student
— (Leo Misha King) キャッスルベリー高校の学生
— (Karmen Kluge) ダイナーのウェイトレス