第7話 合同捜査 Two Options
脚本/James Duff
Mike Berchem
監督/Michael M. Robin
【ストーリー】
巡回中のチャド・スチュアートとジェイミー・ペレス。
チャドはナッツを食べながらジェイミーと話す。次の本部長補佐は
マクギニスらしいというが、とっくに断ったらしいことを会話する。
年収25万ドルを断るなんてとチャドは信じられないというが、撃たれる
危険性はないがその分重圧が増えるというジェイミー。
チャドがナッツをボロボロ落とすのが気になって仕方が無いジェイミー
は注意するが・・彼は体重を増やしているとし来月の体力検定の為だ
という。トレーニングして普通は増やすもんだというが・・特殊作戦部
の新しいボスにはこんなパトロールは廃止して欲しいと語る。
そんな中無線で銃撃事件が発生、アディソン大通り12480だという。
4、5発の銃声後に黒のムスタングが逃走。車体にはオレンジの炎柄の
カスタムメイドがされているという。チャドは今から現場に向かうと
告げる。
現場ではヘリコプターの支援部隊/エア10が、パトカーたちをナビゲート
する。ジェイミーたちは真っ先に現場の家に到着すると室内を見て回る。
SWAT2名が中に入ったとして報告され、現場には仲間の捜査官たちも
家の外で待機していた。するとチャドは室内で二人の老人たちの遺体を
発見。まだ血が止まっていないことから殺されて間もないことが判明。
しかし犯人は居ないことからコード4だと応答する。
これは酷すぎると。
ケンダルたちが現場検証をする。
中型銃で一人2カ所ずつ撃たれていること。サイクスは処刑スタイル
なのかと語る。9mm弾の薬莢が5つ落ちているというタオ。何処かに
流れ弾が埋まっているハズだという。ケンダルは縛られていた痕跡
はないという。バズは何故自宅の老夫婦を殺すのか。プロペンザは
そもそも老夫婦の名前は何かと尋ねると、被害者は夫・J.B、妻は
サンドラ・ラニア、共に72歳だというサイクス。サンチェスが近隣
に聞き込みした結果、夫妻は3年前よりコロラドからロサンゼルスに
引っ越して来たという。プロペンザは現場確認したSWAT2人は何故
近くにいたのかというとジェイミーは犯罪抑止のために相棒と現場
近くをパトロールしていたという。フリンは通報者とは話したのか
と問うと1ブロック離れた自宅から銃声を聞いたようだとし、外に出る
と黒のマスタングを目撃したという。プロペンザは捜査したSWATが
ジェイミーとチャドだと知り、プロペンザはジェイミーのオヤジと
祖父のことをよく知っていると語る。ウチは三代でロス市警だと語る
ジェイミー。
サンチェスは向いの奥さんから話を聞きにいくというとペレス三世
を連れて行けというプロペンザ。
2時間前にラニアとは遭ったという隣人女性。サンドラからシュガー
フリークッキーを買うのを頼まれたという。ネコが寝室に閉じ込められて
いた理由は分かるかと尋ねると、プリンセス(ネコの名)は裏庭に出す
とすぐに逃げ出してしまうからだとし、孫が来るときには閉じ込めて
いたのだという。今朝リンダが孫たちを連れてきていたとのこと。
ラニア家の嫁で息子さんは脳腫瘍で亡くなっているのだという。ラニア
は孫の世話を手伝うために引っ越して来たとのこと。リンダの婚約者
の名前はと聞くと、その人には遭ったことがないという。孫は兄
のヘンリーが9歳、マンディが7歳だという。サンチェスは子供が2人
現場から失踪したとして顔色を変える。
今朝お爺さんが撮影した孫のVTRを見る。
隣人の女性が今朝見た時に着た服だとしていること。捜査官の携帯に
子供たちの写真を配布するよう告げ、半径3km元性犯罪者の家全てに
警察を行かせたというサンチェス。
特殊作戦部ではどのように捜索をしているのかとアン・マクギニス警視
に尋ねるシャロン。リンダ・ラニアが帰宅した時に備えて特捜班に
自宅を監視させていること。クーパー警部補は自宅付近で待機させて
いるという。
話有っているテイラー本部長の元にグロリア・リムがやってくる。
彼女はロサンゼルス市副検事のリムだとテイラーは紹介する。
リムはサンチェスは先週発砲が有り、プロペンザは容疑者を撃ち殺して
から1年が経っていないので再発すれば大問題になると指摘。SWATが
現場にいたなら任せてはどうかと言うリム。シャロンはSWATとは
戦闘部隊であり誘拐殺人事件の捜査はしないと語る。それをやるのは
重犯課の担当だという。10歳以下2人の子を誘拐した殺人犯を重犯課が
総力をあげて追っているという。犯人が見つかってから来てはどうか
とリムに語る。フリッツがやってくるとラニア家の身元を調べようと
したが名前だけでは分からないので写真を借りたいという。タオが
写真を渡すとこれをFBIの顔認識システムで調べると語るフリッツ。
リムはリンダは携帯を持っていないのかと問う。マクギニスは現場に
は不法侵入の形跡はなく被害者は近距離から頭部を撃たれていること
から性犯罪者も疑っているが、顔見知りによる犯行も除外出来ない
のだという。家庭内のいさかいが問題で、リンダの婚約者も容疑者なの
だと説明する。子供が誘拐された場合、親に伝えるという法的な義務
があるというリムだが、ロス市警はその法的義務は負っていないという。
しかし道義的にはあるでしょというリムは、母親は産んだ子を誘拐
しないとし、産んだ人にしか分からないとマクギニスに語る。リンダに
連絡しないのはあなたに子供がいないからでしょというと、シャロンは
言いずらそうにアンには以前は子供がいたのだと語る。4年前に娘と主人
は交通事故で失ったのだというテイラー。リムはごめんなさいと
して知らなかったことを語るが・・フリッツがそんな気まずい雰囲気を
打開するように捜査の話をしようとし、確かに母親へのアプローチには
慎重を期すべきだと語る。特殊作戦部は重犯課を全面支援するという
マクギニス。
■感想
合同捜査というタイトルで重犯課と特殊作戦部の協力体制を描く。
それに加えてFBIのフリッツまで加わり盤石の体制って感じで捜査に
挑むというもの。
これまで登場してきたサイクスの彼・クーパーの上司のマクギニス
の初登場ってエピなのかな?クーパーって潜入捜査官なんだっけか。
悪役は当然犯人だけど、敵は犯人だけでなく内部にも抑止力という形で
いつものようにテイラーが邪魔くさく感じる訳だけど、それ以上に今回
は検事にその悪役ぶりを丸投げすることで逆に捜査班たちの手腕や彼らの
していることが決して間違えてはいないということを誇示する流れ
が有った。今までも検事が現場に口を出すことは正直トンデモない
ことというのはこのドラマでは一貫しているけど、リムほど使えない
人物というのも珍しいか。まぁ彼女として見れば検事局側の人間と
しての意見を言っただけかも知れないが、如何にも官僚的で現場の
捜査官の役割さえも把握していない感じだったね。
・マクギニス警視役のLaurie Holden
「The Walking Dead」のアンドレア・ハリソン役のLaurie Holdenが
SWATの警視役で登場。ウォーキング・・では途中ではぐれて生死が
分からなくなっていたけど、ミショーンと共に行動し、総督と共に
ウッドベリーの街で暮らして最後はそこで命を失うという役割だった。
・副検事グロリア役のLindsay Price
「ビバリーヒルズ高校白書」のジャネット役、
「恋するアンカーウーマン」ではキミー役でレギュラー出演。
■一貫したテーマ
親子の問題というテーマはこのドラマでは終始一貫している。
もちろんドラマでは取調室での攻防とか、法律との間で揺れ動く捜査官
たちのギリギリの所で戦う姿なんかもパターンとして描かれている
のだけど、ラスティ問題から見るテーマを考えればやはり親子関係
というのは外せない。
今回はそれが別の形で表現され、犯罪現場で起きたストーリーの中には
そんな問題も一因として含まれていた。
マクギニスの親子関係、ジェイミー捜査官の三代に渡る捜査官人生の
中に見る親子関係、そして今回のリンダと殺されたラニア家の問題
など、どれも血族を表している。
■特殊作戦部の捜査
ヘリコプターと地上の連携、現場と捜査本部の連携など色んな形で
捜査官同士が密になって連絡を取り合う姿が有る。
特殊作戦部の捜査官たちの捜査システムが重犯課から見れば羨ましい
程に充実していて、LAPDの中でも有るところには金があるって感じで
バズなどはそのシステムの充実さに羨ましく感じていた様だ。
なにせあれだけのカメラを用意出来て、リアルタイムで捜査官たちの
情報が飛び込んでくる。
まさにその状況を一挙に把握して指示を出すのが中心にいるシャロン
率いる作戦本部にいるものたちで、捜査官たちの動きさえも監視して
掌握している姿が有る。
■現代のテクノロジーとローテク
上述した様に特殊作戦部の捜査はハイテクによって固められていた。
しかしそんなハイテクは使い方によっては色々と利点や欠点があること
も否めない。
捜査官たちのバッジにもGPSが付いていて現場での動きを把握できる。
笑えるところはやはり被害者が飼っていたネコは迷子になる為にGPSが
付いていて、結果的にそのネコのGPSのお陰で被害者たちの素性を判明
する。
まるでネコにつけられたGPSと捜査官につけられたGPSの対比は、それを
皮肉っているとしか思えないけど、何よりもこの世の中には簡単に
人物を特定することも出来れば、先週のドラマに見る身元不明の人物が
多い現実が有るというのも現実であること。
そんな状況の中で、唯一不可解に感じてしまうのは犯罪者にはGPSが
取り付けられていないという現実なのかも知れない。人権の問題で
五月蠅く言われるのかも知れないが、正直再犯に及ぶ可能性が高い
人物に関してはGPSもやむなしという感じはするよね。特に前科2犯・3犯
ともなれば、GPSを取り付ける必要性というのは今後出てくるのかも
知れない。
GPSは言わば身につけている人が発する電波を拾うことで場所を把握
出来るというもの。
現代の世の中では色んなところで無線の電波が飛び交っているけど、
携帯や車に取り付けられた電波というのもまた、個々を特定するのに
役に立つ。
今回は車に取り付けられたGPSや容疑者が持っていた携帯が何処に有るか
で、色々と奔走させられるところが有った。
しかし地下駐車場で実質”トラブルマグネット扱い”されているサンチェ
スが、撃たれた際には携帯の電波は通じずにピンチに陥った。
また携帯電話だけでなく、その人を示す道しるべとなっていたオモチャ
のレゴなどが車内に残されているところなど、面白い使われ方をして
いた。
ラスティが社会奉仕と称してホワイトボードに貼られた行方不明者の
写真を整理させられるけれど、彼らの行方が何処にあるのか分からない
というのも全体的には皮肉な形で描かれている。
■フリッツィーの異動か
今回はマクギニス捜査官だけでなくフリッツの役割も大きかった。
現場捜査に関してはフリッツもFBI捜査官として特殊捜査班に負けない
くらい把握していること。
人質の救出に際して解放の交渉をするか、それとも救出の為に強攻策に
出るかでリム副検事と論争になり、板挟みになった形でDr.ジョーが
意見を求められることになったけど、フリッツは最後の段階で、まるで
被害者の恨みとばかりに子供を盾にする父親を近射殺して助けるに
至った。
その後テイラーからは特殊作成部の本部長補佐というポストを打診
された。
久しぶりにブレンダの名前を聞いたけど、彼女はワシントンD.Cに栄転
するので異動するために一緒について行く事になりそうだったが、
その提案を受けていきそうだ。
フリッツの年なら単身赴任しても離婚しないだろうとか、年金も満額
もらえる立場であること。
■その他
・サンチェスが苛ついています
サンチェスのお袋さんが五月蠅いからだそうだ。
・アンはフリッツを上司として迎えるか
アンはフリッツが官僚的な人物かどうかを今回精査しながら彼の行動
を見守っていた。しかしラストで子供たちをあやす姿を見た彼女と
してはフリッツの良さを見た瞬間だった。
・サンチェスとクーパー
クーパーのバンで本来、容疑者の車のトランクをブラインドにして
調べるハズだったが、一時停止無視の車にぶつけられて現場に行けなく
なった。その為にサンチェスがアイス屋の車を借りてそれをブラインド
に使った。
その後サンチェスとクーパーが地下駐車場を調べに行ったけど、
この二人はNYPDの中でも武闘派の二人で体格が良いよね。
■使用された曲
・
■出演者
シャロン・レイダー (Mary McDonnell) FIDから重犯課へ
ルイス・プロペンザ (G.W. Bailey) ベテラン
アンディ・フリン (Tony Denison) プロペンザの相棒
マイク・タオ (Michael Paul Chan) 分析力
フリオ・サンチェス (Raymond Cruz) ギャング捜査に強い
バズ・ワトソン (Phillip P. Keene) カメラ
エイミー・サイクス (Kearran Giovanni) 特捜班から異動
ラスティ・ベック (Graham Patrick Martin) 母親が失踪中
モラレス (Jonathan Del Arco) 鑑識
ラッセル・テイラー (Robert Gossett) 新本部長
ケンダル (Ransford Doherty) 検視官
フレッツ・ハワード (Jon Tenney) FBI捜査官
チャック・クーパー (Malcolm-Jamal Warner) 警部補、特殊犯罪班(SWAT)
Dr.ジョー・ボウマン (Bill Brochtrup) カウンセラー
グロリア・リム (Lindsay Price) ロサンゼルス市副検事
ジェイミー・ペレス (Hampton Fluker) NYPD・SWAT
チャド・スチュワート (Brock Harris) NYPD・SWAT
— (LeShay N. Tomlinson) 受付、リンダの会社
— (Rochelle Greenwood) 隣人
アン・マクギニス (Laurie Holden) 警視、特殊作戦部
ジャレッド・テンプル (Skyler Stone) 元囚人、州刑務所でポールと同房
デビッド (Angel Oquendo) アイスクリーム屋台
— (Steve Roussell) Tactical Flight Officer
ポール・コリアー (David Atkinson) 息子、横領で服役
リンダ・コリアー (Nicole Surels) ポールの元妻
ヘンリー (Thomas Robie) 9歳、リンダの息子
マンディ (Rachel Rodier) 7歳、リンダの娘
— (Joseph Buttler) Irate Driver
— (Adrian Moreira-Behrens) Teenage Boy
— (Claudia DiMartino) Elderly Person
— (Steve Dargan) Elderly Person
— (Charles A. Tamburro) パイロット
— (John Tamburro) パイロット
クリストファー・ジャクソン () 国防兵站部の仲買人、リンダの再婚相手