第1話(11) 危険な男 Keep Your Friends Close
監督/John Strickland 脚本/Adrian Hodges
【ストーリー】
聖歌が流れる中、司教はアルマン・ジャンデュ・リシュリュー枢機卿
の人生を称える為に集まったとし、その魂を神である主に称えると
語る。ルイ王国の宰相だったリシュリュー枢機卿が激務で亡くなって
いた。
その頃銃士隊の4人は馬を走らせていた。
ダルタニアンは何者か分からない相手と会うのかというと、ポルトス
はトレヴィル隊長も分からないみたいだという。アトスは正午に言わ
れた宿屋にいけば向こうがこちらを見つけることになっているという。
アラミスは枢機卿が死んで陛下の顧問会議はガタガタで機能して
いないこと。ポルトスはパリで死を悼む振りをするよりも良いと語る。
激しい国務で心臓をやられたって話だというアトス。
枢機卿にも心臓が有ったのかというダルタニアン。彼の魂にも
哀れみをとアラミスは語る。
そんな中目の前で村人達が一人の男を絞首刑にしようとして木に
縄を括り付けていた。頭に布を被せられていたロシュフォールは辞めろ
と語る。アトスはそいつは一体何をしたのかと問うが村人は関係無い
として話そうとしない。しかし我々は国王の銃士隊だとして質問に
答える様告げるポルトス。こいつは宿屋の主を大勢が見て居る前で
殺したのだという。しかし私的な制裁は良くないとして、罰するなら
ば役員に訴え出ろというダルタニアン。覆いを取って縄を解くんだ
と語るアトス。ロシュフォールは銃士隊かというと、アトスは彼は
枢機卿の腹心であるロシュフォール伯爵だという。密偵してスペイン
に居たこと。コイツなら好きにして良いぞとして立ち去ろうとする
アトスたち。ポルトスは人に逢うので急いでいると語ると、その相手
は俺だというロシュフォール。枢機卿はなんで親衛隊ではなくこんな
クズを寄越したのかというと、枢機卿は死んだ事を語る。陛下に大事
な知らせがあるというロシュフォール。村人たちにここは事を荒立てない
のが一番だとする中、村人たちはロシュフォールは殺そうとして捕まえ
ようとすると混乱に陥る。その間にロシュフォールはダルタニアンの
馬を盗んで逃亡する。そして逃げる際に村人の一人を殺害していく
ロシュフォール。
アンヌ王妃は陣痛が起きていて今にも出産だった。
ロシュフォールよりも先回りしていた銃士隊たち。
アトスはロシュフォールを殴ると何故殴るのかと問われ、スカっと
するか確かめたのだという。
女官たちをかき分けてルイ国王は王妃の元にやってくる。
子供は男の子ですと語ると、国王は世継ぎだとして喜ぶ。
ロシュフォールは銃士隊に縄を解くよう求める。枢機卿は棺の中だ
とし、銃士隊を潰そうとしていた事を語る。フランスの魔物だった
からなと。お前は一生スペインの監獄から出てこれないハズなのに
何故出てこられたのかと問うポルトス。マドリードへの護送中に
運良く逃げられたという。
王妃は早くも歩いてルイの元にやってくる。
ルイはトレヴィルに対して枢機卿は生前フランスがヨーロッパの頂点
に立つ運命だと信じていたこと。後任には傑出した人物が必要で
信用出来る誰かだという。それはトレヴィルしかいないという。
我が顧問会議に加われば政治のあれこれを学び、いずれ宰相となって
我が寵愛を受けろというルイ。光栄だが辞退するというトレヴィル。
自分が力を活かせるのは銃士隊だという。アンヌもまた遠慮している
場合ではないというと、トレヴィルは政治は嫌いだし外交のセンスは
ないという。そんなものは身についていくというと、良識さは顧問会議
に必要だとして私よりももっと適任が居るはずだという。ルイは
頑固なトレヴィルに対して困っている私を見捨てる男とはなとすると、
私は枢機卿とは違うという。彼の様にお仕えは出来ないというと、
ルイは失望したとして激怒し二度とお前には頼まないという。
トレヴィルの元にアトスたちはロシュフォールを連れて行く。
陛下に会いたいというのは何故なのかと問うと、大事な秘密を銃士隊
に話すと思うのかという。しかし話してもらうと脅すと、彼は俺の居た
スペインの監獄に他のフランス人がいたとし、それはフォア将軍だと
いう。ニュルンベルクの戦いで戦死したハズだろうというアラミス。
しかし遺体を見たのかと問うと、俺はこの目で見たのだという。
トレヴィルは将軍とは兄弟も同然の仲だとし、軍の養成所で一緒だった
と語る。彼も逃げられなかったのかと問うと、俺よりも監視が厳しい
ところにいたという。将軍はかつてスペインに対する軍事戦略を練り上
げた人で、それが分かったら・・と。ロシュフォールはとにかく陛下に
逢わせてもらうという。
■概要
・フランス国王の最高顧問をしていたリシュリュー枢機卿が不幸にも
亡くなる。突然の死にルイも放心状態だったが、ようやくアンヌ王妃
にもフランスの世継ぎが生まれたことでルイも大喜びする。
・その頃銃士隊は枢機卿が亡くなる前からスペインに密偵させていた
男を迎えにいくよう命じられていた。どんな人物か聞かされていなか
ったが、銃士隊は枢機卿の腹心というくらいだから、ロクな人物では
ないと考えていた。
・道中村人が一人の人物を処刑しようとしていた。宿屋の主人を殺害
したからだという。その人物こそスペインに密偵していたロシュフォ
ール伯爵だった。彼は陛下に話すべき事があるという。
取りあえずトレヴィル隊長の下に連れて行き、ロシュフォールから
話の内容を尋ねると、なんと自分が収監されていた監獄にはフランス
人がもう一人いて、その人物はニュルンベルクの戦いで戦死した
とされていたフォア将軍だというものだった。
■感想
リシュリュー枢機卿がまさかの脱退。しかも死亡したというのだから
恐ろしい。公務で忙しくしていて心臓に負担がかかったみたい。
元々フランス国は財政難で頭を抱えていた事情はそれとなく描かれて
いたし、群雄割拠のフランスという土地に有って、外交的にも苦労
するところが大きかったのだろう。
ダルタニアンが語っていたけど、「あの人に心臓が有ったのか」
っていうのが皮肉。
ミレディと共に良い味を出していた枢機卿だったけどね。
彼女の方はまだオープニングでクレジットされているけど、
ミレディは来週からまた出てくるみたいだし、どういう登場になるの
か。
枢機卿が亡くなったので人事の異動も必要となり、何よりもルイには
枢機卿のような信用出来る腹心を求めようとしている
トレヴィルが一度はその座を打診されたけど、「自分、不器用ですか
ら」と高倉健さんバリに断り、ルイを怒らせてしまうという。
ロシュフォール伯爵はまさにそんな時に現れた都合の良い人物だ。
シーズン2だけの登場だけど、それまでにどれだけフランスという国
をかき乱すのか楽しみだ。
しかしあれだけ村人を殺しておいて、何の罪も犯していないかの
如くシラーっと国政に関わっていっても良いのかって感じ。
この辺はシーズン1の時にも見られたけど、人を殺した事実みたいなの
がすぐに忘れられて法律として確固としたものがないところがある
んだよな。
ロシュフォール役のMarc Warren
「華麗なるペテン師たち」では一番の若手詐欺師として参入した
ダニー役。「グッド・ワイフ」では、カリンダ様の元夫でヤクザ的
建設会社・ニック役。
■今後の展望
今後を占うような要素が早くも顔を覗かせている。
・ポルトスの父親
フォア将軍が出て来たのは、偶然なのか必然なのか。
墓まで過去の事実を持って行こうと約束したトレヴィルとは逆に
将軍はポルトスの父・ベルガールに何が有ったのか話して(懺悔して
)から死にたいと語る。
ポルトスが貧民街で育った流れはS1-5で描かれている。
今の三銃士のようにして、ベルガールを含めた三人は昔は三銃士
だったのかも知れないね。
・二重スパイのロシュフォール
如何にも悪い顔しているロシュフォール。
意外なのはアンヌ王妃が彼を信用してしまっているという事実が
あるのが厄介な事かも知れない。
アンヌ王妃は元々フランスとは敵対関係にあるスペインの伯爵の娘
なのか、昔から支えてくれたのがロシュフォールの様だ。
日本の戦国時代の様に敵対する国と同盟を結んだり、安易に侵略
してこられないように、フランス側の国王の元に嫁いできたのかも
知れないけどね。
ロシュフォールが宰相となるとまたしても銃士隊とは対立の関係に
なりそうだし、ルイがまたへそを曲げて自分の誘いを断ったトレヴィル
のことを邪険に扱いそうだし、なんともこの先も難関が待ち受けてい
そうだ。
そして何よりもロシュフォールが牢獄から逃げられることが出来た
のは、スペイン側に忠誠を誓ったからで、スペイン大使のペラレス
が監視し、圧力をかけている。目的はルイの懐に入ること。
取りあえず一話の中ではその目的は果たすことが出来た。
・女好きのアラミスへの罪と罰
色々とアラミスがアラミスに至る原因があるにしても、女好きで
色んな人に手を出している現状は目に余るものが有ったのが
シーズン1だった。
今回のラストでアラール神父は、枢機卿からアラミスに言づてがある
とされてある場所に連れて行かれる。
するとそこに有ったのは、アデルの墓だった。
「アデル・ベセット、愛に死す 1605年から1630年」
アデルというと、このドラマの初回であるS1-1で、枢機卿の愛人の
ような関係だったが、アラミスが彼女を愛し、それが枢機卿に見つか
ってアデルはスパイの名目で枢機卿自らによって雪の中射殺されて
しまった人物だ。
アラミスはイザベルと別れたのは仕方が無いにしても、何よりも
アンヌ王妃との間に関係を持っているという過去が有る。
そして可能性として今の子が生まれているからね。まぁ本当のところ
子供の父がアラミスかどうか、DNA検査のない今、調べようもない。
・コンスタンスが王妃の侍女に・・
ダルタニアンからダンナの元から別れようとしないことで相当責めら
れていたけど、男社会の中で、全ては投げ捨てられないことを語る
彼女の姿が有った。そのコンスタンスはダルタニアンの推薦で、
侍女に昇格。益々生地の夫が怒り狂いそうなものがあるな。
将軍の妹・リュシーと良い感じになりそうだったけど、彼女は今回だけ
の登場のようだ。
・リュシー役のOlivia Llewellyn
現在WOWOWでシーズン2まで放送した「ナイトメア〜血塗られた秘密〜」
ではティモシー・ダルトン演じるマルコム卿の娘・ミーナ役で出演
している。
■将軍救出作戦。
幽閉された場所に居た将軍を助けに行く。
ダルタニアンが下水道から侵入していく光景は色んな映画やドラマ
で見るよな。「カリオストロの城」でルパンが侵入したシーンは
面白かったし、「ザ・ロック」とかでもこんな侵入の仕方をして
いなかったっけか。
滑車を使った流れとか面白かったとは思うけど、あの場所がまた
幽閉していたとはいえ、刑務所なのか何なのか分からないところが
微妙だったな。
■使用された曲
■出演者
アラミス (Santiago Cabrera) 銃士、剣の腕、色男
アトス (Tom Burke) 銃士、リーダー、剣の一番の使い手
ダルタニアン (Luke Pasqualino) 銃士を志す青年
ポルトス・デュ・ヴェロン (Howard Charles) 銃士、パワー、情熱
トレヴィル (Hugo Speer) 銃士隊長
コンスタンス・ボナシュー (Tamla Kari) 下宿屋の女主人
ジャック・ミシェル・ボナシュー (Bohdan Poraj) コンスタンスの夫
ルイ13世 (Ryan Gage) フランス国王
アンヌ王妃 (Alexandra Dowling) フランス王妃
アラール (John Harding) 神父、アラミスを呼び出す
— (Robin Browne) 司教
ロシュフォール (Marc Warren) 伯爵、リシュリュー枢機卿の腹心
— (Mark Carter) 村人
マルグレット (Charlotte Salt) 乳母
— (Peter Pacey) 医師
ドン・フェルナンド・ペラレス (Will Keen) スペイン大使、閣下
— (Richard Mulholland) 廷臣
— (Anthony Houghton) 修道士
— (Mateo Rufino) Spanish Captain
— (Hugo Nicolau) Spanish Officer
リュシー・ド・フォア (Olivia Llewellyn) 将軍の娘
ド・フォア (Dominic Mafham) 将軍、トレヴィルの友人
アルバレス (Andy Lucas) 刑務所長