第8話 感謝祭の秘密 High Treason in the Holiday Season
脚本/Jon Cowan
監督/Anne Renton
【ストーリー】
朝、ブレナンは電話する。彼には知られたくないので秘密で実行
出来る様にしてねと語っているとブースが来た為にまた後でと
言って電話を切る。ブースに対してセールスの電話よというと、
セールスにまた電話をかけ直すのか?と突っ込むと社交辞令よと。
神は君に嘘の才能は授けなかったなというブース。虚言癖は神とは
関係無い。それは遺伝的な性質。遺伝子プールで受け継がれるもの
で人類が生き残る為に・・と語るブレナン。科学用語で煙に巻こう
としたってその手には乗らないというブースは君が嘘をついている
のは明らかだという。ブレナンは今年の感謝祭は七面鳥を辞めよう
と思っているという。今度はケンカをふっかけて話をはぐらかす
つもりなのかと。どうせ家族4人であなたしか食べないからよと。
君はメインコースを省くというのか?というと七面鳥は感謝祭の原点
だろうという。七面鳥は前に会ったことがあ人間と再会すると
踊るって知ってた?というブレナン。七面鳥の踊りよりも肉だという。
しかし父は兄さんの所だし出しても食べる人が居ないので無駄だと
いう。するとブースは無駄にはしないとしてオーブリーを呼んでも
良いしアンジェラやホッジンズなどスクインツなどを呼べばいい
という。だから七面鳥を仕込んで丸焼きをする。喰ったらソファー
で微睡む。実況中継を聞きながらと。あなたが死んだ鳥を焼くなら
ねと。ブースは決まりだとしながらも、話を戻そうと告げ誰と電話
で話していたのかと問う。するとブレナンの元に事件の知らせの電話
が成り、クリスティンに急いで支度をしてと語る。
現場は高級会員制ゴルフクラブ、ワシントンヒルズゴルフ場だった。
カートに乗ってブースとブレナンはゴルフ対決したときの話をする。
ブースはグリーンが大理石みたいだったとして文句を言うと芝目を
読まないからだという。傾斜と速度、簡単な幾何さえ踏まえたら・・
というブレナンにアリストテレスにならなくてもゲームは出来ると
いう。カートに乗り込んできたオーブリー。ゴルフはゲームではなく
スポーツだという。ブースはゴルフにはディフェンダーが居ないので
スポーツとは言えないという。ブレナンはソレを聞いてスポーツだと
認めないのはあなたに私が勝ったからだという。オーブリーは
この高級ゴルフクラブに入れるのかと問うと、奥さんがベストセラー
作家ならば入れるという。相棒の奥さんがベストセラーの場合は?
というオーブリー。そんな彼にブースは感謝祭に招待するという。
七面鳥もどきはどうか?というブレナン。代用品の見方が変わるわよ
と。
遺体発見現場へ。
遺体はコースのイケの中に重石をつけられていたという。池のボール
は集めている所を発見されたという。全身にブラッシュ石が形成され
ているというブレナン。カムは血液の沈下の度合いから水の中に
放置されたのは2、3週間って所かしらというと、ホッジンズはもっと
性格に絞り込めるという。2週間と4日、7時間12分前だという。
オーブリーはどんな虫でそんなに正確に割り出したのかと問うと
タイメックスム・ホロロジウム・・・腕時計だという。水の中で時計
が泊まっていたがこの時刻に遺棄されたのだろうという。
ブレナンは遺体は女性で下顎歯の摩耗具合から年齢は55歳から60歳。
そんな中ブレナンは突然ここにいるみんなを感謝祭に招待すると
言い出す。ブースはいきなり何かと問うと、人間と七面鳥の軟部組織は
手触りが似ているので思い出したという。
特権階級のゴルフ場に死体なんて何かのメッセージなのかとホッジンズ。
犯人が単に用心深いだけかもというブレナン。夜のゴルフ場は誰もい
ない。少なくとも12時間は邪魔されず遺棄して逃げることが出来るとい
うブース。
ジェファソニアンのラボ。
ロドルフォは女性はゴルファーではないとし胸椎が第5から7に関して
癒合していると語る。アンジェラはあなたはゴルフをするのかと問うと
カストロは政権を握ると国中のゴルフ場を潰したという。そして公営
住宅と士官学校を建てたと。ホッジンズは貧しい者に富を分けたとも
言えるという。ワシントンヒルズを見ろとし最高に美しいゴルフ場
だが金持ちだけしか入れないという。ロドルフォはそれでも美しかった
場所が潰されて実用的な場所になったのは残念だと語る。被害者は特権
階級ではなさそうだという。金持ちが戦地には行ったりはしないでし
ょと。爆弾の破片が体内に埋まっていた。軍に居たのかも知れないが
50代の女性が?とロドルフォ。30年前に兵士として戦ってた訳はない
というアンジェラ。目に金属の微粒子だというカム。ゴルフクラブ
のシャフトを折って眼窩に刺されたら一巻の終わりだという。犯人は
胃と腸から発生する腐敗ガスで遺体が水面から浮上すると知っていた
というカム。だから遺体を七面鳥のように切り開いていたんだという
ホッジンズ。
■感想
感謝祭という割りにはイベントとして少々盛り上がらず、寧ろちょっ
ぴりピリリと辛いような展開だった。パーカーが出て来たけれど、
正直だから何?って感じにも思えてしまうところが寂しい。
そもそも最近クリスティンもハンクもあんまり顔を見せていない。
特にハンクは居るのかどうかも分からない(笑)
今回のテーマとしては「嘘も方便」なのか。
それとも「諜報員の存在は必要悪」であり、「言論の自由にも程が
ある」ということを示したいところが有ったのか。
ブレナンの朝の電話を巡り夫婦での攻防戦はなかなか面白かったので
やはり捜査を楽しむドラマではなく、ラボスタッフたちのリアクショ
ン劇場、やりとりの妙を楽しむものなんだろうね。
そんなブレナンの秘密に関して、全てを知る必要は無いという方向
へと誘導していくことで、ドラマ全体でも真実を探求することだけが
全てではないということを主張したようにも思える。
NSAなんてものが関与すれば、当然ながら陰謀論者のホッジンズは
黙って居ないだろうけど、今回は社会主義国家・キューバでの生活で
秘密警察の存在に手慣れているロドルフォの方が寧ろそういった国家
権力による法令を無視した行動/仕掛けた盗聴器の存在などは敏感
った。
今の時代、秘密を守ることはとても難しいことだ。
スパイ系ドラマでも度々出てくるのは、最高の機密を守る為にアナログ
的手法が用いられる。「HAWAII FIVE-O」のS5ではビデオテープに
鍵となっていた事が有ったし、「White Collar」での最高のセキュリティ
は、今時使われて居ないレトロなパソコンによる記憶がキーワード
とされた。その為に今回ホッジンズたちは携帯や会話は盗聴されている
ことを前提にして文明の利器を使わず紙を使ってやりとりしようとする
流れも有った。
これはペラント事件の時でもそうだったよね。
通信機器は全てが監視・盗聴されているという前提で色々とやりとり
していた記憶がある。
冒頭から新聞など今時の人は読まないとしていたオーブリーとそれ以外
のベテラン職員たちの温度差というのは有ったのかな。
■その他
・感謝祭に七面鳥
ブレナンがそれを否定していたのって、無意味な習慣だと思ったのか。
それとも死んだ鳥を調理することに拒絶感があるのか。
アメリカって普段はサンドイッチとハンバーガーなのに、こういう時
だけ七面鳥をオーブンで焼こうとするよね。普段オーブンでの料理を
していないのにいきなり本番で作ってもそう上手く作れるものでも
ないと思う。ただアメリカでも南部の人はよくお婆ちゃんのレシピ
と称してパイを焼いたりオーブン料理をしている姿が有るよな。
しかもアメリカの七面鳥って大きい。クリスマスツリーも大きいのを
欲しがって毎年お父さんが頑張る光景がドラマに映し出される訳だ
けど、七面鳥の中に肛門から色々と突っ込んで具材を入れていくのって
なんか残酷。最もそれに関してはブレナンは抵抗は無さそうだけど(笑)
遺体が七面鳥のように腹を切り裂かれていた。
更に人間の軟部組織に触れただけで七面鳥を思い出すというのが
ブレナンの凄い所。
・ブースは食い下がる
今回は色々とブレナンの電話の件で誰からのものなのかを問い詰める。
いつものようにブレナンがスクインツ語を駆使して話題を反らそうと
していた。「ナンバーズ」のチャーリーなんかも話をし出すと、他の
面々は嫌な顔するし「NCIS ネイビー犯罪捜査班」のギブスなど
マクギーが難しい用語を使うと凄い形相で怒るよな(笑)
「話を戻そう!」とか色々とブースは聞きだそうとしていたが、
結局の所、ブレナンが電話していたのはパーカーであり、そして二人で
感謝祭を過ごせるようにして金曜日の夜にフライヤーズ対プレデターズ
の最前列のチケットを取っていたようだ。
パーカーが大きくなったのは“フィッシュ&チップス”のお陰だとして
いた。
「ザ・ラストシップ」の2話の中でも、この件で皮肉まじりに語る
シーンがある。
パーカーはイギリスに行っているんだっけか。
・諜報員を暴く”アメリカン”
スパイがスパイを暴いてスパイのことを調べていくという何とも複雑な
状況。
如何にも怪しいNSAのクーパーは、その殺しは私たちから見れば素人
で私たちならば遺体は見つかって居ないとするところは何となく説得力
が有ったかも。かつてブレナン先生が遺体の完全な処分方法みたいな
形で語っていたことって無かったっけか。
何が国にとっては大事なのか分からなくなるね。
「スキャンダル」に於けるB613の存在もそうだけど、国を守る為に
汚れ仕事をする人物は居るはずでその人たちを罪に問い責めるだけの
単純な世界ではないということを実感させるな。
・それぞれの仕事をした
今回のドラマを見るとそれぞれの信念に従いそれぞれの仕事をした。
ジャーナリストならば真実を解き明かすことに命を捧げて、NSAなら
それを暴かれれば世界中の諜報員が危険にさらされるとして国益には
そぐわないということで奪い返しに行く。
「自分のしたことの責任は分かっている。でも処刑に値する罪とは思
わない」
・アンジェラのピアスを見つける
「有った!!」
ラボで凶器を特定したかと思われる発言かと思われたが、実は
無くしたピアスだった。しかしその時使用されている金属探知機を
使ってブレナンは何が凶器なのかを特定していった。
■使用された曲
・
■出演者
テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) “ボーンズ”、法人類学者
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵、PC技術
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、微粒子、昆虫
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) スミソニアン責任者、組織検査
ジェームズ・オーブリー (John Boyd) FBI捜査官
クリスティン・ブース (Sunnie Pelant) ブレナンの娘
ロドルフォ・フエンテス (Ignacio Serricchio) キューバ系インターン
パーカー・ブース (Gavin MacIntosh) ブースの前妻との子
ライアン・ギル (Callard Harris) 安全保障局
ケイト・コルファックス (Rachel Melvin) DCセンチネル紙記者
クーパー・ブラックソーン (Dayo Ade) 安全保障局
サル・レイモンド (Lochlyn Munro) ビビアンの元夫、スポーツ記者
デビッド・パイン (Michael Dempsey) DCセンチネル紙・編集長
ライル・フォックス (Rob Evors) リバーバンクス・イン支配人
タイガー (Kevin M. Horton) ボーイ
フィル (Matt Lowe) ゴルフボール拾い
— (Bret Green) ウェイター
— (Gayla Johnson) 高額弁護士
— (Margaret Newborn) ディナー客