第18話 運命の矢 前編 Special Master: Part One
脚本/Mike Berchem
監督/Steve Robin
【ストーリー】
●LA郡上位裁判所。
ランニングするスティーブン・シェーファー判事はトレーニ
ングウェアのままゲイトに入っていく。
裁判所では警備が物々しい中で保安官代理は護送してきた
被疑者のフィリップ・ストローをSOBのフリッツたちに引き渡
す。また会えたねというストローのことを無視。ストローは
そのまま施設内のエマ・リオス検事の元へ。
アイツを拘置所からスティーブン・シェーファー判事のオフィ
スに送るのは16回目だぞとしその度に逃亡の恐れがあるのだと
いうフリッツ。エマは彼は自ら弁護人となったので仕方が
無いのだとし、上司命令で彼には制限なく彼が扱った事件の
資料を見せなければならないのだという。そこに立ち会える
のは専門委員の判事だけで、守秘義務の範疇を見定める為
にと。いつまでなのかとし、時間稼ぎしているのではないか
という。かつてのヤツの依頼人の情報は得られているのか?
と問うが今の所成果はないというエマ。君らが応じればスト
ローは取引するというフィッツに対して、エマはレイプ犯や
殺人の起訴に繋がる情報の提供がない限りは司法取引はない
と語る。君が今日のストローの情報を評価して終身刑が確定す
れば全て終わらせられるという。しかし最低5人の女性がレイプ
殺害されているのだとし、私はそれを証明出来ること。あの男
にも最厳重刑務所で死刑を待つのがお似合いだという。必ず
ぶち込むとし余程の情報が無い限りは・・と。
スティーブンに対してストローは幾らジョギングしてもそんな
食事をしていれば健康になれないのではないかという。
学生の頃から変わっていないなと。
監視員は食べ物は与えずペンと紙以外のものは渡さないように
と判事に語る。エマは外に居るので何か成果があれば呼んで
くれというとストローは君にもいてもらいたいとして脚を
見て痛いという。しかし専門家委員との会話は極秘だとし後ろ姿
だけで我慢するというストロー。あなたを見送ってあげるわ
とエマ。
そんなスティーブンはパン屑をボロボロとパソコンのキーボード
の上にこぼす。エアダスターを使って取り除いてやるという
ストロー。SとDの間に詰まっているというスティーブン。
エマ検事は美人だなというと、判事はあんまりからかうなと
忠告する。今日は何をするのかと問うと、まずはペンと紙をくれ
というストロー。検事局との取引の条件を変えたいのだという。
価値ある情報を提供するのに相応の修正は必要だろうと。
どんな情報があるのかと問うと”未来の殺人だ”という。
3人が殺されるとすると何故分かるのかと問う。犯人を教える
前に一つエマに教えておくのは来週若い女性が3人残虐な
殺害をされるという。検事局は速やかな対応を祈っているという。
犯人の名前、情報の提供は新たな条件の後に教えるという。
この修正には時間が必要だというオマ。一人目は救えないよ
という。一人目の遺体の状態と現場の様子を教えておくと、
これはリオスの怠慢が悲劇を招くのだという。遺体発見の一報
をするのはLA市のとある気管の人間で、犯人は特殊な方法で
遺体を処理してるから身元の特定は難しいという。犯行現場
は空き屋で奇跡的に電気は通っていること。そして遺体の身元
が判明しない理由の一つは指紋が採取出来ないからだという。
これで動いてくれるかというストロー。
その頃重犯課は殺人の現場に来ていた。
現場は火事で燃えていた為にプロペンザはタオに長靴を履いて
現場に入る必要なんてあるのかと問う。バズは木片や釘がそこら
中に散らばっていることを語る。ここには火災報知器もなく誰が
火事の通報をしたのか?フリンは車の運転手が消防局に通報。
ここに駆けつけた時には既に丸焼けだったというサイクス。
このボロ屋に住んでいた猛者は?というプロペンザに無断住居者
だろうというフリン。遺体は奥の寝室だと言われるとプロペンザ
はサンチェスに先に行ってくれと言い足跡をたどっていくことに。
タオは遺体周辺には燃料をかけられている事を告げる。火元の
断定は難しいこと。被害者の身元の特定も難しく歯の治療痕頼み
だという。ケンダルは奇跡を願うと。タオは何かのアクセサリー
が落ちているとするとサンチェスは雄記号のチャームが付いてい
るという。しかしこれは重犯課の事件なのかというプロペンザ。
するとエマがやってきてそう思うと告げる。あんたが俺たちを
呼んだのか?その理由は何だ?と問う。ケンダルに対して被害者は
女性かと問うエマに対して骨格を見た限りそうだという。消防局
が遺体を見つけロス市警に通報した?指紋の採取は無理なのか?
と確認した後にエマはこの事件は私のせいかもしれないと語る。
ロス市警重犯課。
シャロンはエマに対してあなたのせいではないとし、犯人の身元
も標的も分からなかったのだからと。今回の事件は防ぎようが
なかったと。ストローは他に何を言っていたのか? “この数日で
3人の若い女性の犠牲者が出る”と。取引をすれば犯人の名前を
教えると言われたが、その時点では荒唐無稽なことで、彼が指定
する警備の軽い刑務所、ストロー絡みの全ての罪に対する取り
消し不能の免責、そしてラスティの面会を求めているという。
シャロンは何でそのことを黙って居たのかと問う。ストローが
自分で弁護する限りいかなる証人の聴取も禁じることは出来ない
し、私は応じる気がなかったという。最後にストローが関わった
事件は・・・と言うと、シャロンはすぐにラスティを思い
学校にいる事を告げる。エマはこの事件の黒幕とは限らないと
いうが、タオはラスティの命がかかっていると緊張感を走らせる。
携帯に出ず、今は社会学の講義だというシャロン。フォーマン
ビルの中に有る教室214号室だという。サイクスは警備室に連絡
しておくとし、サンチェスは迎えに行ってくると語る。
プロペンザはエマに対して異常者が誰か死ぬと予告した場合
は通常が常識だろうと語る。ラスティに何か遭ったらあなたを
許さないというシャロン。
■概要
・被告のストローは自分で弁護することになり、彼には関わった
事件の資料を制限無く見せなければならない権利が生まれる。
・ストローは専門委員として旧友のシェーファー判事を指名。
ストローは新たに司法取引をしたいとして未来の犯罪に於ける
犯人を話す事でこれまでの罪への免責を求めてくる。
ストローは3人の若い女性が殺されようとしていること。
殺される女性は特殊な方法で殺されるので身元は判明ず難しい
こと。早く取引しないと一人、また一人と殺されるだろうこと
を言われる。そんな会話の中、早くも一人目の被害者が発生す
る。
■感想
いよいよシーズン3の残りは2話。その2話も前後半。
人は変わるというけど、環境次第なんだろうね。
正直ラスティが出て来た当初はいつも反抗的な姿ばかりで
嫌なヤツだと思っていたのに、気がつくと本当に良い子で
可愛い子になっている(笑)
「ダウントンアビー」でホモのトーマスがジミーを狙って
嫌われていたけど、気がつくと二人は親友の関係になっている
かのようだった(S5-2より)。自分もラスティには本当に
幸せになって欲しいと願う心情になっている。
エマ検事がこの件で責められるというのはお門違いな感じが
する。シャロンも語っていたけど、どうやってもエマ検事
が防ぐことは出来なかっただろうし、そもそもの情報の精査
自体が出来ない中で発生した事件だ。
問題が有るとすれば重犯課が一連のパターンに見抜けなかった
ということになるのだろうけど、管轄を越えた事件での
パターンを見つけるというのは容易ではないということだ。
こうなると事件はFBIの管轄となるけど、このドラマに於けるFBI
捜査官の無能さを見ると市警に頼らざるを得ないのかな。
同じ日に放送していた「クワンティコ」なんかを見てもFBI捜査
官があまりに軽視したように描かれているので、捜査官もどの
立場で描かれるのかによって大きく変わってくるな。
■犯行は単純なパターン?
どうも上級裁判所でストローがシェーファー判事と会うという
構図が納得いかない。専門家委員みたいだけど、この二人は
旧友。本当に正確に中性的な立場を取れるのだろうか。
しかもこの判事はちょっとヌケているところがあり、パソコン
の捜査をしながらパンを食べてそれをストローに整備させて
いたけど、何らかの捜査が行われた可能性だってあるし、
ストローが必ずペンを落として判事に拾わせるという行動の中
には何か心理的優位や精神を保つ行動心理学以外にも実用的な
何かがありそう。更に今回そのパソコンから離れるタイミング
をストローは作っていた所が有ったよね。
ストローは刑務所ではなかなか警備が厳しいので外部と接触
出来るとすれば、冒頭でフリッツィーが語っていたけど
これまで16回に渡る拘置所から判事に引き渡す際のタイミング
くらいしかない。
■被害者達
2005年くらいから事件は発生していたようで、1度の事件が
発生すると3人の被害者が出る。全ては娼婦。目撃された場所
から被害者が出た場所まで1km周辺だということで調べていく
ことになる。また死亡は大体居なくなってから8人前後。
時期的には2013年、2011年は2月だったけど、2009年、2007年
は3月に事件が発生していた。2005年は4月だったみたいだけ
ど・・
また事件現場に共通するのは雄の記号のチャームのついた
ネックレス。ただその形も変わりネックレスが必ずしも置か
れるものではなく壁に書かれていた時も有れば、今回は壁に
よって火で浮かび上がる仕様となっていた。バズがその光景を
思わず魅入られていたけど、タオが連れ出すシーンが何とも
いえない。
結局14人が同じ手口で殺害され、12人にはその記号が有った。
2年ごとに起きるというのは何の関係が有るのか・・ですね。
■普通取引するか?
これだけの犯罪をした人物と取引するとか100%あり得ない。
それが犯罪者を知る物だとしても、新たに犯罪者をこの世に
放つことになる。極刑に値する人物をこれまでの罪に免責に
するなんて、国家テロレベルの情報でしょう。
テイラーとか検事局もビビって取引しようとしているけど
なんだかなーって感じ。
■その他
・被害者は二人
モラレスが手を切り取って指紋を採ろうとしていたけど、結局
被害者が判明したので意味がなくなってしまったな。
モラレスによると歯茎が痛んでいることからも薬物の常用者で
覚醒剤だろうと。そして焼け残ったもののの中にネックレス
以外にも被害者の服が有った。
サイクスは
「男達はこの(服の)下にした興味がなくても娼婦仲間ならば
服を覚えているかも」と語っていた。
雄記号付きのブレスレットも何処を探せば良いのかとした際に
「60年代?」と語っていたけど、そういうのが流行った時代な
のかな。
・犯人の情報
被害者は一人目はキャット。
二人目はシャイラ・ブルネルという人物で客の車に乗って消え
た為にポン引きの男・フレッシュは車に乗らないように注意
していた。
犯人の顔は見ていないが車は金のオールズモビス・カトラス
だという。髪の毛は茶色、中背、左前の腕にタトゥーを入れて
いる。
・ラスティとストローの面会
また身勝手なストロー論理が展開されて、自分がラスティの
運命を変えたとしていた。事件に関与していなければ、ラスティ
など誰も気づかないで、今回の娼婦のように殺されていたと
でも言いたげな感じ。
しかしラスティは俺の方があんたの運命を変えたのだとして
優位性を保とうとするが、ストローは互いの人生を変えたとして
語っていた。
そういえばラスティの父親って語られていないよね。
まさかストローが父親とか言わないよな。それか犯人の息子と
か?
雄のシンボルマークとか気になるなぁ。
■使用された曲
・
■出演者
シャロン・レイダー (Mary McDonnell) FIDから重犯課へ
ルイス・プロペンザ (G.W. Bailey) ベテラン
アンディ・フリン (Tony Denison) プロペンザの相棒
マイク・タオ (Michael Paul Chan) 分析力
フリオ・サンチェス (Raymond Cruz) ギャング捜査に強い
バズ・ワトソン (Phillip P. Keene) カメラ
エイミー・サイクス (Kearran Giovanni) 特捜班から異動
ラスティ・ベック (Graham Patrick Martin) 母親が失踪中
モラレス (Jonathan Del Arco) 鑑識
ラッセル・テイラー (Robert Gossett) 新本部長
ケンダル (Ransford Doherty) 検視官
フリッツ・ハワード (Jon Tenney) 特殊作戦部(SOB)本部長補佐
エマ・リオス (Nadine Velazquez) 検事
フィリップ・ストロー (Billy Burke) 犯罪者、元弁護士
チャック・クーパー (Malcolm-Jamal Warner)
ジェレミー・ペレス (Hampton Fluker) SWAT、ラスティの護衛
チャド・スチュアート (Brock Harris) SWAT、ラスティの護衛
スティーブン・シェーファー (Tuc Watkins) 判事
フレッシュ (Jon Abrahams) ポン引き
ミリアム (Dana L. Wilson) フレッシュの弁護士
デニーシャ (Cara Santana) 娼婦
— (Mark Engelhardt) Deputy Sheriff
シャイラ・ブルネル (Rafaella Biscayn) 娼婦、冒頭の被害者