第10話 血に染まった拳 The Bittersweet Science
脚本/Janine Sherman Barrois
監督/Rob Hardy
【ストーリー】
ベイリー対カニンガムのボクシングの試合中、ジミー・ホールは
トレーナーのトニー・コールに電話する。ヤバイことが起きたとし、
試合の後にライアンの体調が悪くなったのだという。病院で
怒鳴られ、そして外に出たらまた怒鳴られたという。とにかくしつこく
て色んなものが見えているという。母とか父親、試合の相手もいた
こと。光がぐるぐると周り始めて、神がライアンを取り上げに来たかと
思ったという。ライアンは病気だがよくなるよとし、ジミーは
試合のせいで疲れているとし、明日になればどうってことはなくなる
と語る。
ホッチはランニングしていると、ベスという女性に声を掛けられる。
早いですねというと、二月のトライアスロンに出ようかと思って
いるというホッチ。FBIの大会だとすると、僕は司法省で働いている
からという。ベスはあなたがYMCAで泳いでいるのを見たことがあると
いう。私はチャリティトライアスロンに出る予定だが自転車が
上手く乗れないとし、是非見てくれないかという。予定は2、3日中
に分かると思うので連絡するという。どうして僕が捜査官だと分かった
のかと問うと、スーツを着ているのを見えたからと。彼女から
名刺を手渡される。
ホッチはロッシにベスとのことを話す。トレーニングに集中出来ない
んだというとロッシは大いに気を散らせろ!と語り、新しい出会いを
後押しする。
ブリーフィング。
夕べフィラデルフィアで2人の男が鉄パイプで殴り殺されたという。
一人目はサム・イークス(58歳)、出張中のビジネスマン。
二人目はブルース・トーマス(32歳)、スーツ店・店員だという。
報告書では殺害で遺体を座らせているというプレンティス。
後悔の表れねというJJ。ジョージ・ゲシュ・ウェントは現場を清掃して
被害者6人の顔に覆いをかけたというリード。この犯人も被害者の首の
血をぬぐっているというモーガン。こういうタイプの殺人犯は現実が
見えていないというリード。急いでフィラデルフィアにいかないと
次の被害者が出るというホッチ。
移動中の飛行機。
ガルシアはロッシにホッチはデートをするのかと尋ねる。
リードは配偶者を亡くした男は女よりも早くデート相手を作るもの
だという。ホッチはもうヘイリーを亡くしてから2年19日だという
リード。ガルシアは現在、金星と火星が並んでいて恋の季節、
今週末はオフだと語る中、周りが静かになったのでガルシアは
ホッチが居るのねと察する。
手口の残虐性から見て犯人は完全に現実から逸脱しているというモー
ガン。罪の認識が有り血を拭いているというロッシ。衝動的殺人の
パターンで怒りに任せて終わると後悔するという。戦争後遺症として
殺意と後悔を同時に抱く例も珍しくないというリード。被害者同士
は知り合いと見られているという。サムが2人分のテイクアウトを持っ
ていたからだというガルシア。JJは死亡時刻が二人は数分の差で
二人とも防御傷があるという。赤の他人が一緒に戦ったとは言いにくい
というJJ。犯人は手際が良く殴る方が快感なんだというロッシ。
二人の抵抗をねじ伏せたかなりの腕力があるというJJ。
ボクシングジム。
ジミーはトニーから練習を受けていた。大降りだとし、無駄打ちも
するなと指示される。練習が終わった後トニーはどうしたのかと
問うと子供の病気が気になっているというジミー。医者は何と言って
いるのかと問うと検査をするとしているという。今は明日に集中しろ
としキャノンを潰す気でいくのだという。
ジミーはビリーの所の総合格闘に出たら1000ドル稼げると言われた
とトニーに語る。野蛮なものには手を染めるなとし、9年間練習して
きたこと。お前は本物のファイターだという。練習なくしてファイター
は生まれないという。
ペンシルベニア州・フィラデルフィア。
JJとモーガンは犯行現場を確認にいく。犯人はまずサムを殴り飛ばして
あっちに引きずっているというモーガン。サムの血を拭く間にブルース
が来たのだろうと。二人同時に襲って引きずるのは無理だというモーガ
ン。これは理性的犯行で精神の破綻はないというJJ。余程憎かったの
か。被害者同士は何の関係があるのか・・。モーガンは近くに救急病院
があると語る。
郡立病院。
パムはジミーの元にやってくる。入院しているライアン。
医師のサーナがやってくるとどうかと容体を尋ねる。ライアンは
お腹が痛いというと、薬が効くハズだという。食べ物もすぐに力に
なるので少しでも食べる様告げる。検査の結果白血球の数値が異常に
高いこと。白血病の再発だというサーナ。骨髄移植はどうなのか
というジミーに対してもう少し検査してから方法を話し合おうと語る。
ジミーはパムに対して結局金だとして、医者はじらしているのだ
という。俺たちには払えないと思っていること。骨髄移植をさせる
という。
ボランティアのブルースは夕べ23時に休憩で外出。夜食を買いに
サンドイッチ店に行ったとし、裏道が早いので通ったのだろうと聞く
プレンティスとロッシ。サムは同僚と出張中で毎月一週間ほど来て
このソバのホテルに泊まっていたという。テイクアウトは同僚の分
だったこと。二人には面識がないんだという。ブルースは元々ボラン
ティア精神があるのでサムを助けようとして巻き込まれたのだろうと。
■感想
前回ストラウスの退出とホッチとモーガンのちょっとした不和が
発生したエピソードだった。退出させる為に事件を発生させたと
言っても過言ではない流れが有った訳だけど、今回は事件を通して
ホッチが過去に身内(妻)を失う悲しみを味わわせつつ、次に向けて
進むための後押しをするようなエピソードとなった。
ホッチの前に現れたベス役のBellamy Young
Bellamy Youngと言えば何と言っても「スキャンダル」でド阿呆な
フィッツ大統領の妻/ファーストレディメリー役を演じていた彼女。
「CSI:マイアミ」ではS4でCSIラボをハメようとしてナタリアとか
ヴァレラをハメようとした州検事のモニカ・ウェスト役を演じて
いた。
■なんて皮肉な・・
このドラマが放送された2、3日前に偉大なボクサーの一人、モハメ
ド・アリが死亡した。ガルシアが今回のエピソードの中で、
モーガンから調べものを頼まれた際に、
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」「ネット上のものなら何でも
探すよ」と語っていた。
まさにモハメト・アリの戦い方を称して言われた言葉で、自らも
それを語っていた。
■事件はフィラデルフィア
舞台はフィラデルフィアだった。
そこが舞台のドラマというと「コールドケース 迷宮事件簿」
を真っ先に思い浮かぶ。
フィラデルフィアのボクシング情報を求められた際に、ガルシアは
「ロッキー」Part1~5とファイナルだと語っていた。
タイロン・エヴェレットやジョー・フレージャーを排出。
フィリースタイルを生んだと語る。
ボクシングの興行としては、アトランティッキシティやラスベガス
と言った賭博場のある土地で行われることになり、残念ながら落ち目。
犯人がボクサーではないかと疑い始めたのは、プロファイルを発表
した後のこと。
でも初動でモーガンが救急病院に関係が有りそうだと見立てたところ
は流石だったな。
■プロファイル発表
・犯人は20代から30代前半のスポーツマンタイプ
・殺人以外に性的暴行や略奪行為は行っていない。
・犯人は犯行後後悔の姿勢が見られるが、徐々に後悔は弱まり
血に飢えていること。
・血によって興奮。血を見るとアドレナリンとドーパミンが放出されて
暴力性がエスカレートする。
・命を奪う以上の過剰殺人
・身体を鍛えている人
・犯行後は疲労困憊のハズでまともに話せず、痙攣発作など起こして
いる。
・怒りに満ちた犯行は犯人は抑鬱か人生に不満を抱えている
■犯人の心理は?
色々と分からないことが多い事件だった。
息子が白血病によって命が奪われようとしていることが殺人の
引き金となっているのは明らかだろうけど、元々彼自身の中にも
頭を打たれすぎて病気の要因が殺人に駆り立てたのか。
血つながりとしてはやはり息子の白血病だろうけど、元々犯人自身が
ボクサーという職業柄血に飢えているところも有る。
色々とコーチから教えを受けては、子供にもその教えを還元しよう
としていたところなんかも有り、「病気なんかぶっとばせ」
としたり、子供に対して強い父親像を見せる為に、酒場では
「サンドバック野郎が酒を飲んでいる」なんて言われる程弱かった
みたいだけど、彼はコーチの言葉を信用してあり、子供は父親の
子供を信用して心の支えにしている。
しかし全ては幻想であり、コーチは彼のことを嘘をついていた。
金の問題が絡むので更に問題としては厄介なものになり、
金の切れ目が縁の切れ目みたいになっていた。
最後はシリアルキラーがわざと捜査官に銃殺させて実質自殺する
かのようにして、自らも総合格闘家の男に立ち向かって死のうと
していたものなのか。
■ロッシとホッチ
流石にまだ「クローザー」の「プロペンザとフリン」って年齢じゃ
ないですけど、この二人が支え合う姿が印象的だったかな。
ヘイリーだって前に進むことを望むというロッシ。彼はキャロライン
の死で学んだとして、人生は短いこと。幸せになっても良いのだ
という。
しかしベスって信用出来る人なのか?
■使用された曲
・Turn a Light On by Kathryn Calder
・One More Time by Tommy Strange & The Features
■出演者
デビッド・ロッシ (Joe Mantegna) BAU創設に携わったベテラン
アーロン・ホッチナー (Thomas Gibson) リーダー
デレク・モーガン (Shemar Moore) 爆弾処理が得意
スペンサー・リード (Matthew Gray Gubler) ドクター
ペネロープ・ガルシア (Kirsten Vangsness) 解析
ジェニファー・ジャロウ (A.J. Cook) 国防総省
エミリー・ペレンティス (Paget Brewster) BAU
ジミー・ホール (Shawn Hatosy) ボクサー、父親
ベス・クレモンス (Bellamy Young) ホッチにすり寄ってくる女性
パム (Abby Brammell) ジミーの元妻
トニー・コール (Charles S. Dutton) ボクシングトレーナー
ライアン・ホール (David Mazouz) ジミーの息子、白血病再発
Dr.ラジ・サーナ (Ludwig Manukian) ライアンの医師
Dr.ジョアン・カールトン (Jill E. Alexander) 検死官
ルー・マンゾニ (Mark Withers) 賭け屋
Dr.ジョアン・ベラミー (Sean Kathryn O’Connor) 救命士、ジミー搬送
— (Kelsey Scott) 救命士
ジェイソン (Tim Davis) ボクシングオーナー
— (Jeremy Radin) 男
ビリー (Sandra Genovese) 総合格闘家を開催
— (Ray Stefanelli) レフリー
ジャック (Ken Lally) ジミーを酒場でバカにする
ジョー (Matt Fleuret) ボクサー
— (Roman Mitichyan) Flashback Boxer
— (Marcus Natividad) ボクサー
— (Richie Parker) ボクサー
— (Gustin Smith) ボクサー
モンティ (Jessen Noviello) ボクサー、トニーの門下
フランク (Torrey Vogel) “フランキー”、ジャックと一緒に・・