第11話 天才vs.天才 True Genius
脚本/Sharon Lee Watson
監督/Glenn Kershaw
【ストーリー】
カリフォルニア州・マリン郡。
ニコールとデヴィッドは人気の少ない場所でいちゃつこうとしていた
が、ニコールはここは不気味なので嫌だとしてもうここから離れよう
と語る。しかしデヴィッドは言うことを聞かず・・誰かあそこにいる
として車のライトが近づいてくると、この辺の管理人とか、
シリアルキラーじゃないかという。ニコールは早く行こうというが、
デヴィッドが銃で撃たれ、その後ニコールも殺害される。ニコールが
首から下げて居たキキと書かれたネックレスを奪い、変わりに一枚の
写真を置いて行く。
パトリシア・コーンウェルは犯罪小説を書いていた。
そんな彼女はFBI捜査官でBAUのリードやプレンティスを呼んで
イリノイ州・シカゴ凶悪犯罪セミナーを開催していた。BAUのリードが
紹介され、彼は性的倒錯と凶悪犯罪の関係について語る。樹木性愛
って分かりますかと問うと、木に対するフェティシズムについて語る。
セミナーはイマイチ盛り上がらず。
パトリシアの犯罪小説「血霧」のサイン会が行われていた。
プレンティスに対して、デビッド・パーカーレイの事件について尋ね
てくるものがいると、被害者は60人近いが45人の遺体しか見つからな
かったとし、今もバッアリーノ捜査官がフォローしていると語る。
ファインバーグは一人で時間をもてあましているリードの元にやって
くると、セミナーは感動したことを語る。リードは若い参加者とは
珍しいねというと、彼はミシガン大の4年生だという。FBIのインターン
シップに参加したらどうかと問うと、手紙をくれれば口利きするという
リード。しかしウチの役員会が許してくれないという。僕はナノヴェッ
クスという会社を経営していること。リードはそれってランディス製薬
が1億ドルを投資したっていうところかとすると、契約は正式には
まだだと語る。プレンティスがやってくると、彼はがん細胞に分子標的薬
を運ぶ磁性体ナノ粒子を作っているとし、もうすぐ世界を変える男
だと語る。
ガルシアはリードとプレンティスが不在の中、BAUに居たものたちを
集めてコンサルする。
夕べマリンヘッドランドで悪夢の再来が起きたという。
被害者は2人で共に24歳の大学院生。デヴィッド・アトリーとニコール・
プーリが複数の銃弾で撃ち殺されたこと。モーガンはゾディアック
なのかと問うとロッシはまさかと半信半疑。JJも本物じゃないんで
しょと語る。しかし手口が異常に似ているのだとし、被害者のタイプ
とか犯行現場、現場に2つの土産を置いていったこと。遺体の写真。
警察によると71年にナパの近くで殺されていたマルシア・ミラー
のもので、当時ゾディアックの犯行と思われたが確証が取れず
事件は公表されていないという。ゾディアックの確実な最後の被害者
はタクシー運転手のポール・スタインだというロッシ。手紙と血の付い
たシャツの切れ端が新聞社へ送られているという。写真はカムバック
宣言なのか。血の付いたシャツと言えば犯行現場ににこれが有り、
予備検査では血液型は0マイナスだったという。タクシー運転手と
同じだと。しかしゾディアックって何歳なのかというJJ。事件は
60年代後半でしょと。68年12月20日から69年10月11日までだという
ガルシア。新聞社への手紙には74年まで続いていたこと。若く見積も
っても60歳くらいだというモーガン。力が無くても引き金はひける
という。40年逃げるのは並じゃないというモーガン。
リードとプレンティスは現地で合流だとしてホッチは出発しようと語る。
ゾディアック復活の記事を犯人は見て居た。
飛行機。
ゾディアックは近代の連続殺人事件の中でも最も関連文章の多い事件
だというロッシ。模倣犯も2件有ったというホッチ。
一人目はヘリベルト・セダ。ニューヨークで3人殺し4人負傷させたもの。
二人目は日本人の酒鬼薔薇聖斗で2人を殺し声明文にゾディアックに
似た印が書かれていたこと。
共通するのは名声欲と支配欲に動かされていることだというロッシ。
恐怖心をばらまいて楽しんでいたというホッチ。しかし74年で犯行を
辞めていますよねというJJ。刑務所か精神科病院に入ったのだろうと
いうロッシ。40年ぶりに出所、退院者を探すというガルシア。手口には
進化が有りそうだが・・とホッチ。
ケイレブは仕事の休憩中チェスをしていると終わりだと言われる。
ケイレブはハーヴェイに電話するが繋がらなかった。
現地保安官のリンに逢うホッチとJJ。
支部に捜査本部を設置してあること。ゾディアック関連の資料も取り寄
せてあると報告される。検視ではデヴィッドは頭に2発、ニコールは
頭と上半身に合計13発撃たれていること。9mm口径の銃で女性に対して
は過剰だという。ゾディアックと同じだとし弾道検査もしていると
いう。現場には航海隊仕様のブーツ痕が有ったという。サイズは10半
なのか?。69年の現場で見つかったのと同じだとし、ゾディアック本人
だと思うという。その根拠はと問うと、手口が似ているという。双子
兄弟か研究家による仕業なのか。リードは手紙や暗号は無かったのかと
問うと、クロニクル誌の電子版に今朝電話が2回有ったが無言電話
だったという。ゾディアックと同じだと。今日の電子版の記事の紙面と
読者欄のコメントも全部コピーをしてくれと語る。これは本物ではない
とし、上手くは説明出来ないというが・・・
■感想
今回はゾディアック事件の再来かと思わせる事件が発生した。
ただドラマの中でも語られていた通り、この事件に関する書籍は
この世で一番多いというくらいに情報が出回っていることも有る
し、模倣犯だって出ている。
ゾディアック自体を耳にしたことがある人は多いかも知れないし、
どういう事件だったのかということを知らない人も多いかも
知れない。
驚くべき事に、模倣犯の例に日本人の酒鬼薔薇聖斗のことが取り上げ
られたこと。ただ正直声明文にゾディアックに似た印がついていた
とかそれくらいで、本当のゾディアックとは模倣したとも
言いづらい気がする。
ただこの過去の事件の犯人像に迫る流れとか、当時の事を知る
人物に話を聞いていく流れを見ると、まだ彼は生きて居るのでは
ないかとか、今は何をしているのかという興味が湧くところが
有るな。
過去にも昔の連続殺人犯が現代の世で再犯を行い始めるという事件を
取り扱ったことは有ったけど、大抵は当時の感覚とは違い、力の象徴
を失い肉体的衰えなどのギャップを感じてミスを犯すということが多い
んだよね。
当時の捜査官もまたパーキンソン病で寝込んでいることを考えれば、
犯人も生きては居ないのだろう。
しかし今回はある意味では視聴者にゾディアック事件の一端を知らせる
為のものもあったのかも。
■試される天才
今回はリードが少しナーバスだった。
というのも気がつくと彼は30歳になっていたというもの。
「ナンバーズ」で天才数学者のチャーリーも、今の仕事で本当に
良いのかを自問自答するシーンが有り、自分の才能を適切に社会の
為に活かしているのか、やりたいことをしているのかを考える
シーンが有るよね。
リードがそれを考える引き金となったのは上述したように年齢的な
ことも有るけど、セミナーに話を聞きに来ていたミシガン大の
生徒のファインバーグが世界を変えるようなことをしている事実を
目にしたからなんだろうね。
■殺人で繋がれる絆
ミイラ取りがミイラになってしまったパターンなのだろうか。
ケイレブとハーヴェイは過去に自分たちをイジメた弟の
ロビー・ショー(2000年にミルバレーで失踪)を殺害していた。
ただそれ以前に彼らはゾディアックを捕まえようとして、色々と
研究していた。その研究も実は人を殺す為に研究していたのか。
サディストの中にはやはり二人組だと「主従関係」が成り立つもの
として描かれることが多く、ケイレブがハーヴェイを操っているのか
とさえ思ったけど、過去の世界では逆の立場だったようだ。
ハーヴェイの妻には申し訳ないけど、そんな過去の性的嗜好を
持つ男との結婚をする前に発覚して良かったのではないかな。
■プロファイル発表
・集団ヒステリーを起こそうとしていたゾディアックとは違い模倣犯。
・ある一人の女性に対するメッセージで今まで殺された女性は彼女の
身代わり。拒絶されているか手の届かない存在。
・彼女とパートナーを恨んでいる。彼の行動は彼女へのアピール。
愛の証明かも。
・20の犯行を模倣しているのはその知名度と影響力に憧れている。
・犯人は20代から30代で体を鍛えている。高い知性を持ちながら
単調な労働に従事。友達が少なく妄想で自分を支えている。
■捜査
スパムコメントから割り出したものは偽物だったけど、改めて調べる
と、チェスの駒のようになっていた。
このチェスの駒から割り出していくという流れ、先週の「ナンバーズ」
でも有ったんだよな。
F4だとされた数字はチェス盤のマス。史上最高の一戦と言われる
1972年フィッシャー対スパスキーの第6局、殺人現場が最後の3手
と一致するという。
そこからチェスプレイヤーのレーティング2200異常、IQ160以上
のもの、ゾディアックに関係しているもの。中国週報に関係
するものなど条件を絞っていった。
最後に犯人を見つけた際にはリードが説得・交渉に当たる。
ハーヴェイは2ヶ月後に上海に引っ越しすることを知っていたかと
して親友なら当然聞いているだろうということで、仲間割れさせて
いく。
ハーヴェイが最後になって見苦しいマネをしたのが何とも言えない。
ただドラマでは白昼堂々タクシー運転手を殺していたりしていたし、
もう少し何処かで見つかりそうな気がするんだけどね。
■その他
・巫女です
ガルシアが電話に出たときの一声。
・サプラーイズ
リードの30歳の誕生日をみんなで祝った。
小僧はもう卒業だな。もうすぐに40歳だ。
みんな一体何歳なんだろうか。
プレンティスもリードを励ますとき30歳なんてまだ若いと語っていた
よね。
■使用された曲
・Feelin’ Alright
Written by Dave Mason
■出演者
デビッド・ロッシ (Joe Mantegna) BAU創設に携わったベテラン
アーロン・ホッチナー (Thomas Gibson) リーダー
デレク・モーガン (Shemar Moore) 爆弾処理が得意
スペンサー・リード (Matthew Gray Gubler) ドクター
ペネロープ・ガルシア (Kirsten Vangsness) 解析
ジェニファー・ジャロウ (A.J. Cook) 国防総省
エミリー・ペレンティス (Paget Brewster) BAU
ケイレブ・ロスモア (Jeff Newburg) ハーヴェイの親友、公園局勤務
ハーヴェイ・モレル (Finn Wittrock) ケイレブの親友、中国系IT企業
Mrs.ザブロンスキー (Toni Sawyer) 夫人
ボブ・ザブロンスキー (Danny Goldman) 夫、ナパ警察の元刑事
レベッカ・リン (Claudia Choi) 捜査官
マリッサ・デヴォン (Marissa Armijo) ハーヴェイの婚約者
ダン・ファインバーグ (Joseph Fuhr) ミシガン大4年、ナノヴェックス社
ニコール・プーリ (Christine Garver) 24歳、大学院生
デビッド・アトリー (Jonny Jay) 24歳、大学院生
ロジャー・スミス (Jimbo Barnett) いとこが犯人だとマスコミにいう
— (Josh Latzer) Park Supervisor
— (Brett Weinstock) Best Man / 花婿付き添いの男
— (David Fraioli) 配達人
本人出演 (Patricia Cornwell) 犯罪小説家
— (Bill Frenzer) ヒッピー
— (Alexandra Choi) レポーター
アレック・ワイセック (Frank Martinelli) オールバニー公園で襲われる
タラ・ヘンソン (Michele Dawson) オールバニー公園で襲われる