第11話 代理母の誤算 Down the Drain
脚本/Duppy Demetrius
監督/Steve Robin
【ストーリー】
地下道に重犯課の捜査官たちはやってくる。フリンはやっと雨が降った
かと思ったら下水道で事件かと告げる。プロペンザはオレは暗闇は
慣れっこだとし、4人の女房と5階の離婚してると慰謝料地獄にはまり
お先真っ暗だという。バズは夢も希望も有りませんねと語る。
現場へ。サイクスは第一発見者は救急隊員だとし海岸側から見つけた
という。サンチェスは鉄砲水に襲われたのかも知れないとし、頭部の
傷は流された時に負ったものだろうという。プロペンザは被害者の遺体
には片方の靴がないなと語る。ケンダルはナイフ、銃、バットなどの
武器が使われた痕跡はないとし、目に出血はあるが首を絞められても
いないという。流れ飲まれて溺れたのかというフリン。
ケンダルはIDもなく排水路に落ちているかも知れないという。または
波に揺られてハワイに流れ着いているかだというプロペンザ。
何処から下水道に落ちたか突き止めないといけないというプロペンザ。
タオがロサンゼルスの地下道マップを持ってくる。まるで地下鉄みたい
だなと言うと、下水道は地下鉄同様目的地が決まっているという。
入口の下水道のマンホールはダウンタウンかカルバーシティかパリセー
ズだという。それじゃあ範囲が広いというがタオはこれでも全体の
2割に絞れたのだという。サイクスはアメリカで2番目の大都市の2割
ならばたかが知れているわねと皮肉る。
プロペンザはケンダルにバズの撮影後に遺体の搬送を告げ、サイクス
には清掃員を呼んで周辺50mのゴミを全て回収させろという。サンチェス
には遺体に触れているガラクタはサンチェス自身が慎重に集めるよう
告げる。パトカーにも応援を呼んで片方の靴を探させるのだと語る。
フリンはそんなプロペンザに対して厳戒態勢を取る前に事故の可能性
を探ればどうかと告げるが、プロペンザはここは市営の下水道でロス市警
が手を尽くす義務があるのだと語る。モラレスが事故死だと断定しない
限りは捜査をする事を告げる。
モルグで運ばれて来た遺体を検視するモラレス。
年齢は20歳から27歳の女性、体中に傷を負っているが排水路内であちこち
壁にぶつかった時のもので死後に出来た傷だとシャロンとフリンに説明
する。額の傷は生前のものだが頭蓋骨に異常はないので直接の死因
ではないという。この溢血点の原因でもないこと。しかしモラレスは
顔をいじり死因が見つかった事を語る。下あごの舌骨が折れている
こと。喉が腫れるほどの強く上向きに殴られたのだという。結果器官
がふさがり窒息死になったという。レントゲン写真を見ればハッキリする
ハズだと。ただ喉を殴った事がいない限りはこれが殺人か事故かは
分からないという。
シャロンは電話が来ると今週中に遭うと語る。念のためにスケジュール
を確認してから折り返し電話するという。シャロンを見たフリンは
嬉しそうだなと語ると、先週離婚が成立したからリッチウッド判事が早速
養子縁組の手続きをしてくれるのだという。ラスティに言わなきゃいけな
いがあの子も忙しいみたいだという。マイクのドラマで・・というと
フリンはタオはただのアドバイザーだというフリン。君はあの「正義の
バッジ」を見たことがあるのかという、横で聞いていたモラレスは
「かなり酷いね」と語る。そのモラレスは女性のソバにいた赤ちゃんは
何処にするのかと問う。5日から8日前に被害者は出産していること。
会陰切開を受けてるから少しは身元を絞れるかもと。
サイクスはLA郡だけで病院は122件。LAでは毎日350人の赤ちゃんが
生まれていること。人種、身長、血液型も珍しくない女性から生まれた
ので特定は容易ではないという。医者に聞いて回るしかないと。
被害者の指紋登録はなく、新生児の失踪や誘拐の通報もこの10時間
ゼロだというタオ。浚ったのは父かも知れないとし、母を下水道に
置き去りにしたのも・・とフリン。サンチェスは遺体の12m先に
血の付いた毛布が落ちていたという。赤ちゃんをくるむ毛布ねと
シャロン。出血が酷いこと。新生児を含む二重殺人の可能性も出て来た
事を語る。早急に突き止めないといけないとし、警察犬を使い
排水路を全域捜索。パトロール隊にはLAのマンホール、必要なら
アカデミーの生徒にも手伝わせてと語る。海岸の方も調べてと。
サイクスはプロペンザに電話する。病院に被害者の遺体写真を配布した
ら被害者の名前はヘザー・ローソン(26歳)で、6日前(2014年11月18日)
に男児を出産しているという。
ヘザーが住んでいた住所を調べるとアパートはもぬけの殻だった。
管理人のエップスはヘザーは良い住民だったとし8ヶ月近く住んでいた
という。あの夜挨拶もなく出て行ったという。人付き合いは苦手そうだ
ったこと。妊娠中に助けを申し出たが断られたこと。家賃を肩代わり
していた男がいるとし、一年分を前払いしていったという。名前は
ロナルド(ロン)・グラバーだとサイクスは聞く。
タオとサンチェスはグラバー邸にいくとヘザーという女性をご存じか
と尋ねる。何故家賃を一年分も払っていたのかと問うと、後ろから
妻・サラが出てくる。そういう契約だったからだという。ヘザーを
ご存じなのかと問うと、私たちの子を妊娠しているのだという。
翌日、ラスティはシャロンにおはようと挨拶する。
仕事は雑用だらけだけどハリウッドの一員だという。シャロンは
「正義のバッジ」の現場から2、3時間抜けられないかとして、判事が
今週中に養子の手続きをしてくれるそうだという。必要な書類の記入
も終わらせておいてと語る。ラスティが不自然な態度をしているので
シャロンがその原因を尋ねると実はまだもう一人の母にこの件を話して
いないのだという。ジャックとの離婚で揉めていたし、養子の件が
ハッキリするまでは話したくなかったのだという。
■感想
毎回ドラマではそうなんだけど、事件の流れがラスティの件を示唆
することが多いね。
ラスティが産みの母と養子にするというシャロンとの間で揺れている
感じも受けたし、ラスティは優しさ故に産みの母の方を捨てられない
のではないかと思い、養子の件では断るのではないかとちょっぴり
不安にさせられた。ラスティの母も最後の悪あがきとばかりに、
養子の件を提案したのはあなたからなのか、それともシャロンの方から
なのかと問われ、かなり揺さぶられるところが有る。
最終的には母親にビシっと語ったように、どんな時にもソバに居てくれ
る人が欲しいとしたこと。ベックもまた親だって間違いは犯すことが
あるとしていたけど、今回の事件捜査はそんな親側の間違いというものを
抽出した案件で、結果的にはラスティが語ったように、「(間違いを
犯すことは)分かっているが、けど法を犯すのは行き過ぎだ」と語る
ところが全てだった。
■当然ながら・・
子供が欲しいという人に対して、金をちらつかせて代理母詐欺を行う
という極悪さが目に付く案件だった。夫婦の一組のグラバー家のロン
が「CSI:科学捜査官」のヴァルタン捜査官役のAlex Carterが演じて
いたことも有り、「君犯人じゃないよね?」(c)要潤って感じにも思えた
けど、顔の印象に比べて彼は良い役が多かったりするんだよね。
今日日、正式な業者でさえも詐欺臭いことをすることだってあるのに、
業者を通さずに子供のやりとりを行ってしまうというところに怖さと
罠が潜んでいた。
比較に出すべきものではないかも知れないが、ペットを購入する際に
正式ではない業者から購入したあまり近親交配率が高くでペットの
死亡率が高かったり重篤な病気を持っているペットを売りつけるという
事件は後を絶たない訳で、こういう件でも業者を通していなければ
結局親が誰なのかの証明も出来ないし、難しいところが有るよね。
■自供はさせたが・・・
犯人は殺されたヘザーの元恋人のトム・バーンズだった。
トムは元々養子であり、そんな彼が初めてこの世に自分の血を引き継い
だ人間を持てることになったことで喜んでいたけれど、ヘザーは寧ろ
バーンズが親として子供を養う資格も甲斐性もないと考えて、子供を
適切に育ててくれる人に渡すことを考えていた様だ。
トムは結局ヘザーを殺したという特殊な状況だったからなのか分から
ないけど、連行された時にはフレズノでブラックジャックをしている
というくらいだから、その後の生活は目に見えて分かる感じがする。
ただ取り調べに関してはシャロンもプロペンザもホッブス検事の前で
ウソ付きまくり。証拠としてどれだけ利用出来るのかというくらい
嘘をついていたけど、大丈夫だったのかな。
「トリノの聖骸布の方がまだ信憑性がある」(c)ホッブス検事
ラスティの母ベックもウソ付きまくりだとしてラスティが責めていた
けど、嘘には嘘を・・って感じの展開での自供だったので、その後は
あまり考えたくない感じだったな。
■血の繋がらない3組の親
トムには親権を放棄させることが条件。
その結果、養子の件で代理母詐欺に遭っていた3組の親候補は、どの
人物も子供の親の権利があるのは自分だと言うのかと思い、また
別の問題で頭を悩まされそうだった。
「誰かソロモン王を呼べ」
とはプロペンザ談。
話し合いの末、ゲイカップルはやはり自分の血のつながりのある子が
欲しいということで辞退し、ハント夫妻は金持ちで若いのでやり直し
が効くということも有り、赤ちゃんはグラバー夫妻に渡すことにな
った。
しかしハント夫妻くらい金があればこんな闇での取引で養子を取る
だろうか?と。
■その他
・養子が正式に決まる
ラッセル・トーマス・ベックとシャロン・オドワイヤー・レイダー
の正式な養子をリッチウッド判事が認めていた。
かつてシャロンの本名のネタって前にも言って無かったっけか。
正確にはミドルネームが何かという話だったけど。
元夫はジャックだったし、息子はリチャード・ウィリアム・レイダー
っていうのは出て来たよな。
アメリカってミドルネームを話したがらない人が多くてそういう
のがネタになることがあるよね。
・フリンの意外な顔
赤ちゃんが発見された後に重犯課で赤ちゃんをあやしていたのは
フリンだった。赤ちゃんが泣いた際にプロペンザは鍵をジャラジャラ
させていたのが笑えたけど、フリンに意外な一面が有ったのは驚いた
という際にプロペンザが「裏の顔もな」と語るところが笑えた。
大抵こういう時サンチェスが近くに居てクスクス笑うのだけど、
今回近くに居て微笑んでいたのはサイクスだったな。
・プロペンザに捜査官としての自覚が芽生えたか
なんだか最近プロペンザが現場指揮官として決して手を抜かずに捜査
している姿に驚く。フリンは面倒だからこれは事故の可能性を考え
ても良いのでは?とした際に、下水道は市警の管轄だとして捜査すること
を語っていた。しかしそれにしては金がないと騒いでいた重犯課から
は考えられないほどに最近資金が潤沢で、捜査官を多数動員できるように
なったな。訴訟が減って大丈夫になったのか?
・タオ監修ドラマ「正義のバッジ」ネタ継続中
なんとライティがバイトで関わっているみたいだ。
フリンはこのドラマは酷いとしていたし、先週に続いて今週もモラレス
はこのドラマに対してぶつぶつ不満を述べていた。彼は検死官の扱い
の酷さを訴えていたからね。
■使用された曲
・
■出演者
シャロン・レイダー (Mary McDonnell) FIDから重犯課へ
ルイス・プロペンザ (G.W. Bailey) ベテラン
アンディ・フリン (Tony Denison) プロペンザの相棒
マイク・タオ (Michael Paul Chan) 分析力
フリオ・サンチェス (Raymond Cruz) ギャング捜査に強い
バズ・ワトソン (Phillip P. Keene) カメラ
エイミー・サイクス (Kearran Giovanni) 特捜班から異動
ラスティ・ベック (Graham Patrick Martin) 母親が失踪中
モラレス (Jonathan Del Arco) 鑑識
ラッセル・テイラー (Robert Gossett) 新本部長
ケンダル (Ransford Doherty) 検視官
フリッツ・ハワード (Jon Tenney) FBIから特殊作戦部本部長補佐へ
アンドレア・ホッブス (Kathe Mazur) D.D.A.
シャロン・ベック (Ever Carradine) ラスティの母、万引きで仮釈中逮捕
クレイグ・リッチウッド (Steve Tom) 判事
サラ・グラバー (Robyn Lively) 妻
ロナルド・グラバー (Alex Carter) 夫、ヘザーの家賃を払っていた
アンソニー・ハント (Billy Miller) 石油会社、金持ち
ジーナ・ハント (Virginia Williams) 妻
ダニエル・マクワイア (Adam Harrington) マシューのパートナー
マシュー・デュクレスト (Ron Melendez) ダニエルのパートナー
トム・バーンズ (Matt Angel) ヘザーの元彼
ジョー・エップス (David Ury) ヘザーのアパートの管理人
ヘザー・ラーソン (Dani Knights) 26歳、代理母詐欺