第2話 誤認逮捕 Personal Day
脚本/Duppy Demetrius
監督/Rick Wallace
【ストーリー】
仮釈放の審査。
フランシスコ・エスコベートは審査委員たちの前で、娘のアナが15歳の誕生日
パーティーで天使の歌声を披露してくれた時に私に言ったのだという。
最高の夜だったと。パーティーの後に服役囚のダンテ・ゴメスという
向かいに住んでいた男は娘に向かって愛していると言ったが、その男が
娘を撃ち殺して逃げ去ったのだという。置き去りにして・・。あの日から
17年が経ち今この怪物は自由になりたいと訴えているが私の傷は癒えていない
とし娘はそこの男に殺められたのだという。忘れないでほしいと訴える。
その審査会には当時逮捕したサンチェス、そしてアナの兄弟のマヌエルと
カルロスも来ていた。
ベニテスは遺族の痛みは真に受け止めるというと、ダンテ・ソーサ・ゴメス
に対してあなたは第2級殺人で懲役20年に処せられたが既に17年の服役を
終えていること。今日は模範囚を理由に早期釈放をする資格があるか
どうかの審査だと語り何か言うことはあるかと問うと、たとえ釈放されても
許される罪ではないと語る。コックスはゴメンに判決時は16歳でギャング団
に属して高校を中退したこと。事前に書いた声明文に率直に言って深く感銘
を受けたという。それをここで読んでほしいという。遺族にはお詫びしかなく
許されると思っていないこと。法的基準にわり私は早期釈放のする資格を
得たが模範的行いというだけで納得の軽減が行われるべきではないと
思っているが、すべては神の意志として決定はいかなるものでも受け入れる
という。コックスは有罪当時彼は未成年だったこと。よってあなたの
訴えを認めて早期釈放をすると審査会は結論を出す。
ダンテは署ら連れて行かれる。
サンチェスはお前に3分やるとして弁明してみろという。俺を逮捕してくれ
て感謝しているとし、ダチの一人を残してみんな死んだが俺は生きている
こと。大学の進学コースも受けられたという。今度アナ・エスコベートに
会ったら伝えておくというサンチェス。オレはアナを殺していないという
フリンは今更何を言っているのかというと17年前とも先週の審問会で
言ったこととも違うだろうというサンチェス。ダンテはあれは刑務所から
出る為に認めただけであり、オレはアナを殺していないのだという。真犯
人を見つけたいとのこと。お前は銃でアナの胸を二度撃って目撃者の証言
も取れて自白もしていること。それを思い出したければ電話しろとして
名刺を渡すサンチェス。目撃者の名前はと問うダンテに対して名前は
証せないとし、それが条件だという。オレはアナを殺していないとし
愛していたのだという。当時は混乱していたのだという。殺したヤツが
野放しだと思うとこのままではいけないと思ったし、祖母には人殺しだと
思われたまま死にたくないのだという。イーストカーソン通り1709番
というメモを持っていたダンテは、アナが殺された夜オレはそこにいた
ので調べてくれという。タオはそこはノースリッジの酒屋だと語る。
17年前にアナが殺された夜、強盗に襲われていること。
シャロンは現場と酒場の距離はと尋ねると40kmだというサンチェス。
当時の防犯映像があるがダンテと判別するのは難しいという。バズは
20年近く前のVHSテープだとし100カ所以上繋いで再生したのだという。
プロペンザは釈放されたのだからこれ以上捜査することもないだろうと
するが、訴えが有ったいかなる殺人事件に関しても上官に報告する義務
があるという。
サイクスはアナの証拠関係の箱を持ってくる。
タオに対して映像から犯人を知る術はあるかと問うと、背の高い方なら
なんとか分かるという。17年生き残れるギャングはそうは居ないという
サイクス。ダンテが強盗ジョナ医と証明出来なければ事件の幕を引ける
のだという。凶器の銃はサンチェスがダンテの車から押収し、事件の日
に見つけたこと。証言者も居るとするとホッブスは陳述書は法廷で
罪を認めたことを意味するものだという。何故ホッブスが来ている
のかというと、ダンテは直接検事局に来たのだという。
一方防犯カメラ映像の犯人が二人出る所で、一人は室内の造形物から
判断して一人は178cmだという。ダンテの身長はと問うとサイクスは
178cmだという。何の証明にもならないというプロペンザはそれだと
オレかも知れないだろうと語る。フリンは身長が足りていればなと語る。
ダンテが無実を主張する他の理由は?夕べサンチェスを尋ねて来た時に
ヤケに目撃者の名前を聞きたがっていたというフリン。プロペンザは
撃ったヤツには復讐したいんだと語る。証人と連絡を取って安全を確保
すべきだというホッブス。17年前のダンテのギャングのメンバーを
リストアップしてと語る。
■感想
うーん、ここ2話サンチェスの喜怒哀楽ばかりが抽出されるエピソード
が続くな。前回は子供の事件。今回はギャングの殺人事件。
サンチェスの感情をダイレクトでつつくので、取調室での彼の行動は
みて居て怖くなる。でもシャロンが容認して立ち会わせているのだから
大丈夫だと踏んでいるのかな。
とにかく人の証言は当てにならないということは、常に言われること。
今回のクセとも言うべき特徴は、目撃証言者の証言が偽証だっただけで
なく、犯人に仕立てられてしまった人自身の証言までもが偽証となって
いたことも有り、変な偽証の連鎖によって、色んな人が傷ついてしまう
ものだった。そして最後は自分までもが殺されてしまったけど、
この2人の殺人事件共に目撃証言者が殺害していたということを
考えると、これ以上卑怯なことはないし、何よりも偽証だけでなく、
彼が殺害を犯したという偽装工作を行っていることも有り、なんとも
憤りを感じる事件だった。
ドラマ的には「偽証」という刷り込みから見てもラスティの母の件に
於いても、過去に嘘をついていた流れと、現在もなお嘘をついているの
ではないかとする行動の真意に対して不信感を抱かせるのに十分な
ほどの際だつ作りになっていたね。
■サンチェスが可哀想だ
17年前の事件。20年の刑期のダンテ。
法的には仮釈放が認められる時期であり、仮釈放委員に早期釈放を
求める。その話し合いの場にはサンチェスも同席していて、彼を
逮捕したものとしては当然反対の立場で傍聴席で怖い顔して座って
いた。しかしダンテは模範囚であり、委員としては仮釈放しない理由
もないということで、遺族としてもただただ無念としか言いようが無く
苦虫を噛み潰したような表情をする他なかった。
ただ一番怖いのは遺族がダンテへの怒りをぶつけることで、釈放された
後に殺されてしまうのではないかということかな。
ダンテは無実だろうなと思って見て居たので、逮捕したサンチェスに
とっては辛い結末が待っているだろうことは想像してみて居たけど、
サンチェスが行ったのは逮捕するまでのことであり、その後は法廷で
有罪かどうかの判決が出ているのでそこまで責任を感じることも
無いんだろうけど。
ホッブスやシャロンなんかも前振りして、サンチェスの責任ではない
ということを盛んに語っていたけど、サンチェスが一番責任を感じて
しまうのはやはりダンテの祖母・レジーナに対してなのかなという気
がする。
レジーナがサンチェスのことを責めれば正直彼としては相当ダメージ
が高かったと思うけど、寧ろサンチェスのことを容認するように
自分の孫のことを”性根の腐った子”として呼んでいたところがあるので
少しは救われたのではないかな。
ただサンチェスとしても話を聞いてあげるべきところで聞いてあげて
居られれば・・ってところだけど、その辺はもう重大犯罪班の範疇じゃ
ない気がするけどね。
しかし17年前の事件の件でもサンチェスは関わっていくというのだから
警察官は大変だな。
■生活環境の悪さが生み出した犯罪?
ただ冷静に考えればこの事件、ダンテが愛しているアナを何故殺すのか
という動機の解明は当時行われたのかなという感じ。
事件では動機、機会、凶器が揃って初めて被疑者としての性格を
持つと思うけど・・
ただダンテもギャングに入っていたというだけ有って、コンビニを
襲っているところが有るので、祖母が言うように性根は腐って
いたのだろうし、そんな人物と付き合っていたアナにも問題は有りそう。
祖母の息子二人の事件で死んでいることを考えると、父親もギャング
だったのかな。ただサンチェスが非番の時に個人的に捜査すると語って
いた。サンチェスのことだから独り身になった祖母のことをサポート
するのかな。向かいの家の人たちとの関係だってこの17年間相当悪かっ
ただろうし、エスコベードがフォローしてくれることを望むけどね。
■VHSテープ
17年前の事件。ダンテはコンビニで強盗を行っていて、友人で同じギャ
ングに属していたヘクター・ザモラと強盗を行っていた。
三振法によってこの強盗を起こしたのが自分たちだと語ればヘクターが
終身刑になると知って行っても居ない殺人の罪を被るなんてどれだけ
ギャングの絆は凄いんだって感じ。
コンビニは17年間もよくテープを残していたな。
タオとバズがこのテープをつなぎ合わせて当時の映像を再生させて
いたけど、余程環境が悪くなければ17年くらいではテープは切れたり
しない。寧ろ再生デッキのリールのゴムの方が伸びきったり溶けて
切れたりして再生出来ないことの方が多いよな。
■非番のプロペンザ
身長178cmのプロペンザ(<-はい偽証)
休暇のプロペンザだけど、全てはラスティの為に取った休みだった
のかな。
ラスティの母はシャロンと同じシャロンという名前。なんとも紛らわ
しい(笑)
彼女はシグナルヒルリカバリーというロングビーチにある施設に入って
いたけど、そこはロサンゼルス郡が提示している更正施設で受刑者用
だという。ゲイリーが警察に捕まったとしていたけど、ラスティの父
がゲイリーなのかな?
ラスティのシャロンに対する恩義から産みの母との交流に腰が引けて
いる部分も有るし、本当に嘘をつかれているのではないかとして
信用出来ない部分も有る。ラスティには難しい決断に迫られていきそう
だけど、産みの母シャロンは、S5の現在でも登場しているので
関係は続いていきそうだな。
つい先日までみて居た「ゴールデン・ボーイ 若きNY市警本部長」でも
両親のドラッグと男癖によって子供たちがウソを突き続けられて
信用出来ないという役柄だったな。
■その他
・事件発生
1997年6月7日、22時30分。
・フリンの言った言葉
ホッブスは権利の告知をせずに偽証を認めさせたので証言としてつかえ
ないとしていたけど、そんな彼女にフリンは
「17年間偽証でダマしてきたんだ。2、3分証人が居たことにして何が
悪い」
として語っていた。
・犯人
偽証していたセザール・パディーヤでした。
彼がアナに好意を寄せてすり寄っていたことをもう少し追求すべき
だったのではないか。
この人、ソシオパスじゃないのか。
■使用された曲
・
■出演者
シャロン・レイダー (Mary McDonnell) FIDから重犯課へ
ルイス・プロペンザ (G.W. Bailey) ベテラン
アンディ・フリン (Tony Denison) プロペンザの相棒
マイク・タオ (Michael Paul Chan) 分析力
フリオ・サンチェス (Raymond Cruz) ギャング捜査に強い
バズ・ワトソン (Phillip P. Keene) カメラ
エイミー・サイクス (Kearran Giovanni) 特捜班から異動
ラスティ・ベック (Graham Patrick Martin) 母親が失踪中
モラレス (Jonathan Del Arco) 鑑識
ラッセル・テイラー (Robert Gossett) 新本部長
アンドレア・ホッブス (Kathe Mazur) 検事補
ケンダル (Ransford Doherty) 検視官
シャロン・ベック (Ever Carradine) ラスティの母、薬物依存症
セザール・パディーヤ (Michael Ray Escamilla) 目撃証言
ダンテ・ゴメス (Yani Gellman) アナ殺しの第二級殺人20年服役・えん罪
レジーナ・ゴメス (Renee Victor) ダンテの祖母
マヌエル・エスコベード (Nick Gomez) アナの兄
フランシスコ・エスコベード (Enrique Castillo) アナの父
カルロス・エスコベード (Felipe Alejandro) アナの兄
アナ・エスコベード (Kiana Lyz Rivera) 17年前殺害された
ヘクター・ザモラ (Eddie Martinez) ダンテの
ベニテス (Laura Ceron) 仮釈放委員会
トム・コックス (Phil Abrams) 仮釈放委員会