第5話 母と子 From Childhood’s Hour
脚本/Bruce Zimmerman
監督/Anna Foerster
【ストーリー】
ボビー・スミスは母・マーリーンから浴槽に閉じ込められる。
ボビーは必死に母親に開けてと訴えるが、母はボビーにホントにゴメン
としこの方が良いと語る。
ボビーを実家の前に置いて行くと大丈夫だからと言ってマーリーン
は車で立ち去る。しかし何者かがボビーのことをすぐに連れて行って
しまう。
ロッシはキャロラインと遭っていた。
キャロラインはロッシが朝食にフルーツを食べていることに驚く。
朝は油がギッタギッタのベーコンエッグではなかったのかと問うが
オレも変わったんだと語る。結婚した頃コレストロールに五月蠅かった
だろうと言うと、あなたは「どうせいつかは死ぬ」と言っていた
という。サンフランシスコの暮らしはどうかと尋ねると、霧にも
ケーブルカーも気にならなくなったという。電話してくれて嬉しかった
というロッシ。これからも遭わないかというロッシは君はどうなのか
と問う。いつまでコッチにいるのかと問うと、1週間程度だという。
帰る前にウチに飯を食いに来ないかと尋ねると、チョッピーノは絶品だ
ぞと語ると是非寄らせてもらうという。何か互いに言いたげだったが
ロッシに仕事の電話が鳴る。
ロッシがチームに合流するとすぐにブリーフィングが始まる。
ガルシアによると9歳のボビー・スミスが48時間前にセントルイスの
住宅街で姿を消したということ。母親の車から降りた場所で忽然と消えた
という。モーガンは届け出まで2日が経っていることを指摘するが、
実家の前で下ろして祖母に預けたつもりだったのだという。
JJは最近そういう酷い母が増えていると語る。プレンティスは父親は
どうしたのかと尋ねると職場で横領して2年前に逮捕されたとのこと。
リードは顔見知りによる犯行の場合生存の希望が持てるのは24時間
だという。
ジョージはボビーに対して食べ物は運ぶ。ボビーはママに遭いたいとして
訴える。
移動の飛行機。
ロッシは電話で2、3日はかかりそうだと電話する。今朝は活き活きとし
ている感じだというモーガン。ビタミン多めなの?というプレンティス。
ガルシアに母親についての情報を聞くと、良くないことばかりだという。
数々の逸した行動で逮捕歴多数。重い鬱病でこの5年に2度の自殺未遂
を起こしているとのこと。鬱の治療は受けているという。鬱は母性本能
さえ蝕んでしまうものだというJJ。祖母の方はどうなのかというプレン
ティス。福祉局は一体何をしていたんだというモーガンだが、手が回
らない状況で人手不足なのだという。誘拐ではなく家出の可能性は
というリード。9歳児なら夕飯には戻るよというロッシ。JJとホッチは母親
に面会し、モーガンとリードはボビーの自宅を調べ、プレンティスと
ロッシで誘拐された現場を調べる様指示する。
セントルイス警察。
ウッズ捜査官はホッチたちが来た事を歓迎する。母親には話を聞ける
状態ではないとのこと。それを聞いてJJは私が一人で聞きに行くという。
JJは私にも息子がいるとしもうすぐ3歳だという。マーリーンに辛い
でしょうねと語ると、息子を実家に連れて行った日は調子が悪い日
だったという。死にたいと思い始めるとどうしようもなくなり実家へ
連れて行ったのだという。前にもそのようにしたこと。傍に居たら
アブナイからだとし、外に出さないといけないと思ったと。
リードはモーガンに鬱って悪循環なのだとし、生活環境の劣化から
生じることが多いが病状が重症化すればますます生活の劣化が進むのだ
という。リードはキッチンを調べるがきちんと整理されていた。
■感想
世知辛い世の中だなと感じさせるエピソード。
特に何処の世界でもシングルマザーの辛さを感じさせる。
シングルマザーでも親に何の問題もなければ家庭も問題なく機能
すると思うんだけどね。ホッチはシングルファーザーだけどその点
上手くやっている。JJは現在夫とは遠距離なのかどうかは分からない
けど、3歳の子供の子育て中でそれを失うことは想像を絶しないところ
があるのだろう。
愛する者のハズなのに、自分のことで手一杯になってしまい、子供の
事に目が向けられない状況が訪れる。それだけならばまだしも子供
にとって明らかに悪影響を与えてしまう親に対して、幼児期の
自分の体験から、何処かに悪いスイッチが入ってしまう911オペレーター
の男性が犯罪者になるというものだった。
■犯人像は早い段階で分かる
早い段階から視聴者自身はどういう人物が犯人なのか顔だけは分かり、
そう悪い人間ではなさそうな感じもする。
BAUは誘拐された件で、どのようにしてその犯人を見つけ出していく
のか。
一つの誘拐だけだとプロファイルの完成って難しい。
今回の様に始めて複数の流れになって始めて色々と分かるところが
出るんだろうね。
冒頭からみんな親が悪いとしているけれど、鬱の母親に関してはちょ
っと可哀想だったな。寧ろ重い鬱を患っている割りには冷静に子供を
守る為に対処をした結果に起きたことだからね。
二人目のタナー家のケルシーとティミーの件は完全に母親の弱さが
現れていた物でオキシコドン中毒。2秒目を離した隙に・・との事だけど
ヤク中の人物に時間的感覚は無いも同然だろうな。
子供のためならば・・ってことで奮起して欲しいところだけど、
リード先生が語るように鬱病にしてもヤク中にしても少なくとも周りの
支援がないと一人では対処仕切れないものだとは思う。
■犯人は子供に親の殺害の許可を得る
究極の選択。親を殺さないと子供を殺そうとしている犯人。
何故殺すという選択しかないのかだよね。
ジョージは幼いときに母親を自殺で失っているが、後にプロファイル
が固まっていき犯人像が絞れていくと、その自殺でさえも実は10歳の
彼が欄干に座っていた母親を突き落としていた事が分かる。
■身内の面白いネタ
・ロッシの恋愛ネタ
ロッシが嬉しそうにしているのに気がついたのはモーガンとプレンティス。
プレンティスはロッシが4人、5人目の奥さんがいると思い込んでいるが
ロッシはオレが結婚したのは3度だと語っていた。
そして今回のキャロリンは1人目の妻。何番目と問われ「ヌメロウノ」
と語っていた。UNOってカードゲームが学生時代に流行ったけど、
イタリア語で「1」の意味がある。
残念ながらキャロリンは復縁を迫る物ではなく
「去年告知を受けた、死に至る病でもう望みがない」
「お願いがある。いよいよ悪くなって私が弱ったり怯えたりしたら
アナタに手伝って欲しい。自分でさよならできるように。」
・ガルシアとモーガン
「私はランボルギーニだからどんどん走らせないとダメだよ。ガレージ
に入れっぱなしだと埃を被って壊れる」
「今度は完全にオーバーヒート、戻ったらクールダウンマッサージを
してもらう」
以上はガルシアの発言だけど、ガルシアに捜査を頼む際の犯人の絞り
込みの中に
「最近スコス家に行った人を探してくれ、配線、配管の作業員を調べろ。
電話修理、ベビーシッター、パソコンもあるから訪問サポートのダサイ
オタクも・・」
オタクなガルシアがちょっとムッとなった瞬間でした。
・女性とクツ
リード先生が完全に女性心を知らずに恥をかいてしまうことになる。
リード先生の女性指南はJJが行っているな。
「女性は靴をベルトやバッグや服に合わせるの。季節毎にファッション
も変わる」
「男はズボンと合わせたら終わり」
「新しいブーツを買わないと・・」
「デミルであんたの好きそうなキトンヒールのトールシャフトがセール
しているよ」
「今の分かった?」
■出演者
デビッド・ロッシ (Joe Mantegna) BAU創設に携わったベテラン
アーロン・ホッチナー (Thomas Gibson) リーダー
デレク・モーガン (Shemar Moore) 爆弾処理が得意
スペンサー・リード (Matthew Gray Gubler) ドクター
ペネロープ・ガルシア (Kirsten Vangsness) 解析
ジェニファー・ジャロウ (A.J. Cook) 国防総省
エミリー・ペレンティス (Paget Brewster) BAU
キャロリン・ベイカー・ロッシ (Isabella Hofmann) 1人目の妻
ジョージ・ケリング (Patrick Stafford) 27歳、911オペレーター
マーリーン・スミス (Annie Fitzgerald) 母親、重度の鬱病
ボビー・スミス (Mason Cook) 息子
コニー・バートン (Heather Tom) シャノンの母
シャノン・バートン (Rebecca Spicher) 13歳、母の彼に襲われそう
ウッズ (David L. King) セントルイス警察・捜査官
ケルシー・ターナー (Shevaun Kastl) 母親、ドラッグ中毒
チャールズ・ターナー (Doug Dezzani) 父親
ティミー・ターナー (Brecken Lawrence) 4歳の子
— (Blake Bertrand) Young Unsub
Mrs.クレンショウ (Elisabeth Noone)
— (Kimberly Shannon Murphy) Unsub’s Mom