第12話 後悔を抱いて O kela me keia Manawa(Now and Then)
脚本/John Dove
監督/Peter Weller
【ストーリー】
The Hideaway Bar。
ハワイ州ホノルルからラニ・リチャードソンがニュースを報道する。
ホノルル警察基金を通じて100着の防弾チョッキが匿名で寄付してくれ
た奇特な方がいるお陰でホノルル警察も笑顔だという。
バーのウェイトレスはこのバーのオーナー、ジャック・アンダーソンが
寄付していたのを知っていて、私の給料も上げて下さいよと語る。
そんな中バーには二人のタトゥーをした日系人が入ってくる。
バーではカップルがビリヤードで楽しむが、ボールが落ちてしまい
タトゥーの男の元に転がっていく。取って欲しいと頼むがそれを断る
と争いに発展しそうになる。ジャックはそんな二人のタトゥーの男を
店から出て行くよう告げる。
仕事が終わった後オーナーは駐車場に向かうとジャックは二人組に襲わ
れる。
●カナダ・バンクーバー
コノはレストランに入ると厨房に向かう。なんとそこには無精髭を生や
したアダムが働いていた。どうしてここが?来たらダメだというアダム。
しかしもう終わったとしてマイケルの仲間はもう居ないとし、復讐を狙
った人は死んだか刑務所だと告げ、隠れる必要はないという。
●ワイアルア キャンプ・アードマン ノースショア・チアキャンプ
ダノはグレイスをキャンプ場に送っていく。お泊まりの合宿でも有った。
“じゃあねダノ”というと、ダノはそれだけなのか?とし、世話してくれる
人に挨拶でもしないと・・と語る。しかしグレイスはみんな知っている
人でしょとしてここまでで良いという。携帯はリュックにあるし何か
有れば連絡するとしてグレイスはちょっぴりつれなさにショックのダノ。
スティーブは事件の知らせを受けて現場へ。
被害者はガス・ヤマダで地元のギャング。前歴有りでトラブルメーカー
だという。店のオーナーのジャック・アンダーソンがヤマダと連れを
夕べたたき出したのだという。ウェイトレスによるとオーナーは昨夜
午前2時に店を出たが、その後家には戻っていないのだという。妻が
捜索願を出していた。二人はジャックが出てくるのを待ち襲ったが
反撃されたのだという。ゴミ箱にはジャックの携帯が落ちていたという
鑑識。携帯の着信は奥さんのブリジットから何度もかかっていたが
最後の着信は奥さんではないという。スティーブは電話をかけると
なんと野次馬としてやってきていたルー隊長の電話に繋がる。
ルーはジャックとチャリティのイベントで知り合ったという。
ジャックは少年フットボールチームのスポンサーで互いにイリノイ州
出身のベアーズの話で盛り上がり仲良くなったとのこと。奥さんから
電話でジャックが戻らないので店に車が無いか確認して欲しいと頼まれた
のだという。ジャックは良い奴で社会にも貢献しているという。何が
有ったにせよ見つけないといけないというと、スティーブはルーにも
手伝ってくれと語る。
●ファイブオー本部
現場の血痕はデータベースにかけたらジャックのものではないという
フォン。血痕はデニス・コガのものでここ2、3年は暴行や強盗で
捕まって居たという。チンは病院に今朝深刻な打撲と骨折を受けた
患者が運ばれて来たとし、ホノルル病院に搬送されているという。
ヤマダが死んでコガは入院したのかというスティーブ。ジャックはどう
したのか。
病院に向かうスティーブに電話するダノ。
ダノは最悪だというと、たかが2日間のお泊まりだろうというスティー
ブ。タイムマシンが有れば戻りたいとし、スティーブとも出会っていない
頃に・・と。グレイスの無垢な魂がどんどん減っている感じだと
すると、スティーブは成長の証だろうと語る。解放してやれよと。
グレイスはお前が大好きなことには間違いないという。
ルーは電話を代わってくれというと、本番はこれからだという。
これからブラジャーを買いに行きたいから始まり、彼氏が出てくる。
子育ては悪夢だという。
ダノは給油中に電話していたが、女性(アンバー・ヴィターリ)に声を
かけられ、この道をいけば”ヘライオワ(Hale’iwa)”に出るのかと問われ
る。それは”ハレイワ”と読むんだと言うと、旅行に来たのかと問う。
ニューヨークから来た事を告げるとオレはニュージャージー州から
ここに来て4年だというダノ。彼女は新しくここでスタートしに来たの
だという。ハレイワに行くなら車で誘導してと言われるが、反対側に
行くんだというダノ。残念だとしながらも女性はありがとう”ジャージー”
と言って出て行く。ダノは考えるが、やっぱり彼女の案内すべきだろう
と思う。
ホノルル病院でコガを事情聴取する。
ジャックは何処なんだと問うが、弁護士が来るまで言わないという
コガ。ルーは弁護士なんて来ないとし、ファイブオーには総括的権限
があるんだと語る。スティーブに対してドアを閉めてくれというと、
コガを脅しにかかる。コガはガスが店でやられたので仕返ししようと
して待ち伏せしていたらガスがナイフで斬りかかったのに反撃された
のだという。滅茶苦茶強くてガスからナイフを取り上げもみ合っている
際に刺さったのだという。ジャックは何処に居るのかと問うと知らない
という。なんでそんなにケンカに強いのか。元軍人か?とルーに尋ねる
と、彼は無口なヤツで自分のことは話したがらないという。
普通なら正当防衛が成立するので現場に残って通報するだろうとし、
あるいはアンタに電話するハズだという。
ダノは女性を追いかけていくが、突然女性の車を追い抜いて誘導した
際に女性の車はフラフラし初めてついには事故で止まってしまう。
ダノは救急車の要請をする。カメハメハハイウェイ、カワイロアから800m
の場所で意識がないという。しかしダノは首の後ろに銃創があることを
見つける。すぐに心肺蘇生を行う。彼は救急車に彼女を乗せた後、
何が有ったのか辺りを調べると砂浜でキャンピングカーが多数止まって
いるのを見つける。
●オアフ島ワイアナエ カエナポイント
●オアフ島ワヒアワ・エヴァ森林保護区
●ノースショア ハレイワ湾
●マロヒ・イン
■感想
なかなか面白いエピソードだったな。
監督はロボコップ/Peter Weller。
S3-15に続いて二度目の監督。
最近スティーブとルー隊長が接近して、ダノとしては寂しいのではない
か。
ダノは娘のグレイスも成長して自分の居場所・自分の世界がチア部の
中に見出して、仲良くやっている。父親よりも友達を優先する時期に
入って寂しさを覚える。
複数のミッションを別々に来ないというパターンも出て来て、ダノは
単独で事件を追っていたし、ファイブオーとしてはスティーブとルー
がルーの知人であるジャックの消息を追うという流れが有った。
コノが世界巡りをしていたけれど、いよいよカナダのレストランの厨房
でアダムを発見。そのまま暫く滞在するかと思ったけど、ラストで
スティーブの家でルーの料理が振る舞われる中、突然二人がドアを
開けて戻って来た。
■人生をやり直す
これって普通に生きている人物だって難しいことなのに犯罪者ともなれ
ば尚更のこと。ジャックの中にはどんな過去が存在するのか。
そして如何にも怪しい人物としてダノにすり寄ってきたアンバー・ヴィ
ターリだけど、彼女もまた新しい人生をやり直す為に来たというし、
アダムとコノもまた第二の人生を始めることが出来そうな舞台が揃った
感じ。
そして何よりもルー隊長も過去にシカゴで何かやらかしているけれど、
スティーブと共に捜査する中でそのことを引き出そうとしたものの
「アンタとはまだそこまでじゃない」ということで聞き出すことは
出来なかった。
ジャックとルーが会話しているのを密かに聞いていた感じだけど、
残念ながら聞き出すことは出来なかった。
ジャックはこれまでの20年間教会に通い積極的に奉仕活動をしてきた
けれど肝心のことに向き合っていなかった。
婚約者をジャックによって殺されたマット・ヘイリーとしては絶対に
許せないものが有るだろうし、20年間怒りと復讐の為だけに生きて
来て、ジャックとしても反省と罪の償いの為に生きてきたのだろうけど
肝心の人物には償いをしていないという。
自分がマットの立場でも殺し屋を差し向けることはないけど、まず
許せないだろうな。ジャックがあまりに幸せな生活を築いている所も
有るし、また結局逃げた訳だしね。
アダムにしてもヤクザ連中だけが彼に怒りや復讐を考えている訳では
ないような気がする。彼の組織によって相当な数の家庭が犠牲になって
いるハズで今後ともヤクザを逮捕したからと言っても許されるもの
なのかという気がする。
そして何よりも殺そうとしたコガにだって妻子が居るということで
チンが司法取引の話を持ち出していた。
コガの取り調べに関してルーとチンの違いは性格として面白く現れて
いたと思う。
■人間は過ちを起こす
途中でジャックの件ではルーとスティーブが逆転するような立場で
相手のことを語っていた感じもする。ルーは裏切られたとする思いが
強かったのか。スティーブとしては軍人の仲間としての側面から
ジャックに同情したのか。
どうしても不可抗力で事件・事故から人を殺めてしまったり傷つけて
しまうということはあるハズだ。特に軍人とか警察官ならはその可能性
も高い。
一番の不幸は何の罪もないけど海の船から銃弾を陸に向けて発砲した
少年の銃弾が走行中のアンバーの首の裏をかすめて当たってしまった。
助かったので良かったけど、これで亡くなっていたら人生がまた
違ったものとなっていただろうね。
■スティーブとルーのやりとりは面白い
ダノとスティーブも面白いやりとりをするけど、この二人のやりとり
も意地の張り合いも有るし、どちらも頑固なので不器用さが会話の中で
面白く作用しているところが有る。
「シカゴは遠いよな」
「林じゃ役立たずという意味か?」
「”森”を知っているものならばノホマリエの前に立ったりしない。猛毒
だ」
「森にいると心がオープンになり世界が違って見える」
「今度は禅の講釈か?」
「親切で捜査に参加させた訳じゃないんだろう」
スティーブとしてはジャックがまず頼るのはルーだと考えて、ルーが
ジャックを逃がすことに手を貸したりしないかとか、捜査(司法)妨害
をするのではないかということで、同行させたことがバレていた。
冒頭では本当の意味で協力を求めたのではないということを見透かされた
けど、実際にはダノはノースダコタにいてキャサリンは予備役で居ない
ということで人数が足りなかったことも語っていた。
■使用された曲
・Hawaii Five-0 Main Title Theme by Brian Tyler
・Doom and Gloom by The Rolling Stones
・Can’t Get Enough (feat. Pitbull) by Becky G
■出演者
スティーヴ・マクギャレット (Alex O’Loughlin) 元シールズ部隊
ダニー・”ダノ”・ウィリアムズ (Scott Caan) 刑事
チン・ホー・ケリー (Daniel Dae Kim) ホノルル警察の元刑事
コノ・カラカウア (Grace Park) チン・ホー・ケリーの従姉妹
Dr.マックス・バーグマン (Masi Oka) 検死官
カマコナ (Taylor Wily) 友達、エビ店
sgt.デューク・ルケラ (Dennis Chun) 警察官
キャサリン・ロリンズ (Michelle Borth) 海軍情報局・大尉
ルー・グローバー (Chi McBride) SWAT隊長
チャーリー・フォン (Brian Yang) 鑑識
グレイス・ウィリアムズ (Teilor Grubbs) ダノの娘
フリッパ (Shawn Mokuahi Garnett) シュリンプ店
アダム・ノシムリ (Ian Anthony Dale) 元ヤクザ
ジャック・アンダーソン (Karl Makinen) 元グリーンベレー、強盗の運転手
ブリジット・アンダーソン (Laurie Fortier) ジャックの妻
ジャスティン・アンダーソン (Spencer Churchill) 息子
デニス・コガ (Eugene Shaw) ギャング、生き残る
アンバー・ヴィターリ (Lili Simmons) ダノが知り合い助ける
ガス・ヤマダ (Zeus Kang) ギャング、ジャックを襲い返り撃ちに・・
アドリアン・ポー (Michael Ray Clark) 海岸でモデルの撮影
アレックス・ロバーツ (Nick Hoffa) ジョンの父、沖で釣りをしている
マット・ヘイリー (Zay Harding) ジェシカの夫、20年前ジャックに轢かれる
— (Jennifer Fairbank) バーテンダー
ラニ・リチャードソン (Mahealani Richardson) News Reporter
— (Nicholas Yee) CSU Tech
— (Joanna Georgiev) 少女
— (Ekona Ravey) ボーイフレンド
— (Mark Malalis) 救命