第2話 別れのキス Forget Me Not
脚本/Ben Watkins
監督/Jeffrey Donovan
【これまでのストーリー】
ストロングは仲間を助けたいならこの仕事を引き受けるしかない。
潜入捜査で君が近づくのは潜伏中のテロ組織のリーダー、ランドール・
バークだとマイケルに語りドミニカ共和国の任務に就かせる。マイアミ
に居たサムは何でマイケルを嗅ぎ回っているヤツがいるのかとする中
マデリンはチャーリーの親権を獲得するために児童局でギャンブル相手
に息子さんの情報を聞かせて欲しいと言われ政府の仕事に就いている
としてCIAだという。サムはジェシーと共に男のアジトを調べると
偽造IDがありそこには児童局のIDも有った。フィーはマデリンに遭う
と面接でマイケルのことを聞かれなかったとして、その男は何を聞いて
来たのかと問う。
【ストーリー】
サムはマデリンに対してFBIに行ってもマイケルの消息は分からないと
言うだけだという。政府機関に片っ端から電話したが何も分からない
としていること。マデリンは直接行って自分で確かめるという。
サムはマイケルなら大丈夫だというが、マデリンは知りたいのは真実
だと語る。ジェシーは計画はあるのかと問うと押しかけるだけなら
門前払いされるだけだと語る。あの男を捕まえるのが一番早いとし
フィーとカルロスが知り合いに当たって情報集めをしてくれたという。
本名はデクスター・ギャンブルだということ。
じっとしていてくれとし俺たちが付いているとサムは言うが、マデリン
は眠れないし喉も何も通らないのだという。息子が殺されたかと思う
と・・でもチャーリーは連れて行けないだろうとし怖い思いをさせる
というジェシー。そんなチャーリーに対してストリックランドさん家
で待っててと語る。
マデリンは連邦ビルにいく。
『警戒心と被害妄想は紙一重だ』
マデリンは駐車場に不審者を見る。急いでエレベーターに乗りホッと
したのもつかの間、下っていたハズのエレベーターがまた上に戻って
いく。マデリンは焦る中、ドアが開くとそこに居たのはマイケルだった。
マイケルはマデリンを落ち着かせると、落ち着いてちゃんと話したい
とし、人に見られるとマズイのだという。あの男のことでしょという
マデリンに対してCIAの仕事をしていると喋っただろうという。他の誰
ともこの事は話せないのだという。心配なのは知っているし、みんな
の動きも監視しているという。潜入中には誰とも接触する訳には
いかないんだと語る。業務命令なんだとしマイアミには居ないことに
なっているのだという。それなら何故来たのかと問われると、オレの
ことを聞いて回っているからだとし辞めさせる為だという。やってみに
うと困るのだという。黙って待っていて欲しいとすると帰ってこなかった
ら?と問われる。もう行くよというと息子を抱きしめることは許されて
いるのかとしてハグした後別れる。
マイケルはCIAのストロングと合流すると母は納得してくれたと語る。
これでギャンブルの件に取りかかれるなというと、復帰祝いだとして
彼からスナイパーライフルを渡される。すぐに使うことになるだろう
とし、君の仲間はよくやってくれてるという。仲間と動いた方が
作戦は上手く行くというマイケルだがそれは絶対にダメだというストロ
ング。仲間に会うためにリスクを背負うのはゴメンだという。従うのが
嫌なら我々が全てをやるというストロング。そしてドミニカに帰れと
言われ仕方なく言うことを聞くマイケル。
『スパイの監視ではターゲットと人間としてではなく行動記録の中の
データとして見る』
フィーとカルロスは仕事の話をしていたが、マイケルのことが優先
だという。君が未だにマイケルにつけ回されているのはムカツクが
仕方が無いというカルロス。そんな会話を監視していたCIAたち。
『親しい人間の監視で最も難しいのは客観的でいることだ』
フィーとカルロスが親しくしている姿を見てマイケルはふとフィーとの
出会いを思い返す。
— 2001年・アイルランド・ダブリン —
とあるバーで飲み比べしている大男とフィー。マイケルはカウンターで
飲んでいると彼女は何というのかとバーテンダーに尋ねる。彼女は
フィオナ・グレナンだがヤバイ女だという。悪い事は言わないので手を出
すなと言われる。
— 現在 —
フィーはリコに電話でギャンブルのことを聞く。
情報料は300ドル。オレのいとこに5千ドルで奏子を借りた男が居てそい
つに似ているという。ノースリバー通りにある車体工場だという。
ストロングとマイケルは先に君の仲間に調べさせようとしその後CIA
が調べるのだという。
サム、ジェシー、フィー、カルロスは凄い勢いで現場にやってくる。
しかしその倉庫では2人の男が4人に向けて発砲してくる。まさか二人
も居るなんて・・マイケルは相手は自動小銃だとして今の4人の装備
では勝ち目はないことを語る。やられたら任務はパーだとしてマイケル
にはみんなに見られずにやれというストロング。
『スナイパーが理想的な条件下で15m先の的を撃つ場合平均命中率は
100%に近い。的が見えていれば・・』
4人は銃弾が尽きて一人を殺害していたがもう一人が激しく銃弾を
撃ってきていた。残りの弾が無くなっていた彼らはジェシーと
カルロスで囮になって突っ込むのでサムに援護してくれという。どちら
か一人は突入できるだろうと。しかしいざ突っ込もうとした瞬間に
マイケルが遠くから狙撃する。みんなは神でも現れたのかと呟くが
フィーはマイケルが何処かに居るのではないかとして後ろを振り向く
のだった。
『スナイパーはたった一発の為に何時間、時には何日も待ち続ける。
しかし現実を忘れる瞬間もある』
『誘拐の被害者救出は時間との戦いだ』
『作戦が失敗して誰かが危険にさらされると様々な疑問が頭をよぎる。
原因・方法・自分の責任か?』
『スパイは何が起ころうと正体をバラしたりはしない』
『人質事件では戦術データが何よりも重要だ。侵入経路・死角・犯人
の逃走ルート・味方の攻撃力』
■概要
マイケルは仲間の釈放と引き替えにCIAの極秘捜査の為にドミニカ共和
国でテロ組織の潜入を行っていた。しかし当面のターゲットにしている
ランドール・バークと組んでいるパブロはマイケルのことを信用して
いなかった為に、マイアミにいる仕事仲間のデクスター・ギャンブル
に頼んでマイケルの正体を突き止める。デクスターは上手くマイケル
の家族・友人に接近して、マデリンからは息子が政府の仕事について
いるということを引き出していた。マイケルはバレたと考えてすぐに
パブロを殺害するが・・デクスターの正体を掴んで情報が漏洩しない
為にも一刻も早く処理する必要が有った。バークの次の仕事が入るまで
にマイケルはマイアミに戻ってギャンブルを片付けようとする。
■感想
フィーとマイケルがアイルランドで知り合ったということは言葉では
耳にしていたし、フィーには家族が居ることとかマイケルがフィー
を助けたことなどセリフでは聞いていたけれど、今回は2001年のアイル
ランドに遡り、映像として二人の出会いが描かれた。
マイケルが9ヶ月ブリに見るフィーの姿。
新しい恋人が出来ていることにショックだけど、マイケルは彼らを
助ける為に任務を重ねている。これまでは自分を破滅に追い込んだ
組織に復讐する為に自分の為の戦いだったけど、シーズン7は友達の
為の行動なんだけどね。
その真意は一応似たような経験・体験しているジェシーとかサムには
伝わるところが有り、マイケルには言えない事情が有るということも
察してくれている。しかしフィーにはそれが伝わっていてもこれ以上は
待てないとして新たな道を進んだのか。少なくともこれまで、これだけ
一緒に行動してきた人物をそう簡単に忘れられるハズもない。
マイケルが本当にスパイとしての仕事を辞めてマイアミに留まること
になった時には果たしてどういう状況・気持ちになっているのか気に
なる。
■愛は片思い?
愛情を感じているのは特にマイケルとフィーとの間だけでない。
何よりも一番絆や愛情を感じているのはマデリンなのだろう。
一見するとマデリンが安易にも不審な人物にマイケルの現状を話した
ところは憤りにも感じるけれど、寧ろシーズン6辺りで、素人である
マデリンのことを利用しすぎたところもあるんだよね。
マデリンが暴走気味にマイケルを探す流れは、意固地なマイケルと
そっくり。流石はマイケルを産んだママさんだ。
一方マイケルには変わることのない愛情をフィーに感じているけど、
フィーの方はどうなんだろうね。
フィーたちのことを監視しているマイケルが突然フラッシュバックの
ようにして2001年アイルランド時代の映像が映し出されるというのも、
フィーの仕草とか行動などが強くマイケルの中には刻まれている為の
ものだろう。
出会いから始まり、一緒に任務したり、そして父親との思い出話を
聞かされたり・・・今回はその思い出話がキーワードとなった。
「私の父は何が有ろうと家族と信念を守り抜こうとした。私は父が殴ら
れ撃たれるのを見てた。決して恐れを見せない人。生きることと自由
に生きることは違うということが口癖」
「でもその生き方は家族を危険にさらす。だから父は悪いことが起き
そうな時はこう言ったの。『フィオナ、勇気を出せ、オレの天使。』と」
「しかしそれは床に伏せて目を閉じて全てが終わるまで祈っていろ。」
という暗号だった。
■影から助ける
マイケルが狙撃で4人を助ける際に、奇跡だとするサムたちに対して
フィーだけは”気配”を感じていたね。
決して表に出る事の出来る立場ではないけど、結局マイケルは全員の前
に躍り出てしまった。少なくともマイケルが取引したのは彼らを助ける
為のものであり、死なせてしまっては意味がないですからね。
■それにしても凄腕のデクスター
フィーのことを監視しているものたちに気がつかれずに浚っていく
あのスキルは大したものだ。デクスターも変な駆け引きをせずにその
まんまマイアミから逃げてしまえば良かったのに、何でそんなに
いつまでもマイアミに居たのか。
最後まで強敵になるかと思ったけど、フィーとの以心伝心の合図によ
って特殊部隊が倉庫にもの凄い銃弾を浴びせてデクスターだけを殺害
した。
■フィーの仕草
フィーが別れる時には頬にキスをして別れを告げる。
マイケルはフィーと再会したときには笑って自分の方に真っ先に来て
くれると思っていたが、真っ先に向かうのはカルロスだった。
そして最後に会話する際、フィーは頬にキスして去っていく。
アイルランドでフィーが別れたという男がサムなんじゃないかと思って
ヒヤヒヤしたけど(笑)
■使用された曲
・Last of the Mohicans by New World Orchestra
・Promentory by Trevor Jones
・Orders by Shillaly Brothers
・The Kiss by Trevor Jones
■出演者
マイケル・ウェスティン (Jeffrey Donovan) スパイ
フィオナ・グレナン (Gabrielle Anwar) 元・彼女”フィー”、武器商人
サム・アックス (Bruce Campbell) 元相棒
マデリン・ウェスティン (Sharon Gless) マイケル母
ジェシー・ポーター (Coby Bell) 民間の警備員
アンドリュー・ストロング (Jack Coleman) CIA?
カルロス・クルズ (Stephen Martines) フィーの新しい相棒・恋人
デクスター・ギャンブル (Nick E. Tarabay) パブロの仲間、マイケルの事調べる
ジャック・ディクソン (David Fickas) ハッカー
チャーリー・ウェスティン (Wilson Pennell) ネイトとルースの息子
— (Jessica K. Peterson) アテンダント
— (Michael McBride) バーテンダー
— (Renata Eastlick) テック
— (Keith Aherne) 大男
— (Brendan Quilter) Someone in the Crowd
— (Randall Core) CIA諜報員
— (Robert J. Fox) CIA諜報員
— (Bodo Goerisch) アイリッシュバーの客
— (Julio Lousav) ヒットマン