第12話 一度しかない人生 This Is the Time
監督/Jason Reilly 脚本/Sascha Rothchild
【ストーリー】
・子供の頃から夢に描いていた瞬間。高校最後のプロムの為にドレ
スを選ぶ事。
トムとドレスの買い物に行くキャリー。父はドレスの事は分からず、
娘に話を合わせているだけ。キャリーはママと買いに来ると思って
いたが・・
その頃、マウスとドナは1万ドルをプロムの為に集めていた。プロム
の為にこんなにお金が集まるなんて・・とマウス。ドナだけで6千ド
ルも集めたが何をやったのかと尋ねると、みんな男性はきれいな車が
好きだとし、おっぱいもねと語る。1万ドルも何に使うのか。マウス
はセスナでも飛ばして、ゴールドアイアンホテルの上空に「86年卒
業生」と書いてもらうかとするが、ドナはダサイとして却下。良い
金の使い方ならば分かっているとして語る。
そんな中ドナがコロンビア大のパンフを持っていることに気がついた
マウス。
あんたコロンビア大に合格したのかと問うと、もしかして頭が良いのかと
尋ねる。何で仲良くできるか不思議だったが今分かったという。
誰にも知られたくないというドナ。良い体をしていると思われたいの
だとし、プロムクイーンのオタクの要素が有るってバレたから努力も
水の泡だという。まぁ誰かに言っても信じないだろうというマウス。
ダイナーでマウス、キャリー、マギー、ウォルトはプロムの件を話し
合っていた。ウォルトは行く予定がないというとマウスも同様だとい
う。マギーはピートと行くというとキャリーはセバスチャンと行くの
かと尋ねる。
私のかわいいフーリガンは退学し学校行事には一歩も入れてもらえな
いのだというキャリー。このメンバーで行くのはどうかとし、高校
最後のプロムだというキャリー。チーム参加しよう!と盛り上がる。
それぞれの大学生活前にみんなで行くんだと語る。
そこにドナがやってくると、みんな私にゴマをする準備は?と尋ねる。
ウォルドーフアストリアに会場を移したという。あんな格式高い高級ホテル
でプロムをやるのかと驚く。じゃあみんなでニューヨークに行こうとマギー
は盛り上がる。
ドリットはスコットが人前でいちゃつきたいのを知り、止めてと語る。
パパの前ではあんなにベッタリしているというが、あれはパパを怒らせる
為だというドリット。僕とつきあうのもその為なのかと問うと、それも
そうだがキスがうまいというのもあるという。スコットは彼女にプロムに
行かないかと語るが・・・スコットは彼氏に向かないとし、いい人で古風
過ぎると語る。私がダンスパーティーに行くわけがないとし普段見て分かる
でしょと。それならチャカしに行かないかとしてスコットはパンチに酒を
入れたりして馬鹿にしに行けば良いと語るとドリットも容認する。
セバスチャンの元に母・ジニーがやってくる。
犬を連れて近くまでやってきたので立ち寄ったというが、セバスチャンは
犬を飼うのが面倒になったのだろうことを理解していた。かわいい子でしょ
というとあなたにプレゼントだという。犬を飼うのは大変なんだとし
プレゼントではなく押しつけだろう事を語る。大きくなりすぎたのだとし、
あなたにはすっかり懐いている事を語る。ルーカスと出かける時など邪魔に
なってしまうというジニー。セバスチャンは俺も仕事で手一杯だと語る。
あなたは一人っきりだからせめてペットといてほしいとし、孤独はよくない
と語る。飼うべきよと押しつけられる。
キャリーはラリッサの元にいく。
すると彼女から良いニュースがあるという。キャリーが「インタビュー」
で働けるのだという。夏の間だけでしょというとフルタイムだという。
しかしキャリーは秋からニューヨーク大に通うのだと語る。学位なんて
くだらないというラリッサ。あなたにあげた仕事にはこんなに多くの
応募者がいるのだとし、その中にはコロンビア大やニューヨーク大から
のものもあるという。大学に行って4年も無駄にする理由は何なのかと
問われる。
犬のオーリーが部屋にやってきたのを知るキャリー。
放り出せないと語る。確かに大変で仕事が忙しくなっていること。でも
順調だという。キャリーは楽しそうねと語ると、セバスチャンはやっと俺
もやりたいことを見つけたのだという。キャリーはセバスチャンに仕事を
受けるべきかと尋ねる。大学に行くのも楽しみだと語ると、大学に行か
ないなんてパパに言ったらどうなるか・・。セバスチャンは自分が行く
道を許してくれるというが、あなたの親はうらやましいという。親とは
違うやり方をやっても良いんだよと。しかしキャリーはパパは自分のやり方
がすべてなんだと語る。
■感想
今回を入れて残り2話となった「マンハッタンに恋をして」。
打ち切りが決まったので急いでキャッスルベリー高校の卒業までを
描いたような感じだ。シーズン2の開始時には夏休みのキャリーが
インターンとしてマンハッタンで住む事を許されていたという状態
だったのに、もう卒業プロムという状況。シーズンの構想としては
人気が出れば大学生活に於けるキャリーの成長物語なんかも描いて
いったのかも知れない。ただ「SATC」のキャリーの初期設定を
忘れているのであれだけど、キャリーって大学には行っていたのだ
っけか。SATCの頃って高校時代の話がまるで出なかった気がするし、
家族の話とか殆どでなかったのでどうなのかよく分からない。
今回は「伝統」と「革新」。
家族のために生きる生き方と自分の為に生きる生き方とで苦悩する
というエピソードだった。
■キャリーとセバスチャン
この二人の関係としては軌道に乗り始めたかと思われたけど、
社会に出るということは出会いもあれば別れもある。
学生時代の時のようにいつでも一緒に居られたという状況は無くなって
しまう訳で、セバスチャンはドラマの中で仕事の為にカリフォルニア
行きへの決断をしていた。「SATC」の時にもシーズン4の頃に
キャリーがビックと出会い別れを繰り返した末に、結局ビックが
リタイア後の生活を考えてぶとう園を購入してカリフォルニアに
行ってしまうというエピソードを思い出すな。
キャリーはニューヨーク大に行くのか、それともインタビューで働く
のかの選択を強いられた。大学に行くことは今の目標から外れた時の
保障になるものが有るのだけど、それでも彼女としては折角のチャンス
を逃したくない思いが徐々に強くなって行く。
ニューヨーク大は父親が望んでいる道だとしていたけど、キャリーだっ
て目標にしていたのではないのか。
キャリーと両親の葛藤のエピソードは今回、ウォルトの家庭と対と
なっていた感じで、その結末も対照的だった。
結局トムはキャリーの身勝手な結論を許さず、もしも仕事をするという
のであれば支援は一切しないと言われる。まぁ当然なんだろうけど、
いつでも支援してくれる人が居るという安心感がない状況のままで
社会に放り出されることへの恐怖心というのは分かる感じはする。
プロムに行くまではブラッドショウ家も理想的な展開を進んでいた気が
するんだけどね。
残念なのはやはりセバスチャンと一緒にプロムに行けなかったことだな。
せめて一緒に行った気分にさせる為に外までタキシードで迎えに来て
いたけどね。
よく分からないのはキャリーの元彼のウィーバーが出てきた事。
あれだけ酷いことをしておいて、この男は一体何なんでしょうか。
キャリーは結局独り身の寂しさをセバスチャンに求めようとする。
なんて身勝手な人なんだろうかと。
セバスチャンも信託基金を父親に取られて文無しだし、自分の天職を
見つけたのだから哀しいけど、ここは自分の道を行くべき。そもそも
17歳でまだ未来への可能性を狭める必要はない気がする。
セバスチャンの母が身勝手なことに犬が大きくなったので飼えなくなった
として息子の元にやってきたけど、オーリーをキャリーに託せば良い
のではないかと。
■マギーとマウスとドナ
マギーはポールと行こうとしていたけど、ウォルトと行く事にした。
つきあい始めた時にマギーはウォルトと一緒にプロムに行く約束を
していたことが有ったから。
肝心のウォルトはベネットと別れたことも有ってプロの会場であるマン
ハッタンに行く事を拒む。
しかし結局行く事になり、ベネットとも逢うことになる。
キャリーが首にさせてしまったことに後悔していると話していたけど、
元々ベネットは辞めようと考えていたとして、今ではエイズ患者の
施設でボランティアの仕事をしていることを語っていた。
ウォルトはマギーにベネットを紹介。
ドナとマウスはまた仲良くしていたね。
ドナはバカを装っていたが、実は頭が良くコロンビア大に合格している
人物だった。プロムクインの座を手に入れる為にバカな女を装って
いたこと。今の時代でもそうだけど女性が頭が良いと男性が尻込みする
という事情が有って、そう装っていたようだ。ドナが求めているのは
最高の身体を持っていたという男性からの評判だったようで、プロム
クインからの学校イチのおっぱいだと言われたことで最高の賛辞だと
喜んでいる姿が有った。
ジェンたちがトイレでその話を聞いた時に反撃するのかと思ったけど
思った程盛り上がらず(笑) 「キャリー」の如く、「ドリフ大爆笑」の
如く、天井から樽とか血でも降ってくるのかと思って見て居たけど
完全に肩すかしだった。
ドナを助けないといけないとしてベネットが立ち上がったのは意外。
「ガイズ・アンド・ドールズ」みたいだと。そんなベネットの姿を
サンドラ・デイ・オコナーに例えていたのか、それともジェンの反乱
を差してその名前を出したのかはよく分からなかった。
ドナはスピースでは、”クリスティ・ブリンクリーの夫が言うように
「記憶に残る時間」を”と語り、みんなからビリー・ジョエルの歌詞
だと突っ込まれていた。
■ウォルト
ウォルトは今回のウォルドーフアストリアに来ることを拒んでいた理由
は、ベネットと別れたからではなく、寧ろ理想としていた生活、結婚式
をここであげたかったという夢が有り、それが叶わないものだと実感
してしまうからだった。
キャリーはウォルトに対して苦しむ気持ちは分かるとしていたけど、
ウォルトはそんなキャリーに対して本当に同じ状況だと思っているのか
として言われていた。例えプロムでハンサムな彼と踊れなくても
この先は踊れること。大学に行かなくて父親は一瞬怒るだろうが
5年後には君は結婚して子供が居て郊外に住んでいるのに対して、自分
は世間体を気にしてウソの人生を送ることになると語っていた。
最後は両親に対してゲイのことを口にする。
父親はキャリーの父・トムとは逆のことを語っていた。
「私はお前ががっとウチの伝統を継いで大学も友愛会も同じ所に
入ると思っていた。でも生き方はそれぞれ。違っても当然だ。
ダートマスに行かなくても息子であることを誇りに思う」と。
■スコットとドリット
卒業生のプロムなのに在校生もこういうプロムに参加するものなのか。
ドリットがスコットを利用して父親を怒らせようとした為に、
逆にスコットもプロムを派手なイタズラのショーにすると主張しては
彼女をプロムに連れ出す。トムがドリットの扱いに慣れたように
スコットも彼女の扱いに慣れたのか。
「ピンクカップケーキのお通りだよ」とピンクのドレスに身を包んだ
ドリットの姿を見て一番嬉しかったのは父親・トムかもね。
まさかこんな姿を見られるとは思わなかっただろう。
「遠回しで支配的だ。私を騙すなんて良い根性しているよね」と。
■その他
・プロムナード Promenade
プロムの正式名称。意味は舞踏会に行くカップルが一組ずつ歩いて
いく様子からついたもの。
■使用された曲
・Pretty In Pink by The Psychedelic Furs
・Legs by ZZ Top
・This Is The Time by Correatown
・Rock Me Amadeus by Falco
・Time After Time by Cyndi Lauper
・Chopin: Etude In a Flat Major, Op.25, No.1 by Alla Nikitskaya
・This Is the Time by Billy Joel
・Gotta Good Feeling by Focus Music
■出演者
キャリー・ブラッドショウ (AnnaSophia Robb) 17歳、女子高生
セバスチャン・キッド (Austin Butler) キャリーの彼
サマンサ・ジョーンズ (Lindsey Gort) ドナの従姉妹
ジル・チェン (Ellen Wong) “マウス”、キャリーの親友
マギー・ランダース (Katie Findlay) キャリーの友達、ウォルトと恋愛
ドリット・ブラッドショウ (Stefania Owen) キャリーの妹
ドナ・ラドンナ (Chloe Bridges) ライバル
ラリッサ・ラフリン (Freema Agyeman) ファッション誌
トム・ブラッドショウ (Matt Letscher) キャリーの父
トーマス・ウエスト (RJ Brown) 運動部、成績優秀
ウォルト・レイノルズ (Brendan Dooling) キャリーの友達
ジニー・キッド (Noelle Beck) セバスチャンの母
ベネット・ウィルコックス (Jake Robinson) エイズ施設
アダム・ウィーバー (Chris Wood) 脚本家、キャリーと偶然会う
— (Alexandra Miller) ジェン / 取り巻き
— (Betsey Brown) ジェン / 取り巻き
シェーン (Parker Pogue) セバスチャンの仕事仲間
Mr.レイモンド (Parker Pogue) ウォルトの父
Mrs.レイモンド (Laurie Williams) ウォルトの母
ペンドルトン (Ryan Dinning) プロムキング
— (Michael Haber) Random Kid
— (Felicity Jones) Grumpy Lady
— (Ramon Aleman) Bridge & Tunnel Type
— (Caitlin Cardile) 高校生
— (Tara Rose Schreiber) 高校生
— (Cris Williams) 高校生
ピート (Claybourne Elder) アメリカ軍人
— (Liam Ferguson) タクシー運転手
アルバロ (Gustavo Guest Starring
— (Leo Misha King) キャッスルベリー高校
— (Kerry Logan) プロムの学生
— (Sebastian Mayer) プロムの客
— (Justin Thomas) プロムの客
— (Nancy Ellen Shore) Prom Chaperone