第13話 危険な役作り Acting Out
脚本/Adam Belanoff
監督/Sheelin Choksey
【ストーリー】
インディーズ映画を撮影する。
ミゲル役のジェイミーこと、ジェームズ・マーティン・エリオット
撮影の中で集団カウンセリングで自分のことを語るシーンが有る。
“3日間、薬を打った後、リトル・マリアは客を取れなくなった。
通りすがりのヤツを襲おうとしたら抵抗されたので銃で頭を撃ち、
首から掛けていた象牙の十字架を奪った。その後二人でそいつの遺体
を川岸に捨てた。”やべー”と重いながらジェンセンの安ホテルに戻った。
そしたら聖書が開いて有った。使徒言行録3章19節。なんと部屋番号
は319だった。そこには『悔い改めよ、それば汝の罪は消し去られる
だろう』と。だから許しを請うことにした。凶器の銃と象牙の十字架
は通気口に隠して・・”
それを聞いたアナ・ルイスは一体何を考えているのかとして台本には
一言も書いていないという。ジェイミーに対して監督は私だとする
と彼はピートに対して帰るぞと語る。アナはダニーに追いかけてと
告げる。
ダニーはジェイミーに対してアナから検査用の尿を採取する様言われて
いるというと、今渡すとしてアナの車にショウベンをかける。
アナはイアンに対してこれは契約違反だとするが、ジェイミーは
主役はオレだとして誰にも追い払えないだろうと。
殺人現場へ。
プロペンザはサイクスから通話者は店のオーナーだという。
フリンはあっという間にばれるぞというと、プロペンザは被害者は
有名人なのかと問う。バズはジェームズ・マーティン・エリオットは
ティーンエイジャーからはジェイミーと呼ばれている人気者だという。
このホームレスが子役スターだったのか。薬物に手を出すまではドラマ
に出たりレコードを出したりしていたという。フリンはここを通りかか
った人がこの顔に気づかないとは思えないという。タオは注射器の跡
だという。麻薬目的でダウンタウンに来たようだと。
フリンは”Xmasにクソ野郎がクソ野郎を殺した”とし、プロペンザは
“毎年恒例の事件ってヤツだ”と語る。フリンはメールを打っていた。
娘がオフィスに来ようとしているのでそれを阻止していることを語る。
サンチェスは聞き込みしたが目撃者はなし。ただし被害者はよくこの辺
で見かけていたという。ケンダルはジェイミーかとし、下手なことを
言ったら裁判沙汰になるという。プロペンザはマスコミ対策でこの
男は救急車で運ぼうという。サンチェスに同行し、容体が回復しなければ
解剖室でと語る。
テイラーはみんなを呼び止めるとなんでわざわざ病院に搬送し医者に
見せたのかと問う。ケンダルが検視調書にサインしないからだという
プロペンザにサンチェスは微笑む。被害者の居たフロアを警護させて
いる理由はと問うとそれはシャロンが命じたという。記者達を病院
に足止めすれば捜査を邪魔されないからだという彼女。しかしテイラー
は情報をコントロール出来る時間など限れているとし時期一人歩きする
という。ウチの奥さんも警察は何を隠していると騒いでいるのだという
テイラー。
モラレスは死因はハッキリしているとし、頭部を鈍器で繰り返し殴られ
たことによる硬膜下血腫だという。サンチェスは過剰摂取かと思った
とするが、注射痕もタトゥーも全てメイクだという。タトゥーには
使徒言行録3章19節が彫られていた。サンチェスはその内容を語ると、
日曜学校にでも通っていたのかと問われる。何故自ら麻薬常習者を
装う必要が有ったのかというシャロン。
■概要
元子役スターで麻薬の常習者だった男が路上で殺害されて発見される。
捜査に支障を来さないようにマスコミに嗅ぎ付かれないよう慎重に
事を運ぼうとするが、何者かが昨夜の殺された時の動画をネット上
にアップしていた為にすぐにゴシップサイトにも掲載されてしまう。
殺されたジェイミーは現在インディーズながらも映画の主役として
銀幕に戻ろうとしていてドラッグも絶っていた。しかしそんな彼が
何故路上に再び舞い戻りそして殺されることになったのか・・
■感想
路上生活、ドラッグ更生を目指しているものたちは、底辺にある状態
からのし上がる為に活動する中で、金や名声など人間の欲望が邪魔して
不義なことに手を出してしまうという流れが至るところで散見される
物語だった。
何よりも過去の栄光だったり、過去に犯した罪がどんなに更生しよう
としても足を引っ張ること。
ジェイミーなどドラッグ常用者が毎日のように更生したかどうかを
検査用の尿を提出させられるという辺りの流れを見ると、現在Dlife
でも放送中の元ヘロイン中毒者シャーロックが活躍する「エレメンタ
リー」を思い出させるな。
普段はシャロンが何でも自分の思い通りに人を動かすところがある
けれど、前回のラスティが「いつも最後はシャロンの言う通りになる」
としていたことへのある意味仕返し的な流れが有り、今回はラスティ
の方が色んな意味で撮影現場を知るものとしての立場、路上生活者経験
者としての立場、そしてシャロンの恋愛ネタに関して第三者の立場から
見て色々とアドバイスする辺りは面白い流れだった。
フリンは現場の使いっ走りだとしていたけど、ラスティは俺たちはPA
と呼んでいるとし正式には制作アシスタントだとして憤怒。
そんなシャロンとフリンが良い感じの関係になっているというのが
これまでにも微妙なところで感じるところは有ったんだけどね。
何よりも驚くべきはフリンの娘ニコルが登場した。
フリンは元妻と娘の結婚式の費用を出す・出さないで揉めていたのが
前シーズンのシリーズ2だった。
フリンとシャロンの件については以下のエピソードで言及している
ので一読あれ。
S2-8・・・フリンの娘・ニコルの結婚式。
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=2771
S2-14・・・フリンの私生活
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=3030
結局フリンは娘の結婚式に恋人としてシャロンに付き添ってもらって
からは関係が続いていたというところなのか。
プロペンザはフリンに対して警部と言えば済むことだろうとしていた
けど、フリンとしては気持ちがあるようでシャロンが娘に友達と紹介
することには待ったをかけたいところだったのだろう。
ニコルはシャロンを紹介して欲しいとこれまでに言及されていたので
フリンがなかなか紹介しないことに業を煮やして自ら逢いに来てしまった
というところなのか。
■ハリウッドでの事件
元々ロサンゼルス市警の物語なので当然ハリウッドもその管轄なのか。
まだまだタオの「正義のバッジ(Badge of Justice)」ネタも終わらせない
とばかりに、ジェイミーのマネージャーであり業界面するイアンに対して、
タオはジョン・ワース(Jon Worth)が出ているドラマのアドバイザーを
していることを話していた。このネタはやはりラスティが大学に入学
するまでは続くのかな。
色々とハリウッドらしくゴシップ、パパラッチなどの動向も気にしつつ
の行動となった。
動画が流出するという辺りも如何にもハリウッド。
事件をネタにして売り出しをしようとするという邪な意図が成立して
しまうショウビズの世界なので、この流れ自体が自作自演なのではな
いかという疑いも出てくる。
バズは動画を見て解像度の高さからプロ仕様のものだと見抜いていた
し、そもそも被害者が所持していた松葉杖も無くなっている。
そして何よりも撮影された場所が発見現場ではないところもまた
疑惑として存在する。
■オフィスでの会話
フリンが娘・ニコルとシャロンが女同士の話と称して何を話しているの
か気になって仕方が無いって感じだった。
上司と部下の関係で恋愛を続けるにはどうすれば良いのかということ
のアドバイスを求めに来ていた。勿論フリンとシャロンが恋人関係だと
いうことを前提としての相談だった。ニコルが営業主任として彼のボスに
なってからトラブルが発生しだしたというもの。
またS2-14でも「くるみ割り人形」がネタにされたけど、今回のエピソ
ードは一応時期的にはxmasという設定だったのか。
アメリカでの放送日は2014年12月8日になっているな。
5回も結婚しているというプロペンザは、そういうのを見に行くことに
飽きていることを告げていたし、フリンに対して皮肉るようにアクション
を見せていたけど、こういう皮肉り方って色んなシーンで見られるよな。
■怪しい人が多すぎる(笑)
・今回の撮影に関わっていた人物全てに容疑の目は有ったのではないかな。
ジェイミーのトレーラーで盗みを働いていたダニー。動画を流出させて
小銭を稼いでいたのも彼だった。
・監督のアナは作品を巡ってシナリオ通りに行わないジェイミーに
憤り感を覚えていたし、ジェイミーはアナの車にションベンをして
行くくらいに険悪な関係になっていた。そして撮影には保険がかけられ
ていたし、何よりもジェイミーが襲われるときの動画を撮影する
ことを命じていたのは彼女だった。
・ホームレスでジャンキーのディエゴ。実際に殺害した犯人。
そして何よりも彼の持ち物の中にジェイミーの撮影現場で行われた
“宝くじ”でのネーム入りの金が含まれていたこと。
アメリカって紙幣に名前を書いても捕まらないものなのか。
・運転手のピート。
元々薬物依存者でアナの紹介で今の職に就いていた。
■結果
殺されたのはジェイミーがアドリブのようにして語った映画の台詞。
その台詞が示唆するのはシナ・ロア・カルテルの大ボスだったマテオ・
ペレスの殺害の自供を告白するような内容だったこと。しかし当然
15年前の事件当時にジェイミーは9歳だったことも有り、犯人とは
なり得ないところがある。
当時のマテオ事件の犯人はアナとピートだったこと。
アナがピートを雇った理由とか、アナがジェイミーを主役として抜擢
した理由をシャロンたちはずっと気にしていたけど、そんな過去の
繋がりは調べていけばすぐにたどり着ける。
ディエゴの件も薬物の過剰摂取に思われたが室内には止血帯も注射器
も吸引具も遺体のソバにはなかったことから他殺であることを見破られ
しまった。
■その他
・フリンの娘・ニコル役のTorrey DeVitto
来週からDlifeで始まる「Pretty Little Liars」S5。
そのドラマの中で、探偵スペンサーの姉でありちょっぴり精神的に
病んでいるメリッサ役を演じていた。
Torrey DeVittoって一見するといつもSarah Shahiと見間違えそうに
なるな。
・ピート役のCarlos Bernard
「24」でジャック・バウワーと共に悪と戦い、そして愛するものを
失ってしまうトニー・アルメイダ役で出演。
・クッション役のラスティ
フリンはシャロンと付き合っていると娘が知った途端に尊敬するように
なったということで今まで付き合っている事にしていたとするが、
ラスティは客観的な立場から、二人だけで食事に行き、映画を見て
ドジャース戦を見て日系人の博物館のチャリティパーティーにも出席
していたとして、二人は認めていないが世間から言えばそれはデート
だと語っていた。
「デートはしていない」
「月に4、5回しかね」
見事ラスティの復讐は成功に終わったか。
・やっぱりサンチェスはプロペンザが好き
プロペンザの発言に対してサンチェスが微笑むっていうシーンがこの
ドラマの中で一番好き(笑)
■使用された曲
・
■出演者
シャロン・レイダー (Mary McDonnell) FIDから重犯課へ
ルイス・プロペンザ (G.W. Bailey) ベテラン
アンディ・フリン (Tony Denison) プロペンザの相棒
マイク・タオ (Michael Paul Chan) 分析力
フリオ・サンチェス (Raymond Cruz) ギャング捜査に強い
バズ・ワトソン (Phillip P. Keene) カメラ
エイミー・サイクス (Kearran Giovanni) 特捜班から異動
ラスティ・ベック (Graham Patrick Martin) 母親が失踪中
モラレス (Jonathan Del Arco) 鑑識
ラッセル・テイラー (Robert Gossett) 新本部長
ケンダル (Ransford Doherty) 検視官
ピーター・ペイジ (Steve Valentine) アナの弁護士
ピート・シムズ (Carlos Bernard) ジェイ・ミーの運転手
ニコル (Torrey DeVitto) フリンの娘
アナ・ルイス (Justina Machado) インディーズ映画監督
ジェームズ・マーティン・エリオット (Jason Dolley) “J-Me”、元子役スター
— (Rick Chambers) KTLA 5 Reporter
ダニー・リギンズ (Trevor Einhorn) アシスタント
イアン・シャーマン (Jack Plotnick) ジェイミーのマネージャー
ディエゴ・モーラ (Ken Moreno) “クレイジー・ディエゴ”、ホームレス
— (Cherrelle E’Lan) Support Group Counselor