第15話 復讐の薬きょう Hookman
脚本/Glen Olson
Rod Baker
Joe Halpin
監督/Peter Weller
【ストーリー】
ケースを持つ男は見晴らしの良い墓を通りケースの中を開けてライフル
銃・308 DRD パラタススナイパーライフルを組み立てる。
白バイに先導されて車両がやってくると、男は白バイ警官のベン・
キオキを射殺する。後続車はそれで止まるのだった。
スティーブたちは駆けつけると撃たれたのは警察官なのかと問う。
ホノルル警察のものだとし、葬儀を先導していた白バイ警官のキオキ
だという。スティーブはベン・キオキかと問うと、ダニーは知ってい
るのかと問う。スティーブは家が近所で父と仲が良くて叔父代わり
だったという。チンはキオキは欲が無く、昇任試験も受けずとにかく
マジメな人だという。コノもぶれない人だったと。
そんなチンとコノは狙撃したであろう三脚の跡と靴跡を発見する。
そしてそこから薬莢も見つかる。
ダニーは誰の葬儀だったのかとして、トラブルを抱えていたとか
流れ弾が当たっただけではないかという。しかしチンが薬莢を持って
くるとキオキの名前が彫られている事が分かる。警察を暗殺する
するなんて異常だというスティーブ。
オオカラによるとキオキはいつも車の運転を嫌がっていたのだという。
彼に聞いたら信号を気にしていたら通りの様子が把握できないと。
しかしその2年後に分かったが、彼は元々運転できなかったのだという。
従兄弟が陸運局に居て実務無しで免許を出してもらっていたこと。でも
スティーブの父が運転を教えていたという。白バイになると決めてから
運転も出来ないのに警察学校に入ったとのこと。余程警官になりたか
ったのだろうと。誰かと諍いはあったのかと問うと、沢山の人物を
逮捕したのでそれは否定出来ないが、大抵は家庭のゴタゴタとか薬物
問題くらいだという。犯人が分かったらこの手で殺したいというオオカラ
に気持ちは分かるというスティーブ。やられたらやり返したい古い
人間なんだと。金銭トラブルなど無かったかと尋ねると借金はない
ハズでプライドも高かったという。スティーブは父さんソックリだと
いうオオカラはそんな彼が捕まえるというのであれば信じると語る。
チンは犯人は全体を見通せる位置にいて車を待っていたと語る。
180mの距離から発砲してくるなんて凄腕だという。しかし何で公
の場所で起こしたのか。ニュースにしたかったのかも知れないという。
マフィアとか軍人なのか。チンにFBIに同様の事件が無いか調べて
欲しいと語る。過去にキオキが逮捕した人も調べないと行けないと
いうダニー。薬莢はスナイパーの名詞であり、残した理由は二つ
あるという。自分の犯行を認めること・・愉快犯だということ。
そして何人殺す予定なのかだと。
犯人のストーナーは警察無線を傍受して動きを気にしながら銃弾の
薬莢に彫り物をしていた。
コノはチャーリーの元に行くと薬莢から指紋は出たかを尋ねる。
指紋はなくスナイパーが拭き取ったか手袋をしていたのかと。
彫り方にはクセがあり文字に乱れがあることから機械ではなく手で
彫っていたこと。古いやり方だと。文字を彫る書き順にもクセがあり
「o」の文字は普通上を始点にし終点にして結ぶが、この犯人は下から
「o」を書いているという。それはユニークな特徴だとし、FBIのデータ
ベースを調べてもらっているという。しかし時間がかかることだと。
その口径の薬莢はあらゆる銃に使われていること。見た目はかなり
磨かれていることから本来の色とは違うのかも知れないと。犯人は銃に
詳しく科学にも強い。改造したら薬莢と薬室のフィット感も違ってくる
ので弾道だって変わるという。細工は難しいもので銃の改造が得意な
その手の人間を捜してみれば良いというコノ。チャーリーはボクのお株
を奪って首にする気かと語る。その笑顔とお別れなんてねとコノは
ジョークを語る。
マッキニーに対してストーナーは銃を売る。ライフル銃なのかと
マッキニーは不満に思うが足の付かない銃が欲しいのだろうと語る。
これしかないとするとこれでは持っているだけで目立つという。しかし
それでもマッキニーは買うとすると、組み立て方をよく見て居ろと
語る。
■今回の事件の概要
・葬儀を先導中の白バイ警官がスナイパーによって殺害される。
・殺されたキオキは人格者で人望も厚く、生真面目な人だったとの事。
・オオカラはキオキと同期の古株でスティーブの父のこともよく知って
いた。古い世代の人間なので、復讐したい事を語る。
・スティーブはキオキとは隣人で叔父のような存在だったという。
海外から戻ったらすぐに遭いに行きたかったがいつでも行けると
思いつつ結局それが叶わずにいたこと。
・密告がありスナイパーがここにいるという。2年前に島に来た麻薬の
売人のドン・マッキニー。スティーブは投降を呼びかけるがライフル
を乱射してきたために強攻策。しかしその裏でオオカラがスナイパー
に殺されていた事が判明。
・通報してきたのはプリペイドカード。
・オオカラとキオキと犯人の繋がりを調べていくことになる。
■感想
何といっても今回は80年代末の映画「ロボコップ」シリーズの
アレックス・マーフィ巡査役兼ロボコップを演じたPeter Wellerが
主演、そして監督を務めたエピソード。2000年までは映画畑の人だっ
たんだけど今ではドラマ界に転向。まぁもう年だしね。
Hawaii Five-0でも6つのエピソードで監督を務めており、これが最初
の監督。
私のレビューした作品でも「The Last Ship」「Under the Dome」
「Dr.ハウス」「ラスベガス」「名探偵モンク」などで監督業を
しているのでもうお手の物という感じだろうか。
ロボコップだとオムニ社の下で働いている犯罪者のKurtwood Smithが
演じたクラレンスたちに一度は殺されたけど、生き返えらせられて・・
って感じの展開だったけど、この中でのPeter Wellerが演じた
ストーナーは、20年前に今回殺害していくものたちに銀行強盗を
して際に手を失ったことになっている。
スナイパーを敵にすると流石に何処から狙われているか分からない
ので怖いのよね。前回のエピソードでも議員の秘書エイミーは
スナイパーによって殺害されていたし・・。
ただ白兵戦になれば正直そんなに強くないだろうし、ましてや今回
のようなカーチェイスシーンに於いては義手なのにそこまで操縦できる
のは不自然だろうとか、周りを見渡せられるような海に沈んだのに
何処に消えたか分からないなんて違和感があるだろうとか、塗装業者
を殺害していたけれど、義手で締め上げていた辺りもちょっと強引
かなって感じもしたけど、ある程度は仕方がないかな。
今回は20年前の事件がベースになっているので、どうしても高齢者が
目立った。
スティーブの父親が解決した事件だったけど、その割を食ってスティ
ーブが狙われることになる。父の仲間世代の人達が次々殺される中で
最後に倒したところで、父親がスティーブの目の前に幻影として
現れた。子供が父親を越える日というのが来るかどうかはその人それ
ぞれだけど、少なくとも成長する姿を見せられたという事を示す流れ
が有った様だ。
相変わらずスティーブの無茶ぶりがあり、スナイパー相手に囮をしたり
強行突破したりと、スティーブらしさとそれを抑制しようとするダニー
らしさが健在。
「SWATに敬意を払って邪魔しないで!」というダニーの言いぐさが
面白かったし、最後はかつてスティーブの父親たちがチームで銀行強盗
を捕まえたように、ファイブオーのチーム戦術で、コノにストーナー
を射殺させるところなど命の賭けに出るところは凄かったね。
「好きにやれ自己中」とダニーも呆れていたけどね。
「何のマネだ、スカーフェイス気取ったのか?」(danny)
「オレのこと心配だった?」(st)
「車のことだよ」(danny)
「オレって変?」(st)
「お前は変だ。地球には心配なことがいっぱい。お前のことまで心配
していたら体が持たない」(danny)
銃器店の銃マニアのノームとダニーが言い合っている姿も印象的で、
「銃がなきゃ殺しもないだろう」とするダニーのセリフは今の
アメリカ全体に言える事なんだろうね。
■使用された曲
・Hawaii Five-0 Main Title Theme by Brian Tyler
・Every Day Is Exactly the Same by Nine Inch Nails
■出演者
スティーヴ・マクギャレット (Alex O’Loughlin) 元シールズ部隊
ダニー・”ダノ”・ウィリアムズ (Scott Caan) 刑事
チン・ホー・ケリー (Daniel Dae Kim) ホノルル警察の元刑事
コノ・カラカウア (Grace Park) チン・ホー・ケリーの従姉妹
Dr.マックス・バーグマン (Masi Oka) 検死官
カマコナ (Taylor Wily) 友達、エビ店
チャーリー・フォン (Brian Yang) 鑑識、科学捜査
Sgt.デューク・ルケラ (Dennis Chun) ホノルル警察
カート・ストーナー (Peter Weller) 義手のスナイパー、20年前に銀行強盗
ドン・マッキニー (Charlie Murphy) 麻薬の売人、ストーナーから銃購入
ノーム (Max Weinberg) 銃器店
ジョン・マクギャレット (William Sadler) 父
サム・デニング (Richard T. Jones) 知事
トロイ・オオカラ (Norm Compton) キオキの同期、ホノルル警察
ベン・ケオキ (Grant Patrick Moniz) ホノルル警察・白バイ隊
— (Terry Plunkett) Proprietor
— (Paul Edney) Bank Customer