第17話 暴走の報い Internal Affairs
脚本/Michael Alaimo
監督/Anthony Hemingway
【ストーリー】
サンチェスは朝実家の母・ラモーナの元に様子を見に行く。
ドアが開いていることに違和感を覚える。母の介護ヘルパーの
ティノを探しパイナップルを買ってきたぞというが、反応が無く
何処か家の中が変だった。家の中を見て回ると母がソファーから
落ちて床に倒れていた。誰かが家に入って来てから起きようとした
のだという。ティノは8時に来る契約だろうというと、ラモーナは
来てすぐに薬局に行ってもらったという。10時過ぎているのに
まだ戻らないのかと。サンチェスは家の宝石箱はどうしたのかと
問うとドレッサーの上にないかと問う。
ティノが戻ってくると何処に行っていたんだと問う。薬局に行く
ように頼まれたのだとし行っていたというと、サンチェスは薬局
までは1km半だとしこの2時間何をしていたのかと問う。酒臭いのを
知って酒を飲んでいたのかとし、母さんはソファーから落ちてずっと
床の上に寝ていたんだぞと。何で母のクレジットカードを持って
いるのかと問うと運転免許が無いからID代わりに持って行ったと
いう。20ドルの新札はどうしたのかとし金を盗んだのかとし、宝石箱
は何処にやったのかと問う。お前が留守の間に仲間を寄越して
盗ませたのだろうとして俺は刑事だぞと語る。殴り合いになり互いに
顔を殴り合う中、ティノはサンチェスを殴って車に乗って逃げる。
首を洗って待っていろと語る。
タオとプロペンザはサンチェスに頼まれてティノの家に来ていた。
サンチェスの話に寄ればお袋さんの術後に雇ったティノという介護
ヘルパーが鍵を開けて外出し仲間に宝石箱を盗ませたのだという。
サンチェスは何をしているのかと問うと母親を病院に連れて行った
という。ティノから宝石箱を取り戻して欲しいと言われたと。
プロペンザはティノの家のドアが開いていることに不吉な兆候だと
語る。そんな中プロペンザはティノが室内で倒れて死んでいるのを
発見する。
すぐに重犯課や鑑識がやってくる。
ティノ・ロドリゲスは半年前にサンチェス夫人/ラモーナの介護ヘル
パーとして雇われたこと。娘さんにいれば夫人に不満はなく良好の
関係だったとサイクスはシャロンに報告。ティノには前歴が無く、
玄関のドアは明いていたが侵入者の形跡はないという。
不審者を目撃した隣人もないとし、フリンは宝石箱もないと語る。
シャロンはティノの死をサンチェスに伝えたのかと問うとまだだ
ということでホッと胸をなで下ろす。ケンダルは鈍器で後頭部を殴
られた傷があるとし撲殺だという。バズはサンチェスがやったのかと
いうが、そんなことをフリオがするわけ無いだろうと突っ込みが
入る。シャロンはそれを証明する為にも現場は明け渡さなければなら
ないとし、今すぐに全員この場から離れてと語る。科学捜査課以外は
全員だと。プロペンザは誰が捜査を引き継ぐのかと問うと監察部に
連絡したかというシャロン。連中は何一つ殺しについては分かってい
ないんだというと、だから私たちも捜査は続けるとし出来る限り内務
調査を協力する為に資料を渡すという。私たちの行動いかんによって
はサンチェスの弁護が不利になるという。ロス市警の行動監視委員会
と裁判でも同様に不利に働くことになるというシャロン。
プロペンザはサンチェスが殺したと思っているのかとシャロンに
問うともちろん私はサンチェスを信じているという。ティノを殴り
殺すような人間ではないと。しかし気性に問題はあると。サンチェス
が犯人ではないという決定的証拠を行動監視委員会は求めてくるハズ
だという。
検視官室。
モラレスは被害者は酒に酔っていたとし血中アルコール濃度は0.14だ
という。殴られたことも確かで、顔の裂傷やアザ、頭部の左脇を酷く
殴られているという。細いヒビが大量出血に繋がったとし、角が尖った
物体で殴られたもの。凶器はブロックとか板切れだという。サンチェ
スは物は使っていないと言っていたというタオ。倒れた時に床に頭を
ぶつけた可能性もあるというモラレス。シャロンはもしもその場合、
彼は運転して帰宅できたと思うかと尋ねる。10分程度の距離。
無理だと思うが不可能ではないという曖昧な返事だった。動脈の亀裂
は極細だから出血が徐々に起これば私には断定は出来ないという。
シャロンはサンチェスから取調室で事情を聞くのでバズに録画の準備を
求める。
プロペンザが署にやってきたサンチェスにやんわりと話していく。
お袋さんはどうか?脇腹にアザを作った程度で、先日の腰の手術も順調
に回復して、今は近所の人に来てもらっているという。
サンチェスは宝石箱は見つかったかたがねるとティノの家にはなかった
事を語る。プロペンザの様子を悟り彼が俺を訴えるか何かをしたのかと
問う。シャロンが話が有ると・・。シャロンはサンチェスの前で
説明前に告知させてとして、ミランダ警告を語る。
ラスティは帰宅すると何故か泥酔したジャックの姿が遭った。
何をしているのか尋ねるとたまには元奥さんと話したいと思ったという。
まだ合鍵を持っているんだというと、ラスティは電話して何時帰って
くるか聞いて見たらどうかという。それは良いとして拒むジャック。
ジャックはラスティに昨日のフットボールの試合を見たかとし、和解金
を得た上に賭けでで大勝ちしたという。シャロンが帰るまでお祝い
しまうとして酒を取り出す。ラスティはタクシーを呼ぶよとして運転
するのは危ないだろうとし鍵は預かって置くという。
サンチェスはアルコール圭差、腕や顔の傷などを鑑識が写真を撮って
いく。酒が飲んでいないことが分かるとフリンは一つ有利な事が出来
たという。サンチェスの靴のサイズを知っている人は?というシャロン
にバズは27ですと語る。自分と同じサイズなので予備警察学校の
トレーニングシューズをサンチェスにもらったのだという。何故靴
のサイズなのかと問うとシャロンはティノの家の床からこぼれたコーラ
の上についた29.5cmの靴跡が見つかったのだという。ティノのサイズは
28cmだと。サンチェスにはそろそろティノのことを知らせるべきでは
ないのかと問うプロポンザだが、知らない方がサンチェスの為で
特別待遇は出来ないというシャロン。どっちが監察部に詳しいと思う
のかと。
■概要
・フリオの母・ラモーナは腰の手術をした為に介護士のティノを
雇っていたがフリオが10時頃様子を見に行くと、ティノの姿は無く
母親はソファーから落ちて誰かが助けに来るのを待っていた。
・帰宅したティノは薬局までクスリを取りに行っていたとしていたが
酒を飲んでいること。更にサンチェス家からは宝石箱や金が盗まれて
いることからティノの仕業だろうとしてフリオは殴って真実を語らせ
ようとするが・・
・そんなティノが家に逃げ帰った後に死亡して発見される。
フリオが殺したものなのかどうか。重犯課の面々は自分たちは捜査を
担当できないとしつつも、フリオの無実を証明する為に内務調査を
出し抜いてなんとか主導権を握ろうとしていく。
■感想
色んな見方があるけど自分が今回のエピソードで目に付いたのは、
真実・真相を隠す・隠さざるを得なければならない原因とは何かと
いうことかな。
フリオの暴力的傾向が取り上げられ、そして容疑者となったメンドー
サの甥のパブロに対する暴力も取り上げられた。
暴力と言えば肉体的なものだけでなく精神的なものも含まれるけど、
それがきっかけで人は口を閉ざしたり嘘をついてしまうところが
あるんだろうね。
一番哀しいのは身内にも話せない状況を抱えているものたち。
事実を話せていれば恐らくここまで酷い事件に繋がることもなく、
人の死が関係してくることもなければ、人の信頼を失う嘘をつく
必要も無かっただろう。
誠実な対応をした重犯課のメンバーも一歩間違えばサンチェスとの
信頼関係を揺るがす神経質にならざるを得ない中での捜査だった。
フリオの母が何かを抱えているのは分かったけど、彼女はしきりに
施設入りされること拒否していたことが有り、宝石箱に関しては
彼女がついた嘘が何かということが気になるものとして存在していく。
その件がアリバイに於ける問題となっていくし、下手すれば司法妨害
に取られてもおかしくない。。
フリオに本当のことを言えば施設に入れられるのではないかと心配
しているし、感情の抑制の効かない部分のある激しいフリオに話せば、
事件について確実にティノをぶちのめして間違いを犯す可能性も考えて
いる。元々兄も刑務所に入っているとしていたので、これ以上息子を
失われたくないとする思いが強かったのだろう。
そして今回殺人を犯したのはパブロという21歳の人物だった。
ハビエルというギャングのボスから怒られるという恐怖心から、
ティノ殺害に及んだ形だったけど、そういう世界に生きて居るとは
いえ親兄弟・親戚のものたちが腹を割って話せない状況というのも
辛い。
今回はそんなものたちの幾つもの事情が語られるというエピソード
だった。
■失って初めて気がつく物
また今回は何と言ってもジャックが再度登場してきた。
ラスティがシャロンの信頼を揺るがすに繋がるジャックが依存症である
ことを知っている件に関して、どうなってしまうのか心配だったけど、
上手くその辺はうやむやに出来たみたいだったな。
ラスティはすっかり大人でまかりなりにも弁護士のジャックに対して
「俺はシャロンのことをよく知っている。リッキーやエミリーの事や
あなたが良い弁護士だということも。素敵な妻と子供がいた。もう人生
に大勝ちしていたようなもんじゃない?幸せに気づけなかったんだ」
ジャックは酒だけでなくギャンブルにも依存しているというのだから
面倒臭い(笑)でもこの人もなんとなく今回のエピを見ると憎めない所
があるな。寂しがっているのは分かるしね。
■重犯課の力を見せつける
刑事にとっていやなのはやはり内務調査部からの監査だろう。
元々シャロンは「クローザー」時代には、今回登場した監察部のマー
ク・ステープルズの立場の人間だった。一緒に仕事をしたことも有る
という。
シャロンがその仕事を熟知していることも有り常に先手を打って
ルール通りに出来たことが良かったのだろうけど、プロペンザが
バズにカメラ録画を止めさせてサンチェスに助言に行ったシーンなど
ちょっと怖い展開が待っていないかヒヤヒヤした。
この辺はジャックのアル中に於けるラスティとシャロンのの件と似て
るかも。
■その他
・一番いやだろうミランダ警告
仲間にミランダ警告を受けることほど屈辱的な状況というのも無いん
だろうね。毎回当事者は激怒するけど、そういうルールだということ
をみんな熟知しても良いのではないかと。そもそも刑事だって関係者
にアリバイを聞く際に容疑者として疑っているのかと激怒されるけど
ルールだからと言い聞かせるシーンがあるよね。
・バズの予備警察学校
サンチェスってあんまり刑事としては大きくないけど、バズとは靴の
サイズが同じで27。どうも他人の靴って衛生的な問題であんまり
履く気がしないのだけど、サンチェスはバズにあげたみたい。
・誰かをかばっているに決まっている
以上はプロペンザ先生の発言。
プロペンザ先生の「~に決まっている」という容疑者狙い撃ち発言。
かつては「犯人は妻に決まっている」と最初に言った言葉が見事に
当たった為にプロペンザの鼻が伸びていたけど、シャロンからは
毎回同じことを言っていればいつか当たるみたいな突っ込みをされて
いたよね。
・犯人の自供を引き出すために・・
今回もまた嘘をついて”架空”の物があるように語り、隠しカメラ・盗聴
機から相手に自ら語らせるという手法を使った。いつもは検事だし
このシーンに於いてはホッブス検事のリアクションが結構好きなんだけ
ど今回は内務調査部の前でそれを行った。
・色んな依存、そして性格
サンチェスは最後に取引で一年間週2回のアンガーマネージメント
のセッションを受ける義務を負うことに。
感情の抑制に関しても依存と言えるのだろうか。
ギャンブルにしても麻薬にしても、誰かに依存することに関しても
人は何かにすがらないとなかなか生きられない辛さがありそうだ。
■使用された曲
・
■出演者
シャロン・レイダー (Mary McDonnell) FIDから重犯課へ
ルイス・プロペンザ (G.W. Bailey) ベテラン
アンディ・フリン (Tony Denison) プロペンザの相棒
マイク・タオ (Michael Paul Chan) 分析力
フリオ・サンチェス (Raymond Cruz) ギャング捜査に強い
バズ・ワトソン (Phillip P. Keene) カメラ
エイミー・サイクス (Kearran Giovanni) 特捜班から異動
ラスティ・ベック (Graham Patrick Martin) 母親が失踪中
モラレス (Jonathan Del Arco) 鑑識
ラッセル・テイラー (Robert Gossett) 新本部長
ケンダル (Ransford Doherty) 検視官
ジャクソン・レイダー (Tom Berenger) 弁護士、シャロンの元妻、依存症
ラモーナ・サンチェス (Ana Mercedes) フリオの母
マーク・ステープルズ (Daniel Roebuck) 巡査部長、内務調査官/監察部
ハビエル・メンドーサ (Raoul Max Trujillo) ギャングのボス
パブロ・メンドーザ (Augusto Aguilera) ハビエルの甥、21歳
ティノ・ロドリゲス (Gustavo Munoz) 介護士、泥棒の一味
Mrs.ウルズア (Lidia Porto) サンチェス家の隣人
— (Neil Rodriguez) Uniformed Officer
アロンソ・サンチェス () 長男、麻薬の売買で捕まる
ジェイラ・ウィルクス () ハビエルの彼女
リッキー・レイダー
エミリー・レイダー