第5話 喜劇の弁護士 Pound of Flesh
監督/Christopher Misiano 脚本/Daniel Arkin
【これまでのあらすじ】
僕らを追っているのはウッドホールじゃない。ショーン・
ケイヒルだというハーヴィーとマローン。証券取引委員会
は変わった・・法律事務所に厳しくするというケイヒル。
マイクはフォースマンに接触するとハーヴィーに復讐したく
ないかと告げる。すると彼は2億3千万を出すという。ただし
シドウェルを取引から外すよう要求する。マイクはエイミー
に対して一人で残りたくないって言ったのは本音かと思った
とするがエイミーはその通りだがボスを裏切るなら話は別
だという。フォースマンは見返りもないのに金を出すような
男ではないというハーヴィー。他に手がないというマイク。
レイチェルはいつまでも貸し借りを繰り返すのかとローガン
に告げると僕の弁護士になってくれないかという。一人では
出来なかったことだと。
■ストーリー
レイチェルはローガンからの電話で目が覚める。
時計を見ると9時を過ぎていた。マイクに対して目覚ましを
止めたのかとするともう9時を過ぎてしまったことに憤る。
しかし6時間も寝ていない彼女にそれでは睡眠時間が足りない
事を語る。勉強と仕事の掛け持ちでろくに寝ていない・・体
に悪いよとマイク。レイチェルは余計なことはしないでとし
準備書類など作らないといけないし、明日は契約法のテスト
で寝ている余裕はないという。ハーヴィーに頼んで一日休み
をもらいなよと言うとあなたは働き過ぎて休みをもらった事
は有るのか?と。私も甘えたくはないのだというレイチェル。
・法廷
判事(Alan Rosenthal)はジェイミソン氏はコネティカット州
の連邦刑務所に於いて再勾留にすると判決を出す。
弁護士(Lisa Messinger)とショーン・ケイヒル
(Neal McDonough) が代理人として戦っていた格好だった。
そこにハーヴィーが近づくと上訴したければオレに連絡を
くれと被告に告げる。彼は規則をねじ曲げるって噂の男だ
としてケイヒルを非難する。君は悪名高いハーヴィー・スペ
クターだろうと。ウッドオールに頼まれて俺を狙っている
マヌケ野郎だなとすると、クライアントにオレのことをチク
らせようとするのは止せとしウソ製造器呼ばわりする。
君が疚しいことをしていないならクライアントに聴いても
何も無いだろうとケイヒル。あんたがデタラメを言わせない
限りはなと。裏でコソコソしているのは知っているとし不意
打ちは無駄だという。私がいつ何処から攻撃しようとして
いるのか分かるのか?と問うと、先手を打って撃沈させてやる
というケイヒル。私をKO出来ると言うのかというケイヒルに
もちろん出来るというハーヴィー。ウッドオールをクビに
した・・あんたもクビになりたくなければウチのクライアント
には手を出すなとハーヴィー。私はそうは行かないぞ・・
“ハーヴ”と。
マイクの元にエイミーが来る。
話を聞こうか?とすると相当落ち込んでいるからだという。
今それならシドウェルを裏切りを打ち明ける時はどうなると?
という彼女に対して、裏切らずに済むかもとマイク。
今はまだフォースマンから金を受け取ってはいないとしハー
ヴィーに買収を諦めさせれば金は必要無くなるという。フォー
スマン(Eric Roberts)の資金があると思わせて説得するのね
と彼女。しかし向こうにも金は有ると。マイクは【一時的停止
命令】が出てるという。来週には解除されるというエイミー。
今こちらが買える株はないというエイミー。
「ウェクスラー社ファンドを統合」の記事を見せるマイク。
これが何か?という彼女に、【彼らは投資戦略上一つの業界で
4%以上の株は持てない】。株の一部は売るわねと。でもそれが
ギリス産業と言えるか?という彼女に計算したとし僕ならば
そうすると。ハーヴィーは素直に応じるか?と彼女。
ハーヴィーの元にマイク。
このビルを丸ごと買えるだけの金は持っているという。
何をしに来たのか?というハーヴィーにマイクは助言をくれ
たからお礼に僕も助言に来たという。もう手を引くべきだ
としそっちは負けるというマイク。端した金が入った位で
オレに勝てると思うなんて教育が足りないかったかと
ハーヴィー。バックには世界的な投資家が居るというマイク。
後ろから刺されるのがオチだと。ローガンはこの条件で
手を引くように伝えて欲しい。【弁護士の独断で手を引く
のは違法だよ】と。指示を受けているとし取引はしないと
いうハーヴィー。どうせ金はまだもらっていないのだろうと。
ヤツに何か強要されているからオレに早く手を引かせたくて
来た・・金を持っている振りをしてとハーヴィー。自分の
逃げ道が欲しいんだろうが逃げ道はやらないというハーヴィ
ー。
ジェシカはハーヴィーの元へ。
今朝ケイヒルに逢いに法廷に行ったのか?またマローンに
任せろと言うんでしょとハーヴィー。自ら標的になったのね
とジェシカ。ウェクスラー社の株を合法的に買う為に
マローンにインチキさせるつもりでしょと。
新聞くらいはマイクも読んでいるわとジェシカ。その株を
狙っている事。和解しに来たからマローンと話そうと・・
やるなとは言っていないという。マローンには私から頼む
わと。嫌がろうと関係無い・・やらせるというジェシカ。
■感想
ハーヴィーに降りかかっている事態は思っている以上に
深刻そうだ。マイクとの戦いに負けるのは良いけど証券取引
委員とのやりとりはかなり不気味に写る。
自分はこれまでの中でハーヴィーたちが法に触れるような
酷い弁護をしてきたのかなと思う所も有ったので(マイクの件
はともかく(笑))、そこまで追求されるとは意外かな。
まぁハーヴィーも自分で言っていたっけか・・ここまで
自分たちが連戦連勝して大きくなれたのは汚いことをしてきた
ようなことを。
そんな彼らに敵が沢山居るって言うのは明らかだし、今回の
ルイスがテーマ性を語っている様に舞台に上がる役者が
「観客の下に見る」複雑な心情を、法律家たちがクライア
ントや敵対する相手、そして部下たちに対して敬意を持って
接しているのかどうかで、敵のプライドや心情を逆撫でして
不必要に問題を作ってしまうところも有るのだろう。
ドラマの内容はこのシーズンを通して描かれている
個人の付き合い・信頼関係に対して存在している組織として
の職務との間で揺れ動く関係は見ての通りだけど、それは
このシーズンだけのものではないのかも知れない。
■ついて良いウソ・悪いウソ
ルイスの流れは見ていてホノボノとしていてルイスやドナ
という人物を掘り下げるには十分なものがあるのだけど、
レイチェルに降りかかっている事態と対比してしまうと、
もう少し働けって感じも受ける(笑)
「ヴェニスの商人」のポーシャ役をやることになったドナ。
セリフの数は588、公演は今夜。
そもそもドナに突然そんな演劇の話が舞い込んでくるって
時点でウソだと気がつかないのかな。秘書はボスが帰る
前には帰宅出来ないと思うので劇団に入れるとも思えない。
ドナがルイスを元気づける為にとった行動。
ドナが彼のことや事務所に於ける状況・人間関係をよく
把握しているからこそのものですよね。
ウソには良いウソと悪いウソがあるというけれど、
ドナがついたウソは良いウソの方だ。
ルイスも自分を騙して観客を騙して演じようとする。
これまで逃げてきた過去。
「舞台恐怖症」に陥った原因は小三の頃に奥歯役をやりたか
ったルイスは歯垢役に。肌色の全身タイツを着てクライメイト
にまとわりついたが故に観客席の親は大笑い。翌年には良い役
で舞台に立つことが出来たがトミー・ギャラップという生徒
が歯垢だと叫び爆笑。舞台の最中でおもらしして逃げ出した
という。
一方ドナも過去を語っていた。どこまで本当なのか分からない
けど父親は彼女が13歳の時に破産。その時の苦労を見てたから
夢を追うことを諦めてこの仕事に就いたこと。
自分は弁護士ではないとドナは語るけど、ルイスは彼女の
ウソに気がついた後にもその優しさから許すことが出来た
し、彼女も弁護士になれることを語った。
・ドナの本名
かつてルイスはドナのミドルネームを気にしていたことが
無かったっけか。ルイスは知りたがっていたような記憶が
有るけれど、ドナ・ヴィクトリア・ポールセン!とルイスが
語るとミドルネームはロバータだと語った。
自分の過去をさらけ出せた今、二人は本当の意味で友達に
なったのかも知れないね。
■ついて良いウソ・悪いウソ
真実なのかウソなのか。白黒ハッキリさせようということが
有るけれど、その間にはグレーゾーンという曖昧なものが
存在する。実に厄介だ。
相手の事を信頼していればそのグレーゾーンは限りなく白に
近づくし悪意を持って見れば黒にも近づく。
法曹界の世界はグレーゾーンの連続なんだろうね。
それだけ解釈というのは難しい。
今回は上司命令でジェシカはピードモンド社の株式を買う
為の裏技を模索する。
その過程でマイクもハーヴィーも探り合い。特にマイクは
嘘をついてハーヴィーに揺さぶりをかけた。
・マイクは悪人なのか
今まで生きる為に色々と悪い事をしてきた彼。
今回の彼はハーヴィーの忠告通りにフォースマンの金は受け
取らないようにしてハーヴィーとの駆け引きに挑んだ。
当然ながらあっさりと見破られてしまう。
更に株の購入のために上司のシドウェルにウソにウソを重ね
て出資金を得ることとなった。
ブレッカーが持っているギリス産業の株を巡り、ダークプール
で取引することになる。入札合戦・・競売。
誰が相手か調べるとマイクは過去にハーヴィーが使っていた
ペーパーカンパニーを通して株を購入すること。
これまでマイクも使って来た手であるし、結局ハーヴィー
だけを責めるのは無理が有る。
先日のルイスの件でも感情を利用する為に彼はシーラを使って
嘘をついている。
・レイチェルが倒れる
レイチェルはコロンビア大で倒れてしまった。
病室になかなか入れてもらえなかったので、レイチェルは
本当にあの病室にいるのかと思わず疑ってみた。
ただこの流れでは入札に関して、ハーヴィーは抜け駆けしない
としていたのに、会社としてはジェシカが命じて購入して
いる。
直前に二人が和解してステーキを食べに行った時には「お互
いの仕事を・・」なんて言い合っていたものだから、
変なフラッグもビンビン伝わってくるものが有った。
ハーヴィーは出来もしない約束をマイクにしてしまった。
ジェシカはマローンにも同じことを言っていたけど、
「クライアントが第一、取り消しはしない」
ハーヴィーはマイクにその事実を伝えに行く中で、
「すべきことをしろ」と言った言葉は気になるね。
やはり法廷で戦うことは避けられないのか?
自分はギリス産業を守るマイク側にはどれだけの利益が得ら
れるのかよく分からないんだよな。
・潜在化のレイチェルの心情
ベッドで夢を見た彼女はローガンからのプロポーズの時の事
を思い出し、そしてあなたはずっと詐欺師だからという返事
の時にはその顔はローガンではなくマイクだった。
マイクとの関係が難しくなっていることは明らか。
■その他
・花を届ける
レイチェルはオフィスにローガンからの花が届いている事を
知る。
ハーヴィーはドナに対して千秋楽には見に行くとして
シェイクスピアに興味はなくても「ドナのファン」だという
言葉を使う。先日のエピソードでドナは「ハーヴィーのファ
ン」という言葉を使っていたのでフィードバックされたようだ。
■使用された曲
・Greenback Boogie by Ima Robot
・End Credits Theme
Written by Christopher Tyng
・All I Want by Dawn Golden
・Drive You Home by The Donnies The Amys
■出演者
マイク・ロス (Patrick J. Adams) 記憶力が天才的、SIGへ転職
ハーヴィー・スペクター (Gabriel Macht) 弁護士、シニアパートナー
ジェシカ・ピアソン (Gina Torres) 弁護士事務所”ピアソン”経営
ルイス・リット (Rick Hoffman) 弁護士、ハーヴィーのライバル
レイチェル・ゼイン (Meghan Markle) パラリーガル
ドナ・ポールセン (Sarah Rafferty) ハーヴィーのアシスタント
ジェフ・マローン (D.B. Woodside) 証券取引委員から転職
ローガン・サンダース (Brendan Hines) ハーヴィのクライアント
エイミー (Melanie Papalia) マイクの秘書
ショーン・ケイヒル (Neal McDonough) 証券取引委員
チャールズ・フォースマン (Eric Roberts) 投資家、悪人
ジョナサン・シドウェル (Brandon Firla) SIG(シドウェル投資グループ)
ブレッカー (Brendan Beiser) ピートモント社