第2話(12) 庶民になった国王 An Ordinary Man
監督/John Strickland 脚本/Peter McKenna
【ストーリー】
アトスはルイ国王に考え直して欲しいと語る。しかしルイは国王の望み
は叶えられないのかと問う。部下に服を脱げと語るとルイは変身して
一般人に成りすます。今夜は陛下は無し、お辞儀も気遣いも敬意も
払うことも無しだと語る。同等に扱うのだとし、友達として一晩だけ
私は農夫と同じ自由を味わうという。国王だって息抜きしても良い
だろうと。
酒場に連れて行くとポルトスは男と決闘する。
ポルトスは相手を打ちのめすとガスは勝者に乾杯だと語る。
ルイはその光景を見て庶民は楽しくて羨ましいと語る。アトスはそろそろ
帰ろうというが、ルイカードをやるという。ポルトスとアトスは陛下
は国民がいつも酒を飲んで賭け事をしていると勘違いしているハズだ
とし、いっそパリの貧民街でも見せるかと。
そんな中ルイはカードゲームが強かったが、アントワーヌは突然勝利
する。ルイは袖の中を見せろとしカードを隠しているだろうと語る。
名手の私が負ける訳がないというルイ。
すると酒場内はそれを発端にケンカに発展し激しい乱闘になる。
アトスはダルタニアンに国王と共に安全な場所に退避するよう告げる。
するとガスは裏口から逃げれば良いとして連れて行く。
ダルタニアンとルイは助かったと考えるが、暴漢のディディたちによっ
て後ろから殴られるのだった。
一方王妃の宮殿でアラミスがいるのをマルグリットが見つけて何を
しているのかと問う。ここは王妃の住まいだと語る。アラミスは
マルグリットに逢いに来たようなことをほのめかすと、急にあなたと
こうなったとし、前は見てもくれなかったと語る。でも今は見て居る
というアラミスは彼女にキスをする。
そんな中王太子の鳴き声が気になる。乳母たちが世話をするという
マルグリットに対して教育係も行ったらどうかと語る。
マルグリットがあやしてみるが赤ちゃんは泣き止まず、僕がやってみる
としてアラミスは赤ちゃんを抱えて子守歌を歌う。すると赤ちゃん
は安心して泣き止む。この子はちゃんと警護されているのかと問う
と、彼女は私と赤ちゃんのどちらを目当てに来ているのかと問われる。
トレヴィルにルイとダルタニアンが居なくなったことを報告にいく
アトスとポルトス。王太子の洗礼式は明日だぞとし、欠席すれば
欧州中に知れ渡るという。アトスはそう遠くには行っていないので
きっと見つけると語る。アラミスがやってくるとどうしたのかと
問う。陛下を見つけるんだというトレヴィル。
酒場の主人のガスに対してケンカを始めた男は誰かと問い詰める。
急いで帰った二人が居ただろうとしてポルトスは凄む。どうなった
のかは知らないというガスに対して、ドアが裏道に続いているという。
石畳を洗い流した様だが血痕が付着しているという。酒場の取っ手
が取られているとし、一度出たら中には戻れない仕組みだという。
ガスに再び話を聞きに戻ると問い詰めるが、あんたらは銃士隊だろう
として殺せるものかとして銃を向ける銃士隊に口をつぐむ。
しかしアラミスたちは酒場のワインに向けて銃弾を発射させて
いく。知っていることを話せというと、金をもらったとし店に来て
こういった者が居たという。「もし従わねば店を焼き払う」と。
怖かったのだという。そういう客はどうなるのかと問うと、金品を
奪われてセーヌ川に捨てられるという。
アンヌ王妃にも陛下が強盗たちによって拉致されたことを報告。
ルイは庶民としてパリを堪能しようと切望していた事を語るトレヴィル。
しかしばかげたことを止めるのも銃士隊の勤めでしょと。ロシュフォール
はアンヌに対して銃士隊だけを責められないとし、国王が強く望めば
断るのは難しいという。アンヌは売春宿を探したのかと問うと、王は
ダルタニアンといるというトレヴィル。コンスタンスはダルタニアン
は決して任務を放棄しないと語る。陛下が居ないのが問題だとし、
王太子の洗礼式は明日だと語る。来賓を前に王が不在なんて大変な騒ぎ
だという。町を徹底的に探してというアンヌ。ロシュフォールは王は
病気として伝えてはどうかというと、アンヌは今日初めてまともな
意見を聞いたと語る。
■概要
・ルイ国王の気まぐれで気晴らしに庶民たちの気分を味わうために
夜の町に行くという。銃士隊のアトスは止めるが、止めて聞くような
国王ではなかった。
・国王の警護の為にアトスとポルトスとダルタニアンが同行して
酒場にいく。格闘に賭博、そして酒などで盛り上がり、ルイは上気分
になるが、カード賭博をしていた相手にルイはイカサマしただろう
と問い詰めたことをきっかけに酒場では激しい乱闘になる。
・店主のガスはダルタニアンとルイを裏口から安全な場所に逃がして
もらうが、外に出た瞬間に暴漢によって襲われる。
・ルイたちが消えたことは王室にも伝わり、アンヌは明日王太子の洗礼
式が行われるのに国王が居ないなんてあり得ないことだと語る。
・侍女のコンスタンスはダルタニアンが一緒ならば平気だとするが・・
・ロシュフォールは取りあえず王は病気ということにして時間を
稼いだらどうかと語る。
・殺された可能性も有るために遺体安置所にいくと、シモーヌは
夫が居なくなったとして探しに来ていた。プパールによると消えた身内
を探しに多く来る様になった事を告げると、アトスは2年前の夏にも人が
消える事件が有り、酔っ払い、物事が町中で誘拐されたこと。犯人は
セバスチャン・ルメールだったが、スペインのガレー船に奴隷として
売り飛ばしていたのだという。ヤツは植民地での労働を課せられたハズ。
ヤツの兄のブルーノに話を聞こうということになる。
■感想
今回は何と言ってもどんな形で再びミレディが追い出されてしまった
フランスに関わってくるのか。
リシュリュー枢機卿が居なくなり、アンヌ王妃暗殺の罪に問われた彼女
だけど、銃士隊たちの間だけで内々に処理したことも有って、
国王は知らないようだし、そもそも彼女の存在自体認知されていない
というのだから驚き。
追い出された彼女がパリで見かければ命はないとまでされる中で、
何処で何をしていたのかだよね。
当然スペインの方に逃げていったのかと思ったけど、彼女はまるで
野営地に有る渓谷の中で盗品売買でもしているかのような立場で
存在していた。
彼女がいくら強い人物であってもこんな山奥に一人で居ること自体
ちょっと信じられないところも有るけど、まぁそれはそれか。
■王妃に続いて今度は国王が受難に・・
身から出た錆びだと思うけど、国王が市民の暮らしを知りたくて城下町
に出てくるというエピソードはドラマでは至るところで散見されている。
何よりも日本で言えば「水戸黄門」とか「あんみつ姫」に代表される
ものに近いところが有るけど、ラブロマンス系にまで物語を広げれば
ヘプバーンの映画「ローマの休日」とかエディ・マーフィーのコメディ
映画「星の王子ニューヨークに行く」にも該当するものが有るかな。
運が悪く遊びにいった先で奴隷として人身売買を行う強盗団によって
拉致される訳だけど、運が悪いのはルイ国王だけでなく、寧ろ強盗団
の方も運が悪かったという感じか。
情報が知れ渡り、誘拐したものの中にフランスの国王がいると知った
時には当然生かして逃がすわけにはいかないだろうし、関与している
ものたちは保身のために証拠消しのために敵も味方もないというところ
だろうか。
■人との出会い
バカ国王など売り飛ばされろと小一時間だけど、そうも言って居られ
ない。
ドラマの中では3人のポイントとなるべき人物との出会いが有った。
その中にはルイの価値観を変えるに値する人物も居る。
・ペパン夫婦
シモーヌという女性の夫のペパン。途中で力尽きて倒れてしまう所も
有ったけど、ダルタニアンが助けることに。
誘拐犯は恐らくオンフルール港から出航するスペインのガレー船に
乗せていくと見られ、そこまでのルートとしてはエヴァールの森を通り
ルーアンから川を下り港へと行くのではないかとされる。
ペパンと夜に会話するシーンがあり、ルイはこのような奴隷貿易が
行われていることに憤りを感じていたが、ペパンからはフランス国は
知らんぷりしているので国王に陳情しても変わらないと語る。
ダルタニアンがフォローして公正で寛容で賢い人だとしていたけど、
ペパンの暴言は病まず、王は道化で宮殿で着飾り国民のことなど考えて
いないとしていた。市民の本音が聞けて、ルイも改心していくのか。
・ミレディ
何と言ってもダルタニアンやルイを助ける為に活躍してくれたこと。
ルメートルが回収したものの中に国王の指輪が含まれていることを
知ってミレディは初めてそこで国王が拉致されてきていることを知る。
ルメートルもまさか国王とは思っていないだろうけど、有力者を拉致
したとなるといつまでも友人や役人に頼んで捜査してくるだろうと
いうことで、厄介者だとしていた。指輪を奪ったルイの手を見ると
紳士の手だと見抜いて殺害しようとする。
ダルタニアンはそんな彼女見つけた時には「ミレディ・ド・ウィンタ
ーか。出世したな。新しい仲間にはすぐ飽きられるぞ。その後は?
場末の売春婦で客を取る惨めな生活をするのか」として協力を認めて
いた。
「助けたわよ、覚えておいて」と語る所が笑える。
ミレディはダルタニアンやルイを助ける。
オマケにキスまでしていたし、逃走してくることを見越して馬の用意
までして待っていた。恩赦を与えるというルイの言葉でまたパリに
戻れることになったのかな。
・ブルーノ
彼は全てはガスの仕業だとして情報を全て話してルイを助けることを
すれば恩赦が得られるということでみんなを裏切り助けることになる。
城にたどり着いた時には、ダルタニアンに対してお礼と称して
彼を殺す権利を与えるというルイ。しかし銃士隊を殺し屋ではないと
して断ったところ、またしてもルイがアホみたいに恩も忘れて怒り
始めた。ロシュフォールはあっさりと殺害。
■その他
・ルイはルメートルに正体を明かす
私はルイ、父はアンリ4世、母はマリー・ド・メディシス。
私は国王だ。私に対してこの扱いは許さない。
ルイはペパンに散々無能扱いされた際に、ダルタニアンに対して自分は
親を9歳の時に失い、教わるべきことを教わらなかったことを語っていた。
この時二人はちょっぴり親密な関係になったかと思ったんだけどね。
ラストの対応を見たらやっぱりルイだった。
・スペイン大使・ペラレスはルイ殺害を命じる
応援したくなるような相手だな。
ただロシュフォールはペラレスに対して、折角王妃の懐に入る
ことが出来たのだから・・ということでこれまでの計画通りにしよう
と語る。しかしペラレスはここでルイを殺してしまえば問題は一気に
片付くとし、王太子を巡ってアンヌがスペイン王・フェリペからの
お墨付きをもらって保護下のような形になる様、密約をもらう文章
に署名しようとしていた。
シモーヌに金を払う銃士隊
ルイとしては何とも思っていないのだろうな。
銃士隊がなけなしの金を集めてシモーヌの為に金を集めて、夫は
国王を守る為に立派に戦ったことを語る。
アラミス
この人完全にアンヌとの間の娘を自分の息子だと思い込んでいる様だ。
なんとかして子供に会うために行動を起こしている。
いつそんな事実が発覚してしまうのかな。
■使用された曲
■出演者
アラミス (Santiago Cabrera) 銃士、剣の腕、色男
アトス (Tom Burke) 銃士、リーダー、剣の一番の使い手
ダルタニアン (Luke Pasqualino) 銃士を志す青年
ポルトス・デュ・ヴェロン (Howard Charles) 銃士、パワー、情熱
トレヴィル (Hugo Speer) 銃士隊長
コンスタンス・ボナシュー (Tamla Kari) 下宿屋の女主人
ジャック・ミシェル・ボナシュー (Bohdan Poraj) コンスタンスの夫
ルイ13世 (Ryan Gage) フランス国王
アンヌ王妃 (Alexandra Dowling) フランス王妃
ロシュフォール (Marc Warren) 伯爵、リシュリュー枢機卿の腹心
ミレディ・ド・ウィンター (Maimie McCoy) 元アトスの夫人、元泥棒
ガス (Christopher Fulford) 酒場にいる男、
アンワーヌ (Chris Ryman) カードゲームでルイと勝負
ディディ (Anton Saunders) ルイたちを襲う
マルグレット (Charlotte Salt) 教育係
シモーネ・ペパン (Sandra Reid) 妻
ピエール・ペパン (Micah Balfour) 夫、ダルタニアンたちと共に拉致される
プパール (Brian Pettifer) 遺体安置所
ブルーノ・ルメートル (Stuart Bowman) 兄、鍛冶職人
セバスチャン・ルメートル (Brian McCardie) 弟、殺人で逮捕
— (Mark Penfold) Shipping Clerk
ペラレス (Will Keen) スペイン大使
— (Robin Browne) 司祭
アラベラ (Chelsea Grant)
ナバス (Olly Rix)
サマラ (Antonia Thomas)