クリミナル・マインド FBI行動分析課 Criminal Minds シーズン8 第12話 ツークツワンク Zugzwang

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第12話 ツークツワンク Zugzwang

脚本/
監督/

【これまでのあらすじ】

少し前までリードは頭痛で悩んでいて遺伝子学者に相談している
という。半年電話しているのに一度も会ったことがないなんてと
ブレイクはその話をリードから聞いてビックリ。リードはメイヴ
に対して彼にボクのことがバレたかと問うと気づいていない様だ
としリードはまだ日曜日に会おうと告げる。
「さよなら愛して居る」とメイヴは電話口でそう呟きリードも
意識し始める。モーガンはもし新しい話し合いが出来たなら
どんな子か知りたいとしてリードに問う。お前の話について
いけるなんて相当な女だろうと。メイヴはストーカーが居なくな
ったとしメールと電話、ワン切りなど無くなったという。ブレイ
クはリードに対して電話の彼女と何か有ったのかと尋ねる。会っ
てみたいというリード。まさかまだ会ったことがないのかとし
ルックスには興味はないのか?というブレイク。どんな外見でも
関係無いとしボクにとっては世界一だという。”ジョン・スミス
の物語”の本を持ってメイヴと待ち合わせ場所の喫茶店にいく。
するとメイヴに対して店には入らないよう告げる。ここにストー
カーが居るんだというリード。

【ストーリー】

結婚行進曲が流れる中、BAUのメンバーが見守る中リードは結婚式
の会場へ。神父役のガルシアは指輪は有りますかと尋ねる。それ
ではキスをして下さいと言われブーケを被る彼女とキスしよう
とするが、相手は顔のない女性だった。
それはリードが見た夢。

リードは公衆電話からいつものようにメイヴ(Beth Riesgraf)に
連絡を入れる。するとコレクトコールが鳴り発信者はアダム・
ワースだという。受ける場合2ドルを入れて下さいとのこと。
相手は電話口で”ツーク ツワーク”と語る。

リードはホッチに相談する。
メイヴと文通を始めたのは10ヶ月前。学会誌に載った論文の
感想を送ってくれて最初の3ヶ月は手紙だけ送ってくれたこと。
彼女が怖がったとし正体不明の男性に狙われていたのだという。
引っ越ししても脅威が続いていているようで・・自分は彼女とは
会ったことがないというリード。遺伝子学者だということだけ
しか知らないという。手紙では偽名を使っていたこと。
ジョセフ・ベルと言う名前だがシューロックホームズのモデル
をリードは使っていて、今回の電話の相手はアダム・ホースと
名乗っていた。それでストーカーに正体がばれたと分かったのだ
とし、アダムはシャーロックの叔父のモリアーティのモデルに
なった犯罪者だからと。
“ツーク ツワーク”はチェスの用語で、次の一手を指せばチェッ
クメイトを逃れなくなる局面で、”決めろということ”だという。
降参するか最後まで闘うか。ホッチはそれならお前自身も被害者
ではないかという。

みんなの前でこの件を話すことに・・
本来ボクの得意分野でストーカーの行動パターンを読み被害者の
生存率も全て分かって居るが今は一度に4秒以上集中出来ないの
だという。頭の中で「助けて」という言葉が繰り返されている事。
彼女を捜すにしては事件だと断定は出来ていない状態なので
業務時間外に動くというホッチ
異論があるものを抜けてくれというが、みんなリードに協力する。

モーガンはメイヴへの手紙を読む限り典型的な独占型のストーカー
だという。JJは認められたい思いが異常に強いのかもと。どうし
てこっちを見ないのかとか。自分が優れているつもりの言葉を
使っているという。ブレイクは自殺願望も強い。見つけたら
お前を殺して死ぬというロッシ。無理心中を究極の愛情表現だと
思っている。ストーカー行為のきっかけは?と問うとリードは突然
始まったみたいだが彼女が気づかない所で接触が有ったのだという
リード。メイヴについても犯人についても情報は少ないというJJ。
ガルシアはメイヴの名前の遺伝子学者に限定して探すとメンデル大
のメイヴ・ドノヴァン博士が10ヶ月前から休職しているという。
時期がピッタリだというブレイク。カード記録は証拠になるとし
両親が5日前にロフトを借りていること。娘を隠す為だろうというと
モーガンとJJはロフトへ、ブレイクとロックは大学へ。
ホッチは両親に話を聞くという。ガルシアはリードに彼女の写真が
見たいかと尋ねるが、いいよと言って断る。

市内から15、16kmを調べるモーガンとJJ。両親はストーカーから
遠ざけているつもりだろうが返って狙われやすいというJJ。室内を
調べていくがどうみても事件現場であり激しく争っているという。
突き飛ばして殴ったのねと。侵入した跡は無し。犯人はどう警戒心
を解いたのか?というJJ。

◆メンデル大学遺伝子学科
ベッカー(Benmio McCrea)によると研究室のメンバーリストの
資料を手渡す。
博士号取得は6人。彼女の研究に興味を持った人は?全員だという。
環状アデノシン1リン酸の研究は革命的だったという。彼女はボクに
見えないものを見ていたとロッシとブレイクに告げるベッカー。

メイヴの両親ジョー(Robert Mangiardi)とメアリー(Nancy Linari)
から話を聞くホッチ。最後に話をしたのは?5日前にロフトに引っ
越しした後だという。私がガンだというメアリーは、元々共同で
腫瘍の研究をしているから近い方がデータのやりとりが楽だった
こと。私は元学者だが、娘の頭角を感じて引退したとのこと。
犯人に心当たりは有るかと問うとボビー・パットナム(Jay Hayden)
だろうという。警察はシロだというが、彼は元婚約者。メイヴに
初めて出来た恋人で婚約したまでは良かったが、その直後に本性
を表したという。傲慢野郎だと。リードはメイヴに婚約者がいた
なんてと憤怒する。

■事件

リードが長いこと電話だけで会話していた女性といよいよ会う
ことになるが、その女性メイヴはストーカー被害に有っていた
為になかなか容易には表に出ることは出来なかった。
有るときリードはいつものように秘密の電話で相手に連絡を
取ろうとすると逆にコレクトコールでリードの元に変な電話が
なる。
リードは急いでホッチに連絡を取るが、まだ事件が発生している
ものではないために早急に動く出来ない事情も存在していた。
しかしみんなリードの為に時間外でも解決する為に行動を起こ
そうとする。

■感想

ドラマは面白かったですね。
やはりメイヴの件ではシーズン当初からその存在を臭わせていた
し、リードの頭痛がいつの間にか無くなったなと思っていた頃に
浮上した相手だったので、リードにとってメイヴの存在は大きか
ったのでしょう。

恋愛に不慣れなDr.同士ということで不思議な形での出会い方だ
ったけど、お互い伝わるところは大きかったんだろう。

何よりも「さよなら愛して居る」という言葉一つで悩んでしまう
リードの純粋さ。モーガンが語る様にお前について行けるなんて
相当な女だなというように、メイヴがどんな人物なのかという
ことは興味深い対象だった。

リードがメイヴに顔を見せるのは2度目だけど、折角会えた
ところで、辛い現実が待っているというのが切ないところ。
そもそもリードは会った時には彼女が愛しているといった言葉
の返事を答えようとしていたのに、それを悟らせれば犯人が
メイヴを殺してしまう可能性が高いので最後までなかなか言えない
ところも有る。

驚くべきはメイヴはかつて婚約していたこと。
その男性ボビーがメイヴを監視していたことで、犯人のダイアン
はより思考がねじ曲がってしまったところがある。

■プロファイルの発表

・ストーカーは殆ど男。女は全体の10%。
・その動機で一番は過去の性的肉体関係。
・恋愛妄想か?逆に恨みを抱いたのかも。寝た相手に振られた
ことを屈辱に感じて。
・メイヴとこの女に関係がありそうか? ないよ(byリード)
・2番目の動機は?セレブ狙いだ。そっちだ。専門分野でスター
だった。
・有名人のストーカーは普通暴力に走らない。
・多分メイヴはあなたに犯人のことを話している。気づかない内
に。
・やりとりが沢山有って分からない。一緒に考える人間を選べ。
ブレイクを選んで話をすることになる。

■それぞれの捜査

当初はモーガンとJJがメイヴの親が借りたロフトを調べる。
ブレイクとロッシは遺伝子学者のメイヴ・ドノヴァン博士が
勤務していたメンデル大学へ。ホッチは両親に会うことになる。

リードは普段ならばすぐに割り出せる思考だけど、今の彼は
4秒も集中出来ないとして捜査に加われなかったし、ボビー
の家に行った際に、ボビーは自分にも封筒が送られてきたとして
ボビーとメイヴが一緒に写っている写真があることを知り、
リード自身も重要証人となる可能性として捜査から外れていた

今回一番の功労者は何と言ってもその写真を見て顔を消している
のを見つけただしてJJだろう。当然ストーカーなら憎しみの相手
の顔くらい消してしまうものだろうけど、消したものはアイライ
ナーだった。

そして意外にも今回は早く犯人が誰だか見つける事が出来た。
開始後15分くらいで犯人が分かったよね。
ダイアンがリードに初めて話しかけた際にはドクターと声を掛
けた。そのことで決定打となったようだ。

犯人は男性ではなく女性だったということでプロファイルの再度
練り直しだったけど、女性が女性を恨む理由ってそう多くは
ない気がしない。
犯人はズバリ、ダイアンだった。演じているのは
Michelle Trachtenberg。「ゴシップ・ガール」を見ている人な
らば、ジョージーナ・スパークスというちょっとイカれた感じの
女性役を演じていたのでイメージしやすいかな。彼女の声を
あてていたのが「エージェント・オブ・シールド」のデイジーの
声をあてている渋谷はるかさんだった。

■捜査

リードの記憶力は凄い。彼女と会話したのが2412時間。
モーガンは100日だなと語るとリードは100.5日だと(この際
もの凄くどうでも良い気が・・(笑))

しかしあのリード先生に”クソ女”と呼ばせるダイアン。

メイヴは彼女のことをリードとの会話の中で話している筈だと
いうことで思い出せようとした際に、リードの記憶を呼び起こす
手伝いをしたのはブレイクだった。この件ではリードはブレイク
を指名することが多いけど、プロファイルが得意だし、女性だし、
話しやすいところが有ったのかな。ブレイクの姿が時々メイヴに
変わる時が有る。

冒頭ではリードもメイヴの顔を知らなかったので、夢でも写真
でもマスキングされていたんだけど、この中でははっきりとした
メイヴの姿が有った。
100日の間の中で11月4日15時46分に昔話をしたこと。
リードが12歳の時で越権入学しているので全員にからかわれた
事を知る。

■ダイアンもリードに興味を持つ

特にメイヴはどうやってリードの気を引いたのか。そして彼が
自分を好きだと感じた瞬間はどの時なのかなどを真剣に聞いて
いた。

メイヴは「ユークリット幾何学」「ペンローズの三角形」の件
で8歳のリード少年が作ろうとしたこと。しかしそれらは理論上
の幾何学だけは作れなくても作れないもので、存在して物理構造と
してはあり得ないこと。そこでメイヴは「ペンローズにはトゲが
ある」
と語ったことで、くだらないシャレを笑ってくれたこと
に感触を掴んだとしていた。

■ドラマとしての皮肉

天才と呼ばれるものたちは周りのことが見えなくなることがある
のだろうか?
メイヴと婚約関係に有ったボビーは婚約したと同時に傲慢な態度
を見せ始めたということで別れていた。

正直リードにしてもメイヴにしても少なからず恋愛には奥手だ
けど、研究に関しては、博士号を取得したいものたちに取っては
彼らのことを知らないと傲慢な態度に見えてしまう存在だ。

徐々に煮詰めていくとメイヴが論文をボツにした恨みがあること
が分かっていく。

ダイアンはメイヴたちは全てを持っていると考えているみたい
だけど、二人の人生を知れば知るほどそれ程他の人に比べて
幸せな人生や恋愛送っている訳では無い。
そんな人たちを相手にして逆恨みしては殺しに走るというのが
ちょっと悲しいね。

・ダイアンの研究

「自殺患者に於ける自発性細胞死について」。自殺願望があると
ブレイクはストーカーのことを冒頭から語っていたけど、ダイアン
の研究では「人は生きる事を諦めた時に細胞が死に始める」と
いうことがあるらしい。

勿論自発的に細胞が死ぬことはないんだけど・・・

皮肉にもダイアンも8歳の時には両親が自殺して死亡している。
8歳の時にそれぞれに起きていたことが全く違っていたこと。

・ダイアンと何とか連絡をつける

監視カメラが設置して有り、そこからメイヴを経由してダイアン
と会おうとする。
ただこの後の展開はダイアンの精神状態が幾ら不安定だとしても
リードがメイヴを助ける為にダイアンを好きだと言っているのは
明らかで、下手すれば三文演技・演出に見えてしまう。

メイヴと同じく認められたいということで褒め殺し作戦。
君の論文はジョナンソークの域に達している。
連邦政府は価値あるものを持っていると優遇する。この件でも
司法取引が出来る事を臭わせた。

・嘘がバレたのは何故だ?

そもそも最初から嘘だとバレていたのは明らかだけど、キスした
際にバレたのは舌を絡めなかったからなのか(笑)そもそも互いに
恋愛は初めてだとしているのだから、それくらいで嘘だとされる
のはちょっと違和感も有った。
せめてFBIのみんなももっと建物に近づいていつでも相手を射抜け
る体勢を整えて置くべきだったよな。

■その他

・ストーカーとして思い出すのは?

ガルシアとJJの会話の中でそんな会話が行われる。
ガルシアはロザンナ・アークウェットの名前を出した。JJは何で
芸能一家の中でも彼女の名前を出したのかと問うが、彼女に
インスパイヤーされた名曲がガルシアの少女時代によく聞いて
いた曲だったようだ。TOTOのRosannaとPeter Gabrielの
In Your Eyesだったとか。

■使用された曲

・Infinity Street by Richard Walters

■出演者

デビッド・ロッシ …… BAU創設に携わったベテラン
アーロン・ホッチナー …… リーダー
デレク・モーガン …… 爆弾処理が得意
スペンサー・リード …… ドクター
ペネロープ・ガルシア …… 解析
ジェニファー・ジャロウ …… 国防総省
エミリー・プレンティス …… BAU
アレックス・ブレイク …… S8新加入、大学教授

Dr.メイヴ・ドノヴァン …… メンデル大学遺伝子学者
ボビー・パットナム …… メイヴの元婚約者
ダイアン・ターナー …… ボビーの恋人
Dr.ローレンス・ベッカー …… メンデル大学教授
メアリー・ドノヴァン …… メイヴの母親
ジョー・ドノヴァン …… メイヴの父親

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