第3話 汚れた戦法 Two in the Knees
監督/Anton Cropper 脚本/Chris Downey
【これまでのあらすじ】
私がローガンサイドでも大丈夫か?とレイチェルはマイクに
問うと、マイクは私生活に仕事を持ち込まない限りは大丈夫
だと告げる。ローガンは欲しいものは手に入れると告げ
ギリス産業は好きにさせてもらうとマイクに宣言。バラバラ
にしてひっくり返してやると。マイクは決裂だとして書類を
投げて出て行く。ジェシカはジェフにもう恋人ではないとし
プロとして振る舞って欲しいと告げる。ジェフは仕事ランチ
も駄目なのか?とし食後にセックスする訳では無いという。
ギリスはムスコのフィリップを亡くしていた。そんな彼に
マイクはあなたに取って息子を亡くして以降会社が家族と
なったとし、僕も11歳の時に両親を亡くしたので家族を失う
気持ちは分かると告げる。証券取引所がいつから法律事務所を
脅すようになったのか?と問う。来週からウッドオールがウチに
来るからそうなったらだなとジェフ。
■ストーリー
レイチェルは徹夜勤務明けに帰宅。帰宅を朝待っていた
マイクは仕事なのかという。出勤まで少し眠らせて欲しいと
いう彼女にマイクは丸2日会ってもいなかったのだから5分だけ
話そうと語る。何を口走っても責任は持てないからねと彼女。
1) ローガンはまた取締役会のメンバーを狙っている?
2) 金はまだある?
3) 彼を愛して居た?
その質問にレイチェルは気になっていたのであれば早く聞いて
くれたら良いのにと語る。マイクは君が弱っている時の方が
良いかと思ったという。愛して居たけど今は違う・・あなた
を愛して居るというレイチェル。
4) どっちが振った?
私よとレイチェル。これ以上急ぎの質問でないなら後にしてと
彼女はベッドに倒れ込む。そんな彼女にマイクは今までで
5) 一番高い万引きしたものは?
6) 昔いじめっ子だった?
7) ポールダンスのレッスンに興味は?
と尋ねるが既にレイチェルは眠っていた。
ドナは出勤前マイクと会話する。マイクが自分の話をしようと
するが、ドナは自分の話を聞いて欲しい人を捜していたとし
語り足りないとして延々と会話する。ハーヴィーの話をしよう
ということでドナは最近彼はあるものを見つけたという。父が
出したソロアルバムのマスターテープを買い取ろうとして
いること。彼が亡くなってからずっと捜していたという。
ハーヴィーが人間味のあるヤツと言うつもりだろうとマイク。
私はこのままだとアリとフレジャーの戦いになると言いたい
だけとドナ。2人は兄妹みたいなのに対戦後フレージャーは
モハメド・アリを死ぬまで憎んだのだという。ボクシング
ファンだっけ?と言うマイクにハーヴィーのファンだという
ドナ。僕もだから全力で闘うというマイク。
レイチェルのオフィスにローガンが来ると話があるという。
僕は変わったとしあの頃とは違うという。当時は感情に流さ
れたが今は違う事。今後はもっと計算して動くけど構わない
か?と。イチイチ報告に来る必要はないとし、私は大人なので
不要な心配はしないでとレイチェル。
ハーヴィーの元にローガン。
あと18分でスティーヴ・マックイーンの車・シェルビーコブラ
を落札出来るんだというハーヴィー。ギリスが年金基金に
金を出したそうじゃないかとし勝ち取るのではなかったのか
と。やり返すのは分かって居たというハーヴィー。今回は
後ろから蹴りを食らったみたいだぞとローガン。君には状況が
分かっていないのか?とし彼らは軍資金の半分を使い今は
リングに立つのがやっと。僕はKOしたいんだとすると反則技を
使えというローガン。父がカール・アイカーンと争ったとき、
君は隙を見て彼の背後に忍び寄りぶちかましただろうと。
しかしハーヴィーはギリスの時とは違うという。ローガンは
ギリスの話ではなくマイクの話だろうという。
どっちにしろあの時の状況とは違うというハーヴィー。相手は
愛弟子だろうとし君は本当にやれるのか?と言われ、それなら
反則技でいくという。
ドナはルイスに声を掛ける。
自分が前にいた部屋を見るのはへんな気分だという。お詫びの
品を用意したのか?というドナに対してスコッチではなくバレエ
の最前列を2枚用意したという。気持ちが大事だと。
ルイスはジェフの元へ。
君とのスタートを間違っていた。罵り風刺画を描いて悪かった
という。水に流すよとジェフ。前に言われたことがあるのだ
とし行動には結果が伴うこと。だから仲直りがしたいという。
君を「ジゼル」に招待するよと。今夜2人でどうか?
ジェフはありがたいが今夜はニックスの試合が有る。欠かさず
に言っているのだという。「ジゼル」よりもバスケを取るのか。
ただ借りを返したいのだという。「私は常に黒字で居たい」
という。真っ黒・・・これは差別的な意味ではなくて・・と
ルイス。それならばアドバイスが欲しいとしジェシカのことで
と。今回の相手は証券取引委員のグリーヴス。僕は嫌われて
いるのだという。ジェシカに手助けして欲しいがどう頼めば
良いのか・・。するとルイスは私がジェシカの協力を取り付
けてくるよと。
ヴァーノンと食事するハーヴィー。
ヴァーノンは芽キャベツを食べるために呼んだのか?とし
ギリスのことだろうと。お金か。彼に対する融資を辞めること
についてですと。ハーヴィーは辞めなければオタクの銀行を
使っているピアソン・スペクターのクライアントたちはみんな
他の銀行に口座を移すという。そんなに買収したいのか?
エドされる覚えはないというヴァーノン。脅すならばこのよう
に言っているというと「応じなければ明日の朝には預金を
20億ドル失っている」と。「最低な男だな」という。
そこにマイクがやってくると、ここに居ると思ったとし
銀行を脅すときいつもこの店を使っているからだと。
■感想
こういっても何だけどみんな犯罪かどうかの所でスレスレで
闘っている状況の中、仲間同士の足並みの乱れ、そして
クライアントとの駆け引き、そして何よりも過去に恋人だっ
たり、現在気が有る相手だからこそ色んな感情が渦巻いて、
そもそもの本質である「ギリス産業」は本当に互いにとって
必要で拘りのあるものなのかということが分からなくなり
そうな状況だった。まぁ財政の悪化から狙われやすい企業で
はありそうだけど、感情を抜きにしていればとっくに妥協の
末に和解が成立していそうな案件でもある。
感情は抜きにして・・というプロに徹しようとするスタッフ
たちの光景が有るけれど、言葉とは裏腹に実際には感情の方が
大きく膨らみ、そのしがらみたるや本当に複雑な様相を
呈してきた。
ルイスは前回ジェシカともの凄い抱擁をしたことで順風かと
思わせた。しかしマローンはルイスを利用したことで、
結果として対立関係を煽ってしまう。ジェシカが私情を挟んで
雇ったのが悪いのか。それとも気持ちを持ちつつ仕事は
するけど恋愛も手放さないというマローンが悪いのか。
マイク、ハーヴィー、レイチェル、ローガンの件はもっと
複雑になった。
この4角関係のしがらみめいたものは言葉ではプロに徹する
ことが出来るとしたけれどそう簡単なものではない。
■やり方の汚いものたち
やり方が汚いというのもあるけど誰もが基本的にエゴ全開
で自分がやっていることは正しく、相手がしていることは
汚いという自分中心の流れが有ることが全てだったな。
・ハーヴィー
銀行家に対してギリスへの融資を辞めないとクライアントの
資金を移動させると脅した。
マイクはその作戦を読んで止めたけど、その作戦を知っている
のは今まで自分がハーヴィーにやらされたり自分がその作戦
を使っていたから。
それが駄目だと分かるとギリス産業のCEOのウォルター本人
に直接会い、ウォルターの息子のフィリップの死因がドラッグ
のやりすぎによる自殺だったことを受けて過去の経歴に
於けるマイクが売人だったことを暴露する。
ただこれはマイクを助ける為にこの時点でハーヴィーは
マイクの経歴詐称によるデススパイラルの流れを止めようと
した行動だったんだけどね。
「君はまさに人間のクズだ」
「確かにクズだが今言ったことは全て本当です。」
・マイク
ハーヴィーの作戦は知っているとばかりに銀行家への融資
作戦を止めさせた。
止めさせたのは脅されている銀行員に対して「大陪審」を
口にして脅して止めたこと。
7ヶ月前にリーズ銀行をやっつけた際にマイクもここにいて
協力して倒しているのだ。
その後ハーヴィーがウォルターに密売の件を暴露した事で、
マイクはオフレコ的なドナとの雑談の中でハーヴィーが欲し
ているものを買い取ってしまう。
エイミーに探偵を雇いローガンの過去を暴けと命じる。
マイクがハーヴィーの元に乗り込んだ際に、ハーヴィーは
オレが君のヒザを撃って顔を守ってやったんだと語るも、
マイクもまたハーヴィーを「人間のクズ」扱い。
マイクはハーヴィーに
「僕がハーヴィー無しで成功しているのが不満なんだろ」
とまるで勘違いも甚だしい事を語っていたが、そんな挑発に
ハーヴィー自身も
「オレがいなければ君は何の価値も無い」
と語ってしまったことで止められなくなった。
・ローガン
ギリス産業の件は何処まで本当に求める企業なのかは知らない
が、マイクがレイチェルの現在の彼氏だということを知って
拘っているところが有ったのは確かだろう。
ローガンはマイクの暗部を探偵に雇って暴露させて新聞に
掲載させようとする。
・ジェフ・マローン
ジェシカと付き合いたいがルイスとの友情を利用して、色々
と彼女と仕事をしようとしたり、ゲイを装って仕事から外さ
せたりとちょっぴりコメディチックだったけど最後には
ルイスが怒りをぶつけたことでビシっとなる流れが有った。
・レイチェル
過去のローガンとの不倫の件で偽証している。そしてマイク
にも当時の偽証のことを正確には話せずに居た。
■戦いの構図に挟まれるものたち
この流れは止めようとすればいつでも間に立つ人物が居たよう
に思う。
例えばマイクとハーヴィーの戦いではドナがマイクに話しても
良かったハズだし、レイチェルが最後にハーヴィーに頼まれて
伝言以上のことをやり遂げた。
・優しさは言葉にしないと伝わらない
レイチェルがマイクに全てを話さなかったのは嫉妬させたく
ない思いも有ったのだろうし、ローガンという人物は
語ることも無い程の「人間のくず」だったこと。
自分は変わったとしていたけれど、より悪い性格になって
戻って来たというレイチェルの言葉に絆されたか。
マローンが語っていたダルトン・フォスターという保険詐欺
事件の容疑者に於いて、立件できなく取り逃したダルトンが
結果として半年後に再び保険金詐欺で人を後ろからバッド
で殴って殺したことを語っていた。
レイチェルもローガンとは別れて三ヶ月目に、復縁する為に
利用されている。
■その他
・ジェシカの本音は?
この地区で女性のパートナー弁護士が地位を築いているのは
自分だとしてオピニオンリーダーとしての役割を担っている。
これは「グッド・ワイフ」のアリシアにも通じるところが
あったりするし、女性の職場環境をよくしようとして闘って
いるものにとっては難しいところだ。彼女の場合、黒人という
ハンデも背負っているからね。
ジェフはジェシカに恋人関係がばれるわけがないとしている
けれど、この流れはマイクが経歴詐称している流れと似て
いってしまう可能性はあるぞ。既にドナにはばれている訳
だしね。
それに関連したルイスとドナのやりとりは面白かった。
「会議中に肩を揉まれた。体中だぞ。含みのある言葉を
使っていた。腹にイチモツあるって言った。3回もだ」
「最近スポーツ選手のカミングアウトが流行っている。」
「好きなスポーツはバスケ・・・「タマ」だ」
「気をつけて、特に「後ろを」」
「彼はどうしてあなたをゲイと?ノンケなのに・・」
「に九坊を食べていると言ったからかも」
・ルイスはショック
利用されたことを受けてルイスはショックを受けて居た。
珍しく激高しているルイスの姿が有ったけど、確かに
ジェフのやり方は汚すぎたな。
ただルイスは相手のことは何も知らないのに親友気取りになる
というのもどうかと思う。寧ろルイスは猫好きのイギリス人
のナイジェルとか別れてしまったけど趣味の会う元婚約者
のシーラ、そして何よりも趣味が合うドナの方が気が合う
よな。
・いよいよウッドオールの攻撃?
クライアント7名が一気に召還されるという。
こういう時にこそルイスという金融に強い仲間が必要なんだ
けどね。
■使用された曲
・Greenback Boogie by Ima Robot
・Bubble Games by Magic Bronson
・After All Is Said and Done by Junip
・Pulsing: Tired Lungs by Kiev
・Corsicana by The Antlers
・How It Feels by James & Evander
■出演者
マイク・ロス (Patrick J. Adams) 記憶力が天才的、SIGへ転職
ハーヴィー・スペクター (Gabriel Macht) 弁護士、シニアパートナー
ジェシカ・ピアソン (Gina Torres) 弁護士事務所”ピアソン”経営
ルイス・リット (Rick Hoffman) 弁護士、ハーヴィーのライバル
レイチェル・ゼイン (Meghan Markle) パラリーガル
ドナ・ポールセン (Sarah Rafferty) ハーヴィーのアシスタント
ジェフ・マローン (D.B. Woodside) 証券取引委員から転職
ローガン・サンダース (Brendan Hines) ハーヴィのクライアント
エイミー (Melanie Papalia) マイクの秘書
ウォルター・ギリス (Michael Gross) ギリス産業CEO
ヴァーノン・シムズ (Brendan Wall) 銀行員
アリソン・サンダース (Rebecca Dalton) ローガンの妻