第10話(20) 愛に負け、愛に勝つ Trial and Punishment
監督/Nicholas Renton 脚本/Simon Allen
【ストーリー】
処刑人は断頭する為の剣を磨く。処刑されるのはコンスタンスだった。
アラミスは地下牢に入れられてどうすることも出来ない。
二階からトレヴィルとロシュフォールはその光景を目にしていた。
トレヴィルは彼にこれは殺人だと語ると、ロシュフォールはこれは正義
だという。その意味も知らないクセに・・とトレヴィルが語ると彼は
君は一体誰の味方なのかと語る。国王なのかそれとも友人の反逆者たち
なのか。コンスタンスは処刑前に目を覆われそうになるが、最後の
瞬間までこの世界をみて居るとして覆いを被せられるのを拒絶する。
いざ首が断頭されそうになるところで、処刑台の下に隠れていたダルタ
ニアンは処刑人に向けて発砲しコンスタンスを助ける。ヴィルフォール
は衛兵に対して捕まえろとするが、アトスも馬に乗ってダルタニアン
を助ける。トレヴィルはロシュフォールに対してこれが答えだとして
彼を倒してダルタニアンたちと共に爆破したタイミングを見計らって
城の外に出て行く。ロシュフォールは命は無いぞというが、お前には
やられないという。
ポルトスは偽造された手紙を作成してスペインのロシュフォールのボス
のバルガスに逢いに来ていた。お前は誰だと問われロシュフォールは
どうしたのかと問われる。あの手紙を出したのはオレだというポルトス
はスペイン大使・ペラレスの屋敷でオレは従者をしていたとしそれで秘密
を全て知ったという。あんたがスペインのスパイの親玉でフランスに
送ったスパイがロシュフォールだという。それを聞いたバルガスは
ポルトスに対して取引しようと持ちかけてくる。しかし次の瞬間その言葉
を無視するようにしてスペイン人が発砲してくる。バルガスはスペイン
側の隊長に対してアイツを追いかけろと命じる。
ダルタニアンは決着を付けようとトレヴィル、アトス、コンスタンス
に語る。銃弾一発で済むことだというが、トレヴィルはロシュフォール
を殺しても解決はしないという。アラミスの命はアイツが握っている
こと。俺たちはもう銃士隊ではなくお尋ね者になっているので見つかれ
ばその場で撃たれる身だという。ロシュフォールのウソを暴かないと
いけない。しかしダルタニアンはコンスタンスを処刑しかけたのだと
するが、今殺したら陛下に真実を見せられないとコンスタンスも語る。
トレヴィルもロシュフォールが死んでもアラミスと王妃の身は危険な
ままだという。バルガスを陛下の元に連れて行きロシュフォールがスパイ
であることを証言させるしかないというアトス。ポルトスがしくじったり
バルガスが自白するとは限らないというダルタニアン。宮殿には入れる
のはミレディだけ。彼女にアラミスを助けてもらおうというダルタニア
ン。日が暮れたら自分たちはポルトスを援護に行こうというアトス。
コンスタンスは自分もいく事を告げ、目の前でルメー医師が殺されたのだ
とし、私もロシュフォールには恨みがあるのだという。しかしダルタニ
アンはトドメを刺すのはボクだと語る。
アンヌは王太子に鳴き声を聞くと子供に逢わせてと訴えるが、マルグリ
ットは私たちがお世話していると語る。アンヌはロシュフォールに
何を約束されたのか?何をもらうのか?と問うと大切な人たちを裏切り
見返りに何を?と尋ねる。
ロシュフォールはルイ国王に対して陰謀はあっという間に広がることを
語り根絶やししないといけないという。夫の私を妻が裏切るとは・・
信じられないというルイ。ロシュフォールは気持ちは分かるというが、
分かる訳がないというルイ。真実に向き合わねばならないとし、王妃が
首謀者だという。
そんな中アンヌはルイの元に飛び込んでくる。
私は陛下を傷つけたりしないという王妃。私は王妃でありあなたの妻
だという。ここに来るなというルイだがアンヌは私の目を見て罪人だと
言えるのかと問う。陛下はあの男にダマされているのだという。ルイ
は証拠を調べて適切に判断すると語る。アンヌはこれはヌレギヌだと
訴える。
ルイはロシュフォールに対して王妃の言い分を聞くべきではないのか
というが、ロシュフォールはもう一つ問題が有り衝撃的なので私の口
からは言えないという。それでもルイは話すよう告げると、ロシュフォ
ールは今回の調べで枢機卿が生前、王妃は貞節に疑いを抱いていたこと
が判明したという。銃士隊のアラミスが王妃が親密な関係になっていた
のではないかと調べていたという。王太子が生まれる前に・・。
アラミスは拘束してあるので真実が暴かれるという。今すぐに真実を
暴けとルイ。
ポルトスは隠して置いた銃士隊の武具を装備し、バルガスらの追撃に
対して迎撃の準備をする。
バルガスはヤツは逃げられないと分かって何処かで待ち伏せしている
ハズだとするが、スペイン隊長は敵国で深追いするのは危険だとし
フランス人に見つかったらマズイことを語る。しかしヤツは生かして
置けないというと地獄まで追いかけるというバルガス。
■感想
いよいよシーズン2の最終話。
NHKではいつも通り特にシーズン1とか2の区別はしていなかった。
途中でオリンピックが入ったりとして多少シーズン2の最後はスパン
が空いたところも有ったけど、ドラマとしては複雑な内容でも
ないし人間関係でもないので、まぁそんなには気にならなかったかな。
ロシュフォールのウソだけでなく、王太子のマルグリッドが脅迫を
受けてロシュフォールの味方についたことで、ルメーだけでなく
コンスタンス、そしてアラミスが処刑されるピンチに見舞われた。
アラミスにだけ裁判・法廷での機会を与えるところが狡い感じがする
し、結局銃士隊組は言葉で言っても証拠にならないからということで
色々と画策していたのに、ロシュフォールの場合は言葉だけで裁きを
下そうとしているところが有り、随分身勝手な流れと論理が存在して
いた。
ルイ王が裁判を上からこっそり聞いていたのでそこで何らかのロシュ
フォールの不正の一端が暴かれるのかなと思ったし、マルグリットに
至っては再び自らの罪を正す機会が現れたのに、そこでもまだ過去の
不実な態度に対して罪悪感をもって王妃やアラミスを助けないのかって
感じだったけど・・・皮肉にも裁判で語るマルグリットの言葉はウソ
ではなかったりする。「彼の子だからです」という言葉だけは証明
出来ない推測だったけど、当たっている確率は高いしね。
■嫉妬心は人を狂わせる
まさにロシュフォールにしてもマルグリッドにしても、愛する相手が
自分を愛してくれないことへの憤り感から、その相手が死んでも良い
と思うほどに感情的になっている部分が有る。
月曜日にDlifeで放送している「スキャンダル」の中では、自分には
嫉妬心がないと思っていたサイラスとかメリーなどは、いざ相手が
浮気していると知って態度がおかしくなっていた。
全ては心持ちの問題であり、「宣誓した後に嘘をつけば魂は永遠に
地獄に落ちる」と言われても、偽証することなど簡単だし、事の真意に
限らず結局出来レースのようにしてロシュフォールがアラミスを処罰
しようとしていることも明らかなので、ちょっびり裁判は茶番劇となって
しまった。
■流れは法廷ではなく力業に・・(笑)
よくよく考えれば結局力業でバルガスをスペインから引き寄せ、彼を
引きずり出し、ロシュフォールと戦い全てを解決するという流れを
作った。
バルガスは銃士隊に連れて行かれる際にポルトスの名前を聞くシーンが
有り、シーズン3では何かその流れに引っかけた逆転劇があるかなと
思ったけど、シーズン3ではクレジットされていない。
バルガスはよく見れば古谷一行さんに雰囲気が似ていたな。
静止画を見るとあんまり似てないんだけど・・
親衛隊のヴィルフォールは、ロシュフォールの悪事をみており、特に
マルグリッドが自殺した際に遺書を破った彼を見て何か行動を
起こすかと思ったのに、結局ただ殺されるだけの役だったな。
がっかりだぞ!
アンヌ王妃は危うく殺されかけた。
アンヌが祈りを捧げている時に形具を持って来たロシュフォール。
「天主の御母・聖マリア、罪人なる我らの為に今も、臨終の時も祈り
たまえ。女の道にて祝せられご胎内の御子イエズスも・・聖ちょう
充満てるマリア、主、御身と共にまします。」
首を絞めて殺そうとするアンヌの元にアラミスが助けに来た。
図々しくもロシュフォールはアンヌのことをオレの女呼ばわり。
最後はみんなで少しずつ斬りつけていった感じだけど、最後までロシュ
フォールは立ち上がっていたね。
■争いの果てに・・・
ダルタニアンはコンスタンスと結婚式。
コンスタンスは侍女になってからもの凄く可愛くなったなぁ。
アラミスは牢獄の中で助けてくれた際には神の為にその身を捧げると
していたので、ドラエの修道院に行くようだ。
トレヴィルはシーズン2では死の淵にいた時も有ったし、銃士隊を
辞めた時も有ったけど、なんと昇格して陸軍卿に昇格。
ミレディはイングランドでやり直すということ。私はとんでもない
人間になったとし平気で人を欺いたり人を殺したりする。こんな人生
はもう嫌だとして、アトスに十字路で日没まで待っているので来てくれ
たらル・アーヴルの港から一緒にイギリスで新しい生活をしようと誘う。
ダルタニアンたちが幸せな結婚式をしているのを見て、彼もミレディ
の元に向かおうとしていたけど、残念ながらトレヴィルのおっさんが
銃士隊・隊長の座を与えたことで行くに行けず・・
行った時には手袋か何かが落ちていたね。
ロシュフォールは殺されたけど、結局誰が悪いのか。
元々ミレディにしてもロシュフォールにしてもこんな人物ではなかった
ハズだ。ロシュフォールが幼いときからアンヌに恋していたとしても
そこまで執念を燃やすようになったのは、密偵者のようにしてロシュ
フォールが潜入していた結果、結局それがバレてバルガスによって
拷問を受け、生きる力をアンヌへの愛から得ていた。
最悪な人物なんだけどね。こういう人物を生み出したのは生まれながら
ではなく、環境がそうさせたのではないか。
そしてマルグリッドに至ってもアラミスに安易な行動が彼女に与えた
失望感が彼女の心を乱してしまった。銃士隊だからと言っても何をして
も良い訳ではないからね。
■スペインに宣戦布告
最後はスペインに宣戦布告していた。
元々スペインと和平を結ぶためにフランスの国王とスペイン国王・フ
ェリペ王の姉のアンヌを政略結婚させたのではなかったのか。
結婚したのでまぁ良いんですけど、ダルタニアンとコンスタンスが
兵舎から降りて来た際には、みんなが下で待っていたけど、如何にも
二人は今Hしてきましたみたいな感じでちょっと恥ずかしい出方だった
な(笑)
■出演者
アラミス (Santiago Cabrera) 銃士、剣の腕、色男
アトス (Tom Burke) 銃士、リーダー、剣の一番の使い手 、ラ・フェール伯爵
ダルタニアン (Luke Pasqualino) 銃士の一人
ポルトス・デュ・ヴェロン (Howard Charles) 銃士、パワー、情熱
トレヴィル (Hugo Speer) 銃士隊長 (s2-4で隊長をクビ)
コンスタンス・ボナシュー (Tamla Kari) 下宿屋の女主人(s2から女王侍女)
ルイ13世 (Ryan Gage) フランス国王
アンヌ王妃 (Alexandra Dowling) フランス王妃、スペインフェリペ王の娘
ロシュフォール (Marc Warren) 伯爵、リシュリュー枢機卿の腹心
ミレディ・ド・ウィンター (Maimie McCoy) 元アトスの夫人、元泥棒
マルグリット (Charlotte Salt) 王妃の付き人
ヴィルフォール (Phil Rowson) 親衛隊
バルガス (Peter Sullivan) スペイン
— (Alex Giannini) Spanish Captain
デュヴァル () 銃士隊