第6話 選ばれし者 Chosen
脚本/Wendy Riss
監督/Bradley Walsh
【これまでのストーリー】
ノストラダムスは御者の話ではペイガンは儀式で生き血を捧げている
とバッシュに語る。あんたに儀式を妨害され彼らは黙っていないと
いう。オリビア・ダーマンクールが宮廷にやってくる。バッシュは
メアリーに対して君が来る数ヶ月前に去ったとし彼(フランソワ)の方
が失恋したのだという。オリビアはカトリーヌにフランソワと結婚
したいかと問うと、彼女は王妃に私の事が嫌いではなかったのかと問
う。言いなりに出来ない王妃よりは良いという。オリビアはメアリーに
対して彼が何を望んでいるのか私の方がよく知っていると語る。
メアリーはフランソワに対してオリビアと何かあったのかと問うと
途中で辞めたという。それを聞いたメアリーはオリビアを余所にやって
くれというが、オリビアはここで預かるというフランソワ。
メアリーは失意の中酔ってバッシュの元にいく。フランソワが君の
ことを何故真っ直ぐ見ないのか分からないというと、メアリーは彼に
キスをする。それをみて居たフランソワ。
【ストーリー】
バッシュはお前も仲間なのかとしてこの怪物め!と言う。ペイガン
は俺たちへの借りを返すようバッシュに告げる。誰かを生け贄にして
差し出してもらうと。断ったらどうなるのかと問うと俺たちが生け贄を
選ぶだけだという。そんな夢から目覚めるバッシュ。
一方メアリーも目覚めると枕の横にネックレスが置かれていることに
気がつく。
オリビアはフランソワを見つけて声を掛ける。彼はこれから父上が
パリから戻るので出迎えにいくというと、オリビアは私も一緒に・・と
語る。父が留守だと家臣が群がるとし、陛下に何かあれば政務を
引き継ぐからだと語る。飛び降りた森の若者の件も話有っていたのか
と問われる。遺族を捜すのに苦労しているという。それが私を避けていた
理由なのかと問うと、あの時のことが後ろめたいのかと言われる。
私は正直に気持ちを言っただけというオリビア。あなただけを待ってる
女も居るとし遭いたくなってらいつでも部屋に来てという彼女。
オリビアはカトリーヌに努力していることを語る。
貴方ほどのビジョが男を落とせないなんてという王妃。彼はメアリー
を愛しているからだというと、悪い噂を絶ちたくないのかという。堂々と
婚礼を挙げて子供をもうけ、あなたを娼婦呼ばわりする連中を黙らせた
ければ王太子妃になりなさい!!というカトリーヌ。何が愛ですかと。
メアリーと4人の女官たちは陛下を迎えるために外に出てくる。
ケナに対して今日は特別にキレイねというグリアは誘惑したい人でも
いるのかと問われる。ケナは困っているところメアリーが話しかける。
あなたは元がキレイなのだからそのままでも良いのにと。
ケナはメアリーに対してみんなにも王との関係を話そうかと思っている
と語る。しかしメアリーは少し待った方が良いとし陛下とは暫く遭って
いないのでしょと。パリに出かけたのはディアーヌと別れる為よという
ケナ。慎重に行動してねというと国王は気まぐれで王妃だって無視
出来ないのだという。忠告は必要無いというケナは私だってバカでは
ないという。
バッシュが視線に入るとメアリーは話しかける。
キスの件で話したいメアリー。私はあの時酔っていたとし貴方も
酔っていたのでしょと問う。オレも後悔していると言ったら気が楽なの
かと問われる。君が弟の婚約者で残念だとし、しかし幸いにもあの時
のことはアイツは気づいていないという。しかしメアリーはケンカして
から私を避けているみたいだとし関係を修復したいのだという。
何が言いたいのかと問うと、贈り物のことだというとネックレスを
見せる。しかしネックレスのことは知らないというとメアリーはてっきり
キスした後なのであなたかと思ったという。今朝枕元に遭ったのだと
いうと、それを見たバッシュは同じネックレスを見たことがあるという。
メアリーはフランソワの姿を見て話しかける。御加減を聞くと元気だ
という彼に対して私はダメだという。オリビアのことで余計なことを
言って謝りたかったという。他に謝ることは?と問うが・・
そんな中国王の馬車が入ってくる。
隣にはなんと別れたハズのディアーヌの姿が遭った。
ケナは国王の前に躍り出て行こうとするのをメアリーが止める。
別れると言っていたのに・・と。
そんな中バッシュはフランソワとメアリーに大事な話があるので来て
くれと語る。
ネックレスの件で、先日落下した若い男が身につけていたもので、
彼らはオレに貸しがあるとしたこと。彼らの血の儀式を妨害したと思っ
ていてペイガンが言っていたという。もし生け贄に誰か差し出さなけれ
ば彼らが選んで殺すと。森の中でそんなことが有るのかというメアリー。
異端の者の儀式ねと。危険な奴らだとすると、メアリーは私が選ばれた
のかと問う。連中は何故か君を脅せば兄貴が苦しむと考えたのではない
かとフランソワ。今はそんなことよりもメアリーの寝室にネックレスを
置いた人を突き止めようという。衛兵を外に立たせるという。
森に行く狩人や衛兵たちからも情報を聞いて見るとするバッシュに対して
メアリーも召使いたちにネックレスを持ち込んだ人が居ないか聞いて見
ると語る。メアリーに危険が及ぶくらいならば生け贄を助けなかった
というバッシュ。その事で咎めたりしないというフランソワは自分でも
そうしたという。それなら何が気に入らないのかというバッシュに対して
兄弟なのに秘密が多い事だという。
メアリーはサラから話を聞く。ネックレスのことは知らないというと
召使い達にも誰か見知らぬ者をみて居ないか話を聞いてみてと告げる。
ケナは王の部屋に押し入る。王の衛兵は止めるが・・
ディアーヌとは別れると言ったハズだというケナ。私は約束通りにした
という国王。隣においでという国王は、確かに王の隣に立つことは特別な
ことだという。しかしお前は王を後ろに立たせ更にひざむかせるとして
彼女の脚に触れる。何故彼女をここに連れてきたのかと問うとディアー
ヌは離れに移り住むという。お前が愛人であり彼女とは友達であり
息子の母親なんだという。この城の敷地は広大だとし、ディアーヌは
これから建築家を呼んで改修するそうだという。彼女とはもう終わった
とし今はお前がいるとしてだから一緒にいてくれという国王。
■概要
・国王の宮廷にはオリビアが出戻りしてくる。彼女はメアリーが来る
前にここを立ち去った人物で、彼女は婚約が決まり、フランソワを
振って出て行った形だが、フランソワと関係を持っていたという噂が
出回り結局その縁談は破談に終わっていた。
・ノストラダムスからはメアリーと息子のフランソワが結婚すれば
息子を失うことになると予言を受けたカトリーヌ。そんな彼女は息子
との結婚相手をメアリーてせはなくオリビアに求めようとする。
・そんな中彼女を救う過程でバッシュは森の中で殺されそうになって
いた生け贄を助けたことで、それを行う異端のペイガンら異教徒のもの
たちによって、借りを返さなければこちらが選んだ相手を殺して生け贄
にすると言われる。
・そんな中その生け贄として選ばれたのはペイガンのネックレスが
枕元に置かれていたメアリーということになる。
■感想
権力者たちのエゴが目に余るところがあり、そのエゴによって振り回
されるものたちの心情穏やかなものではない状況が描かれる。
先日まで起きていたメアリーとフランソワの流れが、国王とケナの
流れに乗り移ったみたいな状況に有り、権力者たちは女性たちが
何を不安・不満に思っているのかをまるで理解していない。
突っ込み処は多いけれど、「あなただけを待っている女も居る」という
オリビアのフランソワへのセリフは、あんたが彼を振って出て行った
のに、娼婦呼ばわりされて戻って来た彼女の都合の良いセリフにしか
感じない。元々一緒にはなれない関係だということを前提に付き合って
いた事情があるにせよ、なんて身勝手なヤツだと。
そもそもフランソワにしても個人ではなく、フランスという国の為に
誰と結婚するかで決断を出せずにいる状況なのに、行き場もないオリ
ビアと結婚することがフランスにとっては一体何の意味があるんだ?と
小一時間。カトリーヌもそんな彼女と息子を結ばせることが出来ると
思っているのか?
そんな悩みを知ってか知らずかメアリーはフランソワと仲を悪く
する程に、バッシュとの関係が近づいていくところは今後の展開を
より複雑にさせていきそうだ。
ドラマとしては、なんだか「カインとアベル」のような状況になって
行きそうで怖いな。
ドラマとしては森の異端児、ペイガンなどについて触れていく。
ヒッピーのような人たちなのだろうけど、異端も度を超えると怖い。
このドラマは今後ファンタジー要素が有るのかどうか分からないけど
クリーチャー的創造物が出て来たりもいるのだろうか?
ペイガンと城の中に居着いているような影の存在/幽霊との因果関係
も気になってくるな。
■安心と不安
ペイガンについてはwikiなんかに詳しく書かれているので以下略だけど、
一つ安心したのはバッシュがそもそも異端として生きる道を選んで
いた訳では無いこと。森の謎に関しては、バッシュが何かを隠して
いる為のものではなく、寧ろペイガン/異端者の集まりを知って
いて、近づけば危険だということを理解していて守る立場でいたこと
だった。
不安要素としてはディアーヌが元々ペイガンとして異端者として生活
していたこと。当時のペイガンはそういう過激な行動や奇異なことは
しない集団だったけど、カトリック教徒たちに迫害されたり、侮蔑され
ていくウチに反発心のような形で、元々の存在意義をねじ曲げてしまった
人達なのだろう。
自分たちを気味の悪い存在のように写せばある意味では敵対するもの
たちを森に近づけないように出来ると思ったところから派生していった
のかもしれない。
しかしきっかけはともかく一度は異端として母親が行動を共にしており
そのペイガンを一つの宗教として見るとすると、改宗したからと言って
も信用されるか分からないし、信念的宗教的なものはその人を構成する
最も根底にあるものでもあると思うので、なかなか他人に言われても
変わるものでもないとは思う。
■4人の女官
今回はあんまり4人を分けて言及する程には活動していなかった感じ。
ローラは最も目立たなかった人物だし、グリアは今回厨房の人物の中に
メアリーにアヘンを盛った人物が居た為に、彼女が好きなレイス辺り
は疑われてヤバイことになるかと思ったけど登場すらしない。
ベイビー顔のエイリーももう少しカトリーヌによって操られるのかな
と思っていたけど、そういうシーンは一切無かった。
何と言っても一番目立っていたのはケナか。
みんなに国王の愛人の立場であることを話すことになった。
メアリーはケナのことを心配するあまり色々と忠告するが、恋する彼女
の耳に届くはずもない。
ケナはフランソワのオリビアに対して扱いと同じくして、国王の
ディアーヌに対する扱いとの差異に憤りを感じていたし、そもそも彼女
が近くに居ることになって不安が尽きない。
床に刻まれているタイルのHとDはアンリとディアーヌという意味で、
ローラは二人の愛は永遠に変わらないという意味だと指摘していた。
■変わらない人たち
愛は永遠には変わらないというけど、愛と言うよりも絆とか因縁めいた
ものはなかなか変わりたくても変われないものってあるのだろうね。
国王は相変わらず安っぽい花火を利用してケナの心を取り戻しつつも
ディアーヌとの関係は続けていく感じ。
フランソワの主張は最もなところと笑えるところが有った。
「人を思いやり冷静に考え国々を率いなければならない。怒りや嫉妬心
があれば正しい判断が出来ない。だが必ず誰かの邪魔が入る。」
「フランスは利益がないとボクは結婚出来ないし、スコットランドに
とってもっと良い取引が有れば君はそれを選ぶ。」
「一番辛い選択をしなければならない。両国の思惑が一致すれば晴れて
結ばれるが、でもそれまでは君は他のヤツと好きにしろ。ボクは
受け入れる。」
「暫く二人とも距離を置いた方が良い。例え君を他の男の手に委ねる
ことになっても構わない。誰でも良いが兄さん以外なら・・」
フランソワってメアリーが他の人物とは関係を持てない立場の人物だ
と知って、自分は誰と浮き名を流しても大丈夫だと分かってそんな
ことをしている感じだよな。都合良く正当化しようとしているけれど、
オリビアと単に関係を進めたいだけのように見える。
メアリーにとっての不徳とするところは何と言ってもバッシュとキス
したこと。それをフランソワに話す機会が有ったにもかかわらず話せず
にいたところなんだろうけどね。
■ペイガンたちの怒り
今回はバッシュが儀式を止めた為にペイガンたちの怒りに触れ、そして
何故かメアリーが狙われるという状況に陥ったが為に犯人捜しになる。
元々このフランス宮廷にはメアリーに敵対するような行動を取る人が
多かったことも有り、今回はペイガンまでもがメアリーに刃を向ける
のかと・・。
最初はネックレスから始まり、まるで映画「ゴッドファーザー」の愛馬
の首をベッドに置いて警告するシーンのようにして鹿の顔がメアリー
の部屋に置いて有った。
カトリーナの近くに居た衛兵のロベールは制服のサイズの違いから
犯人の一人だと推察され、そしてこれまで時々登場していたサラ
というフランス宮廷の召使いがペイガンだったということで、
その証拠は手についた漆のかぶれ跡から判明する。
しかしペイガンへの生け贄は囚人のサムソンが犠牲にされるのか
と思ったけど、結局現れたペイガンを返り撃ちにして生け贄として
捧げた。ペイガンのものが生け贄となっても人数さえ合えば良いって
ことなのか?
■オリビアは強敵だ
メアリー役のAdelaide Kaneさんはとても可愛い人だけど彼女がブルネ
ット系での美形ならば、オリビア役のYael Grobglasはブロンド系
の美少女。Yael Grobglasさんはフランス系の父とオーストラリア系の
母で、キャリアはイスラエルの女優として始まった方みたいだね。
ケナ役のCaitlin Staseyさんをみて居ると、自分には「ビクトリアス」
のトリー役のVictoria Justiceに見える。
■使用された曲
・Silent Treatment (William Orbit Mix) by The Joy Formidable
・Tookah by Emiliana Torrini
・Bottled Up Tight by Luke Sital-Singh
・Nomads by Joe Banfi
・All You Leave Behind by Hannah Cartwright & Ross Tones
■出演者
メアリー・スチュアート (Adelaide Kane) スコットランド女王
キャサリーン・デ・メディチ (Megan Follows) カトリーヌ王妃、イタリア系
セバスチャン・デ・ポワティエ (Torrance Coombs) “バッシュ” フランソワ
の異母兄。アンリ2世と愛人との子
フランソワ (Toby Regbo) フランス王太子。次期国王
エイリー (Jenessa Grant) スコットランド人。メアリーの幼なじみで女官
グリア・ノーウッド (Jenessa Grant) スコットランド人。メアリーの幼なじみで女官
ケナ (Caitlin Stasey) スコットランド人。メアリーの幼なじみで女官
ローラ (Anna Popplewell) スコットランド人。メアリーの幼なじみで女官
アンリ2世 (Alan Van Sprang) フランス国王、スコットランドとの同盟
ノストラダムス (Rossif Sutherland) 医師で占星術師、カトリーヌの息がかかる
オリビア・ダーマンクール (Yael Grobglas) 貴族の娘、家族で城に住んでた
ディアーヌ・デ・ポワティエ (Anna Walton) 国王の愛人、ペイガン
— (AJ Vaage) Young Man / 自殺
サラ (Katy Grabstas) メアリーの召使い、ペイガン
— (Allan James Cooke) 国王のガード
ロベルト (Thomas Mitchell) 衛兵、ペイガン
— (Anthony Ulc) Jailer
サムソン (Christopher Redman) 囚人
オデット (Zoe Cleland) 密告する厨房スタッフ
— (Michael Bradley) Catherine’s Servant
— (Wayne Ward) Blood Priest