キャッスル ~ミステリー作家は事件がお好き Castle シーズン4 第14話 ブルー・バタフライ The Blue Butterfly

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第14話 ブルー・バタフライ The Blue Butterfly

脚本/Terence Paul Winter
監督/Chuck Bowman

【ストーリー】

— ニューヨーク、1947年。—
ペニーベーカークラブではジャズが流れ歌手のベッツィ・シンクレア
が歌を歌っていた。探偵のジョー・フリンは酒を飲む中で、バーテン
に写真の女性を捜しているが知っているかと尋ねると、目の前にいる
という。そこにはヴェラという女性がいて、探偵のジョーはやっと
出会えた気がすると。

— 現在 —
殺人現場はあの歴史的に有名なクラブ・ペラーベーカークラブだと
いうリック。40年代に偉大なミュージシャンがここで演奏したと
いう。壁に語って欲しいというリック。ラニは被害者はスタン・バン
クス。銃で胸を一発撃たれていること。死亡推定時刻は6時から8時
で、抵抗したが無駄だったようだという。強盗なのかというケイト
にエスポジートは否定する。サイフも携帯もホテルの鍵も取られて
居なかった。しかしライアンはポケットの裏地が出ているので犯人
が何かを探していたのは確かだろうと語る。免許証によれば自宅は
34丁目なのに何故ホテルの鍵があるのか。ライアンたちはホテルに
いくという。
リックは床を這いつくばっていると手がかりを見つけたという。
ここはホームレスの寝床だとし、今朝のニューヨークレッジャーが
置いて有るという。ホームレスは何かを見て居るかもと。
一帯の聞き込みをするというケイト。

スタンのアパートの管理人に話を聞く。
彼が死んだと聞いて部屋のガラクタはどうするのかという。
誰かに脅されていたことは無かったかと尋ねると、知らないという。
最後に彼を見たのはと尋ねると今朝だとし、ニコニコしていたという。
金が入るからここを出て行くと言っていたこと。恐らく相当大金だ
という。

何故クラブに行ったのか見当も付かないとして、スタンの別居中の
妻・シンディ。別居して1年近く経っているという。最後に話したのは
2ヶ月前だという。昔はよくおしゃべりしないと居られなかったが、
全部ダブロン金貨のせいだという。リックはそれって昔のスペイン
金貨のことかと問うと、ノースカロライナのビーチで一枚見つけて
それからは宝探しに夢中だったという。クライド・ベラスコのドキュ
メンタリー番組を見て夢中だったという。ベラスコと言えば10年前
沈没船を発見した人だった。宝探しのせいで夫のスタンは経理の
仕事を辞めてしまったという。電話する度にあと一歩で宝が見つか
りそうだと語っていたとのこと。今はブルー・バタフライのことを
口にしていたと。知り合いともめ事はなかったかと問うと、金の件
で揉めていたとし、2日前にある男から電話で1万ドルを貸している
からスタンを探せとし、返さないとどうなるか知らないと言われた
という。

スタンの所持品にチョウチョ関係のものは無いというリック。
40年代のマフィアとマンハッタンの本ばかりだというライアン。
借金の返済の電話は、クリーニング店からだというケイト。ライアン
は話を聞きに行ってくるという。リックはこのスタンの所持の
日記を見て笑う。ケイトはどうしたのかと問うと、これは40年代
の私立探偵が書いていたらしい日記だという。そこには・・

「ダンナが浮気している。写真を見た妻は大抵泣き始める。
彼女は違った。復讐を望んだ。酷いかな?オレは彼女と関係し探偵
としての報酬も請求した」
と。
チャンドラーの推理小説から抜け出したようなハードボイルドの
探偵みたいだと言うが、何故スタンがそれを持っていたのか。
エスポジートは雑貨店の店主がクラブの外に白いマスタングが停まっ
ているのを見たという。リックはケイトにこの日記を持って行って
いいかと問うと、返事を待たずに持って帰ってしまう。

リックは帰宅すると早速本を読む。

— 本の世界/回想 —
1947年6月18日。いつもと変わらない朝。オフィスのイスで目覚める
彼は二日酔い解消のために向かい酒。私立探偵のジョー・フリン
(役:リック)に対して秘書のケナード(役:マーサ)からは毎晩オフィス
で酔って寝るならアパートを借りる必要はないのではないかという。
そんな中客が来ているというケナード。
ジョーは昨日と同じ日かと思ったが人生が一変した。
客はTストラップのクツに野暮ったい服、田舎者丸出しの赤毛の娘に
逢ったことで・・。彼女の名前はサリー・モルクイーン・・いや
スコフィールド(役:アレクシス)だという。どういった用件なのか
というジョーに対して、ニューヨークに新婚旅行で夫・レニーと
来たが、私には旅行とは別の理由が有って来たという。姉の
ヴェラ・モルクイーン(役:ケイト)を探しているという。
地元でいざこざが有って、2年前にニューヨークでショーガールに
なると言って家出したこと。現在母親が病気で長くないので探して
欲しいのだという。ケナードは1日15ドルプラス実費で探しますと
語る。サリーはくれぐれも内密の捜査を求める。家族のいざこざ
が有ったので姉は探していることを知れば逃げてしまうかも知れない
というものだった。秘密は厳守するというジョー。写真を見た
ジョーはあまりの美しさに驚く。

そしてジョーが捜索の末行き着いたのはペニーベーカー・クラブ
だった。大好きなサッチモ(Louis Armstrong)の演奏を聴きたかった
がついて居なかった。舞台にはベッツィ・シンクレア(役:ラニ)
が歌っていて。腰の古傷が痛む為に酒を薬変わりにする。
彼女・ヴェラは災いの元なのにジョーはあまりの美しさに目が離せな
かった。彼女はトム・デンプシーの女。史上最高の残虐なマフィアの
女でこのクラブの経営者だった。ジョーがヴェラを凝視している
のを見て手下2人を送って来た。アイルランド系(役:ライアン)と
ハバナのファミリー出身のキューバ人(役:エスポジート)。
ジョーに対してデンプシーはクズにオレに女が見られるのは不快だ
という。二人にボコボコにされるジョーだが彼女の為なら殴られて
も良いと思った。外のゴミ捨て場に投げ捨てられるジョーだが
ヴェラがやってきて心配する。ジョーはオレの顔でアイツの拳を
殴ったんだと語る。ヴェラはデンプシーの宝・ブルー・バタフライ
(青い蝶のネックレス)を身につけていた。

■今回の事件の概要

・1947年に栄華を誇ったペニーベーカークラブで男性の遺体が発見
される。被害者はスタン・バンクス。銃で胸を一発撃たれて死亡
していた。
・彼の持ち物は、40年代のマフィアやマンハッタンに関するものば
かり。
・1年以上前から別居している妻から話を聞くと、彼は有るとき
スペインの金貨を発見したことから宝探しに目覚め、仕事を辞めて
まで宝を追っていたという。あと一歩でブルー・バタフライが
見つかると話していたこと。そして彼はクライド・ベラスコの
ドキュメンタリー番組を熱心に見て居たこと。
・お金の件で彼に金を貸しているというものから電話が鳴り、脅して
いるような口ぶりだったという。
・リックは小説を読み終わると、被害者が追っていたブルー・バタフ
ライは、蝶々の形をした青いダイヤの入ったペンダントで100万ドル
以上するものだという。かつてナチスの将校の愛人が所持していた
ものが生後アメリカに渡りギャングのボスに渡っていた事を知る。

■感想

都会に残る宝探し的エピソード。
結論から言うと宝は金品、ネックレスでもなく、「家族」や「愛」で
あることを示すというまさに、特有の「臭さ」が有って、それも
また心地よさを感じるものだった。

終盤はまさに「コールドケース」ばりの展開だった。
「BONES」なんかでもこういう遊びのシーンは有るけど、それぞれの
配役が1947年代の映像に於いては別人を演じるところなど、面白く
出来ていたし、ハードボイルド、フィルムノワールと言った
味付けで、ドラマの捜査全体を上手くアレンジしていて、マンネリ感
を打破したところは見事だと言える。

気がつくとケイトはスタンが持っていた小説に相当ハマっている
ところが有って、ストーリーが尻切れで終わっていることを語った
際にはリックに対して「何で結論をしらない話を聞かせるのよ」
憤怒していたところが有ったし、リックは起承転結が必要なら
オレの本は27冊あると語っていた。

そういえばかつてリックは歴史的なバーを守る為に時前で売られそう
になっているバーを買ったエピソードが有ったよね。
このバーもまた色んな歴史が込められていて、当時を知るものに
とってはなかなか複雑な視線が有るのではないか。

ラニがまた歌が上手いのがちょっと驚きだな。

■現代と過去の事件の連動のうまさ

今回のドラマを見ると、冒頭ではきな臭いなと思っていた。
特に日記の中に現代の殺人事件に於けるヒントが隠されているという
のは、未来予想図でもなければ無理だろうって感じだけど、その辺
は上手く出来ている。

過去の主人公とヒロインがケイトとリックという設定は良いとしても、
過去のエピソードを語る中で、思わず感情移入したリックが
ヴェラのことを「ケイトは胸が高まった」と語ってしまうところが
笑える。「今なんて言った?」。探偵があなたでマフィアの女が私
って妄想しているのか。

因みにクレジットのところにも書いているけど、

ジョー・フリン(探偵) = リック
ヴェラ・モルメクイーン(マフィアの女) = ケイト
サリー・スコフィールド(依頼人) = アレクシス
フローレンス・ケナード(探偵秘書) = マーサ
ベッツィ・シンクレア(ジャズ歌手) = ラニ
マフィアの子分(アイルランド系) = ライアン
マフィアの子分(キューバ系) = エスポジート

1947年の映像でリックがケイトと目を見つめ合った後、マフィアの
ボスの子分のライアンたちからボコボコにされる中、「おいあんちゃん」
と声を掛けられたことで、リックが何度となくライアンに
「あんちゃん」と言ってとせがむところがバカっぽくて笑えた。
そんなリックがライアンと一緒に47年代の捜査資料を探しに行く中で、
ライアンからは「ボガートさん、何を探している?」と言い換えされた
ところが有った。

■事件の顛末

クリーニング店とか床屋は犯罪の隠れ蓑になることが多いよな。

違法賭博しているレイ・ホートンがスタンに投資していたみたいだけど
よくそんなきな臭い話に投資したもんだ。

一番の驚きは、弾道検査の結果スタンを撃った38口径のリボルバーは
47年の殺人で使われたものだと知っていたことか。
弾道分析は20年代からあるとしていたけど、その記録が残されている
かどうかはまた別物だよな。

ドラマとしては銃の行方と、そして何よりもネックレスの行方、
そして日記の行方が重要だとされていたけど、最終的にはそもそも
1947年に殺害された二人は本当にヴェラとジョーなのかということに
なり、小説にハマっていたケイトたちが最も知りたがっていたのは
「ヴェラとジョー」の行方だったのだろうな。

■容疑者

・クライド・ベラスコ

お宝ハンターで彼もまたブルー・バタフライを探していた。
現場にいたことも認められ、銃も購入していたが結果として彼が
犯人ではなかった。彼はクロロホルムみたいなものをかがされて気絶
させられて、気がつくとスタンが死んでいたと証言する。

・ウェストサイド・ウォーリー

ウォーリーを探せみたいな名前の人だね。ウォーリーと呼んで良いか
と尋ねるとウエストサイドと呼べみたいな。
逆にライアンとエスポジートのことを「キャグニーとレイシー」
呼んでいた。
彼がそこに居たのは明らかだった。しかし彼によると中肉中背の
50第の男によって買い取られたとされていた。

・トム・デンプシー三世

当時のマフィアのドンとそっくりの三世の姿。いわゆるマフィアだった
デンプシーの孫。家族の汚名をそそがないかとして協力を求めていく。

■捜査のポイント

何よりも曲が全てだった。ジョーの日記にには、サッチモ(ルイ・アー
ムストロング)が好きだとされていたこと。
マドックス家ではそれが流れていた。
そして何よりも1947年当時焼死したと思われていたヴェラとジョーだが
現場に残されていたクツはTストラップのものだった為に、サリーの
ものだと分かる。
殺されたのはジョーとヴェラでなく、サリーと恋人のレニーだった。
当時殺されそうになり、逆に殺して車を燃やしていた。

犯人はフランキーという、介護士をしていた人物。

■使用された曲

・Castle Theme
Written by Robert Duncan
・Comes Love by Tamala Jones
・I Can’t Give You Anything But Love by Louis Armstrong

■出演者

リチャード・キャッスル (Nathan Fillion) 作家
ケイト・ベケット (Stana Katic) NY市警12分署殺人課
マーサ・ロジャーズ (Susan Sullivan) キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル (Molly C. Quinn) キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート (Jon Huertas) ベケットのチーム Dempsey’s

Cuban
ケヴィン・ライアン (Seamus Dever) ベケットのチーム Dempsey’s

Irishman
ラニ・パリッシュ (Tamala Jones) 検視官
ヴィクトリア・ゲイツ (Penny Johnson Jerald) 主任・警部

****
フローレンス・ケナード (Susan Sullivan) 探偵ジョーの秘書(マーサ)
ベッツィ・シンクレア (Tamala Jones) クラブ歌手、(ラニ)
サリー・スコフィールド (Molly C. Quinn) 探偵に依頼 (アレクシス)
トム・デンプシー(III世) (Mark Pellegrino) 1947年のマフィア
ヴェラ・モルクイーン (Stana Katic) マフィアの女
ジョー・フリン (Nathan Fillion) 私立探偵
****

ジェリー・マドッグス (Chad Everett) 夫 ジョー・フリン
ヴァイオラ・マドッグス (Ellen Geer) 妻 ヴェラ
クライド・ベラスコ (Patrick Cassidy) お宝ハンター
ウエストサイド・ウォリー (Lorin McCraley) ホームレス
レオナルド (Adam Bay) レニー、サノーのダンナ
ルエラ・マクマナス (Sarah Lilly)
フランキー (Darin Toonder) フランシス・ベンジャミン・ハントサッカー
— (Jared Ward) バーテンダー ジェリー・マドッグス
シンディ・バンクス (Andrea Grano) スタンの妻
スタン・バンクス () 被害者、ナサニエル・ジェンキンス
ルース・ハントサッカー () ジョーの秘書の孫娘、日記
プリシラ・キャンベル
ジミー・ドイル () プロボクサー・アイルランド系
シュガー・レイ・ロビンソン () プロボクサー
レイ・ホートン () 賭博屋

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