第6話 マグカップの救世主 Litt the Hell Up
監督/Silver Tree 脚本/ Rick Muirragui
【これまでのあらすじ】
僕らを追っているのはウッドオールではない。ショーン・
ケイヒルだ。エリックの時は上手く行ったのかも知れないが
私はそうはいかないとケイヒルはハーヴィーに告げる。マイク
は秘書のエイミーに一人で残りたくないと言ったではないか
とするが、ボスを裏切るなら話は別だとという。フォースマン
は見返りも無いのに金を出すような男じゃないとハーヴィー
はマイクに忠告するが他に手がない事を告げる。
君には怪しい買収競争をしている・・彼の恋人が君の部下だ
とハーヴィーとマイクに語るケイヒル。結託しているとでも
言うのか?レイチェルはローガンに対していつまで貸し借り
するのか?と問うとローガンは僕の弁護士になってほしいとし
一人では今回の件は出来なかった事を語る。
■ストーリー
ルイスはご機嫌な顔をしながらマグカップを配って回る。
ヘンリー、アイゼンハイム、ブライスマン、そしてジョンソン。
ドナは私にもリットマグカップがもらえるのかと語ると
ルイスは君には特別なもの・・これは「聖なる杯」だと。
カップの中からはジュディ・デンチがオフィーリア役で
つけた首飾りのレプリカが入っていてそれをプレゼントする。
ドナは値段を気にするが舞台恐怖症が治ったのだから安い物
だよと語り礼には及ばないという。ハーヴィーにもあるが
フォースマンのことでまだ腹を立てていると語る。少しでも
何か出来たら・・というと、ドナは私が何とかすると語る。
エイミーはマイクに対してシドウェルが呼んでいる事を語る。
フォースマンが夕べ金を渡していたとし裏切りがバレタのか?
確かめてくるというマイク。
レイチェルはタクシーに乗るとローガンの元へ向かう。
シドウェルはマイクが来ると何か言う事は無いのかと問う。
説明してくれとすると、シドウェルは自分の方から”証券取引
委員会から今電話が有った。ハーヴィーとの共謀の疑いが
ある”とのことだと。マイクはあり得ないとして否定する。
それならどうして一昨日の株を買う筈だったのに彼と飯を
食べていたのか?何を企んでいるのか正直に言えというシド
ウェル。証券取引委員会が言いがかりをつけているんだという
マイク。そいつのことは良くワカランが君が何かを隠して
いるのは分かるというシドウェル。フォースマンから金を
受け取っていないし株も買っていない。新人でも買えたこと
だという。アレは意図的じゃないとし恋人が入院したから
だという。レイチェルが学校で倒れ病院でハーヴィーと逢った
から延期しただけだという。それなら報告しろとし、他に何か
隠している事があるなら今言えよと言われるが、マイクは無い
と語る。
レイチェルはローガンからもらった花の中に”退院おめでとう”
とのカードが入っていた。
【回想:アリソンは今友達と食事をしているがそろそろ解散
だというローガン。レイチェルは私たちは仕事中よと語る
と仕事はしていないという。君と居る為にコツコツ仕事の
振りをしているだけだというローガン。私はそんな風に思い
たくない。奥さんも友達といる・・あなたも友達と居たら
どうか?とレイチェル。僕らは友達なのか?本音を言うと
それ以上の関係になりたいという彼女。それ以上はマズイ
というローガン。本当にそう思うならあなたはここに来てい
ない筈。私たちに逢った瞬間お互い惹かれ有った。私には
分かるというレイチェル。】
そんなことを思い出しながらレイチェルはローガンの元に行く。
今日はハーヴィーとの会議でしょ?と言うと事務所に来る前
に話をしたい。あなたは分かって居ないから言いに来たのだ
という。私には恋人が居るだから私にいつまでもつきまとわ
ないで・・花を贈ったり見つめたりキスしたりするのは辞めて
と語る。ホントの理由は他に有るんだろう。それはお互い
分かって居る・・違わないとローガン。逢った瞬間に惹かれ
有ったと言ったのは君だ。嫌なら言ってくれれば辞めるとして
キスしてくると一度はレイチェルはディープなキスに応じるが
我に戻ると駄目だとして帰る。
「リットされたぞ!」カップ。
ドナはハーヴァーにカップを置いて言った為に何なのかと
告げる。ルイスからのプレゼントだと。何でそんなものを
オレに渡すのか?フォースマン以来口を利いてもらえないから
反省の印よと。マイクにはフォースマンという40億ドルを
持つスポンサーが出来てオレとローガンは次の作戦を
立てても後2週間は動けないのだという。ルイスがマイク
にシーラの件でダマされたからだと。くだらんキャッチアップ
のカップをもらったって問題が全て解決するのか?逆に問題は
増えたのだという。ドナはそれはそれで良いとするなか、
私が言いたいのはさっきローガンが証券取引委員に連行された
ことだという。
ハーヴィーはケイヒルとローガンの元へ。
オレを抜きでクライアントと話すとはどういうことだという。
あんたは彼を連行する権利はないという。しかしケイヒルは
私は政府から権利を与えられているという。何故共謀のこと
がバレないと?ケイヒル。ハーヴィーはしていないという。
彼は君とマイクがデートしたのを知っているのか?私が思うに
ハーヴィーとマイクは君がギリス産業の株を格安で買えるよう
に仕組んだのだという。ハーヴィーはデタラメだと語る。
何故競売の準備だけで最終的にローガンが株入手出来る
ようにした?とケイヒル。連行は彼に話を聞かせる為だろう
と。
ドナはレイチェルの元にいく。
するとドナは一体何が有ったのか?と問うドナ。今日は学校が
あるからローガンとの会議には出られないとハーヴィーに
伝えてという。会議はないとしローガンは連行されたのだから。
そんな筈はないとしさっき彼と逢ったという。自宅で連行され
たのに彼と家で逢ったのか?と問うとレイチェルにどういう
ことなのかとドナは尋ねる。
■感想
何だか個人的な事情でクライアントとの関係に不利益を
与えている所か、事務所まで危険にさらすという恐ろしい
流れが至る所で散見する。
弁護士といえば情け無用の感情の無い無慈悲な存在だと思って
いるが、こと自分の身の回りのことになると感情的な思考が
必要以上に残っている。
相手のこと、パートナーのこと、事務所やクライアント
のこと、至る所で信用に足る人物なのかが疑われて、それを
誤魔化せば誤魔化すほどに悪循環のスパイラルに陥っていく
ところが実に恐ろしいまでに描かれている。
やはりこのドラマの根源にあるのはマイクとレイチェルと
ローガンの関係だ。この三人が事務所に不利益を与えているし
ハーヴィーさえも陥れようとしているのではないかという
感じがする。
恋愛に於いて自らの優位性を誇示するのは男としてのプライド
なんかが左右するのかな。
力があるもの、立場的に強いもの、状況的に有利なものたち
は逆に窮地に陥っているものたちの行動や心理状況が手に
とるようにして分かってしまうんだよね。この辺は頭のキレ
がいい人達だからこその事だけど、みんながよかれと思って
行動を起こす度に全てのことが凄い勢いで反証されてくる
ところが怖い(笑)
■恋愛は引きずるものだな
レイチェルとローガンの別れ方ってやはり中途半端な形で
終わってしまったところもあるのだろう。そもそも出発点が
悪かったというのもあるけど。
今回は一刻も早くギリス産業の件から手を引いて証券取引
委員会からの追跡をかわしたいところだったが、その流れ
を知ってか知らずか、みんな身勝手な行動で動いている。
それがどれも行動を起こそうとしている人の足枷になって
しまっているところが上手く出来ていたりするんだよね。
■それぞれのエゴ
・ジェシカとハーヴィーはマローンに命じてグレーゾーンで
ギリス産業の株を購入しようとした。
・ジェシカはハーヴィーに内緒で勝手にギリス産業の株を
購入してしまった。
・ジェシカはマローンを信用せずルイスを利用して内緒で
解決策を見出そうとした。
・マイクはルイスの恋愛的傷口に塩を塗り買い付け禁止措置
を取った
・レイチェルはローガンに気が有るのに嘘をついている。
・ケイヒルはハーヴィーに揺さぶりを掛けるために違法な
捜査に手を染めている。
・マイクはフォースマンを利用しシドウェルを騙して取引した。
・妥当な取引だったがレイチェルはローガンとの関係を
遠ざける為にハーヴィーをローガンのクライアントから
引きはがしてマイクと近づけようとした。
・フォースマンに取引しようとしたがルイスが勝手に株を
売り払ってしまいハーヴィーが恥を掻くことになる。
・ウソにウソを重ねることによる弊害
ウソにウソが重なると少しずつ風船に空気が溜まり、徐々に
パンパン腫れていくようなものだよね。
ちょっとした針でもあれば爆発力を発揮してしまうような
ものが存在していきそうだ。
その片鱗が見え隠れしていたのが今回はルイスとマイク。
報われない兵士としてずっとシニアパートナーであるにも
関わらずハーヴィーにはバカにされてきたことでそれを
解き放とうとする。その結果ルイスは嘘をついて問題解決
に乗り出してしまった。本来ならばハーヴィーにダメージ
を与えるはずだったけど、結局ハーヴィーからは褒められて
しまい、オマケに「フォースマンをリットしたな!」と
彼から言われた。その裏にはケイマン諸島やスイス銀行を
使った脱税の流れがある。
そして優位に立ったと思っていたマイクは欲をかきすぎた
ところも有ってとんでもない付帯条項を色々と突きつけて
来た。しかしこれはレイチェルのエゴによってマイクに
吹き込んだことだけどね。
■後の祭り
結果を顧みずに行動を起こす人が多いな。
そもそもの問題は何なんだろうか。
段々と最初に有った問題が何かが分からなくなっていきそう
だ。
しかし今回言えるのはレイチェルが自分の過ちを隠そうとして
誘導したところにあるように見えるな。
またこういう時に限ってカトリーナがルイスの背中を押して
しまうところも有って、株を勝手に売ってしまったこと。
全てはジェシカの命令なんだけどね。
結局マイクはギリス産業の株も守れず、そしてシドウェル
からは信用を失い、フォースマンとの関係も微妙になった。
「地獄に行け」と言ったけど、結局マイクは首になった後は
何をするのだろうか?
マイクほど数字に強ければ何でも出来そうだけどね。
レイチェルからも死の宣告を言われそうだしマイクに未来は
あるのか?
・困った時のフォースマン
まるで困ったものたちが映画「ゴッド・ファーザー」の
ドン・コルレオーネを頼りに集まってくる構図に似ている。
流石にフォースマンがそこまで風格はなかったけど(笑)
一番最初にフォースマンの元に訪れたのはマイクだったけど
その後ハーヴィーが訪れ、ルイスが訪れた。
一番嫌っているものの元に行く程に窮地に陥っている状況
というのが分かるな。
■使用された曲
・Greenback Boogie by Ima Robot
・End Credits Theme
Written by Christopher Tyng
・Crazy by Daniela Andrade
・For My Help by Hayden Calnin
■出演者
マイク・ロス (Patrick J. Adams) 記憶力が天才的、SIGへ転職
ハーヴィー・スペクター (Gabriel Macht) 弁護士、シニアパートナー
ジェシカ・ピアソン (Gina Torres) 弁護士事務所”ピアソン”経営
ルイス・リット (Rick Hoffman) 弁護士、ハーヴィーのライバル
レイチェル・ゼイン (Meghan Markle) パラリーガル
ドナ・ポールセン (Sarah Rafferty) ハーヴィーのアシスタント
カトリーナ・マローン (Amanda Schull) ルイスのアシスタント
ジェフ・マローン (D.B. Woodside) 証券取引委員から転職
ローガン・サンダース (Brendan Hines) ハーヴィのクライアント
エイミー (Melanie Papalia) マイクの秘書
ショーン・ケイヒル (Neal McDonough) 証券取引委員
チャールズ・フォースマン (Eric Roberts) 投資家、悪人
ジョナサン・シドウェル (Brandon Firla) SIG(シドウェル投資グループ)